大東亜架空戦記

ソータ

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東南アジア・オーストラリア

第28話 シドニー攻防戦③

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日本軍は足止めを食らったまま動けなかった
しかしゴリ押しで敵の塹壕を進み始める
そこに日本海軍の航空支援が始まり地上軍を進みやすくしようとしていた
しかしそんな攻撃隊に米海兵隊のF4Uコルセアが襲いかかる

「全機迎え撃て!」
宮崎のバンクで全機がコルセアに向かって突撃を開始する
初撃で5分の1程度撃墜したが日本軍側も2、3機ほどやられてしまう
両軍はともに旋回、再度攻撃を仕掛ける
乱戦になるまでにさほど時間はかからなかった

「新型でもZEROにはついていけないのか!?」
「やつらベテランだ!ZEROの性能を100%引き出してる!」
米軍パイロットは追いかけても追いかけても追いつけない零戦の性能に嫌気がさしてきていた
乱戦の中旋回戦になると零戦の旋回性能にコルセアはついていけない
「ここで水平に戻したら殺られる...くそ...
気が遠くなる...」
米軍パイロットのひとりが旋回中に気絶してしまう
しかし零戦パイロットは構わず撃墜していく
オーストラリア上空はもはや旋回戦に慣れた日本軍パイロットの独壇場である

「シコルスキー、こんなものか」
隆雄が呟く
そして30分ほどが経とうとした時コルセア隊が退いていく
「全機攻撃中止!直掩にもどるぞ!」
そうして制空隊と攻撃隊は合流し連合機動艦隊へと帰還した

地上軍は航空支援を受け少しずつ前進していた
「どこから敵が来るかわからん!警戒を怠るなよ!」
中畑が注意を呼びかける
地上軍はジリジリと前進しついにシドニーが目に見えるところまで来たところで地上軍は停止した
停止した理由は攻撃を翌日に持ち越すかこのまま攻撃するかの会議をするためだった

「中畑曹長はどう思うか」
師団長の鈴屋少将が連隊長に問う
「はっ私としましてはこのまま攻撃し少しでも安全な屋内で夜を越すことが最善と存じます」
「新原軍曹は」
「中畑曹長殿と同意見であります」
「では中隊長に問う、まず西原中尉」
「はっ兵は疲れ切っています、ので今日はここに留まり明日の早朝から攻撃を仕掛けるべきかと」
西原の意見は連隊長達と全く逆の意見だった
「間中中尉は」
「中畑やその他の連隊長達と同意見であります。
ここは危険すぎます。周りは森でありどこから敵が襲ってくるかも分かりません。それならばもう少し無理をしてでも屋内に入るべきです」
間中は具体的な意見で中畑達の意見を肯定した。
中国戦線を経験し南京を落とした師団出身の将校の言うことは重みがあった。
「間中、兵を無駄に消耗する気か?」
西原が青筋をうかべる
「内地でゆったりしていた貴様にはわからんさ」
間中は西原を鼻で笑った
「なんだと!?貴様!バカにしているのか!」
「貴様こそこの現状を甘く見ている」
「疲弊している兵を無駄死にさせるのが得策とは思えんと言っているだけだ!」
「やめんか!指揮官が取り乱してどうする
今日はこのまま進軍を続けるできるだけ屋内に入れるようにしろ」
「しかし師団長」
「やめろ西原」
ここまで口を開かなかった大隊長の増田中佐が口を開いた
「支那を経験した兵士たちの気持ちはわからん
だがな、ここで雨風に晒されれば疲れが増す」
「中佐殿、わかりました」

そして日本軍は再度進軍を開始した


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