仔犬ストーカー

崎矢梨斗

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 達してしまっても絶頂の余韻はおさまらない。
 高まりきった興奮がリルを満たしていた。
「熱い……よぉ……」
 しゃくりあげながらリルは訴える。
 自分に伸し掛かる響の胸元に、リルは仔犬のように額を擦り付けた。
 無意識の甘える仕種に、響が熱っぽく掠れた息を吐く。
「ヤバイって……」
 独り言のように呟き、リルの首筋に顔を埋めた。
「あんまり煽るなよ。どうなっても知らねーからな」
 首から肩を伝い、唇が胸の突起を啄ばむ。
「あっ……はぁ……」
 リルは背を仰け反らせた。誘うように突き出された胸へ、響はさらに唇で悪戯いたずらを仕掛ける。
「ん……なぁ……あ、……んんっ……」
 赤くぷっつりと尖った突起を舌先で転がされ、チュッと強く吸い上げられて、リルはますます甘い声をあげた。
 響の手が背を撫でて、双丘へと滑り降りる。
「……んっ……や……ッ……そこ……、そんなの……っ」
 身を捩って逃れようとするリルの腰を、響きは押さえつける。
 力の入らない身体は難なく押さえつけられて、響の行為を増長させるだけだった。
 胸元を唇で嬲るまま、響きの指は双丘の狭間の窄まりへと進んでいく。
 先刻解き放った前のぬめりが伝ったのか、しとどに濡れた窄まりへ指先が触れた。
「ひっ……あッ……」
 襞を撫でるようにうごめいていた指先が、ゆっくり中へと突き入れられる。
 上擦った声をあげ、リルは全身を波立たせた。
 濡れた感触が、じわりと中へ侵食してくる。
「いあ……ッ……あ……あ……あう、……ん……」
 まだ硬い窄まりを解すように、指先は何度もそこを掠めた。
 ひくつき、ほんの僅かに和らいだ瞬間を狙いすましたように、奥までズッと挿し入れられる。
「ふ……あっ……」
「中が絡み付いてくる。気持ち好いのか?」
 リルは弱く首を振る。
 解らない。
 気持ち好いのか、悪いのかも。
 今はもう、この熱をなんとかして欲しいだけ。
「お願……響く…………あ……んぅっ」
「バカ、お前、煽りすぎだ」
 いつの間にか2本に増やされた指が、グズグズと後ろを掻き回す。
 とろけきった内壁が指を締め付け、リルは幾度も全身を引きらせた。
 リルの半身も再び形を変え、絶頂の時を待ちわびている。
 唐突に指が抜かれた。
 それまでとは違う熱がリルの下肢を襲う。
「あッ……あう……っ」
 一瞬引けた腰が戻され、指とは比べ物にならない質量のモノが押し入ってきた。
「ヤ……ッ、……あ……あ、ああぁぁ―――ッ」
 じわりと奥まで犯される。
 指よりももっと深く、最奥までグイグイと突きたてられた。
「……イッ……あっ……あう……ん……」
「力抜け。その方が楽になるから」
「あっ……、う……う……」
 リルは呆けたように喘ぐしかできない。
 圧迫される苦しさと痛み。けれどそれ以上に痺れるような快感が、リルの身体を硬直させた。
「……リル」
 はじめて名を呼ばれる。
 堪らない疼きが全身に拡がって、リルはビクンと腰を揺らがせた。
 とたんに電流のような甘い刺激が背筋を駆け上る。
「あうっ……ん……んんっ」
 脳天まで神経が焼き切れるようだった。
 どうにかして欲しくて、リルは響の背にしがみつく。
 薄っすらと開いた眸に、響の表情が映る。
 欲望に支配されながら、しかしその双眸の奥にはリルを労わるような色がある。
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