ゆうれいのぼく

13

　空からはゆうれいの大群たいぐんがせまってきている。

　さらに、地上からは、『あくのひみつそしき』の怪人かいじんたちがお墓を囲かこむように集あつまってきていた。

　ぼくはこうして彼女の体に宿ったはいいものの、逃げ場がなかった。彼女を人間に戻すことができたのに、またゆうれいにさせられてしまうのだろうか。

　もう一度お墓を見る。

　お墓には、指輪ゆびわがおかれてあった。ぼくたちの大切な結婚指輪けっこんゆびわだ。

　ぼくはすべて思い出した。

　ぼくは『あくのひみつそしき』につかまっていたんだ。アジトでひみつのじっけんの手伝いをさせられていたんだ。

　あるとき、逃げようとしたところで、ゆうれいにされてしまった。