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再び…

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何とか体の熱を収めた俺は、ユニットバスから出た。


隼は既に雨宮との通話を終えていた。


「もう終わったのか。早いな」

「優こそ、思ったよりも時間かかったね。のぼせたりしてない?大丈夫?」


俺は隼への不純な感情と戦っていたのに、当事者のこいつときたら純粋に俺の体調の心配をしている。


……はやりあの夜のことは何かの間違いでは……

隼のあまりの純真な反応にそう思わずにはいられなかったが、俺は隼に何も悟られまいと努力する。


「大丈夫だ。…少し考え事をしていただけだ」


そう答えながら自分のベッドの上に座り、ペットボトルの水に口をつける。

「あっ優!それ俺の…」


隼が気づいたときには俺はすでに3口ほど水を飲み込んでしまっていた。


「ああ…すまない」


俺は咄嗟に口からペットボトルを離した。

「大丈夫だよ。気にしないで」


いつものようなテンションで隼は言う。

しかし俺は、隼の口づけを飲んでしまったという事実に、先程収めたはずの邪な感情が再び湧いてしまった。



「隼、お前は喉乾かないのか?」

「ちょっとだけ乾いてるよ。けどホント気にしないで」

「じゃあこれ飲ませてやろうか?」

「?うん?自分で飲めるよ?」

「口移ししてみるか」


俺が突然真面目な顔で言ったためか、隼は驚いた顔をしてその後すぐに笑った。


「口移しって……!なんだっけ?なんかそんな動物いたよね?親が子供に口移しで何でもあげる動物」

「色んな動物がやってるんじゃないか?」

「えーそうだっけ?」

「ああ。……人間もな。」


俺はそう言って、隣のベッドに座り楽しそうにしている隼の横に移動し距離を詰めた。


「隼、口開けろ」

「え、まさかホントにする気じゃ…」

「いいから」

「あっ!ちょっと……」


俺は隼の制止を聞かず、自分の指で隼の口を軽く開けた。

そのまま俺は再びペットボトルに口をつけ、口内に水を含んだ。

隼の驚く顔を横目に、俺は自分の口から隼の口へ水を流し込んだ。



そしてそのまますかさず舌を動かす。


隼は初めこそ抵抗しようとしていたが、次第に自ら口を開き、俺の舌の動きに合わせて自分の舌を絡ませてきた。




「……はぁ…」


隼の口から甘い吐息が漏れる。


「なあ隼…前に俺が言ったこと、覚えてるか?」

俺は隼の肉感的な唇に視線を定めたまま、あの日の話をする。


「うん。覚えてるよ…」

「隼、俺は今、とてつもなくお前としたい。お前はどうなんだ?」


隼の大きな瞳が揺らぐ。

こいつの心の動きを動かしているようだった。
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