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野獣の協力者
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地元から戻りすぐに煌の相手をした週末明け、体中の筋肉痛をごまかしながら、仕事をこなしていく。この時、スケジュール調整をしておいて良かった、と心底過去の自分に感謝する。だけど、疲れはたまる一方であり、誰もいないのを確かめてから会社の書庫にある小さいソファに座りこみ、明かりをつけていないから暗い天井を見上げる。
「ああ、疲れが取れない。」
ここを一歩でも出るとキャリアウーマンにならないといけないので、ただぼーっとする。いつもはその時間がそれほどなくても疲労なんて吹っ飛ぶのだけど、なぜか全く飛んでいかないところかさらに体に乗っかって来る。
「ああ、分かった。」
私は急にその理由が頭の中に振って来て、それには頭を抱える。
「湊君、見ていない。湊君を見ないと私の体は回らない。」
煌と会わない日は帰りの時間さえ早ければアニメを見る時間ぐらいは取れる。そう決めた瞬間、書庫から出てすぐに仕事に取り掛かる。
一心不乱に仕事をしていたら時間は早く経っていき、終わったと思った頃にはすでに定時を30分すぎている。それでもいつもよりは早く終わったので小さくガッツポーズをする。
「早く帰らないと。」
急いで荷物をまとめて会社を出る。
会社を出て最寄り駅に向かう足も速いのだけど、それは急ブレーキをかけられる。それは通り過ぎる風景の中で信じられない光景が飛び込んできたからだ。一瞬、思考回路が止まってしまい体が固まり、それが解けてゆっくりとそれが見えた場所まで戻る。
最寄り駅近くのショッピングビルの一階にある中が見えるようになっている解放感の喫茶店で中が良く見えるから知っている人がいるとよくわかる。たまに、会社の同僚が男女二人っきりでいるのを見ると心の中でニヤついてしまうが、そこにいるのは一番信頼している家族と一番信頼できない男の組み合わせなので呆然とする。
「透、そう言うことだったの?」
私は家族の中でも最も信頼していた相手が甥の透だった。それなのに、彼は最初から煌のことを知っていたように真剣な顔をして話している。彼らが一体どんな関係なのかは私にはわからないが、透はきっと私が一番最初に相談した時には煌のことを認知していたのだろう。その事実が私に襲いかかり、彼が以前私の過去のことを知っているような言動をしていた理由が分かった気がする。
「そうなんだ。」
私はもう見ていられなくなり、その場から立ち去る。
家に帰って動画を見て落ち着くまで記憶はもうほとんどない。私が気が付いたのは久しぶりに見た湊君の姿であり、彼の言葉と態度に心が癒されていく。
「湊君、もう私の味方は湊君だけになったよ。」
私は動画を見ながら画面の向こうの彼に言いかける。それに答えることはないけれど、彼の声を聞いているだけで満足する。
「ああ、疲れが取れない。」
ここを一歩でも出るとキャリアウーマンにならないといけないので、ただぼーっとする。いつもはその時間がそれほどなくても疲労なんて吹っ飛ぶのだけど、なぜか全く飛んでいかないところかさらに体に乗っかって来る。
「ああ、分かった。」
私は急にその理由が頭の中に振って来て、それには頭を抱える。
「湊君、見ていない。湊君を見ないと私の体は回らない。」
煌と会わない日は帰りの時間さえ早ければアニメを見る時間ぐらいは取れる。そう決めた瞬間、書庫から出てすぐに仕事に取り掛かる。
一心不乱に仕事をしていたら時間は早く経っていき、終わったと思った頃にはすでに定時を30分すぎている。それでもいつもよりは早く終わったので小さくガッツポーズをする。
「早く帰らないと。」
急いで荷物をまとめて会社を出る。
会社を出て最寄り駅に向かう足も速いのだけど、それは急ブレーキをかけられる。それは通り過ぎる風景の中で信じられない光景が飛び込んできたからだ。一瞬、思考回路が止まってしまい体が固まり、それが解けてゆっくりとそれが見えた場所まで戻る。
最寄り駅近くのショッピングビルの一階にある中が見えるようになっている解放感の喫茶店で中が良く見えるから知っている人がいるとよくわかる。たまに、会社の同僚が男女二人っきりでいるのを見ると心の中でニヤついてしまうが、そこにいるのは一番信頼している家族と一番信頼できない男の組み合わせなので呆然とする。
「透、そう言うことだったの?」
私は家族の中でも最も信頼していた相手が甥の透だった。それなのに、彼は最初から煌のことを知っていたように真剣な顔をして話している。彼らが一体どんな関係なのかは私にはわからないが、透はきっと私が一番最初に相談した時には煌のことを認知していたのだろう。その事実が私に襲いかかり、彼が以前私の過去のことを知っているような言動をしていた理由が分かった気がする。
「そうなんだ。」
私はもう見ていられなくなり、その場から立ち去る。
家に帰って動画を見て落ち着くまで記憶はもうほとんどない。私が気が付いたのは久しぶりに見た湊君の姿であり、彼の言葉と態度に心が癒されていく。
「湊君、もう私の味方は湊君だけになったよ。」
私は動画を見ながら画面の向こうの彼に言いかける。それに答えることはないけれど、彼の声を聞いているだけで満足する。
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