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誕生日プレゼント1
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中学三年生の9月14日。
この日、隼は15歳の誕生日を迎えた。
昼休みに俺と隼、瑠千亜と五郎は隼の机に集まり4人で昼飯を食べていた。
「隼、お前今日誕生日だよな?おめでとう!」
思い出したかのように瑠千亜が祝う。
それに対して隼も嬉しそうにはにかむ。
「ありがとう瑠千亜…!」
俺たちは中学に入り仲良くなってから、誕生日には互いにささやかなお祝いをするのが恒例になっていた。
とは言え皆部活が忙しいため、盛大なパーティーなどはできない。
精々互いにプレゼントを渡し合ったりするくらいだ。
「いやーリア充隼クンは今日梨々ちゃんとデートでもするのか?」
「誕生日にたまたま部活動がオフとはな。幸運な誕生日ではないか。」
「うん…!本当にラッキーだったよ。今日は一緒にプレゼントを買いに行ってくれるって…」
瑠千亜と五郎の言葉に、隼は照れながら答える。
「うえええい!いいじゃんプレゼント!何買ってもらうん??」
「梨々さんも粋なことをするものだ。羨ましいな」
「まだちゃんとは決めてないよ!……まあ一緒に買ってくれるなら何でも嬉しいけどね」
「ヒューヒュー!出たよラブラブカップルがよく言う『二人きりなら何でもいい!何でも楽しい!』ってやつ!ったく熱すぎて火傷するぜ!」
「いやっちょっと…そんなに茶化さないで…」
「そうだぞ瑠千亜。そろそろ隼の惚気にも慣れろ。そんな様子だからいつまでも貴様には彼女が出来ぬのだぞ…」
「うっうるせーよ!!俺だって彼女いたことあるしっ!!たまたま別れただけだし!」
「たまたまな訳あるか。必然の賜物だろう」
盛り上がる二人の会話を隼も楽しそうに聞いている。
中学1年生の頃から変わらないこの光景。
しかし唯一変わったことといえば、五郎と瑠千亜のやり取りに俺が積極的に突っ込まなくなったということくらいだろうか。
俺は隼と関係を持ってからというもの、雨宮絡みの話題には入っていけなくなったのだ。
それは雨宮に対する罪悪感からなのか。
雨宮がいる限り、隼は俺のものにならないという事実に対する醜い嫉妬からなのか。
理由は断定できないが、他の話題の様に俺は振る舞うことができなかった。
「まあ、そんなリア充隼クンの為に!なんと俺らからもプレゼントがありますっ!」
瑠千亜がハイテンションで言い、カバンを漁り出した。
「え!ほんと?やった!」
瑠千亜の言葉に嬉しそうに反応する隼。
プレゼントを期待するその笑顔は、まるで無邪気な子供のようだった。
「これは瑠千亜と俺が厳選したものだ。しっかりと使うのだぞ隼」
五郎が隼に向かってそう言った時、瑠千亜はカバンの中から青い袋にラッピングされたプレゼントを取り出した。
この日、隼は15歳の誕生日を迎えた。
昼休みに俺と隼、瑠千亜と五郎は隼の机に集まり4人で昼飯を食べていた。
「隼、お前今日誕生日だよな?おめでとう!」
思い出したかのように瑠千亜が祝う。
それに対して隼も嬉しそうにはにかむ。
「ありがとう瑠千亜…!」
俺たちは中学に入り仲良くなってから、誕生日には互いにささやかなお祝いをするのが恒例になっていた。
とは言え皆部活が忙しいため、盛大なパーティーなどはできない。
精々互いにプレゼントを渡し合ったりするくらいだ。
「いやーリア充隼クンは今日梨々ちゃんとデートでもするのか?」
「誕生日にたまたま部活動がオフとはな。幸運な誕生日ではないか。」
「うん…!本当にラッキーだったよ。今日は一緒にプレゼントを買いに行ってくれるって…」
瑠千亜と五郎の言葉に、隼は照れながら答える。
「うえええい!いいじゃんプレゼント!何買ってもらうん??」
「梨々さんも粋なことをするものだ。羨ましいな」
「まだちゃんとは決めてないよ!……まあ一緒に買ってくれるなら何でも嬉しいけどね」
「ヒューヒュー!出たよラブラブカップルがよく言う『二人きりなら何でもいい!何でも楽しい!』ってやつ!ったく熱すぎて火傷するぜ!」
「いやっちょっと…そんなに茶化さないで…」
「そうだぞ瑠千亜。そろそろ隼の惚気にも慣れろ。そんな様子だからいつまでも貴様には彼女が出来ぬのだぞ…」
「うっうるせーよ!!俺だって彼女いたことあるしっ!!たまたま別れただけだし!」
「たまたまな訳あるか。必然の賜物だろう」
盛り上がる二人の会話を隼も楽しそうに聞いている。
中学1年生の頃から変わらないこの光景。
しかし唯一変わったことといえば、五郎と瑠千亜のやり取りに俺が積極的に突っ込まなくなったということくらいだろうか。
俺は隼と関係を持ってからというもの、雨宮絡みの話題には入っていけなくなったのだ。
それは雨宮に対する罪悪感からなのか。
雨宮がいる限り、隼は俺のものにならないという事実に対する醜い嫉妬からなのか。
理由は断定できないが、他の話題の様に俺は振る舞うことができなかった。
「まあ、そんなリア充隼クンの為に!なんと俺らからもプレゼントがありますっ!」
瑠千亜がハイテンションで言い、カバンを漁り出した。
「え!ほんと?やった!」
瑠千亜の言葉に嬉しそうに反応する隼。
プレゼントを期待するその笑顔は、まるで無邪気な子供のようだった。
「これは瑠千亜と俺が厳選したものだ。しっかりと使うのだぞ隼」
五郎が隼に向かってそう言った時、瑠千亜はカバンの中から青い袋にラッピングされたプレゼントを取り出した。
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