織田戦国伝

ソータ

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駆け出し

第陸章 信秀の死

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織田家は今川軍との戦に勝利、同時に信長は名古屋城主となった、さらに美濃との同盟のために
美濃国主斎藤道三の娘、帰蝶を妻として娶った
この後織田家は混乱へと突入していく

尾張国末森城
「土田...」
「はい...土田はここにおります」
「信長を...必ず...」
「わかっております...」
「ん...少し...寝るぞ...」
「おやすみなされませ...」

1551年織田信秀病死

尾張国名古屋城
「申し上げます!」
「なんじゃ」
「御館様が先刻、息を引き取りましてござります」
「...で、あるか...」
「殿...」
「帰蝶」
「はい」
「少し出て参る」
「何処へ?」
「少し1人にさせてくれ」
「お気をつけて」
「あぁ、」

信長は馬を駆り庄内川へ赴いた
「....」
足までを川につけぼーっと川の流れを見つめている
するとポツポツと雨が降り始める
「....雨か......」
すると今までの思い出が頭を駆け巡る
戦に出ていく姿、勝って帰ってくる姿、負けて帰ってくる姿、遊んでくれた姿、戦での姿、数々の思い出が信長の頭の中をグルグルとかき混ぜていく
「早すぎるぞ....クソ親父....」
数日後、信秀の葬儀が開かれた
「若は来ぬのか...」
「知らぬ!」
「おい平手」
「これは、伊勢守様...」
「信長は来ぬのか、信秀が嫡男であろう」
「名古屋は遠い上にこの雨にござる、今暫くお待ちくだされ、」
「ふんっ、来なくてもうつけであると一笑されるだけよ」
「大和守様...」
「葬儀中失礼仕る!」
甲冑を着た伝令が葬儀に割って入る
「如何した」
「急な用向きなのであろうな」
「今川軍、松平広忠率いる約5000の軍勢が石浜辺りまで近づいてございます!」
「信秀の死に乗じたか」
「ご心配召されるな」
突如信長が入ってくる
「信長!なんじゃその格好は!」
「見て分かり申さぬか!伊勢守様や大和守様が戦に出てまいらぬから弾正忠家の当主であるこの俺が行くのだ!」
「なっ!何たる言い草!」
「実の父親の葬儀なるぞ!」
「なればこそじゃ!」
信長は焼香台に近づき灰をひと握りし、仏壇に投付ける
「なっ!」
「親父!今はこれで良いな!松平が軍勢は絶対に返り討ちに致す!別れはその後きっちり済ませようぞ!」
「信長!今の行動はなんじゃ!」
「今言葉にした通り!お主らを守るのじゃ何ら文句は言わせぬ!御免!」
すぐに馬に跨り手勢を連れてすぐに米田へ向かう
「もうここまで来たか」
目の前には松平軍約5000が既に陣を構えていた
「見ておれ、親父」
この小競り合いは信長が圧勝し松平広忠を退けた
しかし織田家中は荒れに荒れていた

尾張国清洲城
「平手....お主信長の守役であろう....」
「いかにも」
「ではなんだ!あの所業は!あれだけではない!今までの行動全てにおいて守役のお主は何をしておったァ!」
織田信友が守役である平手政秀を怒鳴りつける
「しかし、我が殿の今回の行動は間違っているとはこの平手は思いませぬぞ」
「なに?」
政秀の言葉に信友はさらに顔を強ばらせる
「数は5000と言えど大将不在では歩兵は何もできませぬ、我が殿はしかと役目を果たされたと存じまする」
「先程から殿、殿と申すが、儂はなんだ?」
「織田大和守信友様にござりまする」
「お主が主は弾正忠家と申すか?」
「我が殿は織田信秀様、そして次は織田信長様にござる!この2人以外我が主君はおりませぬ!」
「平手よ」
「なんでござろう」
「今の言葉、よう覚えておけ」
「最近物覚えが悪うございますので抜け落ちるやもしれませぬ!これにて御免!」
平手はそそくさと名古屋へ帰ってきた
「ん、政秀」
「殿...お話がございます」
「あいわかったすぐ参るゆえ部屋で待て」
「はっ」
平手が部屋について10分もしないうちに信長が入ってくる
「話とはなんじゃ」
「まずはご戦勝おめでとうござりまする」
「そんなことは良い、本題を申せ」
「はっ、まずは弾正忠家のことにございます」
「ほう、」
「殿は既に弾正忠家当主の身、ですから素行を改めねばなりませぬ」
「うむ、その事に関してはわしからも言うことがある」
「なんでございましょう」
「先日の葬儀でのこと、戦に急いでいたとはいえ、政秀に迷惑をかけた、すまぬ」
突然のことに政秀は驚いた
「殿、あの時のことは間違っておりませぬ、
元はと言えば戦に出ぬ清須が悪いのです、
殿が気にすることではござりませぬ」
「そうか、そう言ってくれると助かる」
「では、次にその、清須のことにござります」
「うむ、」
「これは平手の独り言と思うて聞いて下さりませ、
戦に出ずろくに政もせぬ伊勢守や大和守よりも今この尾張をまとめあげているのは他でもない弾正忠家にございます、いっその事清須勢を討ち滅ぼし、弾正忠家が尾張守護代をひいては守護を務めれば良いのではと思うのです」
「政秀」
「ん、はっ」
「まだその時では無い、時を見て起こせ」
「は、はぁっ、」

清洲城
「勘十郎」
織田勘十郎信勝、信長の弟であり信行と言われることもある
「はっ」
「お主は頭も良く軍略の才もある」
「信友様...恐れ多くございます」
「どうじゃ、弾正忠家当主をお主がやらぬか?」
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