6 / 45
第一章 伯爵令嬢、職業婦人になる
6.婚約します
しおりを挟む
ユーイン・フェザード・マクレーン辺境伯が、アンバーにいきなりの求婚をしてきて一週間が過ぎた。
明日は休日という夜、リビングのソファにぐたりと身体をあずけて、アンバーはあちこちに積み上げられた贈り物の箱に目をやる。
ため息をついた。
(贈り物攻め? こういうの、貴族の間では普通なの?)
前世今生通して、アンバーには贈り物攻めなどという贅沢な目にあった経験がない。前世の小説や漫画、今生では同級生や同僚の自慢話の中で、聞いたことがあるだけだ。一度でいいからそんな目にあってみたいなどと思っていたのだけど、あってみるとけっこう気が重いものだとはじめて知った。
(毎日お礼状を書くのも大変なんだけど……)
貴族の礼儀として、贈り物をいただいたら直筆のお礼状を送らなくてはならない。今日も仕事を終えて帰って来たら、玄関横の専用宅配ルームに贈り物の箱が山積みされている。
またお礼状を書くのかと、かなり憂鬱になった。
お礼を書くのなら、中身がなにかくらいは確認しておこうとリボンのかかった箱を開いた。
中身は、今回もかなり趣味の良いものだった。
どこで調べたかジャストサイズのドレスにコート、ヒールの靴にバッグ、それにアクセサリー。それらはすべて一流のブランドショップのものだったけど、アンバーが普段使っても、それほど浮き上がるようなものではない。どちらかといえば実用的な、過度な装飾の少ないデザインのものばかりだった。
(気遣いのできる人なのかも)
そう思えるくらいには、マクレーン辺境伯あの赤毛の青年を見直していた。だから二週間後に、もう一度会いたいと申し入れがあった時、アンバーは承知していた。
面会場所に、ホテルのティーサロンを指定して。
「考えてくれたか?」
給仕が引いてくれた椅子に、アンバーがすとんと腰を下ろした途端、マクレーン辺境伯の切れ長の薄い青の瞳がきらりと輝いた。
ほどよく低いテノールの声が、少し不安げに響く。
「今の仕事をやめたくありません。それでもよろしいでしょうか?」
アンバーにとって、やりがいのある、自分の居場所だ。そこを失くさずに済むのなら、結婚してみるのも悪くないかもしれないと思った。
結婚すれば、あの母から今よりずっと距離を置くことができる。マクレーン辺境伯家であれば、実家より格上だ。アンバーにあれこれ嫌な干渉をしてくる母であっても、格上貴族に嫁いだ娘にこれまでどおりというわけにはゆかないだろうと考えたからだ。
仮にうまくいかず離婚することになっても、仕事さえ放さなければ今と変わらない。元に戻るだけだ。
「君が仕事を続けたいというのなら、そうすればいい」
あっさりとマクレーン辺境伯は頷いた。
(え? そんなにあっさり認めていいの? 一日中、家にはいないってことなんだけど、わかってる?)
心の声が聞こえたみたいに、マクレーン辺境伯はふっと息だけの笑いを漏らした。
「領地の屋敷には俺を育ててくれた義母がいる。心得た方だから、君を助けてくれるはずだ」
ああ、前世風に言えば「一家に主婦は二人要らない」って、あれだ。家内の切り盛りをする人は、他人にあれこれ口出しされたくないようだから。
実母から愛された感覚のないアンバーには、義理の母だからといって特に警戒することもない。特に庶子であるマクレーン辺境伯を育てて、彼から「心得た方」と評価されるような女性なら、信じてもいいのかもしれない。
仕事を続けていいのかとほっとした途端、「あ!」と思わず声が出そうになった。
(どうしよう。転勤ありの異動に同意しちゃった)
「あ……の……。実は夏の異動について、先日上司に『どこでも行きます』と返事をしてしまいました。ですからすぐに閣下のもとへ嫁ぐのは難しいかと」
マクレーン辺境伯の切れ長の目が、わずかに見開かれる。
「受けてくれると、そう思っていいのか?」
「はい……。でも今すぐには難しいので、早くても二年か三年先でなければ閣下のご領地には伺えません。そう申し上げたかっ……」
「ありがとう!」
アンバーが言い終わらないうちに、キラキラ輝くようなテノールの声がかぶせられる。
(いや、この人、私の言ったことちゃんと聞いてた? 二、三年は無理って言ったのに)
結納金をはずむとか、持参金なしでいいとか、そんな条件はアンバーにはそれほど響かなかった。
けれど。
家の中にこもらなくていい。仕事を続けていい。
このふたつは響いた。
子供は産まなければならないけど、それは貴族家に嫁ぐならどこでも同じだ。
こんな好条件の契約、滅多にない。
だから結婚しても良いと思って、気づいたのだ。
一度転勤すれば、最短で二年から三年は異動がない。アンバーの任地は多分もう決まっているだろうから。説明しようとしていたのに。
「あの……、マクレーン閣下」
「ユーインだ」
やや不機嫌な低い声に、アンバーはびくりとした。
「閣下ではなく、ユーインと呼んでほしい。じきに俺の妻となる女性なのだから」
じいっと、アンバーを見つめてくる薄い青の瞳。「ユーインと呼べ、いますぐ」と迫ってくるようだ。その圧に耐えかねて、アンバーは目をそらして蚊の鳴くような声で言われたとおりに呼んだ。
「ユーイン……さま」
カタリと椅子の動く音がして、シトラスの香りがアンバーに近づいてくる。逸らした視界の端に、ユーインの赤く艶やかな髪が入った。
左手の指先に、白い手袋の指がかかる。続けて温かい唇が、そこに落とされた。
どきんとはね上がる心臓、一気に鼓動が速くなる。頬や耳に身体中の熱が集まって、たぶん今自分は真っ赤な顔をしているのだろうと自覚があった。
おそるおそる正面に目を向けると、歓びとか嬉しいとかを言葉よりもよく伝えてくれる、薄い青の瞳にぶつかった。
「アンバーと呼んでも?」
「はい」
「ではアンバー、これからすぐに婚約指輪を買いに行こう。ああ、そうだ。結婚指輪もいるな。すぐに必要になる」
戸惑うアンバーの手を引いて、ユーインはさっさとカフェを出る。そしてそのまま王都一の宝飾店へ連れて行き、アンバーが何かを言う間もなく、薄い青色の石のついた指輪を一ダースほど買った。
「君のサイズに直してもらう。できあがったら気分に合わせて付け替えるといい」
王都一の宝飾店だ。
店の奥にある別室でお茶とお菓子を供されて、黒いベルベットのケースに納められた指輪がいくつもいくつも運ばれてきた。もうその時点で今見せられている指輪の値段が、店頭にあるものの比ではないのだと贅沢品に不慣れなアンバーにだってわかる。
婚約指輪と結婚指輪、あわせてもふたつだ。なのにユーインは、一ダース、十二個も買って平然としている。
(婚約指輪とか結婚指輪って、気分に合わせて付け替えるもの?)
アンバーが知らないだけで、裕福な上位貴族では珍しくない習慣なのだろうか。それにしても一ダースだ。いったい全部でいくら支払うのかと、空恐ろしくなる。
「そんなにたくさんは……」
要らないのだと言いかけた唇を、白い手袋の指が塞いだ。
「俺が贈りたいんだ。そうさせてくれ」
後日届けられた一ダースの指輪を、アンバーは即座に隠し金庫にしまいこんだ。
普段つけなれない高価な指輪だ。手洗いの時や着替えの時、ついうっかり置き忘れでもしないか不安だったからだ。
結婚式まで少なくとも二年か三年ある。
それまでに一ダースの中からひとつだけ出して、高価な指輪に少しずつ慣れてゆけばいいと思っていた。
次の朝、上司に呼びだされるまでは。
明日は休日という夜、リビングのソファにぐたりと身体をあずけて、アンバーはあちこちに積み上げられた贈り物の箱に目をやる。
ため息をついた。
(贈り物攻め? こういうの、貴族の間では普通なの?)
前世今生通して、アンバーには贈り物攻めなどという贅沢な目にあった経験がない。前世の小説や漫画、今生では同級生や同僚の自慢話の中で、聞いたことがあるだけだ。一度でいいからそんな目にあってみたいなどと思っていたのだけど、あってみるとけっこう気が重いものだとはじめて知った。
(毎日お礼状を書くのも大変なんだけど……)
貴族の礼儀として、贈り物をいただいたら直筆のお礼状を送らなくてはならない。今日も仕事を終えて帰って来たら、玄関横の専用宅配ルームに贈り物の箱が山積みされている。
またお礼状を書くのかと、かなり憂鬱になった。
お礼を書くのなら、中身がなにかくらいは確認しておこうとリボンのかかった箱を開いた。
中身は、今回もかなり趣味の良いものだった。
どこで調べたかジャストサイズのドレスにコート、ヒールの靴にバッグ、それにアクセサリー。それらはすべて一流のブランドショップのものだったけど、アンバーが普段使っても、それほど浮き上がるようなものではない。どちらかといえば実用的な、過度な装飾の少ないデザインのものばかりだった。
(気遣いのできる人なのかも)
そう思えるくらいには、マクレーン辺境伯あの赤毛の青年を見直していた。だから二週間後に、もう一度会いたいと申し入れがあった時、アンバーは承知していた。
面会場所に、ホテルのティーサロンを指定して。
「考えてくれたか?」
給仕が引いてくれた椅子に、アンバーがすとんと腰を下ろした途端、マクレーン辺境伯の切れ長の薄い青の瞳がきらりと輝いた。
ほどよく低いテノールの声が、少し不安げに響く。
「今の仕事をやめたくありません。それでもよろしいでしょうか?」
アンバーにとって、やりがいのある、自分の居場所だ。そこを失くさずに済むのなら、結婚してみるのも悪くないかもしれないと思った。
結婚すれば、あの母から今よりずっと距離を置くことができる。マクレーン辺境伯家であれば、実家より格上だ。アンバーにあれこれ嫌な干渉をしてくる母であっても、格上貴族に嫁いだ娘にこれまでどおりというわけにはゆかないだろうと考えたからだ。
仮にうまくいかず離婚することになっても、仕事さえ放さなければ今と変わらない。元に戻るだけだ。
「君が仕事を続けたいというのなら、そうすればいい」
あっさりとマクレーン辺境伯は頷いた。
(え? そんなにあっさり認めていいの? 一日中、家にはいないってことなんだけど、わかってる?)
心の声が聞こえたみたいに、マクレーン辺境伯はふっと息だけの笑いを漏らした。
「領地の屋敷には俺を育ててくれた義母がいる。心得た方だから、君を助けてくれるはずだ」
ああ、前世風に言えば「一家に主婦は二人要らない」って、あれだ。家内の切り盛りをする人は、他人にあれこれ口出しされたくないようだから。
実母から愛された感覚のないアンバーには、義理の母だからといって特に警戒することもない。特に庶子であるマクレーン辺境伯を育てて、彼から「心得た方」と評価されるような女性なら、信じてもいいのかもしれない。
仕事を続けていいのかとほっとした途端、「あ!」と思わず声が出そうになった。
(どうしよう。転勤ありの異動に同意しちゃった)
「あ……の……。実は夏の異動について、先日上司に『どこでも行きます』と返事をしてしまいました。ですからすぐに閣下のもとへ嫁ぐのは難しいかと」
マクレーン辺境伯の切れ長の目が、わずかに見開かれる。
「受けてくれると、そう思っていいのか?」
「はい……。でも今すぐには難しいので、早くても二年か三年先でなければ閣下のご領地には伺えません。そう申し上げたかっ……」
「ありがとう!」
アンバーが言い終わらないうちに、キラキラ輝くようなテノールの声がかぶせられる。
(いや、この人、私の言ったことちゃんと聞いてた? 二、三年は無理って言ったのに)
結納金をはずむとか、持参金なしでいいとか、そんな条件はアンバーにはそれほど響かなかった。
けれど。
家の中にこもらなくていい。仕事を続けていい。
このふたつは響いた。
子供は産まなければならないけど、それは貴族家に嫁ぐならどこでも同じだ。
こんな好条件の契約、滅多にない。
だから結婚しても良いと思って、気づいたのだ。
一度転勤すれば、最短で二年から三年は異動がない。アンバーの任地は多分もう決まっているだろうから。説明しようとしていたのに。
「あの……、マクレーン閣下」
「ユーインだ」
やや不機嫌な低い声に、アンバーはびくりとした。
「閣下ではなく、ユーインと呼んでほしい。じきに俺の妻となる女性なのだから」
じいっと、アンバーを見つめてくる薄い青の瞳。「ユーインと呼べ、いますぐ」と迫ってくるようだ。その圧に耐えかねて、アンバーは目をそらして蚊の鳴くような声で言われたとおりに呼んだ。
「ユーイン……さま」
カタリと椅子の動く音がして、シトラスの香りがアンバーに近づいてくる。逸らした視界の端に、ユーインの赤く艶やかな髪が入った。
左手の指先に、白い手袋の指がかかる。続けて温かい唇が、そこに落とされた。
どきんとはね上がる心臓、一気に鼓動が速くなる。頬や耳に身体中の熱が集まって、たぶん今自分は真っ赤な顔をしているのだろうと自覚があった。
おそるおそる正面に目を向けると、歓びとか嬉しいとかを言葉よりもよく伝えてくれる、薄い青の瞳にぶつかった。
「アンバーと呼んでも?」
「はい」
「ではアンバー、これからすぐに婚約指輪を買いに行こう。ああ、そうだ。結婚指輪もいるな。すぐに必要になる」
戸惑うアンバーの手を引いて、ユーインはさっさとカフェを出る。そしてそのまま王都一の宝飾店へ連れて行き、アンバーが何かを言う間もなく、薄い青色の石のついた指輪を一ダースほど買った。
「君のサイズに直してもらう。できあがったら気分に合わせて付け替えるといい」
王都一の宝飾店だ。
店の奥にある別室でお茶とお菓子を供されて、黒いベルベットのケースに納められた指輪がいくつもいくつも運ばれてきた。もうその時点で今見せられている指輪の値段が、店頭にあるものの比ではないのだと贅沢品に不慣れなアンバーにだってわかる。
婚約指輪と結婚指輪、あわせてもふたつだ。なのにユーインは、一ダース、十二個も買って平然としている。
(婚約指輪とか結婚指輪って、気分に合わせて付け替えるもの?)
アンバーが知らないだけで、裕福な上位貴族では珍しくない習慣なのだろうか。それにしても一ダースだ。いったい全部でいくら支払うのかと、空恐ろしくなる。
「そんなにたくさんは……」
要らないのだと言いかけた唇を、白い手袋の指が塞いだ。
「俺が贈りたいんだ。そうさせてくれ」
後日届けられた一ダースの指輪を、アンバーは即座に隠し金庫にしまいこんだ。
普段つけなれない高価な指輪だ。手洗いの時や着替えの時、ついうっかり置き忘れでもしないか不安だったからだ。
結婚式まで少なくとも二年か三年ある。
それまでに一ダースの中からひとつだけ出して、高価な指輪に少しずつ慣れてゆけばいいと思っていた。
次の朝、上司に呼びだされるまでは。
89
お気に入りに追加
455
あなたにおすすめの小説
元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
星乃びこ
ファンタジー
妹のように思っていた従姉妹のシャーロットと婚約者リアムの浮気を知ったその日から人生が一変してしまった公爵令嬢のエレノア・ビクター。しばらくは、身を固めず好きに生きようと考えていた彼女は、侍女を連れ、息抜きがてらお忍びで街へ繰り出すことに。そこで再会したのは、幼なじみでリアムの実弟ノエルだった――。
さらに、屋敷にやって来たノエルに突然婚約を持ちかけられて…!?
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる