34 / 45
第五章 領主の妻のお仕事です
34.自分で選びます
しおりを挟む
「おかしなことを言う。あなたじゃないなら、誰が出ていくというのですか?」
お義母様はバカバカしいと、首をお振りになる。
「貴族でなくなるあなたが、このまま当主ではいられない。それなら誰かにその座を譲るしかないでしょうに」
「ええ、貴族でなくなればそのとおりです。なくなれば……ですがね」
半分ほど残った白ワインのグラスを、ユーインは取り上げる。
指先で小さく柄を揺らすと、金色がかった液体が明るい照明にきらきらと輝いた。
「俺はマクレーン辺境伯ですよ。これまでもこれからも。既に陛下から『それで苦しからず』とお言葉を賜っています」
「ありえません!」
「あなたがどうお思いになるかはご自由です。だが事実ですよ。ああ、そうだ。尊い方々のお使いになる念話とやらで、王太子妃殿下にお尋ねになってはいかがですか」
唇の右側だけを上げてユーインは笑う。
(知ってたんだわ)
アンバーは理解した。
お義母様から当主を替えると言われた夜を思い出す。
ユーインはあの夜か、もしかするともっと前に、クラウス殺害の真相をつかんでいた。
平然といつもどおりの生活を送りながら、ひそかに戦の準備をしていたのだ。
さすが武門で名高いマクレーン辺境伯の当主。
一切の殺気を消して、静かに牙を研いでいた。
「あり……えないわ。養子縁組は既に解消されているはずよ。なのにどうして」
「平民女の産んだ庶子、しかも魔力なしの子。世界中どこででも蔑まれる存在だとは限りませんよ。美しい容器には興味がない。容器の中に入っているものにこそ価値があると、そういう価値観の世界もこの世にはある」
気負うでもなく、淡々と続けるユーインの静かな表情が、かえって怖ろしい。
怒りとか哀しみとか、お義母様に対する期待を一切排したことがアンバーにも伝わってくる。
(切ったのだわ。お義母様への情を)
「先代はあまり強いとは言えない方でしたね。それはあなたが一番よくご存知のことと思うが。だからマクレーン領では北との戦が絶えなかった。だが今はどうですか?」
領主としてのユーインはとても優秀だ。
以前フリードも言っていた。ユーインの代になって、この地の商工業が盛んになったと。
それは北からの侵略が静かになったことを意味している。
北のノース王国は勝てない戦をするよりは、交易による利をとった方が賢いとそう判断したのだ。
その勝てない戦の中心にいるのは、マクレーン辺境伯ユーインに他ならない。
「国境を挟んだ向こう、ノース王国のハモンド辺境伯とは知己でしてね。喜んで俺の後見を引き受けてくれましたよ」
アンバーは息を飲んだ。
いつ敵になるともわからない隣国の、武門の名家を後見人にするとは。
プレイリー王国の出方ひとつで、いつでも敵方につくぞと、そう脅したも同然だ。
北の国境を守る辺境伯の力は、実はそれほど重大で強い。
平和ボケしている王都の貴族たちは、忘れてしまっているようだけれど。
「ユーイン、正気ですか? 国を裏切るつもりですか!」
お義母様もさすがに顔色を失くしておいでだ。
声も身体も小刻みに震えている。
わずかの間、お義母様のそのご様子をじっと見つめてから、ユーインはふっと苦い笑いを漏らした。
「国を裏切る……か。あなたをとは、おっしゃらないのですね? おわかりのようだ。俺はあなたと同じ選択をしただけですよ」
お義母様を「あなた」と呼ぶユーインは、もう以前の母に忠実な息子の顔をしていない。
他人を見るような目で、かつて母と呼んだ人をじっと見据えている。
「本意ではなかったにせよ一時は息子と呼んだ俺より、あなたは夫とその間にできた我が子を選んだ。仕方ないことだと、思います。かつての俺ならすべて俺が悪いと、あなたの望むとおり当主の座を退いたでしょう。なんの未練もなくそうして、平民になってそれなりに生きた。そう思いますよ」
「では退きなさい。ここはあなたがいて良い場所ではない」
お義母様がユーインに向ける目も、まるで敵をみるようなそれだ。
敵、かつてお義母様の婚約者を寝盗った平民女を、ユーインに重ねておいでなのかもしれない。
「言ったでしょう? ここを去るのは俺じゃない。あなたです」
薄い青の瞳には、かつてお義母様に向けた敬愛とか慕わしさとか、そんな優しい情は全くない。
ただ事実をつきつける冷徹な目が、今は他人となった女性に向けられている。
なんの感情ものせられていない薄い青の瞳は、ひどく冷たく見えた。
「前マクレーン辺境伯夫人としての体面を保てるだけのものは、毎月お送りしましょう。お望みであれば王都に邸宅を用意します。むろんご実家へお戻りになるのも止めはしません。ご自由になさると良い。ただマクレーンの屋敷、ここはもちろん王都の別邸にはお近づきになりませんように」
「な……んですって?」
「あなたがお選びになったことです。俺よりもあなたの夫と実の息子をとった。だから俺はあなたより妻をとった。妻を手放すことはできませんからね」
ユーインが平民になったとしても、アンバーはかまわないと思っている。
アンバーには仕事があるし、ユーインだって騎士として、また為政者としても優秀な男だ。
爵位などなくとも不自由はしない。むしろ魔力なしと蔑まれることなく生きていけるのだ。願ったりかなったりではないか。
そんなアンバーの気持ちが、ユーインに伝わっていないはずはない。
「アンバー、あなたは良いの? 怖ろしい犯罪者の血をひく男の子を本当に産むつもり? あなたの子にあの女の血が入るのよ? わかっているの?」
お義母様がおっしゃることは、プレイリー王国では珍しくない考え方だ。
もしここにハロウズの母がいたら、「すぐに離縁しなさい」と強硬に言い張るだろう。楽に想像できる。
この国での常識。
それは前世の母や父から繰り返しすりこまれた「世間様」という言葉を思い出させて、吐き気がする。
男は女に優先されて当たり前。
嫁ぐ先はできるだけお金持ちで、血に濁りがないところが良い。身内に傷がない方が良い。
いったい自分たちをどれだけ優れたものと思っているのだろうか。
前世両親に抑えつけられていたアンバーでさえ思った。
だからお義母様のお考えを受け容れることはできない。
アンバーは正体のわからない「世間様」に従わない。
前世今生通して、初めて好きになったユーインだ。その彼が望んでくれるのなら、それがどんな風に生まれた子であってもかまわないと思う。誠心誠意大切にする。
「ユーインの実母がどんな方でも、ユーインはユーイン。彼女とは別人格です」
「あなたは産んでいないから、そんな夢みたいなことが言えるのね。子は親に似るものよ。もし子にでなければ孫やその先の子にいつか出る。それでいいわけないでしょう?」
ふう……とアンバーは内心でため息をついた。
お義母様の前でため息をつくのは無礼だから、ぎりぎりの線でそれだけは抑えたのだけれど。
お義母様のおっしゃることは、理解できる。ただ同意できないというだけだ。
そしてこのままいくら言葉を尽くしても、お義母様にご理解いただけないこともわかっている。
「国王陛下がお認めになったのですから、マクレーン辺境伯はユーインです。わたくしは妻として、夫を支えてまいりますわ」
つまりお義母様にはつかないと、明言した。
がくりと膝から崩れ落ちるお義母様に、危ないと思わず声が出そうになったけど、必死にかみ殺した。
手をお貸しすることはできない。してはいけない。
中途半端な情は、話を面倒にするだけだ。
「お身の周りのお世話をする侍女と使用人は、お好きなだけお連れください。お好みの邸宅があれば、いつでも購入いたします。どうぞご遠慮なくお申し付けください」
変わらず無表情のまま、ユーインが言葉をかける。
「あなたには感謝しています。こうなった今でも」
薄い青の瞳に、痛み、哀しみ、愛しさ、複雑な感情が初めて浮かぶ。
「ごきげんよう、母上。どうかお元気で」
くるりと背を向けて、ユーインは食堂から姿を消した。
お義母様はバカバカしいと、首をお振りになる。
「貴族でなくなるあなたが、このまま当主ではいられない。それなら誰かにその座を譲るしかないでしょうに」
「ええ、貴族でなくなればそのとおりです。なくなれば……ですがね」
半分ほど残った白ワインのグラスを、ユーインは取り上げる。
指先で小さく柄を揺らすと、金色がかった液体が明るい照明にきらきらと輝いた。
「俺はマクレーン辺境伯ですよ。これまでもこれからも。既に陛下から『それで苦しからず』とお言葉を賜っています」
「ありえません!」
「あなたがどうお思いになるかはご自由です。だが事実ですよ。ああ、そうだ。尊い方々のお使いになる念話とやらで、王太子妃殿下にお尋ねになってはいかがですか」
唇の右側だけを上げてユーインは笑う。
(知ってたんだわ)
アンバーは理解した。
お義母様から当主を替えると言われた夜を思い出す。
ユーインはあの夜か、もしかするともっと前に、クラウス殺害の真相をつかんでいた。
平然といつもどおりの生活を送りながら、ひそかに戦の準備をしていたのだ。
さすが武門で名高いマクレーン辺境伯の当主。
一切の殺気を消して、静かに牙を研いでいた。
「あり……えないわ。養子縁組は既に解消されているはずよ。なのにどうして」
「平民女の産んだ庶子、しかも魔力なしの子。世界中どこででも蔑まれる存在だとは限りませんよ。美しい容器には興味がない。容器の中に入っているものにこそ価値があると、そういう価値観の世界もこの世にはある」
気負うでもなく、淡々と続けるユーインの静かな表情が、かえって怖ろしい。
怒りとか哀しみとか、お義母様に対する期待を一切排したことがアンバーにも伝わってくる。
(切ったのだわ。お義母様への情を)
「先代はあまり強いとは言えない方でしたね。それはあなたが一番よくご存知のことと思うが。だからマクレーン領では北との戦が絶えなかった。だが今はどうですか?」
領主としてのユーインはとても優秀だ。
以前フリードも言っていた。ユーインの代になって、この地の商工業が盛んになったと。
それは北からの侵略が静かになったことを意味している。
北のノース王国は勝てない戦をするよりは、交易による利をとった方が賢いとそう判断したのだ。
その勝てない戦の中心にいるのは、マクレーン辺境伯ユーインに他ならない。
「国境を挟んだ向こう、ノース王国のハモンド辺境伯とは知己でしてね。喜んで俺の後見を引き受けてくれましたよ」
アンバーは息を飲んだ。
いつ敵になるともわからない隣国の、武門の名家を後見人にするとは。
プレイリー王国の出方ひとつで、いつでも敵方につくぞと、そう脅したも同然だ。
北の国境を守る辺境伯の力は、実はそれほど重大で強い。
平和ボケしている王都の貴族たちは、忘れてしまっているようだけれど。
「ユーイン、正気ですか? 国を裏切るつもりですか!」
お義母様もさすがに顔色を失くしておいでだ。
声も身体も小刻みに震えている。
わずかの間、お義母様のそのご様子をじっと見つめてから、ユーインはふっと苦い笑いを漏らした。
「国を裏切る……か。あなたをとは、おっしゃらないのですね? おわかりのようだ。俺はあなたと同じ選択をしただけですよ」
お義母様を「あなた」と呼ぶユーインは、もう以前の母に忠実な息子の顔をしていない。
他人を見るような目で、かつて母と呼んだ人をじっと見据えている。
「本意ではなかったにせよ一時は息子と呼んだ俺より、あなたは夫とその間にできた我が子を選んだ。仕方ないことだと、思います。かつての俺ならすべて俺が悪いと、あなたの望むとおり当主の座を退いたでしょう。なんの未練もなくそうして、平民になってそれなりに生きた。そう思いますよ」
「では退きなさい。ここはあなたがいて良い場所ではない」
お義母様がユーインに向ける目も、まるで敵をみるようなそれだ。
敵、かつてお義母様の婚約者を寝盗った平民女を、ユーインに重ねておいでなのかもしれない。
「言ったでしょう? ここを去るのは俺じゃない。あなたです」
薄い青の瞳には、かつてお義母様に向けた敬愛とか慕わしさとか、そんな優しい情は全くない。
ただ事実をつきつける冷徹な目が、今は他人となった女性に向けられている。
なんの感情ものせられていない薄い青の瞳は、ひどく冷たく見えた。
「前マクレーン辺境伯夫人としての体面を保てるだけのものは、毎月お送りしましょう。お望みであれば王都に邸宅を用意します。むろんご実家へお戻りになるのも止めはしません。ご自由になさると良い。ただマクレーンの屋敷、ここはもちろん王都の別邸にはお近づきになりませんように」
「な……んですって?」
「あなたがお選びになったことです。俺よりもあなたの夫と実の息子をとった。だから俺はあなたより妻をとった。妻を手放すことはできませんからね」
ユーインが平民になったとしても、アンバーはかまわないと思っている。
アンバーには仕事があるし、ユーインだって騎士として、また為政者としても優秀な男だ。
爵位などなくとも不自由はしない。むしろ魔力なしと蔑まれることなく生きていけるのだ。願ったりかなったりではないか。
そんなアンバーの気持ちが、ユーインに伝わっていないはずはない。
「アンバー、あなたは良いの? 怖ろしい犯罪者の血をひく男の子を本当に産むつもり? あなたの子にあの女の血が入るのよ? わかっているの?」
お義母様がおっしゃることは、プレイリー王国では珍しくない考え方だ。
もしここにハロウズの母がいたら、「すぐに離縁しなさい」と強硬に言い張るだろう。楽に想像できる。
この国での常識。
それは前世の母や父から繰り返しすりこまれた「世間様」という言葉を思い出させて、吐き気がする。
男は女に優先されて当たり前。
嫁ぐ先はできるだけお金持ちで、血に濁りがないところが良い。身内に傷がない方が良い。
いったい自分たちをどれだけ優れたものと思っているのだろうか。
前世両親に抑えつけられていたアンバーでさえ思った。
だからお義母様のお考えを受け容れることはできない。
アンバーは正体のわからない「世間様」に従わない。
前世今生通して、初めて好きになったユーインだ。その彼が望んでくれるのなら、それがどんな風に生まれた子であってもかまわないと思う。誠心誠意大切にする。
「ユーインの実母がどんな方でも、ユーインはユーイン。彼女とは別人格です」
「あなたは産んでいないから、そんな夢みたいなことが言えるのね。子は親に似るものよ。もし子にでなければ孫やその先の子にいつか出る。それでいいわけないでしょう?」
ふう……とアンバーは内心でため息をついた。
お義母様の前でため息をつくのは無礼だから、ぎりぎりの線でそれだけは抑えたのだけれど。
お義母様のおっしゃることは、理解できる。ただ同意できないというだけだ。
そしてこのままいくら言葉を尽くしても、お義母様にご理解いただけないこともわかっている。
「国王陛下がお認めになったのですから、マクレーン辺境伯はユーインです。わたくしは妻として、夫を支えてまいりますわ」
つまりお義母様にはつかないと、明言した。
がくりと膝から崩れ落ちるお義母様に、危ないと思わず声が出そうになったけど、必死にかみ殺した。
手をお貸しすることはできない。してはいけない。
中途半端な情は、話を面倒にするだけだ。
「お身の周りのお世話をする侍女と使用人は、お好きなだけお連れください。お好みの邸宅があれば、いつでも購入いたします。どうぞご遠慮なくお申し付けください」
変わらず無表情のまま、ユーインが言葉をかける。
「あなたには感謝しています。こうなった今でも」
薄い青の瞳に、痛み、哀しみ、愛しさ、複雑な感情が初めて浮かぶ。
「ごきげんよう、母上。どうかお元気で」
くるりと背を向けて、ユーインは食堂から姿を消した。
104
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる