24 / 79
そんなところも好き
しおりを挟む
「したくないのなら別にいい。俺は我慢する」
俺がそう言葉を重ねると、隼は「あ、いや…」とすかさず否定した。
理性が邪魔して素直にしたいとは言えないが、しなくてもいいと言われるとつい焦ってしまう。
そんな隼の気持ちが手に取るように分かった。
「隼、明日はフリーだぞ。それに俺たち、この合宿中は少なくとも一度も抜くことすらできなかったんだ。…お前も実は溜まってるんじゃないのか?」
「……そりゃ…そうだけど…」
「別に本番をしなくてもいい。とりあえず、互いの欲を発散させてほしい」
「…うん…」
「わかってくれるか?」
「わかるよ、わかるけど…」
なんだか歯切れが悪い。
何を言い淀んでいるのだろうか?
「どうした?隼。やっぱり嫌か」
「いや!嫌とかじゃなくて…」
「じゃあなんだ?」
もじもじしていた隼は言う決心がついたのか、俺の方へ体を向けて恥じらうような顔をして言う。
「また…あの日みたいになっちゃうのかなって思って……あの日、すごい気持ちよかったから…俺、自分じゃないみたいになってて…後から思い出してすごい恥ずかしくなってた……けど、優とまたしたら…多分すごい気持ちよくなって、またあんな風になっちゃうのかなって…」
隼が俺とするのを躊躇っていたのはこういう理由だったらしい。
確かにあの日、隼は理性を失い俺の前で乱れまくっていた。
しかし俺はむしろ、そんな隼を思い出しては何度も抜いていたのだが…
「隼、俺にまたあの姿を見せてくれないか?」
「えっ」
「恥ずかしがる必要などない。俺はあんな隼を見て、更にお前を好きになった。」
「……すきって……」
「だからお前は、また自分の快楽に素直になればいい」
気にしている隼を慰めるように俺は優しく隼を抱きしめた。
俺より少し小さいこいつの体温や呼吸、脈が感じ取れた。
好きな奴のことは、抱きしめただけでもこんなに幸福感に包まれるのか…
俺は溢れんばかりの気持ちを自覚しながら、隼を優しくゆっくりとベッドに押し倒した。
俺がそう言葉を重ねると、隼は「あ、いや…」とすかさず否定した。
理性が邪魔して素直にしたいとは言えないが、しなくてもいいと言われるとつい焦ってしまう。
そんな隼の気持ちが手に取るように分かった。
「隼、明日はフリーだぞ。それに俺たち、この合宿中は少なくとも一度も抜くことすらできなかったんだ。…お前も実は溜まってるんじゃないのか?」
「……そりゃ…そうだけど…」
「別に本番をしなくてもいい。とりあえず、互いの欲を発散させてほしい」
「…うん…」
「わかってくれるか?」
「わかるよ、わかるけど…」
なんだか歯切れが悪い。
何を言い淀んでいるのだろうか?
「どうした?隼。やっぱり嫌か」
「いや!嫌とかじゃなくて…」
「じゃあなんだ?」
もじもじしていた隼は言う決心がついたのか、俺の方へ体を向けて恥じらうような顔をして言う。
「また…あの日みたいになっちゃうのかなって思って……あの日、すごい気持ちよかったから…俺、自分じゃないみたいになってて…後から思い出してすごい恥ずかしくなってた……けど、優とまたしたら…多分すごい気持ちよくなって、またあんな風になっちゃうのかなって…」
隼が俺とするのを躊躇っていたのはこういう理由だったらしい。
確かにあの日、隼は理性を失い俺の前で乱れまくっていた。
しかし俺はむしろ、そんな隼を思い出しては何度も抜いていたのだが…
「隼、俺にまたあの姿を見せてくれないか?」
「えっ」
「恥ずかしがる必要などない。俺はあんな隼を見て、更にお前を好きになった。」
「……すきって……」
「だからお前は、また自分の快楽に素直になればいい」
気にしている隼を慰めるように俺は優しく隼を抱きしめた。
俺より少し小さいこいつの体温や呼吸、脈が感じ取れた。
好きな奴のことは、抱きしめただけでもこんなに幸福感に包まれるのか…
俺は溢れんばかりの気持ちを自覚しながら、隼を優しくゆっくりとベッドに押し倒した。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
屋烏の愛
あこ
BL
「お前が十になった祝いだよ、何が欲しい?」
父親にそう言われた当時十歳の少年兵馬は、それから七年後人目を引く色男に成長していた。
どれだけの器量好しに秋波を送られたって一切気にかけない兵馬と、訳ありの船宿吉村のお嬢様が出会った時、兵馬は烏にさえ恋をする。
✔︎ 攻めは色男で男色な呉服屋三男坊
✔︎ 受けは船宿自慢の可愛いお嬢様(訳あり)
✔︎ 受けは常時女装
✔︎ 江戸時代でお江戸風味
✔︎ 本編は完結済み
➡︎ 番外編は時系列順に並んでいません。
➡︎ 章『さまよう、からす』は本編以前の話になっており、本編中のネタバレ(というほどではありませんが)もありますので、本編読了後をお勧めしています。
➡︎ 章『船宿吉村』は船宿吉村が舞台の「ゆづかや兵馬の登場しない」お話が入っています。BLもそうではないものも一緒になっていますが、BLではないものにはタイトルの前に『❢』がついています。
➡︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
➡︎ 作品や章タイトルの頭に『!』があるものは、R指定(暴力・性表現など)描写が入ります。とても微々たるものですが、個人サイトと同じ基準で設定しております。多少でもその様な描写が苦手な方はご注意ください。
🔺ATTENTION🔺
時代背景を『江戸時代』で舞台を『江戸』としておりますが、時代考証は僅かばかりしかしておりません。
多大な捏造と都合のいい独自設定が有りますので、ご不快に思われる方はご遠慮下さい。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
【完結】たっくんとコウちゃん【高校生編】
秋空花林
BL
たっくんこと有川卓(ありかわすぐる)は高校生になった。
かつて側にいた親友はもういない。
その隙間を埋める様に、次々と女の子と付き合う卓。ある日、コウちゃんこと浦川光(うらかわひかり)と再会してー。
あっさり、さっくり読めるストーリーを目指しました。お暇な時に、サクッとお読み頂けたら嬉しいです。
※たっくんとコウちゃん【小・中学生編】の続きです。未読の方は先にそちらをお読み下さい。
■■ 連続物です■■
たっくんとコウちゃん【小・中学生編】
↓
たっくんとコウちゃん【高校生編】 ★本作★
↓
たっくんとコウちゃん【大学生編】 R18
と続きます。
※小説家になろう様にも掲載してます。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
愛して、許して、一緒に堕ちて・オメガバース【完結】
華周夏
BL
Ωの身体を持ち、αの力も持っている『奏』生まれた時から研究所が彼の世界。ある『特殊な』能力を持つ。
そんな彼は何より賢く、美しかった。
財閥の御曹司とは名ばかりで、その特異な身体のため『ドクター』の庇護のもと、実験体のように扱われていた。
ある『仕事』のために寮つきの高校に編入する奏を待ち受けるものは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる