あんなに堅物だった俺を、解してくれたお前の腕が

いちごみるく

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悩み5

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「いや隼………それ普通だぞ。」


言いたいことは色々あるが、取り敢えず隼が泣かなくても済むように端的にそう言った。


「え………?」

「頭の中がエロいことだらけだなんて、そんなの中学生だったら普通だぞ。しかも目の前に彼女がいたらそりゃ反応もするだろ。……むしろお前が今までそういうのに疎かっただけであって、お前の周りみんなお前よりもっとヤバイからな」

「そうなの………?」

「ああ。なんなら女子だって1日中そういうことを考え朝も晩も一人でする奴だっている。俺達はそういう年頃なんだから、当たり前なんだぞ隼。決して病気とかではない。」

「えええ……うそ、ほんとに?」

「本当だ。むしろ彼女とか彼氏じゃない異性を見てもすぐにそういうことを考えてる時期なんだ」

「……まあ確かに……梨々以外の女の人のことも…常にそういう風に見てる訳じゃないけど、ふとした時に体の一部が見えたりしたら、そういうことを考えちゃう時もあった……」

「そうだろ?それが普通だよ。そこに罪悪感を感じてる奴なんてお前くらいだ」

「そうなのかな……」

「ああ。元々そういう思考がなさ過ぎただけで、まだ慣れてないだけだから。本当に焦らなくてもいいんだぞ」



まだ半信半疑の隼を安心させるように言う。

隼は真面目すぎるくらい真面目で優しい。

だからこそ、思春期に誰もが訪れる心の変化についていけなかったのだろう。


俺が隼に言ったことは嘘やごまかしや慰めではない。

実際に普通の中学生の思考で、普通の思春期の頭の中になっただけである。
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