46 / 96
第四章 オリヴェルの章(オリヴェルEDルート)
46. 風竜の試練、始まる
しおりを挟む
風竜の試練は、西の大陸ヴェストリー公国で行われる。
4つある実践課題の中で、これだけは少し変わっていた。
他の試練は何かしらのトラブル解決の成果を評価されるが、風竜の試練では企画とその実施の成果をもって評価される。
近く予定されているシェンタの港祭りで、何かしらのイベントを企画してそれなりの集客と収益を上げ、かつその企画自体に社会的な貢献がなくてはならない。
前世のパウラは世界中の食べ物を集めたフードフェスタを企画して、それなりに成果を上げた。
エリーヌが何をしたのか、詳しくは知らない。
この課題では、二人がそれぞれ別に活動する。
評価者である正副の試験官は、その二人を別々に見て回るから、パウラとエリーヌが接触することはない。
企画の独自性を守り、課題の公正を担保するための配慮である。
エリーヌの企画はドレスの品評会のようなものだと聞いたような気がするが、そもそも彼女には最初から勝つ気がなかったのだから、企画のできについてだけ気にしても仕方ないだろう。
今生では4人の聖使の応援もあって、それなりにやる気になってはいるようだが……。
初めての実践課題を前に、パウラはどうしたものかと思う。
2度目の企画に、前と同じものをあてるのは考え物だ。
高評価だったあれでは、また前世と同じ聖女オーディアナへ一直線コース。
かといって、あからさまに手を抜いてはさすがにまずい。
バレてやり直しなどさせられてはたまらない。
適当にありきたりで、そこそこ難しいもの。
(そこそこって、案外難しいものね)
かかる費用はいくらでもかまわないが、それを上回る収益がなくてはならず、それだけの収益があがることを説得力のある試算で試験官に説明しなくてはならない。
それが認められて初めて、費用にあてる予算がおりる。
「武術大会を企画しますわ。
手伝っていただけませんか?」
ヴェサーケレ商会の応接室。
久しぶりの挨拶もそこそこに、当主イェーリクにパウラは本題を切り出した。
彼ならパウラの身分を知っている上、ヴェストリー大公家御用達商人でもある。
面倒な説明は最小限に済むはずと、彼に企画の司令塔を持ちかける。
「武術大会なら、今でもやっていますよ?」
「ええ、そうですわね。
でも小規模だし、第一本当に強い騎士は出ていませんわ」
今でもやっている。
これこそパウラが、武術大会を企画した理由だった。
目新しくなく、無難な企画だったから。
少しのアレンジを加えるだけだから、エリーヌが頑張ってくれている今なら、圧倒的優勢にはならない。
「本当に強いとおっしゃると、たとえばヘルムダールの飛竜騎士とかでしょうか?」
「他にもヴァースキーやヴォーロフの魔術騎士、ゲルラの騎士もそうだわ」
「出てくれるでしょうか?
彼らがこんな祭りの出し物などに」
イェーリクの疑問はもっともだ。
彼ら、騎士はそれぞれの公国に忠誠を誓う。
自国でならいざ知らず、他国のしかも催し事で技量を披露するなど、まず考えられない。
「わたくしが出ますわ」
えへんと胸を張って、パウラは答える。
自慢ではないが、そこそこに強い自信はあった。
なにしろヘルムダールの後継ぎ公女で、しかもナナミ仕込みの武術家の端くれである。
「え?」
まさかとあっけにとられたイェーリクに、これで驚いてもらっては困ると先を続ける。
「わたくしが出ると実家に話しましたら、護衛騎士のナナミが自分も出ると言ってくれました。
それにヴァースキーのリューカス公子も、出てくださるそうですわ」
武術大会では真剣は使わない。
魔術もその威力を本来の半分以下に抑えることが、出場にあたっての条件である。
しっかりした防具さえつけていれば、大けがをすることはない。
けれどパウラに何かあってはと、二人は心配してくれたようだった。
「それが本当であれば……。
他の公家からも出場者が続くでしょうね。
盛況まちがいない」
イェーリクが真顔になっている。
商売の計算をし始めたらしい。
「リューカス公子はきっと女の子たちの人気をさらうでしょう。
いっそ防具一式を、特注で製作してみてはどうかしら?
後から同じものがほしいと言ってくる人、いると思うわ」
リューカスモデルの防具、モテたい男性が喜んで求めそうではないか。
イェーリクは大きく頷いた。
「それを言うなら、姫様とナナミ様のものも同じです。
姫様がお使いになったもの、ナナミ様がお使いになったもの。
こちらは使うためではなく、飾っておくために求められる方もいるかもしれませんね」
パウラは少しだけ眉を寄せた。
ちょっと気持ち悪い。
けれどまぁ、この際少々のことには目をつぶることにした。
「広報と商工会との調整をお願いできますか?
費用の見積もりをいただければ、説明資料の作成ができますわ」
通常の武術大会と違うのは、参加者に少し名前の通った広告塔数人が入ること。
それとそれらに特注の防具を用意して、着用させること。
後は相当の人出が予想されることから、警備も手厚くする必要があるだろう。
これらの要素を勘案して、費用を上積みすれば良い。
警備費用が一番大きいだろうが、シェンタの祭りに少なくともヘルムダールとヴァースキーから参加者が出るのだ。
祭りと武術大会の権威づけには、申し分ないだろう。
人出があれば、近隣の商店の売上も悪くはないはず。
「承知いたしました。
早急に手配いたします」
イェーリクが応えたとほぼ同時に、応接室の扉が開く。
「特注の防具、予算は目いっぱい積んでおいた方が良いよ」
扉に身体をもたせかけるようにして、オリヴェルが笑いをかみ殺していた。
「おそらくゲルラもヴォーロフも、それにこのヴェストリーからも、公子たちが参加したいと言い出すだろうからね。
パウラが出るなんて聞けば、ヴァースキーにだけ良い思いはさせられないだろう?」
いや、そこまで大がかりにするつもりはなくて。
そう言いかけたパウラを遮るように、オリヴェルの緑の瞳はいたずらげに輝く。
「パウラが出るってことは、そういうことだからね。
中途半端な謙譲は、美徳ではないよ」
ぴしゃりと図星をつかれて、パウラは真っ赤になった。
中途半端な謙譲。
そのとおりだったから。
4つある実践課題の中で、これだけは少し変わっていた。
他の試練は何かしらのトラブル解決の成果を評価されるが、風竜の試練では企画とその実施の成果をもって評価される。
近く予定されているシェンタの港祭りで、何かしらのイベントを企画してそれなりの集客と収益を上げ、かつその企画自体に社会的な貢献がなくてはならない。
前世のパウラは世界中の食べ物を集めたフードフェスタを企画して、それなりに成果を上げた。
エリーヌが何をしたのか、詳しくは知らない。
この課題では、二人がそれぞれ別に活動する。
評価者である正副の試験官は、その二人を別々に見て回るから、パウラとエリーヌが接触することはない。
企画の独自性を守り、課題の公正を担保するための配慮である。
エリーヌの企画はドレスの品評会のようなものだと聞いたような気がするが、そもそも彼女には最初から勝つ気がなかったのだから、企画のできについてだけ気にしても仕方ないだろう。
今生では4人の聖使の応援もあって、それなりにやる気になってはいるようだが……。
初めての実践課題を前に、パウラはどうしたものかと思う。
2度目の企画に、前と同じものをあてるのは考え物だ。
高評価だったあれでは、また前世と同じ聖女オーディアナへ一直線コース。
かといって、あからさまに手を抜いてはさすがにまずい。
バレてやり直しなどさせられてはたまらない。
適当にありきたりで、そこそこ難しいもの。
(そこそこって、案外難しいものね)
かかる費用はいくらでもかまわないが、それを上回る収益がなくてはならず、それだけの収益があがることを説得力のある試算で試験官に説明しなくてはならない。
それが認められて初めて、費用にあてる予算がおりる。
「武術大会を企画しますわ。
手伝っていただけませんか?」
ヴェサーケレ商会の応接室。
久しぶりの挨拶もそこそこに、当主イェーリクにパウラは本題を切り出した。
彼ならパウラの身分を知っている上、ヴェストリー大公家御用達商人でもある。
面倒な説明は最小限に済むはずと、彼に企画の司令塔を持ちかける。
「武術大会なら、今でもやっていますよ?」
「ええ、そうですわね。
でも小規模だし、第一本当に強い騎士は出ていませんわ」
今でもやっている。
これこそパウラが、武術大会を企画した理由だった。
目新しくなく、無難な企画だったから。
少しのアレンジを加えるだけだから、エリーヌが頑張ってくれている今なら、圧倒的優勢にはならない。
「本当に強いとおっしゃると、たとえばヘルムダールの飛竜騎士とかでしょうか?」
「他にもヴァースキーやヴォーロフの魔術騎士、ゲルラの騎士もそうだわ」
「出てくれるでしょうか?
彼らがこんな祭りの出し物などに」
イェーリクの疑問はもっともだ。
彼ら、騎士はそれぞれの公国に忠誠を誓う。
自国でならいざ知らず、他国のしかも催し事で技量を披露するなど、まず考えられない。
「わたくしが出ますわ」
えへんと胸を張って、パウラは答える。
自慢ではないが、そこそこに強い自信はあった。
なにしろヘルムダールの後継ぎ公女で、しかもナナミ仕込みの武術家の端くれである。
「え?」
まさかとあっけにとられたイェーリクに、これで驚いてもらっては困ると先を続ける。
「わたくしが出ると実家に話しましたら、護衛騎士のナナミが自分も出ると言ってくれました。
それにヴァースキーのリューカス公子も、出てくださるそうですわ」
武術大会では真剣は使わない。
魔術もその威力を本来の半分以下に抑えることが、出場にあたっての条件である。
しっかりした防具さえつけていれば、大けがをすることはない。
けれどパウラに何かあってはと、二人は心配してくれたようだった。
「それが本当であれば……。
他の公家からも出場者が続くでしょうね。
盛況まちがいない」
イェーリクが真顔になっている。
商売の計算をし始めたらしい。
「リューカス公子はきっと女の子たちの人気をさらうでしょう。
いっそ防具一式を、特注で製作してみてはどうかしら?
後から同じものがほしいと言ってくる人、いると思うわ」
リューカスモデルの防具、モテたい男性が喜んで求めそうではないか。
イェーリクは大きく頷いた。
「それを言うなら、姫様とナナミ様のものも同じです。
姫様がお使いになったもの、ナナミ様がお使いになったもの。
こちらは使うためではなく、飾っておくために求められる方もいるかもしれませんね」
パウラは少しだけ眉を寄せた。
ちょっと気持ち悪い。
けれどまぁ、この際少々のことには目をつぶることにした。
「広報と商工会との調整をお願いできますか?
費用の見積もりをいただければ、説明資料の作成ができますわ」
通常の武術大会と違うのは、参加者に少し名前の通った広告塔数人が入ること。
それとそれらに特注の防具を用意して、着用させること。
後は相当の人出が予想されることから、警備も手厚くする必要があるだろう。
これらの要素を勘案して、費用を上積みすれば良い。
警備費用が一番大きいだろうが、シェンタの祭りに少なくともヘルムダールとヴァースキーから参加者が出るのだ。
祭りと武術大会の権威づけには、申し分ないだろう。
人出があれば、近隣の商店の売上も悪くはないはず。
「承知いたしました。
早急に手配いたします」
イェーリクが応えたとほぼ同時に、応接室の扉が開く。
「特注の防具、予算は目いっぱい積んでおいた方が良いよ」
扉に身体をもたせかけるようにして、オリヴェルが笑いをかみ殺していた。
「おそらくゲルラもヴォーロフも、それにこのヴェストリーからも、公子たちが参加したいと言い出すだろうからね。
パウラが出るなんて聞けば、ヴァースキーにだけ良い思いはさせられないだろう?」
いや、そこまで大がかりにするつもりはなくて。
そう言いかけたパウラを遮るように、オリヴェルの緑の瞳はいたずらげに輝く。
「パウラが出るってことは、そういうことだからね。
中途半端な謙譲は、美徳ではないよ」
ぴしゃりと図星をつかれて、パウラは真っ赤になった。
中途半端な謙譲。
そのとおりだったから。
0
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生令嬢、死す。
ぽんぽこ狸
恋愛
転生令嬢、死す。
聖女ファニーは暇していた。それはもう、耐えられないほど退屈であり、このままでは気が狂ってしまいそうだなんて思うほどだった。
前世から、びっくり人間と陰で呼ばれていたような、サプライズとドッキリが大好きなファニーだったが、ここ最近の退屈さと言ったら、もう堪らない。
とくに、婚約が決まってからというもの、退屈が極まっていた。
そんなファニーは、ある思い付きをして、今度、行われる身内だけの婚約パーティーでとあるドッキリを決行しようと考える。
それは、死亡ドッキリ。皆があっと驚いて、きゃあっと悲鳴を上げる様なスリルあるものにするぞ!そう、気合いを入れてファニーは、仮死魔法の開発に取り組むのだった。
五万文字ほどの短編です。さっくり書いております。個人的にミステリーといいますか、読者様にとって意外な展開で驚いてもらえるように書いたつもりです。
文章が肌に合った方は、よろしければ長編もありますのでぞいてみてくれると飛び跳ねて喜びます。
【完結】その溺愛は聞いてない! ~やり直しの二度目の人生は悪役令嬢なんてごめんです~
Rohdea
恋愛
私が最期に聞いた言葉、それは……「お前のような奴はまさに悪役令嬢だ!」でした。
第1王子、スチュアート殿下の婚約者として過ごしていた、
公爵令嬢のリーツェはある日、スチュアートから突然婚約破棄を告げられる。
その傍らには、最近スチュアートとの距離を縮めて彼と噂になっていた平民、ミリアンヌの姿が……
そして身に覚えのあるような無いような罪で投獄されたリーツェに待っていたのは、まさかの処刑処分で──
そうして死んだはずのリーツェが目を覚ますと1年前に時が戻っていた!
理由は分からないけれど、やり直せるというのなら……
同じ道を歩まず“悪役令嬢”と呼ばれる存在にならなければいい!
そう決意し、過去の記憶を頼りに以前とは違う行動を取ろうとするリーツェ。
だけど、何故か過去と違う行動をする人が他にもいて───
あれ?
知らないわよ、こんなの……聞いてない!
光の王太子殿下は愛したい
葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。
わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。
だが、彼女はあるときを境に変わる。
アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。
どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。
目移りなどしないのに。
果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!?
ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。
☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
逆行令嬢は何度でも繰り返す〜もう貴方との未来はいらない〜
みおな
恋愛
私は10歳から15歳までを繰り返している。
1度目は婚約者の想い人を虐めたと冤罪をかけられて首を刎ねられた。
2度目は、婚約者と仲良くなろうと従順にしていたら、堂々と浮気された挙句に国外追放され、野盗に殺された。
5度目を終えた時、私はもう婚約者を諦めることにした。
それなのに、どうして私に執着するの?どうせまた彼女を愛して私を死に追いやるくせに。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
【完結】悪役令嬢に転生したようです。アレして良いですか?【再録】
仲村 嘉高
恋愛
魔法と剣の世界に転生した私。
「嘘、私、王子の婚約者?」
しかも何かゲームの世界???
私の『宝物』と同じ世界???
平民のヒロインに甘い事を囁いて、公爵令嬢との婚約を破棄する王子?
なにその非常識な設定の世界。ゲームじゃないのよ?
それが認められる国、大丈夫なの?
この王子様、何を言っても聞く耳持ちゃしません。
こんなクソ王子、ざまぁして良いですよね?
性格も、口も、決して良いとは言えない社会人女性が乙女ゲームの世界に転生した。
乙女ゲーム?なにそれ美味しいの?そんな人が……
ご都合主義です。
転生もの、初挑戦した作品です。
温かい目で見守っていただければ幸いです。
本編97話・乙女ゲーム部15話
※R15は、ざまぁの為の保険です。
※他サイトでも公開してます。
※なろうに移行した作品ですが、R18指定され、非公開措置とされました(笑)
それに伴い、作品を引き下げる事にしたので、こちらに移行します。
昔の作品でかなり拙いですが、それでも宜しければお読みください。
※感想は、全て読ませていただきますが、なにしろ昔の作品ですので、基本返信はいたしませんので、ご了承ください。
ANGRAECUM-Genuine
清杉悠樹
恋愛
エマ・マクリーンは城で開催される新年の祝賀行事に参加することになった。
同時に舞踏会も開催されるその行事に、若い娘なら誰もが成人となって初めて参加するなら期待でわくわくするはずが、エマは失望と絶望しか感じていなかった。
何故なら父からは今日会わせる相手と結婚するように言われたからだ。
昔から父から愛情も受けた記憶が無ければ、母が亡くなり、継母が出来たが醜い子と言われ続け、本邸の離れに年老いた侍女と2人暮らしている。
そんな父からの突然の命令だったが背けるわけがなく、どんな相手だろうが受け入れてただ大人しくすることしか出来ない。
そんな祝賀行事で、運命を変える出会いが待っていた。魔法を扱う部署のマギ課室長レナート・シルヴィオと、その義妹、ホノカ・シルヴィオと出会って。
私、こんな幸せになってもいいんですか?
聖獣というもふもふが沢山出て来て、魔法もある世界です。最初は暗いですが、途中からはほのぼのとする予定です。最後はハッピーエンドです。
関連作品として、CLOVER-Genuine(注:R18指定)があります。
ANGRAECUM-Genuineは、CLOVER-Genuineのその後という感じの流れになっています。
出来ればCLOVER-Genuineを読んだ後にこちらを読んで頂いた方が分かり易いかと思います。
アルファポリス、小説家になろう、pixivに同時公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる