上 下
41 / 79

誕生日プレゼント4

しおりを挟む
「隼、今まではこういうの持ってなかったん?」

「ないよ…!買ったこともない!」

「ローションも使わないの?」

「必要なかったからね…」

「ローションが必要ないくらいヌルヌルなのか……」

「余計なことを言うな五郎。」

「そうだぞ五郎!優が発情するだろ??」

「お前も黙れ瑠千亜。……全く、隼にこんなものを渡して…隼、いらなければ受取拒否してもいいんだぞ」

2人のプレゼントに困惑している隼を見て、思わず助け舟を出した。

しかしそれと同時に、悔しいながら瑠千亜が言うように、隼がこれらを使っているのを想像してしまっていたのも事実だった。


エネマグラやディルドどころか、こいつは俺のモノを何度も挿れている……

正直、俺の生のモノに病みつきになった隼が、人工的な玩具で満足するとは思えなかった。

そういった謎の自信と優越感が、俺の中に芽生えていた。


「せっかくもらったものだから、受け取るよ。俺のために選んでくれてありがと!」


隼は迷わず二人に向かって笑顔でそう言った。

隼のその素直な反応に、思わず瑠千亜も五郎も、癒やされ心が浄化されたように微笑む。


傍から見れば……というかこの二人から見れば、今の隼は間違いなく純情で初心な奴だろう。

エロいことに興味はあれど、実際に玩具を使ったことなどは無く、初めて貰った玩具への期待と早く使ってみたいという好奇心に溢れている童貞に見えるのだろう。




しかし……

俺は、こいつの普段の純粋な感じとは真逆な顔を知っている。

性に貪欲で時には獣のように俺を求め、性欲を満たすためだけに俺と体を重ねる。
その為には、自覚している魔性の魅惑を用いて自分から誘うようなこともする。

そんな隼の一面を知りもせずにこんなプレゼントを渡している二人を見ると、隼に騙されているのを見ているようで何故だか不思議な興奮に襲われた。


天使のような顔をしてるが、中身は超絶小悪魔だそ………

俺は心の中で思わずそう呟いた。

こいつらのみならず…世の中の俺以外の奴らは全員、隼が被っている清白な衣を信じて疑わないのだろう。



「んじゃ!使ったあとの感想よろしくねん」

「ええ!感想!?」

「うむ。レビューというやつだ。もしそれを用いることによって無事に開発が済んだのなら俺達も願ったり叶ったりだ。」

「ええ……」

「よろしくぅ☆」

瑠千亜と五郎の言葉に再び隼は困惑している。



なるほど、そうか………



俺も正直、隼がこれらを使ったときにどうなるのかを見てみたいと思った。


しかし俺はこの二人とは違い、隼がこれらを使っている所を見ようと思えば見ることもできる。



俺はこいつらの言葉によって、早速今日の夜にでも隼にこの玩具たちを使わせる方法を思いついたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕のために、忘れていて

ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────

お兄ちゃん大好きな弟の日常

ミクリ21
BL
僕の朝は早い。 お兄ちゃんを愛するために、早起きは絶対だ。 睡眠時間?ナニソレ美味しいの?

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川パナ
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

ばいばい僕の、クソ兄貴

はるはう
BL
僕には秘密のセフレがいる。 この世界でたった一人の”兄”という名のセックスフレンドだ。 抱いてはいけない想いを胸に抱え、僕は兄と交わった。

処理中です...