この世界は間違っている。

原子

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登校後も翔太の挙動がおかしい

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「学校が見えてきましたね。」
唐突に岡本さんがそんなことを言う。
「そうだね。」
文字にすると普通に聞こえるが、翔太はめっちゃイケメン風な顔をしている。なんか笑えてくるぞ。
「そ、そうだな。」
俺も翔太に引きながらも返事をする。そしたら睨んできた。なんなんだこいつ。
「久しぶりの学校ですよね?」
と岡本さんが聞いてくる。
「まあ俺にとってはな。授業のノートとかどうしよう。」
「私が見せますよ?」
「助かる。」
「いえいえ、どういたしまして。」
「まぜで助かイッテ」
ラストで「イッテ」と言ってるのは翔太につねられたからだ。何気ない会話も許さないってか?まあこいつの目を見る限りはそういうことなんだろうな。
「おい俺の岡本さんと喋るな。」
と、耳元で囁いてくる。は?ヤンデレかよ。キッモ。仲良かった翔太とは喧嘩したくないから我慢するしかないか。「俺の」は笑う。
「どうしたんですか?」
と何故かここまで喧嘩を見て全く何も知らないみたいな顔をしている岡本さんが言った。「?」って言う顔をしている。絵に描いたような「?」だ。
「いや何もないよ?」
怪人百面相並みに顔を一瞬で変化させた翔太が答えた。声のトーン違い過ぎないか?男って怖いな。俺も男だけど。(三回目)
「じゃあとりあえず教室にあがりましょう。」
学校に着いたタイミングで岡本さんがそう言った。
「そうだね。」
翔太は瞬時に返事をする。
「そ、そうだな。」
俺も翔太に怯えながら一応返事をする。返事しないと辺な男だと見られる。まあ別にいいけどな。

特に何もなく授業が終わり、HRも終わった。帰りの準備をして翔太の席に行くと…翔太が…ボーッとしている。あの元気一杯の翔太が、気力を無くしている。
「おい。翔太。起きろ。」
俺が軽く揺すりながら翔太を呼ぶと、
「あーうん。え?」
完全に寝ぼけたみたいな声で答えてきた。マジで大丈夫か?
「おい、起きろよ!」
椅子を倒す勢いで翔太を揺するとやっと起きた。
「あ、っは。どうしたのいきなり?」
「どうしたもこうしたもお前がボーっとしてるからさ。」
「え、俺はただ岡本さんを見てただけだよ?」
「もうそれは異常だ。」
俺は苦笑しながら答えた。岡本さん大好きかよ。愛し方がおかしい気がするぞ。ヤンデレかよ。
俺はヤンデレを見たことがないからなんともいえないが、これはヤンデレな気がする。
「まあいい、翔太。帰るぞ。」
「あ、うん。帰りに寄っていいか?」
「むしろそれは遠回りだ。後正確には岡本さん目当てだろ。」
「えへへ。バレた?まあ冗談だよ。さあ帰ろうか。」
何故か岡本さんに対しての喋り方を俺にも披露してくれた翔太にそう言われて、俺は「おう」と答えて翔太を追いかけた。
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