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そんなところも好き

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「したくないのなら別にいい。俺は我慢する」


俺がそう言葉を重ねると、隼は「あ、いや…」とすかさず否定した。


理性が邪魔して素直にしたいとは言えないが、しなくてもいいと言われるとつい焦ってしまう。

そんな隼の気持ちが手に取るように分かった。


「隼、明日はフリーだぞ。それに俺たち、この合宿中は少なくとも一度も抜くことすらできなかったんだ。…お前も実は溜まってるんじゃないのか?」

「……そりゃ…そうだけど…」

「別に本番をしなくてもいい。とりあえず、互いの欲を発散させてほしい」

「…うん…」

「わかってくれるか?」

「わかるよ、わかるけど…」


なんだか歯切れが悪い。

何を言い淀んでいるのだろうか?


「どうした?隼。やっぱり嫌か」

「いや!嫌とかじゃなくて…」

「じゃあなんだ?」


もじもじしていた隼は言う決心がついたのか、俺の方へ体を向けて恥じらうような顔をして言う。

「また…あの日みたいになっちゃうのかなって思って……あの日、すごい気持ちよかったから…俺、自分じゃないみたいになってて…後から思い出してすごい恥ずかしくなってた……けど、優とまたしたら…多分すごい気持ちよくなって、またあんな風になっちゃうのかなって…」


隼が俺とするのを躊躇っていたのはこういう理由だったらしい。


確かにあの日、隼は理性を失い俺の前で乱れまくっていた。

しかし俺はむしろ、そんな隼を思い出しては何度も抜いていたのだが…


「隼、俺にまたあの姿を見せてくれないか?」

「えっ」

「恥ずかしがる必要などない。俺はあんな隼を見て、更にお前を好きになった。」

「……すきって……」

「だからお前は、また自分の快楽に素直になればいい」


気にしている隼を慰めるように俺は優しく隼を抱きしめた。

俺より少し小さいこいつの体温や呼吸、脈が感じ取れた。


好きな奴のことは、抱きしめただけでもこんなに幸福感に包まれるのか…


俺は溢れんばかりの気持ちを自覚しながら、隼を優しくゆっくりとベッドに押し倒した。
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