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日常
第百十六話 焼き鳥
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体育館には二階がある。といってもあるのはコの字型に伸びた通路と外の階段に続く扉だけだ。外には一度出たことがあって、めったに行かないところだしちょっとテンションが上がった。階段は、一年に一度使うかなという用具がしまわれている三階の倉庫につながっている。そこはもうほとんど先生たちの喫煙所になっていて、たばこくさい。
クラスマッチを観覧するのは、基本、二階からだ。気合が入ってるやつとか、出場するやつはコートに出ずっぱりだが。
「あ、やっぱここにいた」
水筒と大して使いもしないタオルだけを抱えて、通路の突き当たり、ちょうどステージを見下ろせる場所でぼーっといていると、咲良が来た。
「おう」
「暇そうだな」
「まあな」
ステージ側のコートでは二年の試合が行われていた。ステージでも応援していいらしく、試合をしているクラスのクラスメイト達のほとんどがそこにいた。
「あ、朝比奈だ」
「どこ」
咲良が指さした先には、気だるげにステージの隅で壁にもたれかかる朝比奈がいた。ああ、なるほど。そこからなら先生たちにも見つからなさそうだな。
「あいつも暇そうだな」
「なー……おっ、誰か朝比奈んとこ来てんな」
「あれ、百瀬じゃないか」
ちょこまかとステージの上まで行き、うまく隠れていた朝比奈の隣にひと声かけて座ったのは百瀬だ。
何か話しているようだったが、百瀬が二階の通路のある一点を指さし、二人そろってそちらを見上げた。そしてぐるりと見まわしていると、視線がこちらに向いた。
「気付くかな」
咲良が持っていたタオルを振ると、二人は気づいたようで手を振り返してきた。
「そういやさ、次の試合どこか知ってる?」
「知らん」
「やつのクラスらしいよ、去年もやばかったじゃん」
声援が、という咲良の言葉に、去年のある光景を思い出してげんなりしてしまったのだった。
一試合目が終わり、すぐに二試合目の準備が始まった。
ちなみに俺たちはさっきいた場所からは移動して――もとい、追い出されていた。二階の通路でコートが見える位置ではあるのだが、三年の方にちょっと寄り気味だ。
「お、始まるぞ」
まるで珍獣でも出てくるのかというような咲良の物言いに、思わず笑ってしまう。
「あれ、相手……」
と、つぶやく俺の言葉など書き消すどころか、塵一つ残さず葬り去ってしまうような音量の黄色い声援が耳をつんざく。
その音の出どころは、さっき百瀬が指さしていた場所とさっきまで俺たちがいた場所。これでもかとすし詰め状態になっている女子の集団だ。
コートに出てきたのは学年でもかなり人気のやつだった。
でたよ、これだよ。去年も全くといっていいほど同じ状況になったんだ。
「うわあ……」
思わずそうつぶやくと、俺の方を一瞥した咲良が噴き出した。
「お前、顔!」
「あ?」
「嫌そ~な顔! なんかもう全身で『うるさい』って言ってるような感じだな!」
三年の試合が行われているコートに面した通路に他の学年がいるとちょっとした居心地の悪さを感じるのだが、去年も全く同じ光景が繰り広げられていたのを知っている現三年は、俺たちや同じように例の人だかりに場所を追われたやつらを同情の目で見つめてくる。
「女子も全員が全員いるわけじゃないけど、すげえ声量だよな」
「ああ」
「でさ、それで? さっきなんか言いかけてなかった?」
「あー、いや。相手チームに百瀬いるなあ、と」
例のやつがふざけてか何か知らないが、ファンサービスのごとく女子に向かって手を振ると、またもや黄色い歓声が耳をつんざきにかかってくる。そんな中で平然とニコニコ笑い、ぴょんぴょん飛び跳ねているのは百瀬だ。
「マイペースかよ」
「小動物みたいだな」
間もなくして試合が始まった。
去年はそいつの独擅場で余計に騒がしかったが、果たして今年はどうなることやら。
「いやーすごかったな!」
放課後、廊下で合流した咲良がそう言って気持ちよさそうに笑った。
「ああ、面白かったな」
結局、例の試合は百瀬が大活躍だった。小柄な体を器用に操り、鮮やかなドリブルで相手をかわし、悠々ゴール。
あんなに運動神経よかったんだなあ。
「別に俺さあ、モテてるやつに恨みも妬みもこれっぽちもないんだけどさ」
咲良はすがすがしい表情で言ったものだ。
「なんかすっきりした」
「奇遇だな、俺もだ」
咲良とはバス停とスーパーの分かれ道で別れた。
しかし今日は疲れた。何か総菜でも買って帰ろうか。
「ん、多いな……」
今日は安売りでもあったらしい。人が多い。うーん、今日はこの中で買い物する気力がない。
ちょっと遠いが、歩いていけない距離でもないスーパーに行くことにした。
かなり広い駐車場があるそこは、商品はいいのだが少々値段がお高めなのでなかなかいかない場所だ。結構昔からあって、ばあちゃんは「野菜はここがきれいだから」といつも言っている。
「……お、ラッキー」
夕暮れ時の橙色の空気の中、白い光がこぼれる店先に年季の入った赤いテントの屋台が一つ。焼鳥屋が出ているみたいだ。ぼんやりと光る提灯が温かい。
近づいてみるとたれの香ばしい、いい香りがしてきた。
「あら、いらっしゃい」
店先に並ぶのは、モモ、豚バラ、鳥皮、つくね、ねぎま、そして砂ずり。頼んだらそれを焼いてくれるらしい。結構ひとつひとつの具材が大きくてボリュームがある。
「あの、三本ずつください」
「はいはい。味は? たれ? 塩?」
えっ、選べるんだ。どっちも食べたいなあ……。
「全種類一本ずつ、たれにできますか」
「できるよー。どっちも食べたいもんね」
店主は快くそう言うと、さっそく焼き始めた。一度焼いているので、温めなおすといった感じか。
「学生さんでしょう、つくね、一本おまけしとくね」
「あ、ありがとうございます」
やった、めっちゃうれしい。
あったかいうちに食べたいな。さっさと家に帰るとしよう。
焼き鳥は結構なボリュームがあるが、当然米も食べたい。それと、焼き鳥には角切りのキャベツ。ポン酢をかけて準備オッケーだ。
「いただきます」
まずは塩の……ねぎまから、もちっとした鶏肉からはうま味がジュワッと染み出し、トロトロでありながら食感も残るネギもうまい。
豚バラは脂身がシャキッとした感じがするんだよな。焼き鳥の中で一番好きかもしれない、豚バラ。
モモはジューシーだ。噛めば味が染み出してきて、鼻に抜ける風味が鶏らしい。
つくねはフワッフワだな。たれのイメージが強いけど、塩もさっぱりしていける。七味とよく合うな。
砂ずりは歯ごたえがいい。ちょっとレバーっぽい風味がする。
鳥皮は……ふにゃっとした食感。これが苦手という人も多いが、俺は好きだ。
「さて次は……」
たれはやっぱりご飯に合うよな。
甘いだけではなく、ピリッとした辛さもある。ねぎま丼なんて白米が進んで仕方がない。鳥皮はパリッとした部分ができていていい。モモもたれがよく絡んでおいしい。
豚バラはこってり感が増す。つくねは少したれの焦げたところがあって、香ばしくておいしい。砂ずりも淡白なので、たれとは相性がいい。
たくさん買ってきておいてよかった。それに、たれと塩、どっちも選んだのが正解だった。
途中でキャベツを挟むとさっぱりして、さらにおいしく焼き鳥が食べられるというものだ。
ちょっと遠くまで行ったしクラスマッチもあって疲れたけど、まあ、だからこそこれだけうまく飯が食えたのだから良しとしよう。
「ごちそうさまでした」
クラスマッチを観覧するのは、基本、二階からだ。気合が入ってるやつとか、出場するやつはコートに出ずっぱりだが。
「あ、やっぱここにいた」
水筒と大して使いもしないタオルだけを抱えて、通路の突き当たり、ちょうどステージを見下ろせる場所でぼーっといていると、咲良が来た。
「おう」
「暇そうだな」
「まあな」
ステージ側のコートでは二年の試合が行われていた。ステージでも応援していいらしく、試合をしているクラスのクラスメイト達のほとんどがそこにいた。
「あ、朝比奈だ」
「どこ」
咲良が指さした先には、気だるげにステージの隅で壁にもたれかかる朝比奈がいた。ああ、なるほど。そこからなら先生たちにも見つからなさそうだな。
「あいつも暇そうだな」
「なー……おっ、誰か朝比奈んとこ来てんな」
「あれ、百瀬じゃないか」
ちょこまかとステージの上まで行き、うまく隠れていた朝比奈の隣にひと声かけて座ったのは百瀬だ。
何か話しているようだったが、百瀬が二階の通路のある一点を指さし、二人そろってそちらを見上げた。そしてぐるりと見まわしていると、視線がこちらに向いた。
「気付くかな」
咲良が持っていたタオルを振ると、二人は気づいたようで手を振り返してきた。
「そういやさ、次の試合どこか知ってる?」
「知らん」
「やつのクラスらしいよ、去年もやばかったじゃん」
声援が、という咲良の言葉に、去年のある光景を思い出してげんなりしてしまったのだった。
一試合目が終わり、すぐに二試合目の準備が始まった。
ちなみに俺たちはさっきいた場所からは移動して――もとい、追い出されていた。二階の通路でコートが見える位置ではあるのだが、三年の方にちょっと寄り気味だ。
「お、始まるぞ」
まるで珍獣でも出てくるのかというような咲良の物言いに、思わず笑ってしまう。
「あれ、相手……」
と、つぶやく俺の言葉など書き消すどころか、塵一つ残さず葬り去ってしまうような音量の黄色い声援が耳をつんざく。
その音の出どころは、さっき百瀬が指さしていた場所とさっきまで俺たちがいた場所。これでもかとすし詰め状態になっている女子の集団だ。
コートに出てきたのは学年でもかなり人気のやつだった。
でたよ、これだよ。去年も全くといっていいほど同じ状況になったんだ。
「うわあ……」
思わずそうつぶやくと、俺の方を一瞥した咲良が噴き出した。
「お前、顔!」
「あ?」
「嫌そ~な顔! なんかもう全身で『うるさい』って言ってるような感じだな!」
三年の試合が行われているコートに面した通路に他の学年がいるとちょっとした居心地の悪さを感じるのだが、去年も全く同じ光景が繰り広げられていたのを知っている現三年は、俺たちや同じように例の人だかりに場所を追われたやつらを同情の目で見つめてくる。
「女子も全員が全員いるわけじゃないけど、すげえ声量だよな」
「ああ」
「でさ、それで? さっきなんか言いかけてなかった?」
「あー、いや。相手チームに百瀬いるなあ、と」
例のやつがふざけてか何か知らないが、ファンサービスのごとく女子に向かって手を振ると、またもや黄色い歓声が耳をつんざきにかかってくる。そんな中で平然とニコニコ笑い、ぴょんぴょん飛び跳ねているのは百瀬だ。
「マイペースかよ」
「小動物みたいだな」
間もなくして試合が始まった。
去年はそいつの独擅場で余計に騒がしかったが、果たして今年はどうなることやら。
「いやーすごかったな!」
放課後、廊下で合流した咲良がそう言って気持ちよさそうに笑った。
「ああ、面白かったな」
結局、例の試合は百瀬が大活躍だった。小柄な体を器用に操り、鮮やかなドリブルで相手をかわし、悠々ゴール。
あんなに運動神経よかったんだなあ。
「別に俺さあ、モテてるやつに恨みも妬みもこれっぽちもないんだけどさ」
咲良はすがすがしい表情で言ったものだ。
「なんかすっきりした」
「奇遇だな、俺もだ」
咲良とはバス停とスーパーの分かれ道で別れた。
しかし今日は疲れた。何か総菜でも買って帰ろうか。
「ん、多いな……」
今日は安売りでもあったらしい。人が多い。うーん、今日はこの中で買い物する気力がない。
ちょっと遠いが、歩いていけない距離でもないスーパーに行くことにした。
かなり広い駐車場があるそこは、商品はいいのだが少々値段がお高めなのでなかなかいかない場所だ。結構昔からあって、ばあちゃんは「野菜はここがきれいだから」といつも言っている。
「……お、ラッキー」
夕暮れ時の橙色の空気の中、白い光がこぼれる店先に年季の入った赤いテントの屋台が一つ。焼鳥屋が出ているみたいだ。ぼんやりと光る提灯が温かい。
近づいてみるとたれの香ばしい、いい香りがしてきた。
「あら、いらっしゃい」
店先に並ぶのは、モモ、豚バラ、鳥皮、つくね、ねぎま、そして砂ずり。頼んだらそれを焼いてくれるらしい。結構ひとつひとつの具材が大きくてボリュームがある。
「あの、三本ずつください」
「はいはい。味は? たれ? 塩?」
えっ、選べるんだ。どっちも食べたいなあ……。
「全種類一本ずつ、たれにできますか」
「できるよー。どっちも食べたいもんね」
店主は快くそう言うと、さっそく焼き始めた。一度焼いているので、温めなおすといった感じか。
「学生さんでしょう、つくね、一本おまけしとくね」
「あ、ありがとうございます」
やった、めっちゃうれしい。
あったかいうちに食べたいな。さっさと家に帰るとしよう。
焼き鳥は結構なボリュームがあるが、当然米も食べたい。それと、焼き鳥には角切りのキャベツ。ポン酢をかけて準備オッケーだ。
「いただきます」
まずは塩の……ねぎまから、もちっとした鶏肉からはうま味がジュワッと染み出し、トロトロでありながら食感も残るネギもうまい。
豚バラは脂身がシャキッとした感じがするんだよな。焼き鳥の中で一番好きかもしれない、豚バラ。
モモはジューシーだ。噛めば味が染み出してきて、鼻に抜ける風味が鶏らしい。
つくねはフワッフワだな。たれのイメージが強いけど、塩もさっぱりしていける。七味とよく合うな。
砂ずりは歯ごたえがいい。ちょっとレバーっぽい風味がする。
鳥皮は……ふにゃっとした食感。これが苦手という人も多いが、俺は好きだ。
「さて次は……」
たれはやっぱりご飯に合うよな。
甘いだけではなく、ピリッとした辛さもある。ねぎま丼なんて白米が進んで仕方がない。鳥皮はパリッとした部分ができていていい。モモもたれがよく絡んでおいしい。
豚バラはこってり感が増す。つくねは少したれの焦げたところがあって、香ばしくておいしい。砂ずりも淡白なので、たれとは相性がいい。
たくさん買ってきておいてよかった。それに、たれと塩、どっちも選んだのが正解だった。
途中でキャベツを挟むとさっぱりして、さらにおいしく焼き鳥が食べられるというものだ。
ちょっと遠くまで行ったしクラスマッチもあって疲れたけど、まあ、だからこそこれだけうまく飯が食えたのだから良しとしよう。
「ごちそうさまでした」
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