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第二次真珠湾攻撃
第40話 背中
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日本軍はハワイに近づきつつあった
そこにレーダーにアメリカ軍機が写り戦闘機隊が発艦しアメリカ軍機と接敵した
「たたみかけろ!」
零戦がヘルキャットに襲いかかる
13mm機銃が次々とアメリカ軍機を貫いていく
日本軍機も12mm機銃の雨に晒され数機が火だるまになり落ちていく
両軍はすぐに入り乱れ乱戦になった
「くっ、さすがにベテランが多いか」
宮崎がボヤく
「2機か、もう2機連れてくるんだな!」
隆雄はスロットルレバーを思いっきり押し出し前の一機を撃墜し低空へ逃げる
「来い来い!かかってこいこの野郎共!」
一機が合流し3機のヘルキャットに追われる形となった隆雄だが得意の旋回戦に持ち込もうとするが1機しか食いつかない
「おいおい!」
前からヘルキャットが迫ってくる
咄嗟に引き金を引きヘッドオンをする
ヘルキャットは落としたが隆雄も脇腹に破片を食らってしまう
「いっっってぇ...」
痛みに耐えながら戦闘を続ける
空戦が始まって20分が経ったが依然として空戦が続いている
双方共に損耗しているものの日本軍が優勢を保っていた
熟練パイロットが残っている状態でアメリカ軍が手も足も出なくなってきていた
「くっもう弾がない!」
「F小隊!帰投する!」
「全機帰るぞ!」
アメリカ軍が帰っていくが日本軍はそれを追わずに帰投した
「山本さん」
「いたか?」
「どこにもいません」
「平井さん!」
「隊長は見つかったか?」
「いませんそろそろ燃料も...」
「一機帰ってきました!」
フラフラしながら零戦が一機近づいてくる
しかし赤城ではなく蒼龍に着艦した
「隊長じゃないのか....」
そして1時間2時間と過ぎていきとうとう翌日になってしまった
それでも宮崎は帰ってこない
「この太平洋の海で漂流したって....」
「帰って来れるわけが無い」
「戦闘海域に行ってた零観が帰ってきたぞ」
「漂流者は?」
「油まみれの海があっただけだそうだ」
「...」
「そうですか...」
隆雄は思いっきり涙を流した
宮田も平井も泣いた4人共同の部屋は一気に暗くなる
「宮崎が死んだ今この航空隊を引っ張れるのはお前だ」
「俺ですか」
「この赤城の中で1番の手柄を上げているお前に航空隊を任せる」
「はっ!」
「頼んだぞ隆雄」
赤城戦闘機隊は隆雄に託された
「宮崎さん、俺あんたの分まで頑張ります」
「中隊長殿」
「宮田...」
「宮崎さん、形見も残さず逝っちゃいましたね」
「あぁ、せめてゴーグルぐらいあってもいいのに」
「飛行帽とか、第三種兵装しかないのはちょっとって感じですよね」
「そうだな」
「零戦を始めてもらった日覚えてるか?」
「えぇ、空戦したがって平井さんに怒られてましたよね」
「それから俺が2番機になってずっと隣にいたのに置いてきちまって...」
「山本さん...」
「俺はあの人の代わりなんてできない...」
隆雄は涙を我慢できずに泣き出した
宮田もそれを見て感化され泣いてしまった
「俺はあの人の背中をずっと見てたかった、戦争に勝つまで、いや、あの人が生きてて退役するまでずっと....」
「そうですね...なら今度は山本さんが俺の目標になってください」
「宮田?...」
「山本さんが宮崎さんの立場になってください
俺が山本さんの立場になります。背中は任せてください」
「ふっ、ありがと、俺なりに頑張ろう」
「はい」
そこにレーダーにアメリカ軍機が写り戦闘機隊が発艦しアメリカ軍機と接敵した
「たたみかけろ!」
零戦がヘルキャットに襲いかかる
13mm機銃が次々とアメリカ軍機を貫いていく
日本軍機も12mm機銃の雨に晒され数機が火だるまになり落ちていく
両軍はすぐに入り乱れ乱戦になった
「くっ、さすがにベテランが多いか」
宮崎がボヤく
「2機か、もう2機連れてくるんだな!」
隆雄はスロットルレバーを思いっきり押し出し前の一機を撃墜し低空へ逃げる
「来い来い!かかってこいこの野郎共!」
一機が合流し3機のヘルキャットに追われる形となった隆雄だが得意の旋回戦に持ち込もうとするが1機しか食いつかない
「おいおい!」
前からヘルキャットが迫ってくる
咄嗟に引き金を引きヘッドオンをする
ヘルキャットは落としたが隆雄も脇腹に破片を食らってしまう
「いっっってぇ...」
痛みに耐えながら戦闘を続ける
空戦が始まって20分が経ったが依然として空戦が続いている
双方共に損耗しているものの日本軍が優勢を保っていた
熟練パイロットが残っている状態でアメリカ軍が手も足も出なくなってきていた
「くっもう弾がない!」
「F小隊!帰投する!」
「全機帰るぞ!」
アメリカ軍が帰っていくが日本軍はそれを追わずに帰投した
「山本さん」
「いたか?」
「どこにもいません」
「平井さん!」
「隊長は見つかったか?」
「いませんそろそろ燃料も...」
「一機帰ってきました!」
フラフラしながら零戦が一機近づいてくる
しかし赤城ではなく蒼龍に着艦した
「隊長じゃないのか....」
そして1時間2時間と過ぎていきとうとう翌日になってしまった
それでも宮崎は帰ってこない
「この太平洋の海で漂流したって....」
「帰って来れるわけが無い」
「戦闘海域に行ってた零観が帰ってきたぞ」
「漂流者は?」
「油まみれの海があっただけだそうだ」
「...」
「そうですか...」
隆雄は思いっきり涙を流した
宮田も平井も泣いた4人共同の部屋は一気に暗くなる
「宮崎が死んだ今この航空隊を引っ張れるのはお前だ」
「俺ですか」
「この赤城の中で1番の手柄を上げているお前に航空隊を任せる」
「はっ!」
「頼んだぞ隆雄」
赤城戦闘機隊は隆雄に託された
「宮崎さん、俺あんたの分まで頑張ります」
「中隊長殿」
「宮田...」
「宮崎さん、形見も残さず逝っちゃいましたね」
「あぁ、せめてゴーグルぐらいあってもいいのに」
「飛行帽とか、第三種兵装しかないのはちょっとって感じですよね」
「そうだな」
「零戦を始めてもらった日覚えてるか?」
「えぇ、空戦したがって平井さんに怒られてましたよね」
「それから俺が2番機になってずっと隣にいたのに置いてきちまって...」
「山本さん...」
「俺はあの人の代わりなんてできない...」
隆雄は涙を我慢できずに泣き出した
宮田もそれを見て感化され泣いてしまった
「俺はあの人の背中をずっと見てたかった、戦争に勝つまで、いや、あの人が生きてて退役するまでずっと....」
「そうですね...なら今度は山本さんが俺の目標になってください」
「宮田?...」
「山本さんが宮崎さんの立場になってください
俺が山本さんの立場になります。背中は任せてください」
「ふっ、ありがと、俺なりに頑張ろう」
「はい」
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