ゆうれいのぼく

早乙女純章

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 ぼくは、ゆうれいになって、空をういていた。

 あれ、ぼくって、ゆうれいになる前は、なんだったんだっけ。

 ぼく、どこに行こうとしているんだろう。どこにかえろうとしているんだろう。

 あっちにふわふわ、こっちにふらふら、うかびながらかんがえてみる。

 なんでゆうれいになったのか分からない。

 あっちにふわふわ、こっちにふらふら、どこに行ったらいいのか分からない。

 そうだ、まちにおりて、ぼくが帰れる場所ばしょを、さがしてみよう。

 今はなんだか分からないゆうれいだけど、きっと自分がなんだったのかを思い出して、なりたい自分になれそうな気がする。
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