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東太平洋海戦
第55話 借りは返す
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B-29に尽くやられた一○六空に新鋭機龍電が配備された。
そして早々と龍電の初陣の時がやってきた
「少し鈍いが十分だ...」
3日間慣れるためにずっと訓練を積んだ
一○六空の隊員たちは自信に満ち溢れていると同時にやり返してやると意気込んでいる
「見えました!」
「全機訓練通りに!」
2機で1組となり散開した隆雄達は直ぐにB-29の上を取る
「なんだあれは!撃ち落とせ!」
「ジャップの新型機だ!」
「プロペラがない!ジェットだ!」
「なんでもいい!撃ちまくれ!」
B-29の搭乗員たちも落とされまいと懸命に弾幕を張る
「「当たれ!落ちろ!」」
日米軍両方がこの時同じことを思っていた
B-29の銃手はジェット戦闘機の速度についていけず致命弾を与えられない
しかし一○六空もまだ完全に龍電を乗りこなせていない
やがてハワイの島々が見えてくる
「ハワイだ!もう少しだ!耐えろ!」
B-29編隊の1番機の機長、トニーが無線で鼓舞する
「キャップ!爆弾を捨ててください!」
直後に被害を確認しに行った兵士が帰ってくる
「ハワイはすぐそこだぞ!今更捨てられるか!」
「爆倉庫の扉が吹っ飛んでます!」
「構うもんか!そんなもんほっとけ!」
B-29の1番機は爆倉庫の扉が片方が吹っ飛び片方は半分めくれているような状態だった
しかしトニーはそのまま飛行を継続した
それに気づいた日本軍機は爆弾の誘爆を狙い爆倉庫を狙い撃ちにする
ちょうど5分ぐらい経った頃だった
ドカンッと音がしたと思ったら機体が真っ二つになった。
この時すでに二番機が落ちており指揮系統を失った米軍編隊は混乱の末ハワイ直前で引き返した
日本軍、いや一○六空はまた再び空の王者に返り咲いた
帰還した一○六空の兵士たちの顔には笑顔が浮かんでいた
実際ハワイから目視できるほどにB-29編隊は近づいていたが、トニーの状況判断の誤りと隆雄達一○六空の意地が導いた勝利だった
「ふぅ...」
隆雄は飛行場の端の茂みに寝っ転がった
「ご苦労さん」
永井が隣に座りこんできた
「一○六空は来月一時帰国だとよ」
「そうか...」
「部隊編成とか色々あるんだろうよ気に負うなよ」
「大丈夫だ、家族に会えるかもって思っただけで少しは楽になるよ」
「そうかい、俺らはお前らより一足先に帰国する」
「もうハワイには戻ってこないのか?」
「いや、部隊再編とかが終われば戻ってくるんじゃないか?俺がその時にここにいるかはわからんけどな」
「そうだなお互い様だ」
そして11月までアメリカ軍の大規模な攻撃は無くB-29などでちまちま爆撃に来るが龍電や紫電改に返り討ちにあったり多少の被害しか出せずに帰っていくことが常だった
その頃に一時帰国の通達が一○六空に届く
「第一連合機動艦隊と共に帰国せよ...か」
「第二連合機動艦隊だけってのも不安じゃないですか?」
「大丈夫だろ空は陸軍飛行隊もいるし」
「宮田ぁ安心しろ~ここの戦力は十分だ」
「慢心だ」
「なにを?やるか小僧」
「嫌です」
そして1週間後に一○六空を乗せた第一連合機動艦隊は真珠湾を出港一路本土をめざした
そして早々と龍電の初陣の時がやってきた
「少し鈍いが十分だ...」
3日間慣れるためにずっと訓練を積んだ
一○六空の隊員たちは自信に満ち溢れていると同時にやり返してやると意気込んでいる
「見えました!」
「全機訓練通りに!」
2機で1組となり散開した隆雄達は直ぐにB-29の上を取る
「なんだあれは!撃ち落とせ!」
「ジャップの新型機だ!」
「プロペラがない!ジェットだ!」
「なんでもいい!撃ちまくれ!」
B-29の搭乗員たちも落とされまいと懸命に弾幕を張る
「「当たれ!落ちろ!」」
日米軍両方がこの時同じことを思っていた
B-29の銃手はジェット戦闘機の速度についていけず致命弾を与えられない
しかし一○六空もまだ完全に龍電を乗りこなせていない
やがてハワイの島々が見えてくる
「ハワイだ!もう少しだ!耐えろ!」
B-29編隊の1番機の機長、トニーが無線で鼓舞する
「キャップ!爆弾を捨ててください!」
直後に被害を確認しに行った兵士が帰ってくる
「ハワイはすぐそこだぞ!今更捨てられるか!」
「爆倉庫の扉が吹っ飛んでます!」
「構うもんか!そんなもんほっとけ!」
B-29の1番機は爆倉庫の扉が片方が吹っ飛び片方は半分めくれているような状態だった
しかしトニーはそのまま飛行を継続した
それに気づいた日本軍機は爆弾の誘爆を狙い爆倉庫を狙い撃ちにする
ちょうど5分ぐらい経った頃だった
ドカンッと音がしたと思ったら機体が真っ二つになった。
この時すでに二番機が落ちており指揮系統を失った米軍編隊は混乱の末ハワイ直前で引き返した
日本軍、いや一○六空はまた再び空の王者に返り咲いた
帰還した一○六空の兵士たちの顔には笑顔が浮かんでいた
実際ハワイから目視できるほどにB-29編隊は近づいていたが、トニーの状況判断の誤りと隆雄達一○六空の意地が導いた勝利だった
「ふぅ...」
隆雄は飛行場の端の茂みに寝っ転がった
「ご苦労さん」
永井が隣に座りこんできた
「一○六空は来月一時帰国だとよ」
「そうか...」
「部隊編成とか色々あるんだろうよ気に負うなよ」
「大丈夫だ、家族に会えるかもって思っただけで少しは楽になるよ」
「そうかい、俺らはお前らより一足先に帰国する」
「もうハワイには戻ってこないのか?」
「いや、部隊再編とかが終われば戻ってくるんじゃないか?俺がその時にここにいるかはわからんけどな」
「そうだなお互い様だ」
そして11月までアメリカ軍の大規模な攻撃は無くB-29などでちまちま爆撃に来るが龍電や紫電改に返り討ちにあったり多少の被害しか出せずに帰っていくことが常だった
その頃に一時帰国の通達が一○六空に届く
「第一連合機動艦隊と共に帰国せよ...か」
「第二連合機動艦隊だけってのも不安じゃないですか?」
「大丈夫だろ空は陸軍飛行隊もいるし」
「宮田ぁ安心しろ~ここの戦力は十分だ」
「慢心だ」
「なにを?やるか小僧」
「嫌です」
そして1週間後に一○六空を乗せた第一連合機動艦隊は真珠湾を出港一路本土をめざした
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