77 / 79
嵐の夜4
しおりを挟む
空腹に突然炭水化物や甘い炭酸を入れたからであろうか。
隼は段々と眠たそうな動きをする。
「隼、眠いか?」
俺は隣で目を細めモゾモゾと動く隼にそう聞く。
隼はトロンとした目を向けて、「大丈夫…」などと言う。
なんだろう……
この、久しぶりに感じる胸のざわめきは。
俺はそんな自分の違和感を抑えつつ、隼が飲み切った缶を何気なく手に取った。
「……え、これノンアルコールじゃないか」
俺は驚きの余り、つい口に出した。
なんと俺と隼が飲んでいたジュースのようなものは、ノンアルコール飲料だったのだ。
「そーなの……?でも、ノンアルなら…お酒入ってないんじゃないの?」
まだ眠そうにしながらふわふわとした声で隼が聞いてくる。
「いや…確かにほぼゼロだが、ほんの数%は入っているはずだ」
「そうなんだあ……」
もしかしてこいつ……
「隼、お前ノンアルで酔ってるのか?」
とにかくフワフワ。もうフワフワだ。
そんな形容しかできない様子の隼が隣にいる。
信じ難いが……隼はきっと、このノンアルを飲んで酔っているのだろう。
「お前、相当酒が弱い体なようだな」
フワフワしている隼が可愛くて、思わず揶揄うように言ってみる。
「うーん……たしかに俺のかぞく、みんなおさけよわいね……」
「そうか。まあアルコール耐性は遺伝すると言うからな」
「うんー………」
「しっかりしろ隼。まだ歯も磨いてないし着替えもしてないだろう」
「だあいじょうぶだってばー…ちゃんとするから」
「大丈夫なわけあるか。ほら、ちゃんと立て」
フラフラしながらソファから立ち上がろうとした隼を見て、俺も咄嗟に立ち上がり支えようとした。
その時…………
ガタガタッッ!!!
一瞬の出来事に、俺は何が起こったか分からなかった。
隼は段々と眠たそうな動きをする。
「隼、眠いか?」
俺は隣で目を細めモゾモゾと動く隼にそう聞く。
隼はトロンとした目を向けて、「大丈夫…」などと言う。
なんだろう……
この、久しぶりに感じる胸のざわめきは。
俺はそんな自分の違和感を抑えつつ、隼が飲み切った缶を何気なく手に取った。
「……え、これノンアルコールじゃないか」
俺は驚きの余り、つい口に出した。
なんと俺と隼が飲んでいたジュースのようなものは、ノンアルコール飲料だったのだ。
「そーなの……?でも、ノンアルなら…お酒入ってないんじゃないの?」
まだ眠そうにしながらふわふわとした声で隼が聞いてくる。
「いや…確かにほぼゼロだが、ほんの数%は入っているはずだ」
「そうなんだあ……」
もしかしてこいつ……
「隼、お前ノンアルで酔ってるのか?」
とにかくフワフワ。もうフワフワだ。
そんな形容しかできない様子の隼が隣にいる。
信じ難いが……隼はきっと、このノンアルを飲んで酔っているのだろう。
「お前、相当酒が弱い体なようだな」
フワフワしている隼が可愛くて、思わず揶揄うように言ってみる。
「うーん……たしかに俺のかぞく、みんなおさけよわいね……」
「そうか。まあアルコール耐性は遺伝すると言うからな」
「うんー………」
「しっかりしろ隼。まだ歯も磨いてないし着替えもしてないだろう」
「だあいじょうぶだってばー…ちゃんとするから」
「大丈夫なわけあるか。ほら、ちゃんと立て」
フラフラしながらソファから立ち上がろうとした隼を見て、俺も咄嗟に立ち上がり支えようとした。
その時…………
ガタガタッッ!!!
一瞬の出来事に、俺は何が起こったか分からなかった。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
さがしもの
猫谷 一禾
BL
策士な風紀副委員長✕意地っ張り親衛隊員
(山岡 央歌)✕(森 里葉)
〖この気持ちに気づくまで〗のスピンオフ作品です
読んでいなくても大丈夫です。
家庭の事情でお金持ちに引き取られることになった少年時代。今までの環境と異なり困惑する日々……
そんな中で出会った彼……
切なさを目指して書きたいです。
予定ではR18要素は少ないです。
[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます
はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。
果たして恋人とはどうなるのか?
主人公 佐藤雪…高校2年生
攻め1 西山慎二…高校2年生
攻め2 七瀬亮…高校2年生
攻め3 西山健斗…中学2年生
初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!
キミの次に愛してる
Motoki
BL
社会人×高校生。
たった1人の家族である姉の由美を亡くした浩次は、姉の結婚相手、裕文と同居を続けている。
裕文の世話になり続ける事に遠慮する浩次は、大学受験を諦めて就職しようとするが……。
姉への愛と義兄への想いに悩む、ちょっぴり切ないほのぼのBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる