大東亜架空戦記

ソータ

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インド方面攻略戦

第85話 山口多聞

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山口多聞中将率いる第三連合艦隊はインド洋にて連合軍艦隊と対峙、戦艦比叡を失ったものの敵艦隊全滅にて勝利を収めた

「インド洋制海権奪取!」
この報告に陸空海軍の基地は歓喜に包まれた
「こちらの損害は」
「戦艦比叡轟沈、重巡利根大破、戦艦陸奥、霧島、重巡筑摩中破、戦艦金剛、伊勢、重巡笠置小破です」
「比叡が沈んだだと!?」
「神風と時津風が乗員救助したものの236名しか助からなかったと...」
「砲雷撃戦で我が軍がそこまで被害を受けたか...」
「昼間ならば我らが助太刀したものを!」
「雲龍などは被害を受けていないのか?」
「空母は護衛と共に艦隊を離れていたため無傷との事です」
「護衛に割きすぎたのでは?」
「山口中将のお考えだぞ」
海軍搭乗員が海戦について議論している
「黙れ!貴様らがいくら議論したところで何も変わらん!」
突如前田が声を上げる
「中佐...」
「....」
前田は何も言わず廊下へ出ていってしまった
「どうされたんだ...」
「知らんのか?前田中佐の兄君は比叡の作戦参謀だぞ」
「では、先の海戦で...」
「分からねぇから気がたってんだ」

「山本少将殿」
「ん、あぁ、前田か、改まってどうした」
「先の海戦を終えた艦隊がトラックに帰還していると聞きました」
「あぁそうだな」
「1週間お暇を頂きたく存じます」
「....兄のことが気になるか」
「はっ、私事を挟むのが言語道断であることは承知しております。」
「ふぅ...わかった、前田中佐に任務を与える」
「はっ」
「海軍トラック泊地へ赴き、海軍の損害の詳細の調査並びに山口中将への言伝を頼む」
「はっ!」

前田は二式大艇に乗り込みトラックをめざした
「前田中佐、少し休まれては?」
「いいのか」
「ええ、この空域は制空権、制海権共に我が軍の手中ですのでご安心されても構わないかと」
「そうだな...少し休ませてもらおう」
「起きたら梶田上飛曹が珈琲をお入れ致します」
「私ですか!?」
「お前がいちばん美味い珈琲を作るからな」
「ははは、楽しみにしとこう」
「はっ!おやすみなさいませ!」
前田はニコッと笑い目を瞑った

そして大艇搭乗員の掛け声で起きることになる
「艦影目視で確認!トラックです!」
トラック諸島が見えてきたのだ
豆粒大の艦影がちらほら見え始めている
「もうトラックか...」
前田がムクっと姿勢を整える
「おはようございます!珈琲ご用意しますね!」
「ありがとう、頼むよ」
「はっ!」

梶田が入れた珈琲をゆっくりと飲み干し
荷物を少し纏めるがまだ少し距離がある
「貴様らは直ぐに戻るのか?」
「いえ、前田中佐と共に戻る予定であります」
「そうか、なら今晩はあっちに泊まりだな」
「そうなりますな」
「なら夜俺のところに来い全員だ」
「酒ですか?」
「もちろんだ、できるだけ良いものを集めよう」
「なら行かん理由はありませんな!」

前田を乗せた二式大艇はトラック諸島の水上機基地に着水した
「お疲れ様でございます!案内役を仰せつかりました西田中尉であります!」
「ご苦労、司令室へ頼むよ」
「はっ!」

「長官、失礼致します」
「ん、どうした」
「空軍付武官の前田明利中佐がお越しです」
「通してくれ」
「はっ」

前田はそのまま長官室に通された
「改めまして、空軍付海軍武官、第二六五航空隊長前田明利中佐であります」
「印度方面軍機動艦隊司令長官、山口多聞中将である」
「空軍第一皇軍航空師団長より伝言を預かっております」
「遠いところご苦労だね、かけてくれ」
「恐縮であります」
「早速本題でありますが、陸空軍としては海軍の戦艦による艦砲射撃、並びに航空支援をお願いしたく存じます。また、細かい日時などに関しては、おいおい詰めて行ければと」
「了解した、海軍でも検討すると伝えてくれ」
「はっ!」
「しかし我が機動艦隊の第一から第三戦隊は先の海戦で消耗している。第四や第十六水雷戦隊、航空戦力のみでの支援になってしまうことも了承して頂きたい」
「もちろんであります。」
「済まないね...本土より扶桑、山城、榛名が向かっている。間に合えば送り出すよ。」
「その旨伝えさせて頂きます」
「よろしく頼む」

「それと」
「なんだね?」
「比叡に乗っていた作戦参謀の前田孝利大佐の件なのですが」
「ああ、君は前田大佐の弟かね」
「はっ、兄の安否が知りたく...」
「安心してくれ、大きな怪我もなく元気だ、会っていくかね」
「安否が知れれば十分です」
「ん、了解した、今夜は泊まっていくのかい?」
「えぇ、今日の大艇の搭乗員を部屋に呼んでおります」
前田が笑って返す
「ははは!さすがは前田さんの息子だ!」
「父をご存知なのですか?」
「あぁ!士官時代よくお世話になった!」
「そうなのですか。知りませんでした」
「大尉の時に長門で一緒になってね、その時は前田さんは通信参謀だったか、兵科は違えどよく飲みに連れて行ってもらったよ」
父の意外な姿に前田は驚いたが後輩から慕われてる父を誇りに思った
「君よりみんな階級は下かい?」
「えぇ、1番上で大尉です。できるだけいい酒を集めると言ったものの酒屋など知らないのです」
前田は少し困った顔で笑う
「ははは!ちょっと待ってなさい」
山口は立ち上がり自室に戻る
しばらくすると来いと言わんばかりに手を上下させる
「これを持っていきなさい」
「ウイスキーですか?」
「あぁ、イギリスのだがね、良いものだよ」
「ありがとうございます。」
「あとは西田に案内させよう」
「何から何まで恐れ入ります。」
「何、君の父上にして頂いたことだ、恩返しのつもりにさせてやってくれ」
そしてしばらく山口の思い出話を聞き陽も傾いてきたので前田は酒屋と自分の宿へ案内してもらった
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