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第六章 セスランの章(セスランEDルート)
92.契約の夜
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*以下、性描写が入ります。苦手な方、18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。
セスランの長い指が、パウラの唇に触れる。
愛おしむように幾度か行き来して、その後そうっと触れるだけのキスを落とした。
優しい唇が触れてはわずかに離れ、また触れて。
「ああ!」
上向いて、セスランが唸る。
きつく目を閉じていた。
「優しくしてやりたいと思っていたが、どうも無理らしい。
許せ」
低い声でそう言ったとほぼ同時に、パウラを抱きしめた。
再び重ねられた唇は、パウラに呼吸さえ許さない。吐く息をすべて吸い取って、温かい舌がねろりと侵し入る。
初めての感覚に驚いて逃げ惑うパウラの舌を、セスランは捕らえて離さない。口内すべてをくまなく撫でまわされて、酸素を求めてはふはふと開く唇から、どちらのものともわからない唾液がこぼれてパウラの口元をつうと伝った。
これがこの先に起こることの前触れだと、本能的に理解する。
思わず身を固く縮こまらせると、宥めるように優しい手が頬を撫でる。
「これから私が何をしても、それはパウラを愛しているからだとわかってほしい」
何をしても。
何をされるのか、知識としてはパウラも理解している。
けれど実践となると、不安でたまらない。
「心配するな。
気持ちよくなるだけだ」
暗い微笑に、さらに身を固くする。
いつもは優しい翡翠の瞳に、ちらちらと見え隠れする小さな火。まるで竈の熾火のようだ。
こんな表情のセスランを、見たことがない。
がちがちに固まった身体を、セスランはぎゅっと抱きしめる。
パウラの半身を起こすと左腕で背を支えながら、もう片方の手でパウラの銀色の髪をすくい上げて唇を落とす。そのまま唇は首筋へ移り、小さなキスを幾度も降らせた。時折きゅっと強く吸い上げられる度、ちりっと小さな痛みがパウラを痺れさせる。
追いかけるように、温かい舌がその痛みを拭った。丁寧に丁寧に幾度も舐めとって、いつかそれが心地よいとパウラが感じるようになった頃、濡れた温もりは胸元にあった。
「ひ……」
反射的にはねのけようとする。
未知の感覚が、パウラには恐ろしくて。
その突っぱねた腕を、セスランは難なく抑え込む。まるでそんな抵抗などなかったかのように、セスランの舌がパウラの両のふくらみを丁寧に丁寧に舐めてゆく。猫がミルクをなめとるようにチロチロと動く舌が、パウラの下腹におかしな変化をもたらした。
じれったい。
もっと強くと、我知らず浮かんでくる言葉に気づいて赤面した。
(今、何を思ったの?)
セスランの形の良い唇が、意地悪い曲線を描く。
ふ……と息だけで笑った。
胸のふくらみ、その頂を口に含まれて、今度こそパウラははっきりと高い声をあげた。
「あっ……!」
待ち焦がれていた刺激は、これだったのか。下腹がじんじんとしびれるようで、いつのまにか腰が揺れていた。
「煽るな。
私の自制心が、焼けきれる」
掠れた声は、知らない男のものだった。
ほの暗く重い、オスの匂いがする。
けれど嫌ではない。
セスランにそんな声を出させているのは、パウラなのだ。
それがとても嬉しくて、腕を伸ばしてセスランの首をしっかり抱きしめた。
「煽ってない。
身体が……勝手に……」
パウラの腹部に、ぬるりとなにかが零れる。
あおむけのパウラの上には、セスランがいる。
ちょうどパウラの下腹のあたりに、熱くて硬い何かが当たっていた。
こぼれた何かは、そこからあふれ出ているようで、そっと指を伸ばして手探りでそこに触れると、セスランの身体がびくりと震えた。
「っ…………!」
美しい眉間に皺を寄せて、セスランは何かに耐えているように見えた。
痛かったのかと、慌てて引っこめようとする指を、セスランが強い力で掴む。
「こんなことをして、ただで済むとでも?」
余裕をかなぐり捨てたセスランが、パウラの両脚を抱え込む。
「え?
何をす……る……」
両脚を大きく広げられて、パウラは焦った。
「や!
やめて、セスラン」
必死で拘束から逃れようともがくが、強い力で抑え込まれて微動だにしない。
はしたない格好を見られたくなくて、涙がこぼれる。
「放して、お願い」
「静かに。
私にまかせていれば良い。
パウラをできるだけ傷つけたくない」
声と同時に、太ももを温かく湿った舌が行き来して。
指がパウラの下着にかかる。
一息に引きずり降ろされて、悲鳴を上げた。
恥ずかしかった。
こんなに恥ずかしいのに、身体はセスランを受け入れる準備をしていた。
こぷりと音をたてて、パウラの中から温かいぬめりがあふれ出る。
「み、見ないでください。
お願い、セスラン」
こぼれる涙を、愛し気にセスランは吸い取った。
「なぜ?
パウラが私を求めてくれた証を、見ないでいられるとでも?」
耳元で囁く声は、蕩けるように甘い。
ああ、少しいつものセスランに戻った。
けれど、甘かった。
再びパウラの脚を開かせたセスランは、あろうことかその間に顔を沈めた。
目の前には、間違いなくパウラの潤みきった秘所がある。
死ぬほど恥ずかしい。
「私のパウラ……」
名を呼ばれると同時に、ぬるりと温かい感触が秘所を這う。
ずるずると音をたてて、セスランは吸い上げる。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、もう消えてしまいたい。
なんとか逃げようと無駄な抵抗を続けるが、先ほどよりもがっちり抑え込まれて身動き1つできないでいる。
身体が、いやセスランの舌が這う箇所が熱い。
でももっと熱くなっている1点があって、そこがひくひくとうごめいているのがわかる。
「ここか?」
指先でつんと触れられただけで、背筋を快感が突き抜けた。
何、これ。
息を乱すパウラを見降ろして、セスランはそこに唇を落とす。
「うわっ……」
吐息と共に、耐え切れなくなった涙がこぼれた。
ちろちろと動く舌がその1点の周りをぐるぐると廻り、焦れて焦れてパウラが自ら腰を持ち上げた時、待ち焦がれた刺激が与えられた。
何度も何度も行き来する厚い肉感のある温みに、だんだんに高みにのぼりつめて。
弾ける。
真っ白になった頭。
全身の力がすべて抜けた。
「私のパウラ」
甘く蕩ける声が名を呼んで、大きく熱い昂ぶりがぐずぐずになったパウラの中に侵し入る。
ひきつれる痛みにパウラが身をよじると、宥めるようにセスランがパウラの身体を抱いた。
「私につかまっていろ。
痛ければ、嚙みついても良い」
セスランがそろそろと腰を進めると、焼けた鉄杭をねじ込まれるような痛みが襲う。
痛い、熱い、痛い。
「き……つ……」
痛いのはパウラだけのはずなのに、セスランの眉間には皺が刻まれて、まるで耐えているのは彼のように額には玉の汗が浮かんでいた。
紅いうねった髪が汗で貼りついた額、苦し気に細められる翡翠の瞳。
はぁはぁと上がる息。
パウラは自分の痛みを忘れて、見惚れた。
なんて色っぽいのだろう。
こんな表情をするのか、この人は。
ぼんやり見上げるパウラの視線にセスランが気づく。
「私を観察しているのか?
では手加減は、ここまでだ」
パウラ……と切なげに名を呼んで、セスランは一気に腰を沈めた。
貫かれる。
頭の先まで貫かれるような衝撃が、パウラを襲う。
ぐちゃぐちゃと湿った水音と肌のぶつかる乾いた音が続いて、セスランの息がさらに荒くなる。
「ぐ……」
小さく震えて呻いたセスランが、ほうと大きく息をついた。
「よく耐えた」
そう言って、パウラを抱きしめて頭を撫でてくれる。
「痛かっただろう。
すまぬ、余裕がまるでなかった」
ほんの少し肩を落としたセスランに、パウラは首を振って見せた。
痛いのは当たり前のことだと聞く。
だからセスランのせいではない、多分。
それよりも嬉しかった。
あのいつも貴公子然としたセスランが、パウラのために余裕をなくしてオスになった。
その姿を見られるのは、パウラ一人なのだと思えば、嬉しくて誇らしくて、幸せだ。
「セスランがくれたものだから、痛みだって嬉しい」
胸の思いを要約すると、そんな言葉になった。
翡翠の瞳が大きく見開かれ、紅く長いまつ毛がばさりと下ろされて。
大きな形の良い手が、まだ上気したままの顔を覆う。
「パウラ、私を殺す気か……」
艶やかなテノールで、小さくそう呟いた。
セスランの長い指が、パウラの唇に触れる。
愛おしむように幾度か行き来して、その後そうっと触れるだけのキスを落とした。
優しい唇が触れてはわずかに離れ、また触れて。
「ああ!」
上向いて、セスランが唸る。
きつく目を閉じていた。
「優しくしてやりたいと思っていたが、どうも無理らしい。
許せ」
低い声でそう言ったとほぼ同時に、パウラを抱きしめた。
再び重ねられた唇は、パウラに呼吸さえ許さない。吐く息をすべて吸い取って、温かい舌がねろりと侵し入る。
初めての感覚に驚いて逃げ惑うパウラの舌を、セスランは捕らえて離さない。口内すべてをくまなく撫でまわされて、酸素を求めてはふはふと開く唇から、どちらのものともわからない唾液がこぼれてパウラの口元をつうと伝った。
これがこの先に起こることの前触れだと、本能的に理解する。
思わず身を固く縮こまらせると、宥めるように優しい手が頬を撫でる。
「これから私が何をしても、それはパウラを愛しているからだとわかってほしい」
何をしても。
何をされるのか、知識としてはパウラも理解している。
けれど実践となると、不安でたまらない。
「心配するな。
気持ちよくなるだけだ」
暗い微笑に、さらに身を固くする。
いつもは優しい翡翠の瞳に、ちらちらと見え隠れする小さな火。まるで竈の熾火のようだ。
こんな表情のセスランを、見たことがない。
がちがちに固まった身体を、セスランはぎゅっと抱きしめる。
パウラの半身を起こすと左腕で背を支えながら、もう片方の手でパウラの銀色の髪をすくい上げて唇を落とす。そのまま唇は首筋へ移り、小さなキスを幾度も降らせた。時折きゅっと強く吸い上げられる度、ちりっと小さな痛みがパウラを痺れさせる。
追いかけるように、温かい舌がその痛みを拭った。丁寧に丁寧に幾度も舐めとって、いつかそれが心地よいとパウラが感じるようになった頃、濡れた温もりは胸元にあった。
「ひ……」
反射的にはねのけようとする。
未知の感覚が、パウラには恐ろしくて。
その突っぱねた腕を、セスランは難なく抑え込む。まるでそんな抵抗などなかったかのように、セスランの舌がパウラの両のふくらみを丁寧に丁寧に舐めてゆく。猫がミルクをなめとるようにチロチロと動く舌が、パウラの下腹におかしな変化をもたらした。
じれったい。
もっと強くと、我知らず浮かんでくる言葉に気づいて赤面した。
(今、何を思ったの?)
セスランの形の良い唇が、意地悪い曲線を描く。
ふ……と息だけで笑った。
胸のふくらみ、その頂を口に含まれて、今度こそパウラははっきりと高い声をあげた。
「あっ……!」
待ち焦がれていた刺激は、これだったのか。下腹がじんじんとしびれるようで、いつのまにか腰が揺れていた。
「煽るな。
私の自制心が、焼けきれる」
掠れた声は、知らない男のものだった。
ほの暗く重い、オスの匂いがする。
けれど嫌ではない。
セスランにそんな声を出させているのは、パウラなのだ。
それがとても嬉しくて、腕を伸ばしてセスランの首をしっかり抱きしめた。
「煽ってない。
身体が……勝手に……」
パウラの腹部に、ぬるりとなにかが零れる。
あおむけのパウラの上には、セスランがいる。
ちょうどパウラの下腹のあたりに、熱くて硬い何かが当たっていた。
こぼれた何かは、そこからあふれ出ているようで、そっと指を伸ばして手探りでそこに触れると、セスランの身体がびくりと震えた。
「っ…………!」
美しい眉間に皺を寄せて、セスランは何かに耐えているように見えた。
痛かったのかと、慌てて引っこめようとする指を、セスランが強い力で掴む。
「こんなことをして、ただで済むとでも?」
余裕をかなぐり捨てたセスランが、パウラの両脚を抱え込む。
「え?
何をす……る……」
両脚を大きく広げられて、パウラは焦った。
「や!
やめて、セスラン」
必死で拘束から逃れようともがくが、強い力で抑え込まれて微動だにしない。
はしたない格好を見られたくなくて、涙がこぼれる。
「放して、お願い」
「静かに。
私にまかせていれば良い。
パウラをできるだけ傷つけたくない」
声と同時に、太ももを温かく湿った舌が行き来して。
指がパウラの下着にかかる。
一息に引きずり降ろされて、悲鳴を上げた。
恥ずかしかった。
こんなに恥ずかしいのに、身体はセスランを受け入れる準備をしていた。
こぷりと音をたてて、パウラの中から温かいぬめりがあふれ出る。
「み、見ないでください。
お願い、セスラン」
こぼれる涙を、愛し気にセスランは吸い取った。
「なぜ?
パウラが私を求めてくれた証を、見ないでいられるとでも?」
耳元で囁く声は、蕩けるように甘い。
ああ、少しいつものセスランに戻った。
けれど、甘かった。
再びパウラの脚を開かせたセスランは、あろうことかその間に顔を沈めた。
目の前には、間違いなくパウラの潤みきった秘所がある。
死ぬほど恥ずかしい。
「私のパウラ……」
名を呼ばれると同時に、ぬるりと温かい感触が秘所を這う。
ずるずると音をたてて、セスランは吸い上げる。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、もう消えてしまいたい。
なんとか逃げようと無駄な抵抗を続けるが、先ほどよりもがっちり抑え込まれて身動き1つできないでいる。
身体が、いやセスランの舌が這う箇所が熱い。
でももっと熱くなっている1点があって、そこがひくひくとうごめいているのがわかる。
「ここか?」
指先でつんと触れられただけで、背筋を快感が突き抜けた。
何、これ。
息を乱すパウラを見降ろして、セスランはそこに唇を落とす。
「うわっ……」
吐息と共に、耐え切れなくなった涙がこぼれた。
ちろちろと動く舌がその1点の周りをぐるぐると廻り、焦れて焦れてパウラが自ら腰を持ち上げた時、待ち焦がれた刺激が与えられた。
何度も何度も行き来する厚い肉感のある温みに、だんだんに高みにのぼりつめて。
弾ける。
真っ白になった頭。
全身の力がすべて抜けた。
「私のパウラ」
甘く蕩ける声が名を呼んで、大きく熱い昂ぶりがぐずぐずになったパウラの中に侵し入る。
ひきつれる痛みにパウラが身をよじると、宥めるようにセスランがパウラの身体を抱いた。
「私につかまっていろ。
痛ければ、嚙みついても良い」
セスランがそろそろと腰を進めると、焼けた鉄杭をねじ込まれるような痛みが襲う。
痛い、熱い、痛い。
「き……つ……」
痛いのはパウラだけのはずなのに、セスランの眉間には皺が刻まれて、まるで耐えているのは彼のように額には玉の汗が浮かんでいた。
紅いうねった髪が汗で貼りついた額、苦し気に細められる翡翠の瞳。
はぁはぁと上がる息。
パウラは自分の痛みを忘れて、見惚れた。
なんて色っぽいのだろう。
こんな表情をするのか、この人は。
ぼんやり見上げるパウラの視線にセスランが気づく。
「私を観察しているのか?
では手加減は、ここまでだ」
パウラ……と切なげに名を呼んで、セスランは一気に腰を沈めた。
貫かれる。
頭の先まで貫かれるような衝撃が、パウラを襲う。
ぐちゃぐちゃと湿った水音と肌のぶつかる乾いた音が続いて、セスランの息がさらに荒くなる。
「ぐ……」
小さく震えて呻いたセスランが、ほうと大きく息をついた。
「よく耐えた」
そう言って、パウラを抱きしめて頭を撫でてくれる。
「痛かっただろう。
すまぬ、余裕がまるでなかった」
ほんの少し肩を落としたセスランに、パウラは首を振って見せた。
痛いのは当たり前のことだと聞く。
だからセスランのせいではない、多分。
それよりも嬉しかった。
あのいつも貴公子然としたセスランが、パウラのために余裕をなくしてオスになった。
その姿を見られるのは、パウラ一人なのだと思えば、嬉しくて誇らしくて、幸せだ。
「セスランがくれたものだから、痛みだって嬉しい」
胸の思いを要約すると、そんな言葉になった。
翡翠の瞳が大きく見開かれ、紅く長いまつ毛がばさりと下ろされて。
大きな形の良い手が、まだ上気したままの顔を覆う。
「パウラ、私を殺す気か……」
艶やかなテノールで、小さくそう呟いた。
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