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前向きに、それぞれに1
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「隼!優!!俺合格したぞ!!!」
高校三年生の3月。
卒業式を終え制服を脱いだ俺らは、俺と隼、瑠千亜、五郎の4人で、よく部活後や放課後に行っていたファミレスに集まっていた。
「おめでとう瑠千亜!!よかったね!」
「正直、瑠千亜が合格するとは思わなんだ。何かの間違いでなければ良いが…」
「なわけあるかっつーの!!ちゃんと合格してますから!!」
そう、今日は大学受験の合格発表の日。
1月の共通テストを経て、2月末の大学個別試験を受け、発表は3月の上旬。
発表の日は大学によって異なるが、俺ら四人の受けたところはたまたま同じ日であった。
瑠千亜が通う予定なのは、俺や隼とは別の大学だが、都内にある大学だ。
「そういう五郎はどうなんだよ!あ?」
「俺が落ちるわけあるまい。ほれ、証拠も揃えておいた」
五郎はそう言いながら、自分の受験票の番号と合格者の番号が載ってあるサイトのスクリーンショットを見せてきた。
「おめでとう五郎!」
「有難う隼。まあ、俺が合格するのは順当だ」
「調子に乗るなバカめ。共通の直後はめちゃくちゃ焦ってたじゃないか」
「ふん。余裕をこくよりもずっと良かろう。まあ俺は論述の男だ。2次試験で起死回生ってやつを成し遂げたのだ。」
「でも、五郎が進学したらすごい遠くなっちゃうね……」
「確かに!!五郎、ずーーっとペアだった俺が近くにいなくてもやっていけるのか?」
「抜かせ瑠千亜。まあ確かに寂しくはなるが、それでも俺はそんなことで新生活を憂うほどヤワではない。心配無用だ」
「なんかそれもそれで寂しいな」
隼が五郎の言葉にそう言って微笑む。
五郎は唯一、京都の大学へ進学する。
こいつの家が茶道の分家だかなので、本場の茶道を学びに行くことも兼ねて京都へ行くらしい。
それに、こいつは無類の歴史好きだ。そんな五郎にとって、京都という場所はとても性に合っているようだ。
高校三年生の3月。
卒業式を終え制服を脱いだ俺らは、俺と隼、瑠千亜、五郎の4人で、よく部活後や放課後に行っていたファミレスに集まっていた。
「おめでとう瑠千亜!!よかったね!」
「正直、瑠千亜が合格するとは思わなんだ。何かの間違いでなければ良いが…」
「なわけあるかっつーの!!ちゃんと合格してますから!!」
そう、今日は大学受験の合格発表の日。
1月の共通テストを経て、2月末の大学個別試験を受け、発表は3月の上旬。
発表の日は大学によって異なるが、俺ら四人の受けたところはたまたま同じ日であった。
瑠千亜が通う予定なのは、俺や隼とは別の大学だが、都内にある大学だ。
「そういう五郎はどうなんだよ!あ?」
「俺が落ちるわけあるまい。ほれ、証拠も揃えておいた」
五郎はそう言いながら、自分の受験票の番号と合格者の番号が載ってあるサイトのスクリーンショットを見せてきた。
「おめでとう五郎!」
「有難う隼。まあ、俺が合格するのは順当だ」
「調子に乗るなバカめ。共通の直後はめちゃくちゃ焦ってたじゃないか」
「ふん。余裕をこくよりもずっと良かろう。まあ俺は論述の男だ。2次試験で起死回生ってやつを成し遂げたのだ。」
「でも、五郎が進学したらすごい遠くなっちゃうね……」
「確かに!!五郎、ずーーっとペアだった俺が近くにいなくてもやっていけるのか?」
「抜かせ瑠千亜。まあ確かに寂しくはなるが、それでも俺はそんなことで新生活を憂うほどヤワではない。心配無用だ」
「なんかそれもそれで寂しいな」
隼が五郎の言葉にそう言って微笑む。
五郎は唯一、京都の大学へ進学する。
こいつの家が茶道の分家だかなので、本場の茶道を学びに行くことも兼ねて京都へ行くらしい。
それに、こいつは無類の歴史好きだ。そんな五郎にとって、京都という場所はとても性に合っているようだ。
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