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嵐の夜1
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「おじゃまします。」
大学1年生の6月。
俺は部活の帰りに、隼と雨宮が二人で住んでいるというアパートの一室に招かれた。
「狭い部屋でごめんね!今飲み物出すから、そこのソファに座ってて」
隼は俺にそう指示を出して、俺の座るソファからすぐ見える位置にあるキッチンへと向かった。
「すごく片付いてる部屋じゃないか。物の配置の仕方も、よく考えられている」
「そうかな?引っ越してきたばっかりの頃は、二人で相当悩みながらインテリアとか揃えたからね~」
隼はそう言いながら2つのコップを載せたトレーを運んでくる。
俺が思わず口に出した通りこの部屋は、見ているだけで2人の仲の良さや生活がキチンとしていることを感じさせる。
隅々まで掃除された部屋。
多すぎず少なすぎない物の数。
所々にセンスよく置かれる装飾品。
日用品も、洒落た箱や引き出しなどで小分けに収納されている。
「いい部屋だ……」
俺は部屋を見回しながらそう呟く。
俺は元々部屋の構造や物の配置を見るのが好きだ。
それは小学生の頃からで、家に入ってくる新築のチラシを眺めて喜んでいるような子供だった。
そんな俺の趣味を周りの奴らは笑ったが、隼は一切笑わなかった。
テニスの帰り、たまたまコートの近くに落ちていた新築アパートのチラシをガン見していた俺にも引かず、むしろその趣味を凄いと褒めてくれた。
「優は相変わらず部屋を見るのが好きだね」
隼は俺の様子を見て、優しくそう微笑んだ。
俺も隼も、大学生になっても何も変わらなかった。
出会った時のまま、2人は成長し、時が過ぎた。
しかし体の関係を持つことは、進学後は一度も無かった。
隼は今この家に彼女と同棲している。
俺が入り込む余地など無かったのだ。
ふと寝室から覗くベッドを見る。
大きなダブルベッドには、フワフワしてそうな毛布がキレイに敷かれていた。
一つのベッドで二人で寝ているのだ。
していないわけがない………
隼の家に招かれてから覚悟はしていた。
しかし、いざそれを見せつけられると、俺の気持ちはやはり沈むことを止められなかった。
大学1年生の6月。
俺は部活の帰りに、隼と雨宮が二人で住んでいるというアパートの一室に招かれた。
「狭い部屋でごめんね!今飲み物出すから、そこのソファに座ってて」
隼は俺にそう指示を出して、俺の座るソファからすぐ見える位置にあるキッチンへと向かった。
「すごく片付いてる部屋じゃないか。物の配置の仕方も、よく考えられている」
「そうかな?引っ越してきたばっかりの頃は、二人で相当悩みながらインテリアとか揃えたからね~」
隼はそう言いながら2つのコップを載せたトレーを運んでくる。
俺が思わず口に出した通りこの部屋は、見ているだけで2人の仲の良さや生活がキチンとしていることを感じさせる。
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多すぎず少なすぎない物の数。
所々にセンスよく置かれる装飾品。
日用品も、洒落た箱や引き出しなどで小分けに収納されている。
「いい部屋だ……」
俺は部屋を見回しながらそう呟く。
俺は元々部屋の構造や物の配置を見るのが好きだ。
それは小学生の頃からで、家に入ってくる新築のチラシを眺めて喜んでいるような子供だった。
そんな俺の趣味を周りの奴らは笑ったが、隼は一切笑わなかった。
テニスの帰り、たまたまコートの近くに落ちていた新築アパートのチラシをガン見していた俺にも引かず、むしろその趣味を凄いと褒めてくれた。
「優は相変わらず部屋を見るのが好きだね」
隼は俺の様子を見て、優しくそう微笑んだ。
俺も隼も、大学生になっても何も変わらなかった。
出会った時のまま、2人は成長し、時が過ぎた。
しかし体の関係を持つことは、進学後は一度も無かった。
隼は今この家に彼女と同棲している。
俺が入り込む余地など無かったのだ。
ふと寝室から覗くベッドを見る。
大きなダブルベッドには、フワフワしてそうな毛布がキレイに敷かれていた。
一つのベッドで二人で寝ているのだ。
していないわけがない………
隼の家に招かれてから覚悟はしていた。
しかし、いざそれを見せつけられると、俺の気持ちはやはり沈むことを止められなかった。
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