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ゆうくんが自分の好みと思えるロボットを見つけて遊んでいると、別の男の子がおじさんの家にやってきました。
「おじさん、こんにちはー、今日も来たよ!」
このログインハウスには他の子供も来るようです。
「おやおや、いらっしゃい、きみもよく来たね。さあさあ、中へどうぞ」
おじさんはその男の子にも「来てくれたお礼だよ」と石を一つあげました。
「おじさん、今日の石、ありがとう。へへっ、オレの石、もうこんなにたまっちゃったぜ」
その男の子が持っているビンの中には、石がいっぱいにつまっていました。
「オレ、今日、この石使って、新しいおもちゃ、出すんだ! オレのほしいおもちゃを出すんだ!」
「……っ?」
石を使うってどういうことだろうとゆうくんは思いました。自分は適当なロボットのおもちゃを選んで遊びつつ、その男の子がどうやって石を使うのか、こっそりながめてみました。
「おじさん、オレ、石使うからね。こんなにたまったんだもん」
「使うか。よーし、じゃあ、やってみな」
その男の子は、適当な鉢を選ぶと、その中にビンの中の石をばらばらと流すように入れていきました。
「ああ、あんなにたまった石を、あんないっぺんに……もったいない」と、ゆうくんは横目で見ていて思いましたが、
「さあ、オレのほしいおもちゃ、出てくれ!」
男の子は鉢に向かって叫びました。
銅の色をしていた鉢が銀色になりました。
「おっ」
そして今度はその銀色の鉢がかがやきだして、
「おおっ」
金に変わり、
「金の次、こーい!」
そして虹色に変わりました。
「うおおー、きたー! きたきたー! 一番ほしいものが出る、虹の鉢になったぞ!」
その虹色の鉢から、光りかがやくものがポーンと飛び出しました。
そのまま男の子のうでの中に落ちてきたそれは、虹色にかがやく箱でした。
「きたー! 虹の激レアボックスだ!」
「すごい、やったじゃないか」
おじさんも大喜び。二人でハイタッチをしました。
それから男の子は興奮しながら抱えていた箱を開けました。
「うわー、これだよこれ、オレが一番ほしかったロボットだー!」
ピカピカ光るロボットは、お店で売られているような人気のおもちゃよりももっとかっこよく見えました。
「変形もできるぞ、これ」
値段も売られていたらきっと一万円くらいするかもしれません。誕生日とかクリスマスとか何か特別な日に、もしかしたらお父さんかお母さんに買ってもらえるかなと思えるくらいのものです。
「石、集めてきてよかった!」
男の子が喜ぶ姿もうらやましく見えました。
石を集めていくとあんなステキなことができるんだなぁ、とゆうくんは胸をおどらせながら、また持っていたおもちゃで静かに遊びました。そしてビンの中に石がたくさん詰まっている光景を想像しました。おじさんはハウスの外に出したら何の価値もなくなってしまうと言っていたけれど、このハウスの中であればステキなことが起こせるようです。たくさん溜まったら、ちょっと使ってみたいなと思いました。
欲しいおもちゃを手に入れたその男の子は「すごいだろ」と、じまんげにゆうくんを見てから、遊び始めました。
おじさんの言葉からすると、あの激レアロボットも遊べば遊ぶほど成長していくのです。ということは、すごいロボットがさらにすごくなっていくのです。
「おじさん、こんにちはー、今日も来たよ!」
このログインハウスには他の子供も来るようです。
「おやおや、いらっしゃい、きみもよく来たね。さあさあ、中へどうぞ」
おじさんはその男の子にも「来てくれたお礼だよ」と石を一つあげました。
「おじさん、今日の石、ありがとう。へへっ、オレの石、もうこんなにたまっちゃったぜ」
その男の子が持っているビンの中には、石がいっぱいにつまっていました。
「オレ、今日、この石使って、新しいおもちゃ、出すんだ! オレのほしいおもちゃを出すんだ!」
「……っ?」
石を使うってどういうことだろうとゆうくんは思いました。自分は適当なロボットのおもちゃを選んで遊びつつ、その男の子がどうやって石を使うのか、こっそりながめてみました。
「おじさん、オレ、石使うからね。こんなにたまったんだもん」
「使うか。よーし、じゃあ、やってみな」
その男の子は、適当な鉢を選ぶと、その中にビンの中の石をばらばらと流すように入れていきました。
「ああ、あんなにたまった石を、あんないっぺんに……もったいない」と、ゆうくんは横目で見ていて思いましたが、
「さあ、オレのほしいおもちゃ、出てくれ!」
男の子は鉢に向かって叫びました。
銅の色をしていた鉢が銀色になりました。
「おっ」
そして今度はその銀色の鉢がかがやきだして、
「おおっ」
金に変わり、
「金の次、こーい!」
そして虹色に変わりました。
「うおおー、きたー! きたきたー! 一番ほしいものが出る、虹の鉢になったぞ!」
その虹色の鉢から、光りかがやくものがポーンと飛び出しました。
そのまま男の子のうでの中に落ちてきたそれは、虹色にかがやく箱でした。
「きたー! 虹の激レアボックスだ!」
「すごい、やったじゃないか」
おじさんも大喜び。二人でハイタッチをしました。
それから男の子は興奮しながら抱えていた箱を開けました。
「うわー、これだよこれ、オレが一番ほしかったロボットだー!」
ピカピカ光るロボットは、お店で売られているような人気のおもちゃよりももっとかっこよく見えました。
「変形もできるぞ、これ」
値段も売られていたらきっと一万円くらいするかもしれません。誕生日とかクリスマスとか何か特別な日に、もしかしたらお父さんかお母さんに買ってもらえるかなと思えるくらいのものです。
「石、集めてきてよかった!」
男の子が喜ぶ姿もうらやましく見えました。
石を集めていくとあんなステキなことができるんだなぁ、とゆうくんは胸をおどらせながら、また持っていたおもちゃで静かに遊びました。そしてビンの中に石がたくさん詰まっている光景を想像しました。おじさんはハウスの外に出したら何の価値もなくなってしまうと言っていたけれど、このハウスの中であればステキなことが起こせるようです。たくさん溜まったら、ちょっと使ってみたいなと思いました。
欲しいおもちゃを手に入れたその男の子は「すごいだろ」と、じまんげにゆうくんを見てから、遊び始めました。
おじさんの言葉からすると、あの激レアロボットも遊べば遊ぶほど成長していくのです。ということは、すごいロボットがさらにすごくなっていくのです。
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