この世界は間違っている。

原子

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翔太、岡本さんの家に行く。

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「と、言うわけでうちの翔太がお世話になります。」
俺は岡本さんの家に翔太を送る時にそう言った。
「お前はおかんか。」
翔太もツッコむ。ナイスツッコミ。けど拳は反則だからな?
「あ、北川さんは帰るんですか?」
岡本さんはそう言って俺を引き止める。正直言って俺も心配だよ。翔太が。だってあいつ絶対に岡本さんの家でもなんかやらかすぞ。
「あ、いや、ちょっとお邪魔してもいいのか?」
日本語として成り立っているか微妙なところではあるような言葉で質問をする。
「もちろんです。私一人で彼の相手できるかわからないし、彼は少し怖いので…」
わかるよ。その気持ちはわかるよ。だって俺も謎につねられるもん。
と、言うことで俺も岡本さんの家にお邪魔することにした。一歩踏み入れるとなにか、植物的な香りがする。
「なんかいい匂いがするな。」
俺は思ったことをそのまま言う。
「あ、それは妹の趣味なんです。昨日、来てたので。あ、そうそう妹が北川さんに興味を示していましたよ?」
「おいおいマジかよ。」
「それがほんとなんです。」
「じゃあ今日帰る時にでもメッセージIDでも教えてくれ。」
「わかりました。」
「おーい、なんでそっちで喋ってんだよー」
翔太がリビングだと思われる場所から呼んでくる。あいつ一人でくつろいでるんじゃないか?
「じゃあ行きましょう。」
岡本さんにそう言われ俺も後ろについて行く。ってうおぁ。すごいな、全く汚れてない、超綺麗に片付いてるな。というかこれは片付けるとは言わないのか。片付けるというよりかはもう「美化」という言葉が似合うな。さすが料理はできる人だな。
「すごい綺麗だな。」
俺は岡本さんの耳元で囁く。翔太の耳に届いたら絶対に謎の脇腹ショットが飛んでくるからな。
「そうですか?大したことないですよ。」
ピコン。だれかのスマホが鳴る。俺のは確か着信音変えた気がするから違うし、翔太は自分で作った歌が流れるから…岡本さんのか。
ガタッ。岡本さんがスマホを落とす。
シュタッ!翔太がその下に入ってスマホをキャッチする。おいおい動きがおかしくないか?寝転んだ姿勢のまま(そもそも他人の家のソファに寝転んでる時点でおかしいが)上に飛ばなかったか?世間ではそれを反重力というのではないか?ま、そんなことを気にしてはいけないよな。翔太だもんな。理由になってないけど。
「で、どうしたの?」
翔太がスマホを腹でキャッチして寝転んだ状態で聞く。相変わらずすごい体勢だな。
「妹が、今から行く。と、送ってきまして…」
あ、噂をすれば。
「なんで妹なんて来るんだい?」
イケメン風(?)の喋り方で翔太が聞く。やめてくれ、それ面白くて笑いを堪えれないんだ。
「な、なんか北川さんに会いたいらしく…」
やっぱなそういうことだよな。
「わかったよ、俺の家で対応しておくよ。」
「お願いします。妹は結構しっかりしてるのでそんなに迷惑かけることはないと思います。」
「一応聞いておこう。何歳だ?」
かなり気になるところを聞いておく。幼稚園児とかシャレにならんからな。誰かに見つかったら絶対に通報されるからな。
「私と同じで高校一年生です。」
え、意外だな。双子だったんだ。そう思って聞こうとしたら、
「えっ?双子なのかい?」
イケメン風(?)の喋り方で翔太が聞く。返答は思っていたのと違った。
「私が4月の20日生まれで、そのあと妹ができて3月3日に産まれたんですよ。」
なるほど、出産後すぐに妊娠してしまったというわけか。特殊なパターンだな。双子じゃないけど同級生の兄弟か。不思議なパターンもあるものだな。
「じゃあ俺は一旦家に帰ればいいんだな?」
「そうですね、お願いします。」
「はいはい。じゃあまた明日か明後日の学校で。」
「はい。また。さようなら。」
「さよなら。」
ふと後ろを見ると翔太が「ラッキー」みたいな顔をしてるし。
じゃあ家で岡本さんの妹を待つか。
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