俺にとってはあなたが運命でした

ハル

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翌朝

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 朝、目が覚めると瑞穂は初めて感じる体調の良さだった。体のだるさも纏うような熱もなく、爽快な気分だけであり、βだった時にもこんなに目が開いた朝はなかったかもしれない。

「起きたか。気分はどうだ?」

 隣で寝ていた晴哉が頬を撫でて笑みを浮かべていた。

「熱もないし、発情期も治まったみたいだな。良かった。」

 彼の発言に驚いたし、それよりも、瑞穂は困惑した。

「昼だったはず。」
「もう2日目の朝だけどな。」
「え?どういうこと?」
「それは後で話す。とりあえず、俺は仕事行ってくるから、お前も大学行きたいなら行けよ。帰りは連絡してくれれば迎えに行くから。」

 晴哉が着替えながらローテーブルに置いたままのスマホを指さした。それをぼんやりと見ていたら、チュッと音がしたと同時に頬に一瞬温かさを感じた。

「じゃ、行ってくる。瑞穂も大学行くなら気をつけて行けよ。今後のことは後で話そう。俺は今日早く帰れるから時間もあるからな。」

 晴哉はあっという間に部屋から出て行った。

「何だよ、それ。」

 よくわからない彼の行動に瑞穂は驚きすぎて笑いが出た。初めてされた頬へのキスに嫌な気持ちはなく、むしろ嬉しかった。

「俺、どうしたらいいんだろう。」

 痛む首の後ろをそっと撫でた。そこには、晴哉との関係がしっかりと刻まれていた。冷静になってやっと瑞穂は医師からの説明にあった、Ωにとって最も重要なものを思い出した。

 ”うなじを噛まれると番になる”

 だから、もし、αに襲われた場合は必ず首の後ろを守り、そのための首当てをαがいる環境では必ずするように言われていた。これは気を脱いた瑞穂の失態だった。しかし、これで体調が良くなるのであれば、安心して大学に行くことができるので良かったのかもしれない。番を得たΩはフェロモンで相手のα以外を引きつけることもないため、安全は保証されていた。瑞穂が通う大学のキャンパスにαはおらず、居てもΩなのでリスクは低いが用心するに越したことはない。今までは大学に行っても周囲に気を張っており、βの時よりも倍以上疲れていた。そんな苦労がなくなり、体調も良好とくれば、瑞穂の選択は一つだった。

 その日、瑞穂は軽い足取りで大学に向かった。
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