12 / 84
日米開戦
第12話 大切な人
しおりを挟む
ドイツから帰還した隆雄
休暇が出たため実家へ帰ってきた
そこで同級生の立島に会い母校へ向かうと同級生5人がそこにいた
隆雄達は雑談をして帰路に着くそこで同級生の鈴木と帰ることになる
「隆雄くんはさ、どうして兵士になったの?」
「支那で父さんが戦ってて、部隊が活躍してるのをラジオで聞いたりしてて、でも父さんが戦死して、仇を取りたいと思ったからかな」
「そういえばお父さん陸軍の軍人さんだったね」
「うん、でも兄さんが陸軍に行ったから俺は海軍に志願して予科練に入ったんだ」
「そっか」
2人は他愛ない話を続けた
「そういえばさ、恋人、とかいるの?」
「いないよ、1回もできたことない」
隆雄は少し恥ずかしそうに笑った
すると鈴木が止まる
「ならさ、私と恋仲にならない?」
告白だった
思いがけない言葉に隆雄は少し戸惑った
でも鈴木...信恵の顔は真剣だった
隆雄自身信恵のことを学生の頃から少し気になっていると言うよりはっきりいえば好きだった
しかし軍人である以上いつ死ぬか分からない
だからこの気持ちを打ち明けずに予科練に入った
「俺は軍人だよ、いつ死ぬか分からない、それでもいいのか?」
「学生の頃から、ずっと言いたかったの、いつ死ぬか分からないなら、その死ぬまでを一緒に過ごしたい」
隆雄は信恵の真剣な気持ちに答えることにした
「そっか、じゃあこれからよろしくな」
「うん!」
隆雄に戦う理由がまたひとつ増えた
大切な人を守る、この戦争に苦しませられないようにと心に誓った
「またすぐに戦地に行くの?」
「んー、部隊に戻ってからじゃないとわかんないけどしばらくは行かないんじゃないかな」
「そっか、なら少し一緒はにいられるの?」
「あぁ、あと5日はこっちにいるよ」
「良かった、明日みんなで海に行く予定なんだけど隆雄くん、どう?」
背の小さい信恵が少し体を屈ませながら隆雄の顔を覗き込む
「じゃあ明日の朝迎えに行くよ
格好はこれでいいかな、私服が和服しかないんだ」
「うん!隆雄くんならなんでもかっこいいよ!」
隆雄は少し照れくさくなって逆を向いた
そして2人は学生の頃別れていた角に着く
「送っていくよもう暗いし」
「ほんと?ありがとう!」
隆雄には信恵の行動一つ一つが可愛らしく見えた
10分足らずで信恵の家に着いた
「ありがとうね!」
「あぁ、また明日」
「うん!」
次の瞬間ガラガラと信恵の家の扉が開いた
「誰だァ!うちの娘と話してる男はァ!」
「お父さん!?」
酒瓶片手に飛び出してきた信恵の父
軍装をしてるため軍人であることは確かであるが
ワイシャツ姿のため階級が分からない
「貴様ァどこの所属だぁ?」
「はっ海軍戦闘第一○六航空隊第1小隊所属山本隆雄飛曹長であります。」
「飛曹長ぉ?俺ぁ陸軍なんでなぁわからんのだ」
「陸軍にしますと准尉であります」
「准尉!?これは申し訳ございません!
自分は陸軍第32師団歩兵第3連隊第2中隊中隊長鈴木茂之軍曹であります!」
階級を聞いた途端酔いが覚めたようで背筋をしっかりと伸ばし話し始めた
「戦地帰りですか」
「はっ!そうであります!」
「俺もですお疲れ様です」
「いえ!滅相もございません!」
「あ、楽にして構いませんよ」
「は、はぁ、それで、娘とどういう関係で」
「学生の頃の同級生で先程恋仲に」
「えっ、信恵、本当か?」
「私からお願いしたの!恥ずかしいことしないで!」
「解決ですね、本官はこれで」
「今後とも娘をよろしくお願いします」
茂之は深々と頭を下げた
________________________________________
鈴木茂之 信恵の父 陸軍軍曹 戦地帰り
休暇が出たため実家へ帰ってきた
そこで同級生の立島に会い母校へ向かうと同級生5人がそこにいた
隆雄達は雑談をして帰路に着くそこで同級生の鈴木と帰ることになる
「隆雄くんはさ、どうして兵士になったの?」
「支那で父さんが戦ってて、部隊が活躍してるのをラジオで聞いたりしてて、でも父さんが戦死して、仇を取りたいと思ったからかな」
「そういえばお父さん陸軍の軍人さんだったね」
「うん、でも兄さんが陸軍に行ったから俺は海軍に志願して予科練に入ったんだ」
「そっか」
2人は他愛ない話を続けた
「そういえばさ、恋人、とかいるの?」
「いないよ、1回もできたことない」
隆雄は少し恥ずかしそうに笑った
すると鈴木が止まる
「ならさ、私と恋仲にならない?」
告白だった
思いがけない言葉に隆雄は少し戸惑った
でも鈴木...信恵の顔は真剣だった
隆雄自身信恵のことを学生の頃から少し気になっていると言うよりはっきりいえば好きだった
しかし軍人である以上いつ死ぬか分からない
だからこの気持ちを打ち明けずに予科練に入った
「俺は軍人だよ、いつ死ぬか分からない、それでもいいのか?」
「学生の頃から、ずっと言いたかったの、いつ死ぬか分からないなら、その死ぬまでを一緒に過ごしたい」
隆雄は信恵の真剣な気持ちに答えることにした
「そっか、じゃあこれからよろしくな」
「うん!」
隆雄に戦う理由がまたひとつ増えた
大切な人を守る、この戦争に苦しませられないようにと心に誓った
「またすぐに戦地に行くの?」
「んー、部隊に戻ってからじゃないとわかんないけどしばらくは行かないんじゃないかな」
「そっか、なら少し一緒はにいられるの?」
「あぁ、あと5日はこっちにいるよ」
「良かった、明日みんなで海に行く予定なんだけど隆雄くん、どう?」
背の小さい信恵が少し体を屈ませながら隆雄の顔を覗き込む
「じゃあ明日の朝迎えに行くよ
格好はこれでいいかな、私服が和服しかないんだ」
「うん!隆雄くんならなんでもかっこいいよ!」
隆雄は少し照れくさくなって逆を向いた
そして2人は学生の頃別れていた角に着く
「送っていくよもう暗いし」
「ほんと?ありがとう!」
隆雄には信恵の行動一つ一つが可愛らしく見えた
10分足らずで信恵の家に着いた
「ありがとうね!」
「あぁ、また明日」
「うん!」
次の瞬間ガラガラと信恵の家の扉が開いた
「誰だァ!うちの娘と話してる男はァ!」
「お父さん!?」
酒瓶片手に飛び出してきた信恵の父
軍装をしてるため軍人であることは確かであるが
ワイシャツ姿のため階級が分からない
「貴様ァどこの所属だぁ?」
「はっ海軍戦闘第一○六航空隊第1小隊所属山本隆雄飛曹長であります。」
「飛曹長ぉ?俺ぁ陸軍なんでなぁわからんのだ」
「陸軍にしますと准尉であります」
「准尉!?これは申し訳ございません!
自分は陸軍第32師団歩兵第3連隊第2中隊中隊長鈴木茂之軍曹であります!」
階級を聞いた途端酔いが覚めたようで背筋をしっかりと伸ばし話し始めた
「戦地帰りですか」
「はっ!そうであります!」
「俺もですお疲れ様です」
「いえ!滅相もございません!」
「あ、楽にして構いませんよ」
「は、はぁ、それで、娘とどういう関係で」
「学生の頃の同級生で先程恋仲に」
「えっ、信恵、本当か?」
「私からお願いしたの!恥ずかしいことしないで!」
「解決ですね、本官はこれで」
「今後とも娘をよろしくお願いします」
茂之は深々と頭を下げた
________________________________________
鈴木茂之 信恵の父 陸軍軍曹 戦地帰り
1
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
捨松──鹿鳴館に至る道──
渡波みずき
歴史・時代
日本初の女子留学生として、津田梅子らとともにアメリカに十年間の官費留学をしていた山川捨松は、女子教育を志し、大学を卒業した1882(明治15)年の冬、日本に帰国する。だが、前途洋々と思われた帰国後の暮らしには、いくつかの障害が立ちはだかっていた。
黄金の檻の高貴な囚人
せりもも
歴史・時代
短編集。ナポレオンの息子、ライヒシュタット公フランツを囲む人々の、群像劇。
ナポレオンと、敗戦国オーストリアの皇女マリー・ルイーゼの間に生まれた、少年。彼は、父ナポレオンが没落すると、母の実家であるハプスブルク宮廷に引き取られた。やがて、母とも引き離され、一人、ウィーンに幽閉される。
仇敵ナポレオンの息子(だが彼は、オーストリア皇帝の孫だった)に戸惑う、周囲の人々。父への敵意から、懸命に自我を守ろうとする、幼いフランツ。しかしオーストリアには、敵ばかりではなかった……。
ナポレオンの絶頂期から、ウィーン3月革命までを描く。
※カクヨムさんで完結している「ナポレオン2世 ライヒシュタット公」のスピンオフ短編集です
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885142129
※星海社さんの座談会(2023.冬)で取り上げて頂いた作品は、こちらではありません。本編に含まれるミステリのひとつを抽出してまとめたもので、公開はしていません
https://sai-zen-sen.jp/works/extras/sfa037/01/01.html
※断りのない画像は、全て、wikiからのパブリック・ドメイン作品です
【架空戦記】炎立つ真珠湾
糸冬
歴史・時代
一九四一年十二月八日。
日本海軍による真珠湾攻撃は成功裡に終わった。
さらなる戦果を求めて第二次攻撃を求める声に対し、南雲忠一司令は、歴史を覆す決断を下す。
「吉と出れば天啓、凶と出れば悪魔のささやき」と内心で呟きつつ……。
ある同心の物語
ナナミン
歴史・時代
これはある2人の同心の物語である、
南町奉行所見習い同心小林文之進と西原順之助はお互いに切磋琢磨していた、吟味与力を父に持つ文之進は周囲から期待をされていたが順之助は失敗ばかりで怒鳴られる毎日だ、
順之助は無能ではないのだが事あるごとに手柄を文之進に横取りされていたのだ、
そんな順之助はある目的があったそれは父親を殺された盗賊を捕らえ父の無念を晴らすのが目的であった、例の如く文之進に横取りされてしまう、
この事件で文之進は吟味方同心に出世し順之助は同心を辞めるかの瀬戸際まで追い詰められる、
非番のある日ある2人の侍が道に困っている所を順之助と岡っ引の伝蔵が護衛した事からその後の順之助の運命を変える事になる、
これはある2人の同心の天国と地獄の物語である、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる