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第25話 新婚旅行
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飛行機内 PM21:05
「わあ~!これがファーストクラス!」
「すごいわね......しかも、あちらの計らいで貸切なんて......」
「社名はジョルだっけ?まあだってわざわざ、あーしらがプライベートジェットとか使わないからじゃない?婚姻したのは報告したからニュースになったし、日本のトップヒーローが乗ったファーストクラスって宣伝になるし。それにしてもこの座席は貸切前提な感じで変わった形だね~」
「いやー、こりゃあすごいがプライベートジェットどころか、私が皆んなを抱き抱えて飛んだ方が着くの早いんだけどね......」
「それこそムードでしょ!飛べる私達は黙認されているけど密入国だからね......」
と微妙な顔で未来は注意する。
「それ黙認だったんだ......自由の女神像守った時に、そのあと普通にインタビュー受けていたし、警察や米軍にも握手求められていたから、てっきり表立って良いものかと......」
「まあ、貴音はどこ飛んで行っても許されるわよね、と言うか強さ的に許さないって選択肢の取りようがないわ......それより私達、本当に入籍したのよね......なんかソワソワするわ」
「ア!タ!シ!は!狂いそうッ!!」
「ボクも今更ソワソワしてきた......」
「うちもやっと家族が出来た気がする......あとファーストクラスは教祖しているから初めてじゃないんだよね~まあ今回の方が貸切前提みたいな席だし、変なオヤジが媚び売ってこないから気分楽だわ~」
「それにしても私達は武器を持ち込んで良いなんて言うのも、物騒ですよね。このハルバードも折り畳み出来るのでそんなに場所は取りませんが、間違って当たって人を傷つけてしまいそうです」
「まあ大丈夫でしょう!私達は最強ヒーローチーム!武器がなくとも強いですが、何かあった時に力を十分に発揮できない時の方が怖いのでしょう!それほど私達は信頼されているのです!」
「そうね~なんなら、私のは体内にあるから出せって言われても無理だしね」
「ボクも貴音に言われた通り武器は持っているけど、洗脳できるしね。武器許可してもしなくても脅威だからなぁ」
「あーしなんてこの飛行機ごと爆弾にできるしね~しないけど」
「このタイミングでハイジャックする馬鹿がいるならアル見てみたい」
とワイワイ笑い楽しくする夫婦達
――――――――――――――
同所 PM23:23
「機内食......尋常じゃないくらい美味しかったわね......」
「いやー、気取った機内食だったけど腹が膨れて良かった。食わなくてもいい身体だけど食わなきゃ損だからなぁ」
「貴音は品性がない。アル以下」
「それ言われちゃあどうしようもないな......でも、アルの分もちゃんと大人用にしたから良かっただろ?」
「それはそうだけど、品性の話とは関係ない」
「手厳しい......まあ、それにしてもやっぱり、いくら酒飲んでも酔わんなぁ......元から酔ったことないくらい強いけどもうジンコーク15杯と赤スパークリングワイン3本、カシオレ缶5本飲んだんだが......そりゃあ毒が効かないんだからアルコール無効なのは当たり前だけども......ただトイレを行き来する馬鹿になっている......」
「そりやあ~貴音ぇは私と出会っ......った時からアルコール強すぎてびっくりしたひぃ~ダーリン~♡甘えさせて~!」
そういうと貴音に思いっきり抱きついた。
「お、おい客室乗務員の方が来たらどうする......」
そう言いながら倒れないように抱きしめて持ち上げる。
「アタシも強くない方だが未来は弱いな......ん?フェムトマシンで浄化すれば良いんじゃ......」
と言おうとした瞬間、未来に鋭く睨まれた......ような気がした千劔破は、目を逸らし黙ってロックのジンを飲み続ける。
「私はカフェインで酔っ払ってしまうので、貴音からさっき少しもらったコークジンでクラクラしてきたわ......」
「蜘蛛だったからね......」
「それよりあーしとアルだけ飲めないのハブな気分......」
「アルは別に飲めるよ、臓器の成長も終わっているから。ただ響に気を遣っているだけ♡」
「なっ......そんなニコニコして言われると......でも、法律的にダメでしょ?」
「ミュータントの人達が大丈夫な様に検査をパスすれば、身体強化系能力者とかは飲める許可が下りるよ」
そういうと見せてきた新しい保険証に、飲酒許可の欄があった。
「うぅ......じゃあ、あーしはコーラとか飲み続けるよ......」
「いや、本当はアルもジュースの方が好きだから、お酒は別にわざわざ飲まないよ」
「そう言われてもなぁ......飲めるけど飲まないと、飲めないから飲めないは違うから......」
「身長の高さとかで忘れられているけどボクもまだ飲めないからね......」
――――――――――――――
同所 AM1:21
「もう皆んな寝たら?朝イチから遊びたいでしょ?流石に一緒に寝れないから、私はずっとゲームでもしているけど」
「そうね......寝ましょうかね............んん?なんか、騒がしくない?」
「ん......アルも聞こえたけど......悲鳴?この話し声は......?本当にハイジャックされている?」
「えぇ!?乗る前にボク達すごく目立っていたよね?サインしたり、握手したりとネットでも騒がれたのにハイジャックするの?......今から何人いるか探知する............6人が異常に興奮している......多分こいつらだね」
「どっかのヒーローのフリした母乳好きみたいに墜落させない様に助けないとな」
「いつも、そのヒーロー系の例えは見ていない私達にはわからないのよ......」
と困惑しているところに客室乗務員が入ってくる
「た、助けてください!お、お、ねねが......」
「落ち着いてください、私達が処理します。状況説明は可能ですか?それと奴らは私達がいる事は知っているのですか?」
「6人銃を持った男達がい、います......そして、他の方が入口のファーストクラスに誰が同乗しているかわかっているのか?と言う質問にヒーローごっこのペテン野郎、と答えていました」
「そう言うタイプかぁ......所属と要求は?」
「ネオアフターメテオと言っていました。要求は約5億円、本命はあなたの首と言っていました......」
「ん~......私を殺せる武器があるのか馬鹿なのか......というか何で直接殺しに来ない?まあ取り敢えず、私だけを人質に他の人をどっかの近い空港に降りて逃すのが1番か......」
「どう考えても馬鹿でしょ、うちがボコす。ケジメよ、それよりうちもいるの知らないの?馬鹿なの?」
と持っている缶を握りつぶして怒るエル。
「落ち着いて、こっちは強さならギャラクシー級が3人+実質それの未来がいるんだから」
「あ、あの凪さん......でしたっけ?怒りながらもう向かわれてしまいましたけど......」
「えぇ!?......まあ、ここの誰が言っても結末は変わらないのでしょうがないですね......ただご安心ください、彼女の攻撃は普通は防ぎようがないので絶対に勝ちます......」
――――――――――――――
飛行機内 AM1:27分
「早くあのボケを出せ!!アースブレイカーは口だけだった!だから俺らが|奴を殺す!!」
「今していますので、もうしばらくお待ち......」
「うるせぇ!まずは1人見せしめだ!殺し......」
「待て、貴音が出る幕じゃない」
「だ、誰だテメェ?新婚旅行だって聞いていたが男とも結婚したのか?まあ、どうでも良い。こいつを殺されたくなければ動くんじゃねえ」
そういうと震えている客室乗務員の首を絞めながら、こめかみに拳銃を突きつける。
「動く必要はない、もうお前はボクを見てしまったからね」
そう言い終わる間も無く、テロリストは銃を捨て自ら持っていた手錠をつける。
「ボクにひれ伏せ、お前程度造作もない。面倒だ通信機か何かあるだろ?仲間を全員呼べ」
そう言うとテロリストは仲間全員を呼んだ。
「な、なんだ......誰だこいつ!?お前仕留めたって言うから来......」
また全員銃を捨て自ら拘束された。
「ボク達と貴音のハネムーンを邪魔しないでよね。CAさん大丈夫ですか?犯人は無事制圧しました、飛行継続可能なら機長にこのまま目的地に向けて進んでください。とお伝えください」
「はい、大丈夫です!ありがとうございます!今伝えてきます!」
「ありがとうございます、ボクはこいつらを完全に無力化します」
(貴音~ごめん。怒りすぎて出ちゃったけど終わったよ)
「おぉ~大丈夫だよ。凪なら余裕だってわかるし。皆さん!私の嫁ちゃんがテロリストを鎮圧しましたよ!もう安全です!」
歓声や拍手が起こる。
「ははっ、こう言うのがあるからヒーローは止められないんだよ!」
と貴音は笑いながら凪と肩を組み、胸の辺りを叩く。
「ふふっ、そうだね。引きこもっていた時より、誰かの為の事をして感謝されるって言うのは楽しいね」
――――――――――――――
空港外 AM9:44
「あのカルト野郎達連れて行かれたわね、それにしても......おお~ここね!」
「死ぬ前までに来たかったんだよね~アタシ」
「あーし初めてだよ!海外は!」
「ハワイ!!!!」
「うちもハワイは来た事ないや」
「私は数回来たな、仕事で......」
「今回は遊びなんだから暗くなるんじゃないわよ!」
「ホープの言う通りですよ~」
「まあ!飛行機内であんな事あったら仕事を忘れるのは無理ですね!」
「その為にボクが先に出たんだけどね......」
「いや、それのおかげで十分助かったぞ!それより死ぬ程高い良いホテル取ったぞ!それもわざわざ10人用に色々変えてもらったから、皆んなで同じ部屋だぞ!!」
「それは良い!!最初の話は半分ずつになると聞いていた時は残念だったけど!」
「それより響?なんだ?やたら挙動不審じゃないか?」
「ん!?......いや、なんでも無いよ!ハワイが珍しいだけ!」
「そうか?それにしたって変なところばっかり見て......」
「それより、もう現地の人が近づいて来たわよ。貴音は英語流暢に喋れるんでしょ?頼んだわよ、私もアッシュに頼めばやれるけど面倒なのよ」
「まあ、一応......ってハワイ州知事じゃん!?」
「お久しぶりです!貴音さん」
「お久しぶりです、ニック知事!」
そう言うと握手をし知事が口を開く。
「いやー、数時間前にこちらに向かっていると耳に挟んだのでお会いに来ました!それと是非、恩人とその奥様方にハワイのご馳走をと思い用意させて頂きましたが如何ですかかな?」
「恩人だなんて、暗殺防いだだけじゃないですか~、おおー嬉しいです!朝食もまだなので是非、頂きたいですね!」
「それは良かった!こちらにリムジンを用意させています、どうぞ!」
そう言われた方に行くと、よく見る金持ちが乗る長いリムジンにイカついボディーガードと見られる人達がいた。
「貴音様、こちらからどうぞ」
「ありがとうございます、皆んなこっちから乗って~」
「すごい!すごい!アル憧れていた!」
「想像といい意味で違ったわ......」
「すごい......下半身を人間に出来て良かったわ......」
「それより貴音はMr.呼びなのね」
「まあ海外はこういうの面倒だからMr.かそもそも付けなくて良いって言っているしね」
そう言いながら全員が乗り出発した。
「お飲み物はご自由にどうぞ、ハワイ名産のクッキーもあります」
「ありがとうございます!みんな、好きに飲み食いして良いって~」
「さんきゅーさんきゅー」
そう言いながらアルがクッキーを頬張る。最近はアルが捻くれた原因がほぼ無くなったおかげか、頭はいいが年相応に楽しんでいて微笑ましい。まあ嫁なんだけど......。
「うちの口にも合う~」
「これは......ドーナッツ?クリームが入っている?なに?」
「代わりに聞くよ、これは何ですか?」
「これはマラサダというクリームなどが入った甘い揚げパンです、発祥の産地は確かポルトガルですがハワイでも名産なんですよ」
「そうなんですね!ありがとうございます!千劔破これは............だって!」
「ほう......では、頂くとしよう............美味しい!ベリーデリシャス!」
「ザッツグッド!安心しました......そろそろ着きそうです」
「分かりました、そろそろ着くって~」
「さんきゅーさんきゅー」
と言い続けながら無心にクッキーを食べ続けるアル。
「めちゃくちゃあーしより貪る様に食べるじゃん......飛行機内で貴音に品性どうこう言っていたのに......」
――――――――――――
貸切パーティー会場 AM11:23
「いやー、思ったより時間がかかってしまって申し訳ない、ここは貸切なのでご自由に楽しんでください。私が手配したハワイの高級レストランのシェフや、郷土料理専門のシェフ達にハワイ有名スイーツ店のデザートなどが、ここで調理しビュッフェ形式でお食事をする形で用意させて頂きました!ここのシェフ達や案内人は私より日本語が流暢なので気を楽にお楽しみください」
「これは......すごいですね......しかし、これ程、色々と店がここに来ているとなると、どこにお支払いをすれば?」
「ハッ!ハッ!ハッ!もう払ってもらっていますよ!」
「?......カードの情報渡しましたっけ?」
「違いますよ!私の命を守って頂いた時に返せない程にね!これは私の、私としてのもてなしなのでお気になさらず!」
「それくらいで......ありがとうございます!ニック知事!」
「それくらい、ではないですよ。あなたはもっと己の仕事に誇ってください。では、食事が終了したらリムジンを待機させているので、ご自由にお使いください。それでは私は職務に戻ります、会えて良かったです!アロハ ア フイ ホウ!」
「こちらこそ、色々と助かります!ありがとうございます!またお会いましょう!」
そして州知事は退席し、貴音はみんなに自由に食べて良い事と日本語が通じると伝え食事を始める。
「ロコモコある?アル食べたいんだけど」
と貴音に聞くアルに近づいてくる男。
「どうも、知事に任された案内人です。アルペシア様ロコモコはあちらにございますよ、他にも伝統料理のタロ芋の料理も」
「おお!日本であまり食べれないの食べたい!」
こちらです、と言われ会場の端の方の場に行くアル。
「クッキーあんなに食べていたのに......すごいな......」
「そう言いながらもアタシより沢山食べていたのに、今も大量に食べ物取ってきているじゃ~ん」
「ガーリックシュリンプは外せないじゃん?チキンもスパムも............って未来ヤバすぎない!?1人で食べる気?」
「身体にフェムトマシン入っているから沢山食べたほうがいいのよ」
そう言う未来は豚の丸焼きを持ってきていた。
「えぇ、未来の言う事はわかるわ」
とリカもステーキ60枚持ってくる。
「リカは食べ過ぎよ、私のように乙女らしくするべきよ」
と特大の器に特盛のポケ・ボウルを持ってくるホープ
「まあ食べたくなるのはわかるよ、ボクも張り切り過ぎて食べ過ぎたけど止まらないよ」
というか凪の周りには先程の3人も霞むレベルで食べ終わった皿があり、今もエッグベネディクトが何個も乗った皿を持ち食べ続けている。
「そういえば凪は大食いが特技だったね!それにしても身体強化系の能力者は、消費カロリーが多いから食べるのはわかるが凪はすごいな!私は凍ったフルーツとか果物と良くわからないもの混ぜた甘いのしか食べていないが!美味しい!」
「イかれたサイズのチーズバーガーに、この黒いパンケーキうめぇなぁ~この身体になってから糖尿病とかに怯えなくて済んだのは嬉しいわぁ~」
「貴音は出会った時から、脂質と糖質に塩辛いものまでに好きだったから、尿酸値や肝臓の数値が危険だって愚痴っていたわね」
「あのままだと早死にコースだから良かったわ~ワッフルに変な色のケーキも美味い~トロピカルジュースも最高~!」
「うちはフリフリチキンってやつ好きだなぁ、ステーキも10枚くらい食べたかな」
「アルペシア様かなり......お食べになるのですね......」
「やみーやみー」
――――――――――――――――――
高級ホテル PM3:45
「ふぅ......着いた。こんな部屋に泊まれる日が来るなんてな」
「私達知名度があるせいですごいサインとか頼まれたわね......」
「しかも、貴音が全部受けるとか言い始めるから大変なことになったわ......」
「すまんな、私が逆の立場なら欲しいし」
「ヒーローオタク......」
「アタシの事をサムライ!って叫ぶ人にサインをしてあげたら、タトゥー!イレル!って叫んでいたから止めて、もっとマシな奴書いてあげたけど......本当に刺青にしたのかな......」
「加入したばかりのボクにもあんなに人が集まってくるなんて思わなかったよ......嬉しいけど」
「うちの信者いたのキツい......その人達とって心の支えになっているから解体出来ないって余計にわからされた......」
「解体したくないならば、噂になる程の過度な集金やめれば良いと思うわ」
「うちはしてない......幹部とかが勝手にやっているから定期的に抜き打ちで確認しているけど......」
「それよりベッドふかふか!ぼよんぼよん!景色サイコー!」
「そうです!今は楽しむ為の時間!忘れよう!!」
「フギンの言う通りみんな忘れよう!1番忘れられない私がダメなんだけど......」
「やめなさい!ちょい前のハイジャックみたいなのは対応するけど、他は別のヒーローに任せて休むのよ!」
「ああ......土産買っていかんとな......それにしても親友の犬野郎に連絡つかないから選べん......まあ食品以外の土産買えばいつか渡せるやろ......サングラスとかにするか?」
「犬?まあ、それを考えるのは早いんじゃん?明日から本格的に楽しむんだから!」
「それより......夕食まで時間があるわね♡」
「そうね♡アタシも......」
「えぇ......?ハワイの街中歩くのも悪くな......」
「黙れ!やっ!アルが1番乗り♡」
と貴音の上に飛び乗っかるアルペシア。
「ちょっとボクも!」
「いや、家でもやれるじゃ......」
――――――――――――――――
ホテルのビュッフェレストラン PM7:36
「一般人の頃だったらギリ死んでいた......早く飯食べよう......食事はいらない身体だけど食べた方が回復するの早いし......」
「アルあれ食べる~!」
と言いながら早歩きで行ってしまった。
「アル!......まあ誘拐される訳無いしスマホあるし良いか......」
「アタシ達も取ってくるね~」
「......じゃあ、あーし残っておく~」
と言いながら各々好きなものを取りに行った中、響が待つ事になった。実は響は悩み続けていた、それは死んだはずの親友の咲が数日前から色々な場所で見える事に。
(あーしは遂におかしくなったのかな......今も隣で微笑んでいる......無視するんじゃなくて話しかけてみる......?)
「ねぇ?咲だよ......ね?」
そう話しかけ手を取ろうとすると、本来なら手は空を切るはずだが掴めてしまった。
「「!?」」
「やっと生者が......私を見える様になったの......?響?」
「げ、幻覚じゃ無いんだよね......??本当に咲なんだよね......?ごめんね......ほんとにごめんね......あの時救えなくて......」
と周囲に人がいる事を忘れ大泣きしながら咲に謝罪する響。
「良いんだよ......どう考えても誰も悪く無いんだから......それより周りからだと1人で泣き始めた様にしか見えないよ。いつもの笑顔を見せて」
と座っている響にを立ちながら抱きしめる咲。
「関係ない!ちゃんと謝りたかった......!もっと一緒に居たかった!で、でもどうなっているの?」
大泣きしている響に気がついて急いで戻ってくる貴音。
「おい!?響!どうし............ショッピングモールの子?なっ......?」
「え!?私もしかして見える範囲を決めるの成功している!?ちゃんと少し前にメテオブ......いや、響の旦那さんも見える様にしたんだけど......大成功!?それよりよく私の事を覚えていますね」
「本当に......あの時の子なのか?私のせいで死なせてしまった......そんな方を忘れられないよ......咲さん」
「貴音も見えるの!じゃあ、本当に咲はいるんだね!?でもどうやって......?葬式にあーし出たよ?」
「私も謝罪、お悔やみの言葉と香典を送らせて頂いたのだが......」
「私の今の状態は幽霊だよ、本当に死んではいるんだけど、ここに存在し続けれる特権があるみたい」
「特権......?それよりも貴女を救えなかった事を謝罪させて欲しいです。本当に申し訳ございません。私の一生の不覚です、私があの時にカンガルーを......」
「それを言うのはやめて!貴音さんの事を責める事は全くするつもりはない。あの時、死んだときの直後の事も見ていたから、どれだけあなたが優しい人物かわかる。それに今に至る経緯も全て見ていた、見る事しか出来なかったけど今は違う。やっと、この能力を使いこなせる様になってきたのだから......出会った時に敬語はいらないといったよね?お互いやめよう......ね?」
「響といい最近の高校生の年代の人達は人間が出来ているな......ありがとう......呼び捨てでいいよ」
「それより、会えた喜びもすごいけど、能力って?アーキアンだったよね?」
「それは全員集まったら説明するよ、取り敢えず食べ物取って来たら?全員に見える様に......出来るかわからないけどするから席とっておくよ」
「いや、咲だけいると知らない人がいるって困惑するから私がいる、響行って来て良いよ」
「いいよ、それより咲と話したい......」
「わかった、じゃあ私はいない物だと思ってくれ」
そこから5分くらいで全員戻って来た。
「じゃあ、みんなに話だけしていた亡くなった響の友人から話がある、咲よろしく」
「初めまして、私は天命咲です。名前が奇跡的にマッチした能力が発現したおかげでここに居ます。私の能力は死ぬ間際に目覚めたと思います。貴音が昔話していた命の危機に瀕すると発言っていうのに当てはまるかと、死んだ直後にあの世に行きました......」
「遮って悪いけどあの世あるの?」
と質問する未来。幽霊が怖いので見えている物がなんなのか知りたくすぐ質問をしてしまった。
「ありました。気がつくと目の前にポツンと受付?があり、そこで君は現世で言われる幽霊の様な存在として戻れると言われました。これは、こちら側としては戻らせないのがルールだが、君は現世に戻る特権がある。だがそれが本来の特権ではない。取り敢えず自由に現世に戻るか、あの世に進むステップに進むか、と言われて問答無用で戻ると答えたら、一瞬にして現世に戻され、私を抱きしめて泣き叫ぶ響を見ました。」
「これは玉7つ集める漫画みたいにあの世の人を現世に普通に戻す様な物か......?というか、ここの全員に敬語はいらないよ。それより本来の特権じゃないってなんだ......?」
「そうね、必要無いと思うわ。別の特権......なんでしょうね?魂関連でしょうけど」
「アルには縁が無い話だけど、幽霊と生者の違いは?」
「見える人と見えない人を選べる。一方的に干渉できる、つまり一方的に殴り倒せるし物を奪ったりできる。一般人にはポルターガイストが起きたとしか見えないけどね。あと壁抜け、浮遊などの物理法則無視かな」
「やばっ......弱点は......?」
「私自身が死んだ時の身体能力のままだから弱い......ただ鍛えれはするみたいだから、幽霊だけど最近筋トレしている」
とみんなが暗い顔をしているのに笑っている咲。
「それにしてもおかしい、生物と融合する事で進化して、死んだ後のことに特化しているのがわからない......普通は生存に有利になるはずなんだよ。なのに亡くなってから発動している、他にもできる事ありそうだな......」
「どうかなぁ?わからないや」
「それより咲がここに存在出来る期間......期限はあるの?」
と寂しそうに聞く響。
「多分ないけど......」
「けど?」
「響の周囲からはあまり離れられないの、だから......その......みんな夜の時とかは............ごめん......特にさっき......」
「あぁ......わた、私の............」
「未来......まあ、しょうがない事だよ~......」
「今更......あーしら全員お互い見せ合っている様なモノに1人増えるだけだから......」
「............いつか、必ず気づくと思って早めに言ったけどダメだったかな......まあ死者は無視して食事していて......」
すごく微妙な雰囲気で食べ続けるほぼ全員。一方アルは全品食べ尽くすつもりではしゃいでいる。
――――――――――――
ホテル室内 PM9:42
「アルはすごい勢いで食べていたな......」
「血じゃなくても大量に食べれば少し強くなるのわかったからね、肉類限定だけど」
「にしても咲は響の背後霊だな、奇妙な漫画に出てくる奴みたいだ」
「一蓮托生で響を守るからね!もう死んでいるけど!」
「守れなかったのにありがとう......」
「ちょっと!泣きつかないで......ここにいるんだから」
「永遠に再会する事はないと思っていた人と再会できて泣かない人はいないよ~......」
「まあ募る話もあるだろうから部屋から出るよ、どっかバーでも行ってくるから......凪が飲めないか......」
「いや、ソフトドリンク飲めばいいんじゃないかな?......そもそもボクは店内には入れないかな?」
「まあ行くだけ行くか!出よう、2人は好きに話していてね~」
そう言いながら響と咲以外出て行った。
「なかなか能力を扱いきれなくて遅くなってごめんね」
「いいんだよ~......私がヒーローで守っていれば~」
「責任感を持ちすぎだし優しすぎ、それが1番ヒーローらしさだよ」
「うぅ~咲~~」
と笑い泣きながら抱き合う2人。
――――――――――――――――
外 PM10:07
「ハワイは湿度が少ないから良いなぁ」
「そうね~、あ!あそこに入ってみる?」
「私的にはカフェイン飲料があると良いんだけど」
「ジャンキーね......私より元の生き物に近いから、蜘蛛が酔っ払うカフェインが好きなのかしら......」
「かもね、アル開けるよ」
そう言うと賑やかな店内の様子が外からよりもはっきりと見えた。
「エ コモ マイ......!?おい!メテオブレイカー様のご来店だ!?」
入った途端に店内は響めき、客は興奮状態になっていく。
「どうも、名前を覚えていてありがとうございます!ハワイには疎いのですが、ここはバーですか?外から見て良いなと思い入ってみたのですが、それと未成年大丈夫ですか?」
「俺は日本語わかるから英語じゃなくて良いぞ!やっぱり一流のヒーローは目の付け所が違うなぁ!ここはハワイで1番最高なバーだ!飲酒はハワイ......まあアメリカの法律上21歳以上or自分の国籍がある国からの飲酒のライセンスを国からもらった人だけだ」
「えっ......アタシギリ飲めないじゃん......」
「そういえば、野球の世界大会で日本が優勝した時に20の選手が、アメリカの法律で飲酒できないからビールかけ参加出来ていなかったな......機内で飲んだ分はノーカンかな......」
「わざわざいらない事話すじゃないの」
「まあ千劔破ここではソフトドリンクにしておいてくれ......」
「うん......」
「そう落ち込む事ねぇぜ!侍の嬢ちゃん!ここのトロピカルジュースは美味えぜ!あと安い、ここは円が使えるが500mlジョッキで果肉入り800円だぜ!」
「えっ!?何それ......すごいわね............カフェインはある?」
「こっちのエナジードリンク混ぜた1050円の奴ならあるぜ」
「じゃあ、それを頂こうかしら!」
「カフェイン好きすぎでしょ......」
「しかし、何故この金額でやっていけるんですか!?普通は何倍も取っても良いはず!」
「ボクみたいにいくらでも食べれる胃袋がおかしい人が来たら破産しませんか?」
そう質問すると店主が笑いながら小声で言う。
「実はな、こりゃあ日本人の観光客限定なのよ。俺見ての通り日系人なんさ、あんまり人種で値段変えるのは良くねぇけどこれくらい許されるだろ!な?」
「まあ......わかる」
「値引きのお気持ちはありがたいです、それとアレやりたいんでやって良いですか?」
「アレ?」
「店内にいる奴全員奢りだ~みたいなの、憧れているんですよね~」
「世界中の人から憧れている人が、憧れる事がそれとは面白いな。やって良いぞ!」
「ありがとうございます!」と礼を言い貴音は店内に向けて叫ぶ。
「今日はメテオブレイカーの奢りだ!全員1番高いの頼んで良いぞ!!」
店内からは歓声が上がる。
「すげー!こんな体験するのは無いぜ」 「流石トップヒーロー!」 「太っ腹!」
「ふはは!!!こう言うのがしたかったんだよ!」
「もう......調子に乗りすぎよ」
「未来に1番言われたくないとアルは思うよ......」
そう言っている間に貴音に近寄りジョッキの酒をかけながら罵倒を吐き捨てる男が現れた。
「うるせぇよ偽善者!これは俺からの奢りだ!」
ぶっかけられた貴音は大して反応をしなかった。
「は!?」
「おい、アル怒るぞ」
「テメェ何をしてんだ?出禁にするぞ?」
「良いですよ、丁度ビールが飲みたかった所ですから、みんなも気にせずトロピカルジュースとか飲みな、店主さんもすみません......」
「いや、あんたが気にする事じゃ......」
「ダセェ事言いやがって!じゃあ!虫の触覚はやした気色悪い蜂女にはガラスジョッキ喰らわせ......なっ!?」
そう言い終わる間も無く男が持っていたジョッキを掴んだ貴音。
「私を偽善者と罵倒しようが、ビールを浴びさせるのは良いが、嫁であり仲間を差別した上に鈍器で殴ろうとしたら......黙ってられねぇよな?」
と言いながらジョッキを奪い店主に渡して、素手で優しく殴り飛ばした。
「ぐっ......ヒーローが一般市民を殴ったってSNSで拡散したぞ!これでヒーローごっこは終わりだ!」
そうすると他の客が。
「だったら、どちらが正しいかハッキリわかる映像も投稿したから、これでちゃんと終わるわね。貴方が」
「がっ!?畜生ッ!!」
そう言いながら店を飛び出して行った。
「テメェ!支払いが......」
「あいつのも奢りなんで気にしないでください、それと申し訳ない......それに、貴女わざわざ動画撮っているなんてありがとうございます!」
「いえ、ただのファンですから......対価みたいで申し訳ないですが、握手とサインして頂けます......?」
「もちろん!喜んで!」
そこからプチサイン会になって、それが終わり響と飲めるかわからない咲にジュースをテイクアウトした。
「いやーお騒がせしてすみません、支払いはカードで。チップはそこ置いておきます」
「気にしないでくれ、それより1番良い店って言ったのにこれじゃあ俺の面目が無いぜ。あとチップ文化の無い日本人は良いのに......」
「いや、酒もジュースも美味かった、またいつか来ますよ!それと郷に入っては郷に従えですよ!では~」
「ありがとうございました!......っとチップなんて良いって言ったんだけどな......ん?............100ドル札が100枚!?円でいいのにわざわざドル......それに店に飾れる用にサイン入り色紙!?客なのにサービス良すぎるな、噂以上に優し過ぎる......カモにされねぇといいんだが......」
――――――――――――――
AM12:05 ホテル内
「戻ったぞ~、あと土産だ」
「ミックスジュース?ありがとー!......貴音なんで髪が濡れてビール臭いの?」
「んー?ああ......いやぁドジし......」
「クソ客にかけられた!貴音はそうやって誤魔化すから溜め込む!」
「酷いっ!!」
「自分がされた時は無視していたのだけど、私が差別された時は怒って守ってくれたのよ......」
と頰赤らめ照れながらに言うホープ
「貴音らしい......」
「それより咲って飲食出来るの?一応、咲の分も買ったけど」
「ありがとう、そもそも試さなかったからどうかな............これ飲めたね?」
「飲めたな......ただこれ、排泄がないと地球の資源のサイクルから少しずつ物質が消えてしまうな......」
「死者に排泄なんてあるかな......まあ、一旦これは全部飲むだけ飲むね、それにしても美味しいね。死んでいるのに元気いっぱいって感じ......?」
「ねー、あーしも好み、それにこの夜景を見ながら飲むと金持ちになった気分」
「もうここで見れている時点で、アタシ達なっているんだよ......」
「まあ貴音のあの働きで手取り20万とかだったら、世界滅ぼした方がマシよ」
「なんで私の年代のリアルな手取りを比喩に出す......まぁ実際に、国からSADFの司令官として年間5000億強くらい貰えるのかな。そこから毎度、他国を助ける度に色々とお金以外にも物や名誉を貰っている。CMにも何個も出ているし、バラエティにも出ているし......Zのフォロワーも1億人ちょいいるから広告収入、プロモーションやら......更にそこから働けない程負傷して引退した時のために、仮想通貨と株、不動産もやっているから......あと私が何も介さず直で色々なところに寄付しているね。善行だし節税にもなる、ヒーローが言う事ではないけど」
「えっ!化け物?......いや、国の防衛費と考えたら格安か......」
「まあ、みんなも同じような事やっているから全員の合計貯金額はもう兆は超えているんじゃ無い?ちゃんと見てないから知らんけど」
「アルの口座はお祖父様が持っているのかな?まあいいや」
「それだからボクたちの給料を均一で年収500万まで落とせって言う声もあるしね......」
「そうなったら流石にうちはやる気無くすわ......てか、教祖やめないでSADF所属って良いんだね。文句言う人も当たり前にいるけど」
「私が加入させると言ったら絶対加入させれるからね......本当は良くないけど楽だね」
「まあ、法律変えない限りあなたがトップでい続けられる最強特権あるからね。しかもSADFでは首相より権限が上」
「まあだから色々出来るって事よ、よくある正義のヒーローチームは政府の命令で動けない!なんてピンチは来ない」
「あなたが死にかけた時はそれで自由に動けなかったんだからね......だから本國さんに頼んで私が権限の序列2にしてもらったから良いけど......」
「悪かったよ、まさか朝っぱらから呼び出してきた吉田さんから貰った変な色した飲み物飲んだらぶっ倒れるなんて......」
「いや......え?ちょっと......あなたそこまでわかりやすいのでやられたの?」
「あーしならそんなの飲まない......」
「なんならマズかった、でも一気飲みしちゃったから......そこで倒れて腹を何度も蹴られたから、起き上がって顔面蹴り上げて歯をへし折ったけどダメだった......」
「アタシ達はともかく仲間でも、素行が悪かったり怪しい人は疑いなよ......それよりも、それで歯をへし折る力が残っているの強すぎる......」
「う、うん......気をつけるよ......」
「私も何もできなかったけど支部に突撃した時、近くにいたから拷問後の貴音を見たけど、アレをされてヒーローでい続けようとするのは......勇敢というより逆に怖い......」
「まあ幼稚園児の頃からヒーローになりたいって言っていたしね。憧れは止められる物じゃないんだ、それの例として千劔破とか私に対して狂喜乱舞していたよ」
「なっ......しょうがないだろ!アタシはそういう性格なんだから!」
「そう、しょうがないんだよ。私がヒーロー続けるのも......暗い話はやめだ!寝ようか。明日も遊ぶ予定あるしね!」
「あなたが私達を心配させなければ良いのでは......」
「優しさに惚れ込んだけど私達を不安にさせるのは控えてよね!」
「ああ!気ーつけるよ、ほら寝よう......そういえば咲は私と同じで寝る必要ない感じ?」
「まあ死んでいるから......」
「じゃあ、暇だから親交を深める為に2人で話すか?」
「えっ?いや、悪いよ......響達と一緒にいる方がいいのでは......」
「なら、あーしらが寝た後にベッドから出て話せばいーじゃん?」
「まあうちら寝た後に居なくても......いや少し寂しいかも......」
「そもそも人数多すぎて私達は貴音にくっつききれないしね」
「アルは上に乗るから関係ない」
「......実際、咲と私達は初対面で貴音は一度会ったくらいだし、親交を深めるのは悪くないと1番目の女の私は思うわ」
「まあボクもそう思うし良いんじゃない、さっさと寝よ」
「寝ましょう!寝ましょう!」
「じゃあ、おやすみ」
――――――――――――――
「みんな寝たな......」
「アル......食べる、やみー......」
「夢でも食べているのか......」
「可愛い子だね」
「ああ、アルは可愛い子だよ、まあみんな可愛いけどね。響が言っていたけど咲も清楚系美人だよね~」
「えっ!そういえば言っていた様な......恥ずかしいですね......」
と照れる咲。
「いや、誇る事だよ!俺なんて身体が男の時なんてフツメンの中のフツメンみたいな評価でチビだったから」
と笑いながら言う。
「顔の評価が例えそうだとしても、その頃から優しい性格だったでしょ?貴音は内面なら誰にも文句を言わせないくらい良いと思う」
「ははっ、ありがとうね。咲は内面も100点だ!採点する様な立場じゃないけど......」
「......ネガティブだよね?貴音はかなりの。ただ傍観していた時から思っていたけど、心の病気の方は全然良くなっていない。私は精神病系のカウンセラー目指していたの、まあ高校生で死んじゃったかは専門も大学も行ってないから、当てになるか微妙だけど......話そう?」
「しっかりしているな......コミュ強の私には必要無いと思うよ......人付き合いでは今は苦労していないし......」
「人付き合い『では』なら他に何か悩みがあるのでしょう?響と近くにいた時に幾つかは聞いていたけど、今は何が1番大変?」
「そうだな............」
そのまま朝が明けるまで延々と歳下の子に愚痴を話してしまった......だが少しは気が楽になった気がする。前からみんなに言われているけど相談も必要なのかな、ヒーローは頼られる者で無いとダメなのに。
――――――――――――――
翌日ビーチ AM9:36
「海!アル初めて入るな!くせー」
「まあ良い匂いではないわね」
「水質的にはマシな部類じゃん~?」
「それより私達確実に盗撮されているわよ、ほら!あのパパラッチ?みたいなの」
「こっちが気がついたら離れたり、知らぬ存ぜぬ風に振る舞うね」
「でもさ......ボクからみた貴音はちょっと際どく無い?その水着......それは撮られてしまうよ......」
「え?現地のおっさんがコレが良いとか流行りとか......変な値段でもなかったし」
「カモられた......とはちょっと違うけど、そいつが見たいから貴音に進めたんじゃない?」
「まあ減るもんじゃ無いしいいよ、でも股間が......どうしようもないけど......それより、みんなも綺麗だな!」
「♡ そりゃあ気合い入れたからね、絶対うちら盗撮されるし」
「ねぇ?咲ってずっと服同じだけど変えられないの?」
「うーん......あ、出来た。変える必要無いからずっと死んだ時の制服のままだったよ」
そう言いながら響の水着のカラーチェンジの服装にした。
「あーしの水着の色違いって良いね~!」
「しかし、出来る出来ないすら考えた事ないことをやろうとしたら出来るって事が多いね......私の下半身みたいに」
「それは、そもそもあなたの能力は何々ですって教えてくれる人もいないし、自覚もほぼ無いからだと思うわ。それにしても私は死にかけたり、絶望したりしているのに能力発現しないわね......これも、もしかしたら気がついていないだけかもしれないわね」
「うちが触ればわかるかもね、アルに触った時とか色々わかったし」
「ボクの精神操作の応用で能力者かどうか分かる事もあるからやってみるよ」
そして2人は未来が能力者かどうか見た。
「ダメだ、実質サイボーグだから普通の魂じゃない......わからない......ただ魂が摩耗し再生を繰り返している?」
「ボクからは探知出来ない、これは精神汚染を防ぐ為の装置が動いているね」
「えぇ~アッシュ?オフにしてくれない?」
(危険です。非推奨、洗脳の恐ろしさはメテオブレイカーがされた時を思い出すとわかりやすいでしょう)
(そうね......)
「危ないからオフにしないって、まあ能力無くてもクソのおかげ様で強いし良しとするわ......」
「それよりもうアルと貴音は遊んでいるよ、アタシ達も早く行こうよ」
「そうね。みんな待たせて悪かったわ。行きましょう」
そう言いなが海の方にかけて行き全員ではしゃぐ。もちろん、パパラッチに撮影されているのでニュースになった。そんな事も気にせずこの後も色々と遊び夕方になる
――――――――――――――
ハワイの街中 PM7:48
「いやーダイビングしたりイルカやカメ見たり面白かったな。不快な奴らもいたが」
「そう、アルは途中からテレビ局が来て興醒めした」
「しょうがないわ......適当に遇らうと評判も下がるし......」
「でも、貴音がミュータントと結婚する価値観はイカれているって言われた時、放送事故並みにキレていたけど......」
「基本的に差別撲滅って言っている上に嫁貶された手前キレるのはボクとしたら仕方ない気も......」
「私は嬉しいと思ったけど!私達は気にせず無視で良いと思う!」
「うん......難しいね。それより随分と騒がしいね......あ、なんか野外ステージで行われるラップバトル番組があるって現地の人が言っていたな。ちょっと見に行かない?」
「そういえば貴音はラップとか好きだったわね」
「私は女王蜂だから同じ様な名前の人たちの歌が好きわね」
「アタシはよくわからないけど、やる事ないし行こうか。このうるささはそこ曲がったら着くでしょ」
数分歩くと観客がかなりの数がおり、テレビカメラもあった。
「想像以上にしっかりしているな......DJもちゃんといるし。って有名人いるじゃん」
「ボクには誰が誰だかわからない......」
そう興味のない彼女達はボーッと見ていると会場のMCに存在がバレた。
「おい!メテオブレイカー御一行様がいるぞ!」
会場は更にヒートアップし騒ぎ始める。
「おい!本物だぜ!」 「デケェ!全部デケェ!」
「おい!前テレビでラップ好きって言っていただろ!参加しろ!」 「そうだ!出ろ!」
「ヘイ!メテオブレイカー!優勝者はもう決まっているから、そいつと戦え!」
「えぇ......ちょっとステージに行くだけ行くわ」
そう言いながら観客の上を調子乗りながら飛んで、ヒーロー着地をしてステージ立つ。歓声が上がる。
「優勝者って有名なママドッグじゃん!なんで参加してんの?」
「ママドッグはそもそもゲストで持ち歌披露する予定だけだったが、優勝者が調子乗ってママドッグを煽ったら負けたってことよ!ダセェぜ!」
「メテオブレイカー......俺よりデケェ......だが体格も能力も関係無い。俺にライムをかませ!己のワイフの前でかませになれ!」
そう言いながらマイクを投げ渡して来た。
「いいや、先行はくれてやる。ほらよ」
「その傲慢さ、俺とのタイマンでさ、クールな面を破壊していくのさ、このフールな和解せぬ戦さでさ! DJ!やってくれ!」
そう言うと観客達も全員ノリノリに声を上げてリズムを刻む。
「ちょっと何言っているか分からないけど戦うのよね?」
「疲れるから使わなかった精神共有でボクから全員をリンクさせて意味自体が分かる様にするよ」
「便利......」
そう咲が感心していると貴音とママドッグの戦いが始まった。
「ヘイ!お前ら!俺の目の前にいるはただのヒーロー、俺は疲労知らずのラップを披露するキング、ヒップのデケェ女じゃあウォーミングにもならない、まともにシングもできねぇ奴はお呼びじゃねぇんだ、フローリングの中心部でサイケデリックな夢を見て防ぎ手も無くひれ伏せよつ!」
「あ?誰がひれ伏す?俺は不殺のヒーロー、暴漢と戦う知恵付く前から強姦されそうな女守ってんだ、血みどろでお札も求めずやってんだよ、だから身体は傷だらけscar scarでもお前の中身はスカースカー、脚が無くも明日を願い全世界に隕石が落ちた、この手のひらにある超人的な力、漫画のヒーローの様に怠惰な敵を成敗それに代打じゃ無いぜ、俺には正妻が9人全員俺が夜に蹂躙、俺の奥義だ消し飛べ股間から液漏れのお前!」
と早口でノリながら何度か言い合ってバトルが終わった。
「歓声の大きさで決着をつけるぞ!ママドッグ!!」(現実でも歓声の大きさで勝者を決める事がメジャー)
歓声が上がる。
「メテオブレイカー!!」
先ほどより強い歓声が上がる。
「勝者メテオブレイカー!!ただのラップオタクじゃない事を証明したぁ!!!」
「いぇーい!」
そう言いながら浮遊し攻撃力のない光弾を空に放ちパフォーマンスをする。
「まさかの勝っちゃったね......」
「ねぇ......ボク達の事言っていたけど......」
「ラップは下ネタと差別や悪口でできているって貴音言っていたけども......」
「キャーー!!貴音カッコいい!!!アタシを抱いてー!!」
「いや、いつも自分から行くじゃん......」
少ししたら貴音が戻って来た。
「いやー、した事無いからキツかった......能力を得た時に脳みそも少し強化されていてよかった......ママドッグと連絡先交換できたから嬉しいね」
「勝った方より縁ができた方に喜ぶのね、私なら勝ち誇り過ぎて天狗になりそうだわ」
「まあ有名なラッパーだからね、一般人だと関われないからラッキーだったよ。それと興奮し過ぎて何言ったか覚えてない......」
「あなた......ラッパーよりあなたの方が世界レベルで有名よ......」
「ああ......まあ一応Zのフォロワー勝っていたな、そういえば......」
「フォロワー数で言ったらあなたより上は100人もいないわよ!だからそれでお金稼いでいるんでしょ!」
「たしかに」
「ねぇ、アルもう近寄ってくる人の対応が面倒だからホテルに戻ろ」
「そうよ、戻りましょう」
「明日ハワイ出ていくし戻るかぁ」
――――――――――――
翌日 機内 10:05
「ハワイ楽しかった」
「なぁ~、また来ような」
「ねぇ咲?今壁や床貫通発動すると落ちるの?」
「落ちるよ、でも響から離れられないからある程度落ちると強制的に響の近くに瞬間的に戻される」
「ほへー」
「ねぇ次どこに行くんだっけ?」
「《アルトロス共和国》だよ」
「ん?どこそれ、あーし知らないんだけど」
「アイルランドの横の北大西洋の島国」
「そんな国あった?その辺にあるのは《パラブムオン王国》じゃない?」
「そうね。そして、その近くにある島が王国の支配下だったけど、最近ミュータントとミューテェイトの力を使って独立した国」
「あーそこだからか、めちゃくちゃ遠いから今回は飛行機じゃなくてSADFのジェット機なんだ」
「そうね、それにコレは一機しか無い未来のフェムトマシンを使った奴だから攻守強く、速度もかなり速い。私とエルと未来は飛んだ方が速いけどね。アルはまだそこまで早く飛べないと思うから3人かな」
「あら?じゃあ未来が運転しているのかしら?」
「いや、AIのアッシュが自動で運転しているから違うよ」
「?じゃあ、未来はどこ行ったの?」
「今はジェット機の周りを飛行している、この辺り物騒だからって行っちゃった。まあすぐ戻って来るよ」
そう言いながらジェット機に乗りアルトロス共和国に向かう貴音達。
「わあ~!これがファーストクラス!」
「すごいわね......しかも、あちらの計らいで貸切なんて......」
「社名はジョルだっけ?まあだってわざわざ、あーしらがプライベートジェットとか使わないからじゃない?婚姻したのは報告したからニュースになったし、日本のトップヒーローが乗ったファーストクラスって宣伝になるし。それにしてもこの座席は貸切前提な感じで変わった形だね~」
「いやー、こりゃあすごいがプライベートジェットどころか、私が皆んなを抱き抱えて飛んだ方が着くの早いんだけどね......」
「それこそムードでしょ!飛べる私達は黙認されているけど密入国だからね......」
と微妙な顔で未来は注意する。
「それ黙認だったんだ......自由の女神像守った時に、そのあと普通にインタビュー受けていたし、警察や米軍にも握手求められていたから、てっきり表立って良いものかと......」
「まあ、貴音はどこ飛んで行っても許されるわよね、と言うか強さ的に許さないって選択肢の取りようがないわ......それより私達、本当に入籍したのよね......なんかソワソワするわ」
「ア!タ!シ!は!狂いそうッ!!」
「ボクも今更ソワソワしてきた......」
「うちもやっと家族が出来た気がする......あとファーストクラスは教祖しているから初めてじゃないんだよね~まあ今回の方が貸切前提みたいな席だし、変なオヤジが媚び売ってこないから気分楽だわ~」
「それにしても私達は武器を持ち込んで良いなんて言うのも、物騒ですよね。このハルバードも折り畳み出来るのでそんなに場所は取りませんが、間違って当たって人を傷つけてしまいそうです」
「まあ大丈夫でしょう!私達は最強ヒーローチーム!武器がなくとも強いですが、何かあった時に力を十分に発揮できない時の方が怖いのでしょう!それほど私達は信頼されているのです!」
「そうね~なんなら、私のは体内にあるから出せって言われても無理だしね」
「ボクも貴音に言われた通り武器は持っているけど、洗脳できるしね。武器許可してもしなくても脅威だからなぁ」
「あーしなんてこの飛行機ごと爆弾にできるしね~しないけど」
「このタイミングでハイジャックする馬鹿がいるならアル見てみたい」
とワイワイ笑い楽しくする夫婦達
――――――――――――――
同所 PM23:23
「機内食......尋常じゃないくらい美味しかったわね......」
「いやー、気取った機内食だったけど腹が膨れて良かった。食わなくてもいい身体だけど食わなきゃ損だからなぁ」
「貴音は品性がない。アル以下」
「それ言われちゃあどうしようもないな......でも、アルの分もちゃんと大人用にしたから良かっただろ?」
「それはそうだけど、品性の話とは関係ない」
「手厳しい......まあ、それにしてもやっぱり、いくら酒飲んでも酔わんなぁ......元から酔ったことないくらい強いけどもうジンコーク15杯と赤スパークリングワイン3本、カシオレ缶5本飲んだんだが......そりゃあ毒が効かないんだからアルコール無効なのは当たり前だけども......ただトイレを行き来する馬鹿になっている......」
「そりやあ~貴音ぇは私と出会っ......った時からアルコール強すぎてびっくりしたひぃ~ダーリン~♡甘えさせて~!」
そういうと貴音に思いっきり抱きついた。
「お、おい客室乗務員の方が来たらどうする......」
そう言いながら倒れないように抱きしめて持ち上げる。
「アタシも強くない方だが未来は弱いな......ん?フェムトマシンで浄化すれば良いんじゃ......」
と言おうとした瞬間、未来に鋭く睨まれた......ような気がした千劔破は、目を逸らし黙ってロックのジンを飲み続ける。
「私はカフェインで酔っ払ってしまうので、貴音からさっき少しもらったコークジンでクラクラしてきたわ......」
「蜘蛛だったからね......」
「それよりあーしとアルだけ飲めないのハブな気分......」
「アルは別に飲めるよ、臓器の成長も終わっているから。ただ響に気を遣っているだけ♡」
「なっ......そんなニコニコして言われると......でも、法律的にダメでしょ?」
「ミュータントの人達が大丈夫な様に検査をパスすれば、身体強化系能力者とかは飲める許可が下りるよ」
そういうと見せてきた新しい保険証に、飲酒許可の欄があった。
「うぅ......じゃあ、あーしはコーラとか飲み続けるよ......」
「いや、本当はアルもジュースの方が好きだから、お酒は別にわざわざ飲まないよ」
「そう言われてもなぁ......飲めるけど飲まないと、飲めないから飲めないは違うから......」
「身長の高さとかで忘れられているけどボクもまだ飲めないからね......」
――――――――――――――
同所 AM1:21
「もう皆んな寝たら?朝イチから遊びたいでしょ?流石に一緒に寝れないから、私はずっとゲームでもしているけど」
「そうね......寝ましょうかね............んん?なんか、騒がしくない?」
「ん......アルも聞こえたけど......悲鳴?この話し声は......?本当にハイジャックされている?」
「えぇ!?乗る前にボク達すごく目立っていたよね?サインしたり、握手したりとネットでも騒がれたのにハイジャックするの?......今から何人いるか探知する............6人が異常に興奮している......多分こいつらだね」
「どっかのヒーローのフリした母乳好きみたいに墜落させない様に助けないとな」
「いつも、そのヒーロー系の例えは見ていない私達にはわからないのよ......」
と困惑しているところに客室乗務員が入ってくる
「た、助けてください!お、お、ねねが......」
「落ち着いてください、私達が処理します。状況説明は可能ですか?それと奴らは私達がいる事は知っているのですか?」
「6人銃を持った男達がい、います......そして、他の方が入口のファーストクラスに誰が同乗しているかわかっているのか?と言う質問にヒーローごっこのペテン野郎、と答えていました」
「そう言うタイプかぁ......所属と要求は?」
「ネオアフターメテオと言っていました。要求は約5億円、本命はあなたの首と言っていました......」
「ん~......私を殺せる武器があるのか馬鹿なのか......というか何で直接殺しに来ない?まあ取り敢えず、私だけを人質に他の人をどっかの近い空港に降りて逃すのが1番か......」
「どう考えても馬鹿でしょ、うちがボコす。ケジメよ、それよりうちもいるの知らないの?馬鹿なの?」
と持っている缶を握りつぶして怒るエル。
「落ち着いて、こっちは強さならギャラクシー級が3人+実質それの未来がいるんだから」
「あ、あの凪さん......でしたっけ?怒りながらもう向かわれてしまいましたけど......」
「えぇ!?......まあ、ここの誰が言っても結末は変わらないのでしょうがないですね......ただご安心ください、彼女の攻撃は普通は防ぎようがないので絶対に勝ちます......」
――――――――――――――
飛行機内 AM1:27分
「早くあのボケを出せ!!アースブレイカーは口だけだった!だから俺らが|奴を殺す!!」
「今していますので、もうしばらくお待ち......」
「うるせぇ!まずは1人見せしめだ!殺し......」
「待て、貴音が出る幕じゃない」
「だ、誰だテメェ?新婚旅行だって聞いていたが男とも結婚したのか?まあ、どうでも良い。こいつを殺されたくなければ動くんじゃねえ」
そういうと震えている客室乗務員の首を絞めながら、こめかみに拳銃を突きつける。
「動く必要はない、もうお前はボクを見てしまったからね」
そう言い終わる間も無く、テロリストは銃を捨て自ら持っていた手錠をつける。
「ボクにひれ伏せ、お前程度造作もない。面倒だ通信機か何かあるだろ?仲間を全員呼べ」
そう言うとテロリストは仲間全員を呼んだ。
「な、なんだ......誰だこいつ!?お前仕留めたって言うから来......」
また全員銃を捨て自ら拘束された。
「ボク達と貴音のハネムーンを邪魔しないでよね。CAさん大丈夫ですか?犯人は無事制圧しました、飛行継続可能なら機長にこのまま目的地に向けて進んでください。とお伝えください」
「はい、大丈夫です!ありがとうございます!今伝えてきます!」
「ありがとうございます、ボクはこいつらを完全に無力化します」
(貴音~ごめん。怒りすぎて出ちゃったけど終わったよ)
「おぉ~大丈夫だよ。凪なら余裕だってわかるし。皆さん!私の嫁ちゃんがテロリストを鎮圧しましたよ!もう安全です!」
歓声や拍手が起こる。
「ははっ、こう言うのがあるからヒーローは止められないんだよ!」
と貴音は笑いながら凪と肩を組み、胸の辺りを叩く。
「ふふっ、そうだね。引きこもっていた時より、誰かの為の事をして感謝されるって言うのは楽しいね」
――――――――――――――
空港外 AM9:44
「あのカルト野郎達連れて行かれたわね、それにしても......おお~ここね!」
「死ぬ前までに来たかったんだよね~アタシ」
「あーし初めてだよ!海外は!」
「ハワイ!!!!」
「うちもハワイは来た事ないや」
「私は数回来たな、仕事で......」
「今回は遊びなんだから暗くなるんじゃないわよ!」
「ホープの言う通りですよ~」
「まあ!飛行機内であんな事あったら仕事を忘れるのは無理ですね!」
「その為にボクが先に出たんだけどね......」
「いや、それのおかげで十分助かったぞ!それより死ぬ程高い良いホテル取ったぞ!それもわざわざ10人用に色々変えてもらったから、皆んなで同じ部屋だぞ!!」
「それは良い!!最初の話は半分ずつになると聞いていた時は残念だったけど!」
「それより響?なんだ?やたら挙動不審じゃないか?」
「ん!?......いや、なんでも無いよ!ハワイが珍しいだけ!」
「そうか?それにしたって変なところばっかり見て......」
「それより、もう現地の人が近づいて来たわよ。貴音は英語流暢に喋れるんでしょ?頼んだわよ、私もアッシュに頼めばやれるけど面倒なのよ」
「まあ、一応......ってハワイ州知事じゃん!?」
「お久しぶりです!貴音さん」
「お久しぶりです、ニック知事!」
そう言うと握手をし知事が口を開く。
「いやー、数時間前にこちらに向かっていると耳に挟んだのでお会いに来ました!それと是非、恩人とその奥様方にハワイのご馳走をと思い用意させて頂きましたが如何ですかかな?」
「恩人だなんて、暗殺防いだだけじゃないですか~、おおー嬉しいです!朝食もまだなので是非、頂きたいですね!」
「それは良かった!こちらにリムジンを用意させています、どうぞ!」
そう言われた方に行くと、よく見る金持ちが乗る長いリムジンにイカついボディーガードと見られる人達がいた。
「貴音様、こちらからどうぞ」
「ありがとうございます、皆んなこっちから乗って~」
「すごい!すごい!アル憧れていた!」
「想像といい意味で違ったわ......」
「すごい......下半身を人間に出来て良かったわ......」
「それより貴音はMr.呼びなのね」
「まあ海外はこういうの面倒だからMr.かそもそも付けなくて良いって言っているしね」
そう言いながら全員が乗り出発した。
「お飲み物はご自由にどうぞ、ハワイ名産のクッキーもあります」
「ありがとうございます!みんな、好きに飲み食いして良いって~」
「さんきゅーさんきゅー」
そう言いながらアルがクッキーを頬張る。最近はアルが捻くれた原因がほぼ無くなったおかげか、頭はいいが年相応に楽しんでいて微笑ましい。まあ嫁なんだけど......。
「うちの口にも合う~」
「これは......ドーナッツ?クリームが入っている?なに?」
「代わりに聞くよ、これは何ですか?」
「これはマラサダというクリームなどが入った甘い揚げパンです、発祥の産地は確かポルトガルですがハワイでも名産なんですよ」
「そうなんですね!ありがとうございます!千劔破これは............だって!」
「ほう......では、頂くとしよう............美味しい!ベリーデリシャス!」
「ザッツグッド!安心しました......そろそろ着きそうです」
「分かりました、そろそろ着くって~」
「さんきゅーさんきゅー」
と言い続けながら無心にクッキーを食べ続けるアル。
「めちゃくちゃあーしより貪る様に食べるじゃん......飛行機内で貴音に品性どうこう言っていたのに......」
――――――――――――
貸切パーティー会場 AM11:23
「いやー、思ったより時間がかかってしまって申し訳ない、ここは貸切なのでご自由に楽しんでください。私が手配したハワイの高級レストランのシェフや、郷土料理専門のシェフ達にハワイ有名スイーツ店のデザートなどが、ここで調理しビュッフェ形式でお食事をする形で用意させて頂きました!ここのシェフ達や案内人は私より日本語が流暢なので気を楽にお楽しみください」
「これは......すごいですね......しかし、これ程、色々と店がここに来ているとなると、どこにお支払いをすれば?」
「ハッ!ハッ!ハッ!もう払ってもらっていますよ!」
「?......カードの情報渡しましたっけ?」
「違いますよ!私の命を守って頂いた時に返せない程にね!これは私の、私としてのもてなしなのでお気になさらず!」
「それくらいで......ありがとうございます!ニック知事!」
「それくらい、ではないですよ。あなたはもっと己の仕事に誇ってください。では、食事が終了したらリムジンを待機させているので、ご自由にお使いください。それでは私は職務に戻ります、会えて良かったです!アロハ ア フイ ホウ!」
「こちらこそ、色々と助かります!ありがとうございます!またお会いましょう!」
そして州知事は退席し、貴音はみんなに自由に食べて良い事と日本語が通じると伝え食事を始める。
「ロコモコある?アル食べたいんだけど」
と貴音に聞くアルに近づいてくる男。
「どうも、知事に任された案内人です。アルペシア様ロコモコはあちらにございますよ、他にも伝統料理のタロ芋の料理も」
「おお!日本であまり食べれないの食べたい!」
こちらです、と言われ会場の端の方の場に行くアル。
「クッキーあんなに食べていたのに......すごいな......」
「そう言いながらもアタシより沢山食べていたのに、今も大量に食べ物取ってきているじゃ~ん」
「ガーリックシュリンプは外せないじゃん?チキンもスパムも............って未来ヤバすぎない!?1人で食べる気?」
「身体にフェムトマシン入っているから沢山食べたほうがいいのよ」
そう言う未来は豚の丸焼きを持ってきていた。
「えぇ、未来の言う事はわかるわ」
とリカもステーキ60枚持ってくる。
「リカは食べ過ぎよ、私のように乙女らしくするべきよ」
と特大の器に特盛のポケ・ボウルを持ってくるホープ
「まあ食べたくなるのはわかるよ、ボクも張り切り過ぎて食べ過ぎたけど止まらないよ」
というか凪の周りには先程の3人も霞むレベルで食べ終わった皿があり、今もエッグベネディクトが何個も乗った皿を持ち食べ続けている。
「そういえば凪は大食いが特技だったね!それにしても身体強化系の能力者は、消費カロリーが多いから食べるのはわかるが凪はすごいな!私は凍ったフルーツとか果物と良くわからないもの混ぜた甘いのしか食べていないが!美味しい!」
「イかれたサイズのチーズバーガーに、この黒いパンケーキうめぇなぁ~この身体になってから糖尿病とかに怯えなくて済んだのは嬉しいわぁ~」
「貴音は出会った時から、脂質と糖質に塩辛いものまでに好きだったから、尿酸値や肝臓の数値が危険だって愚痴っていたわね」
「あのままだと早死にコースだから良かったわ~ワッフルに変な色のケーキも美味い~トロピカルジュースも最高~!」
「うちはフリフリチキンってやつ好きだなぁ、ステーキも10枚くらい食べたかな」
「アルペシア様かなり......お食べになるのですね......」
「やみーやみー」
――――――――――――――――――
高級ホテル PM3:45
「ふぅ......着いた。こんな部屋に泊まれる日が来るなんてな」
「私達知名度があるせいですごいサインとか頼まれたわね......」
「しかも、貴音が全部受けるとか言い始めるから大変なことになったわ......」
「すまんな、私が逆の立場なら欲しいし」
「ヒーローオタク......」
「アタシの事をサムライ!って叫ぶ人にサインをしてあげたら、タトゥー!イレル!って叫んでいたから止めて、もっとマシな奴書いてあげたけど......本当に刺青にしたのかな......」
「加入したばかりのボクにもあんなに人が集まってくるなんて思わなかったよ......嬉しいけど」
「うちの信者いたのキツい......その人達とって心の支えになっているから解体出来ないって余計にわからされた......」
「解体したくないならば、噂になる程の過度な集金やめれば良いと思うわ」
「うちはしてない......幹部とかが勝手にやっているから定期的に抜き打ちで確認しているけど......」
「それよりベッドふかふか!ぼよんぼよん!景色サイコー!」
「そうです!今は楽しむ為の時間!忘れよう!!」
「フギンの言う通りみんな忘れよう!1番忘れられない私がダメなんだけど......」
「やめなさい!ちょい前のハイジャックみたいなのは対応するけど、他は別のヒーローに任せて休むのよ!」
「ああ......土産買っていかんとな......それにしても親友の犬野郎に連絡つかないから選べん......まあ食品以外の土産買えばいつか渡せるやろ......サングラスとかにするか?」
「犬?まあ、それを考えるのは早いんじゃん?明日から本格的に楽しむんだから!」
「それより......夕食まで時間があるわね♡」
「そうね♡アタシも......」
「えぇ......?ハワイの街中歩くのも悪くな......」
「黙れ!やっ!アルが1番乗り♡」
と貴音の上に飛び乗っかるアルペシア。
「ちょっとボクも!」
「いや、家でもやれるじゃ......」
――――――――――――――――
ホテルのビュッフェレストラン PM7:36
「一般人の頃だったらギリ死んでいた......早く飯食べよう......食事はいらない身体だけど食べた方が回復するの早いし......」
「アルあれ食べる~!」
と言いながら早歩きで行ってしまった。
「アル!......まあ誘拐される訳無いしスマホあるし良いか......」
「アタシ達も取ってくるね~」
「......じゃあ、あーし残っておく~」
と言いながら各々好きなものを取りに行った中、響が待つ事になった。実は響は悩み続けていた、それは死んだはずの親友の咲が数日前から色々な場所で見える事に。
(あーしは遂におかしくなったのかな......今も隣で微笑んでいる......無視するんじゃなくて話しかけてみる......?)
「ねぇ?咲だよ......ね?」
そう話しかけ手を取ろうとすると、本来なら手は空を切るはずだが掴めてしまった。
「「!?」」
「やっと生者が......私を見える様になったの......?響?」
「げ、幻覚じゃ無いんだよね......??本当に咲なんだよね......?ごめんね......ほんとにごめんね......あの時救えなくて......」
と周囲に人がいる事を忘れ大泣きしながら咲に謝罪する響。
「良いんだよ......どう考えても誰も悪く無いんだから......それより周りからだと1人で泣き始めた様にしか見えないよ。いつもの笑顔を見せて」
と座っている響にを立ちながら抱きしめる咲。
「関係ない!ちゃんと謝りたかった......!もっと一緒に居たかった!で、でもどうなっているの?」
大泣きしている響に気がついて急いで戻ってくる貴音。
「おい!?響!どうし............ショッピングモールの子?なっ......?」
「え!?私もしかして見える範囲を決めるの成功している!?ちゃんと少し前にメテオブ......いや、響の旦那さんも見える様にしたんだけど......大成功!?それよりよく私の事を覚えていますね」
「本当に......あの時の子なのか?私のせいで死なせてしまった......そんな方を忘れられないよ......咲さん」
「貴音も見えるの!じゃあ、本当に咲はいるんだね!?でもどうやって......?葬式にあーし出たよ?」
「私も謝罪、お悔やみの言葉と香典を送らせて頂いたのだが......」
「私の今の状態は幽霊だよ、本当に死んではいるんだけど、ここに存在し続けれる特権があるみたい」
「特権......?それよりも貴女を救えなかった事を謝罪させて欲しいです。本当に申し訳ございません。私の一生の不覚です、私があの時にカンガルーを......」
「それを言うのはやめて!貴音さんの事を責める事は全くするつもりはない。あの時、死んだときの直後の事も見ていたから、どれだけあなたが優しい人物かわかる。それに今に至る経緯も全て見ていた、見る事しか出来なかったけど今は違う。やっと、この能力を使いこなせる様になってきたのだから......出会った時に敬語はいらないといったよね?お互いやめよう......ね?」
「響といい最近の高校生の年代の人達は人間が出来ているな......ありがとう......呼び捨てでいいよ」
「それより、会えた喜びもすごいけど、能力って?アーキアンだったよね?」
「それは全員集まったら説明するよ、取り敢えず食べ物取って来たら?全員に見える様に......出来るかわからないけどするから席とっておくよ」
「いや、咲だけいると知らない人がいるって困惑するから私がいる、響行って来て良いよ」
「いいよ、それより咲と話したい......」
「わかった、じゃあ私はいない物だと思ってくれ」
そこから5分くらいで全員戻って来た。
「じゃあ、みんなに話だけしていた亡くなった響の友人から話がある、咲よろしく」
「初めまして、私は天命咲です。名前が奇跡的にマッチした能力が発現したおかげでここに居ます。私の能力は死ぬ間際に目覚めたと思います。貴音が昔話していた命の危機に瀕すると発言っていうのに当てはまるかと、死んだ直後にあの世に行きました......」
「遮って悪いけどあの世あるの?」
と質問する未来。幽霊が怖いので見えている物がなんなのか知りたくすぐ質問をしてしまった。
「ありました。気がつくと目の前にポツンと受付?があり、そこで君は現世で言われる幽霊の様な存在として戻れると言われました。これは、こちら側としては戻らせないのがルールだが、君は現世に戻る特権がある。だがそれが本来の特権ではない。取り敢えず自由に現世に戻るか、あの世に進むステップに進むか、と言われて問答無用で戻ると答えたら、一瞬にして現世に戻され、私を抱きしめて泣き叫ぶ響を見ました。」
「これは玉7つ集める漫画みたいにあの世の人を現世に普通に戻す様な物か......?というか、ここの全員に敬語はいらないよ。それより本来の特権じゃないってなんだ......?」
「そうね、必要無いと思うわ。別の特権......なんでしょうね?魂関連でしょうけど」
「アルには縁が無い話だけど、幽霊と生者の違いは?」
「見える人と見えない人を選べる。一方的に干渉できる、つまり一方的に殴り倒せるし物を奪ったりできる。一般人にはポルターガイストが起きたとしか見えないけどね。あと壁抜け、浮遊などの物理法則無視かな」
「やばっ......弱点は......?」
「私自身が死んだ時の身体能力のままだから弱い......ただ鍛えれはするみたいだから、幽霊だけど最近筋トレしている」
とみんなが暗い顔をしているのに笑っている咲。
「それにしてもおかしい、生物と融合する事で進化して、死んだ後のことに特化しているのがわからない......普通は生存に有利になるはずなんだよ。なのに亡くなってから発動している、他にもできる事ありそうだな......」
「どうかなぁ?わからないや」
「それより咲がここに存在出来る期間......期限はあるの?」
と寂しそうに聞く響。
「多分ないけど......」
「けど?」
「響の周囲からはあまり離れられないの、だから......その......みんな夜の時とかは............ごめん......特にさっき......」
「あぁ......わた、私の............」
「未来......まあ、しょうがない事だよ~......」
「今更......あーしら全員お互い見せ合っている様なモノに1人増えるだけだから......」
「............いつか、必ず気づくと思って早めに言ったけどダメだったかな......まあ死者は無視して食事していて......」
すごく微妙な雰囲気で食べ続けるほぼ全員。一方アルは全品食べ尽くすつもりではしゃいでいる。
――――――――――――
ホテル室内 PM9:42
「アルはすごい勢いで食べていたな......」
「血じゃなくても大量に食べれば少し強くなるのわかったからね、肉類限定だけど」
「にしても咲は響の背後霊だな、奇妙な漫画に出てくる奴みたいだ」
「一蓮托生で響を守るからね!もう死んでいるけど!」
「守れなかったのにありがとう......」
「ちょっと!泣きつかないで......ここにいるんだから」
「永遠に再会する事はないと思っていた人と再会できて泣かない人はいないよ~......」
「まあ募る話もあるだろうから部屋から出るよ、どっかバーでも行ってくるから......凪が飲めないか......」
「いや、ソフトドリンク飲めばいいんじゃないかな?......そもそもボクは店内には入れないかな?」
「まあ行くだけ行くか!出よう、2人は好きに話していてね~」
そう言いながら響と咲以外出て行った。
「なかなか能力を扱いきれなくて遅くなってごめんね」
「いいんだよ~......私がヒーローで守っていれば~」
「責任感を持ちすぎだし優しすぎ、それが1番ヒーローらしさだよ」
「うぅ~咲~~」
と笑い泣きながら抱き合う2人。
――――――――――――――――
外 PM10:07
「ハワイは湿度が少ないから良いなぁ」
「そうね~、あ!あそこに入ってみる?」
「私的にはカフェイン飲料があると良いんだけど」
「ジャンキーね......私より元の生き物に近いから、蜘蛛が酔っ払うカフェインが好きなのかしら......」
「かもね、アル開けるよ」
そう言うと賑やかな店内の様子が外からよりもはっきりと見えた。
「エ コモ マイ......!?おい!メテオブレイカー様のご来店だ!?」
入った途端に店内は響めき、客は興奮状態になっていく。
「どうも、名前を覚えていてありがとうございます!ハワイには疎いのですが、ここはバーですか?外から見て良いなと思い入ってみたのですが、それと未成年大丈夫ですか?」
「俺は日本語わかるから英語じゃなくて良いぞ!やっぱり一流のヒーローは目の付け所が違うなぁ!ここはハワイで1番最高なバーだ!飲酒はハワイ......まあアメリカの法律上21歳以上or自分の国籍がある国からの飲酒のライセンスを国からもらった人だけだ」
「えっ......アタシギリ飲めないじゃん......」
「そういえば、野球の世界大会で日本が優勝した時に20の選手が、アメリカの法律で飲酒できないからビールかけ参加出来ていなかったな......機内で飲んだ分はノーカンかな......」
「わざわざいらない事話すじゃないの」
「まあ千劔破ここではソフトドリンクにしておいてくれ......」
「うん......」
「そう落ち込む事ねぇぜ!侍の嬢ちゃん!ここのトロピカルジュースは美味えぜ!あと安い、ここは円が使えるが500mlジョッキで果肉入り800円だぜ!」
「えっ!?何それ......すごいわね............カフェインはある?」
「こっちのエナジードリンク混ぜた1050円の奴ならあるぜ」
「じゃあ、それを頂こうかしら!」
「カフェイン好きすぎでしょ......」
「しかし、何故この金額でやっていけるんですか!?普通は何倍も取っても良いはず!」
「ボクみたいにいくらでも食べれる胃袋がおかしい人が来たら破産しませんか?」
そう質問すると店主が笑いながら小声で言う。
「実はな、こりゃあ日本人の観光客限定なのよ。俺見ての通り日系人なんさ、あんまり人種で値段変えるのは良くねぇけどこれくらい許されるだろ!な?」
「まあ......わかる」
「値引きのお気持ちはありがたいです、それとアレやりたいんでやって良いですか?」
「アレ?」
「店内にいる奴全員奢りだ~みたいなの、憧れているんですよね~」
「世界中の人から憧れている人が、憧れる事がそれとは面白いな。やって良いぞ!」
「ありがとうございます!」と礼を言い貴音は店内に向けて叫ぶ。
「今日はメテオブレイカーの奢りだ!全員1番高いの頼んで良いぞ!!」
店内からは歓声が上がる。
「すげー!こんな体験するのは無いぜ」 「流石トップヒーロー!」 「太っ腹!」
「ふはは!!!こう言うのがしたかったんだよ!」
「もう......調子に乗りすぎよ」
「未来に1番言われたくないとアルは思うよ......」
そう言っている間に貴音に近寄りジョッキの酒をかけながら罵倒を吐き捨てる男が現れた。
「うるせぇよ偽善者!これは俺からの奢りだ!」
ぶっかけられた貴音は大して反応をしなかった。
「は!?」
「おい、アル怒るぞ」
「テメェ何をしてんだ?出禁にするぞ?」
「良いですよ、丁度ビールが飲みたかった所ですから、みんなも気にせずトロピカルジュースとか飲みな、店主さんもすみません......」
「いや、あんたが気にする事じゃ......」
「ダセェ事言いやがって!じゃあ!虫の触覚はやした気色悪い蜂女にはガラスジョッキ喰らわせ......なっ!?」
そう言い終わる間も無く男が持っていたジョッキを掴んだ貴音。
「私を偽善者と罵倒しようが、ビールを浴びさせるのは良いが、嫁であり仲間を差別した上に鈍器で殴ろうとしたら......黙ってられねぇよな?」
と言いながらジョッキを奪い店主に渡して、素手で優しく殴り飛ばした。
「ぐっ......ヒーローが一般市民を殴ったってSNSで拡散したぞ!これでヒーローごっこは終わりだ!」
そうすると他の客が。
「だったら、どちらが正しいかハッキリわかる映像も投稿したから、これでちゃんと終わるわね。貴方が」
「がっ!?畜生ッ!!」
そう言いながら店を飛び出して行った。
「テメェ!支払いが......」
「あいつのも奢りなんで気にしないでください、それと申し訳ない......それに、貴女わざわざ動画撮っているなんてありがとうございます!」
「いえ、ただのファンですから......対価みたいで申し訳ないですが、握手とサインして頂けます......?」
「もちろん!喜んで!」
そこからプチサイン会になって、それが終わり響と飲めるかわからない咲にジュースをテイクアウトした。
「いやーお騒がせしてすみません、支払いはカードで。チップはそこ置いておきます」
「気にしないでくれ、それより1番良い店って言ったのにこれじゃあ俺の面目が無いぜ。あとチップ文化の無い日本人は良いのに......」
「いや、酒もジュースも美味かった、またいつか来ますよ!それと郷に入っては郷に従えですよ!では~」
「ありがとうございました!......っとチップなんて良いって言ったんだけどな......ん?............100ドル札が100枚!?円でいいのにわざわざドル......それに店に飾れる用にサイン入り色紙!?客なのにサービス良すぎるな、噂以上に優し過ぎる......カモにされねぇといいんだが......」
――――――――――――――
AM12:05 ホテル内
「戻ったぞ~、あと土産だ」
「ミックスジュース?ありがとー!......貴音なんで髪が濡れてビール臭いの?」
「んー?ああ......いやぁドジし......」
「クソ客にかけられた!貴音はそうやって誤魔化すから溜め込む!」
「酷いっ!!」
「自分がされた時は無視していたのだけど、私が差別された時は怒って守ってくれたのよ......」
と頰赤らめ照れながらに言うホープ
「貴音らしい......」
「それより咲って飲食出来るの?一応、咲の分も買ったけど」
「ありがとう、そもそも試さなかったからどうかな............これ飲めたね?」
「飲めたな......ただこれ、排泄がないと地球の資源のサイクルから少しずつ物質が消えてしまうな......」
「死者に排泄なんてあるかな......まあ、一旦これは全部飲むだけ飲むね、それにしても美味しいね。死んでいるのに元気いっぱいって感じ......?」
「ねー、あーしも好み、それにこの夜景を見ながら飲むと金持ちになった気分」
「もうここで見れている時点で、アタシ達なっているんだよ......」
「まあ貴音のあの働きで手取り20万とかだったら、世界滅ぼした方がマシよ」
「なんで私の年代のリアルな手取りを比喩に出す......まぁ実際に、国からSADFの司令官として年間5000億強くらい貰えるのかな。そこから毎度、他国を助ける度に色々とお金以外にも物や名誉を貰っている。CMにも何個も出ているし、バラエティにも出ているし......Zのフォロワーも1億人ちょいいるから広告収入、プロモーションやら......更にそこから働けない程負傷して引退した時のために、仮想通貨と株、不動産もやっているから......あと私が何も介さず直で色々なところに寄付しているね。善行だし節税にもなる、ヒーローが言う事ではないけど」
「えっ!化け物?......いや、国の防衛費と考えたら格安か......」
「まあ、みんなも同じような事やっているから全員の合計貯金額はもう兆は超えているんじゃ無い?ちゃんと見てないから知らんけど」
「アルの口座はお祖父様が持っているのかな?まあいいや」
「それだからボクたちの給料を均一で年収500万まで落とせって言う声もあるしね......」
「そうなったら流石にうちはやる気無くすわ......てか、教祖やめないでSADF所属って良いんだね。文句言う人も当たり前にいるけど」
「私が加入させると言ったら絶対加入させれるからね......本当は良くないけど楽だね」
「まあ、法律変えない限りあなたがトップでい続けられる最強特権あるからね。しかもSADFでは首相より権限が上」
「まあだから色々出来るって事よ、よくある正義のヒーローチームは政府の命令で動けない!なんてピンチは来ない」
「あなたが死にかけた時はそれで自由に動けなかったんだからね......だから本國さんに頼んで私が権限の序列2にしてもらったから良いけど......」
「悪かったよ、まさか朝っぱらから呼び出してきた吉田さんから貰った変な色した飲み物飲んだらぶっ倒れるなんて......」
「いや......え?ちょっと......あなたそこまでわかりやすいのでやられたの?」
「あーしならそんなの飲まない......」
「なんならマズかった、でも一気飲みしちゃったから......そこで倒れて腹を何度も蹴られたから、起き上がって顔面蹴り上げて歯をへし折ったけどダメだった......」
「アタシ達はともかく仲間でも、素行が悪かったり怪しい人は疑いなよ......それよりも、それで歯をへし折る力が残っているの強すぎる......」
「う、うん......気をつけるよ......」
「私も何もできなかったけど支部に突撃した時、近くにいたから拷問後の貴音を見たけど、アレをされてヒーローでい続けようとするのは......勇敢というより逆に怖い......」
「まあ幼稚園児の頃からヒーローになりたいって言っていたしね。憧れは止められる物じゃないんだ、それの例として千劔破とか私に対して狂喜乱舞していたよ」
「なっ......しょうがないだろ!アタシはそういう性格なんだから!」
「そう、しょうがないんだよ。私がヒーロー続けるのも......暗い話はやめだ!寝ようか。明日も遊ぶ予定あるしね!」
「あなたが私達を心配させなければ良いのでは......」
「優しさに惚れ込んだけど私達を不安にさせるのは控えてよね!」
「ああ!気ーつけるよ、ほら寝よう......そういえば咲は私と同じで寝る必要ない感じ?」
「まあ死んでいるから......」
「じゃあ、暇だから親交を深める為に2人で話すか?」
「えっ?いや、悪いよ......響達と一緒にいる方がいいのでは......」
「なら、あーしらが寝た後にベッドから出て話せばいーじゃん?」
「まあうちら寝た後に居なくても......いや少し寂しいかも......」
「そもそも人数多すぎて私達は貴音にくっつききれないしね」
「アルは上に乗るから関係ない」
「......実際、咲と私達は初対面で貴音は一度会ったくらいだし、親交を深めるのは悪くないと1番目の女の私は思うわ」
「まあボクもそう思うし良いんじゃない、さっさと寝よ」
「寝ましょう!寝ましょう!」
「じゃあ、おやすみ」
――――――――――――――
「みんな寝たな......」
「アル......食べる、やみー......」
「夢でも食べているのか......」
「可愛い子だね」
「ああ、アルは可愛い子だよ、まあみんな可愛いけどね。響が言っていたけど咲も清楚系美人だよね~」
「えっ!そういえば言っていた様な......恥ずかしいですね......」
と照れる咲。
「いや、誇る事だよ!俺なんて身体が男の時なんてフツメンの中のフツメンみたいな評価でチビだったから」
と笑いながら言う。
「顔の評価が例えそうだとしても、その頃から優しい性格だったでしょ?貴音は内面なら誰にも文句を言わせないくらい良いと思う」
「ははっ、ありがとうね。咲は内面も100点だ!採点する様な立場じゃないけど......」
「......ネガティブだよね?貴音はかなりの。ただ傍観していた時から思っていたけど、心の病気の方は全然良くなっていない。私は精神病系のカウンセラー目指していたの、まあ高校生で死んじゃったかは専門も大学も行ってないから、当てになるか微妙だけど......話そう?」
「しっかりしているな......コミュ強の私には必要無いと思うよ......人付き合いでは今は苦労していないし......」
「人付き合い『では』なら他に何か悩みがあるのでしょう?響と近くにいた時に幾つかは聞いていたけど、今は何が1番大変?」
「そうだな............」
そのまま朝が明けるまで延々と歳下の子に愚痴を話してしまった......だが少しは気が楽になった気がする。前からみんなに言われているけど相談も必要なのかな、ヒーローは頼られる者で無いとダメなのに。
――――――――――――――
翌日ビーチ AM9:36
「海!アル初めて入るな!くせー」
「まあ良い匂いではないわね」
「水質的にはマシな部類じゃん~?」
「それより私達確実に盗撮されているわよ、ほら!あのパパラッチ?みたいなの」
「こっちが気がついたら離れたり、知らぬ存ぜぬ風に振る舞うね」
「でもさ......ボクからみた貴音はちょっと際どく無い?その水着......それは撮られてしまうよ......」
「え?現地のおっさんがコレが良いとか流行りとか......変な値段でもなかったし」
「カモられた......とはちょっと違うけど、そいつが見たいから貴音に進めたんじゃない?」
「まあ減るもんじゃ無いしいいよ、でも股間が......どうしようもないけど......それより、みんなも綺麗だな!」
「♡ そりゃあ気合い入れたからね、絶対うちら盗撮されるし」
「ねぇ?咲ってずっと服同じだけど変えられないの?」
「うーん......あ、出来た。変える必要無いからずっと死んだ時の制服のままだったよ」
そう言いながら響の水着のカラーチェンジの服装にした。
「あーしの水着の色違いって良いね~!」
「しかし、出来る出来ないすら考えた事ないことをやろうとしたら出来るって事が多いね......私の下半身みたいに」
「それは、そもそもあなたの能力は何々ですって教えてくれる人もいないし、自覚もほぼ無いからだと思うわ。それにしても私は死にかけたり、絶望したりしているのに能力発現しないわね......これも、もしかしたら気がついていないだけかもしれないわね」
「うちが触ればわかるかもね、アルに触った時とか色々わかったし」
「ボクの精神操作の応用で能力者かどうか分かる事もあるからやってみるよ」
そして2人は未来が能力者かどうか見た。
「ダメだ、実質サイボーグだから普通の魂じゃない......わからない......ただ魂が摩耗し再生を繰り返している?」
「ボクからは探知出来ない、これは精神汚染を防ぐ為の装置が動いているね」
「えぇ~アッシュ?オフにしてくれない?」
(危険です。非推奨、洗脳の恐ろしさはメテオブレイカーがされた時を思い出すとわかりやすいでしょう)
(そうね......)
「危ないからオフにしないって、まあ能力無くてもクソのおかげ様で強いし良しとするわ......」
「それよりもうアルと貴音は遊んでいるよ、アタシ達も早く行こうよ」
「そうね。みんな待たせて悪かったわ。行きましょう」
そう言いなが海の方にかけて行き全員ではしゃぐ。もちろん、パパラッチに撮影されているのでニュースになった。そんな事も気にせずこの後も色々と遊び夕方になる
――――――――――――――
ハワイの街中 PM7:48
「いやーダイビングしたりイルカやカメ見たり面白かったな。不快な奴らもいたが」
「そう、アルは途中からテレビ局が来て興醒めした」
「しょうがないわ......適当に遇らうと評判も下がるし......」
「でも、貴音がミュータントと結婚する価値観はイカれているって言われた時、放送事故並みにキレていたけど......」
「基本的に差別撲滅って言っている上に嫁貶された手前キレるのはボクとしたら仕方ない気も......」
「私は嬉しいと思ったけど!私達は気にせず無視で良いと思う!」
「うん......難しいね。それより随分と騒がしいね......あ、なんか野外ステージで行われるラップバトル番組があるって現地の人が言っていたな。ちょっと見に行かない?」
「そういえば貴音はラップとか好きだったわね」
「私は女王蜂だから同じ様な名前の人たちの歌が好きわね」
「アタシはよくわからないけど、やる事ないし行こうか。このうるささはそこ曲がったら着くでしょ」
数分歩くと観客がかなりの数がおり、テレビカメラもあった。
「想像以上にしっかりしているな......DJもちゃんといるし。って有名人いるじゃん」
「ボクには誰が誰だかわからない......」
そう興味のない彼女達はボーッと見ていると会場のMCに存在がバレた。
「おい!メテオブレイカー御一行様がいるぞ!」
会場は更にヒートアップし騒ぎ始める。
「おい!本物だぜ!」 「デケェ!全部デケェ!」
「おい!前テレビでラップ好きって言っていただろ!参加しろ!」 「そうだ!出ろ!」
「ヘイ!メテオブレイカー!優勝者はもう決まっているから、そいつと戦え!」
「えぇ......ちょっとステージに行くだけ行くわ」
そう言いながら観客の上を調子乗りながら飛んで、ヒーロー着地をしてステージ立つ。歓声が上がる。
「優勝者って有名なママドッグじゃん!なんで参加してんの?」
「ママドッグはそもそもゲストで持ち歌披露する予定だけだったが、優勝者が調子乗ってママドッグを煽ったら負けたってことよ!ダセェぜ!」
「メテオブレイカー......俺よりデケェ......だが体格も能力も関係無い。俺にライムをかませ!己のワイフの前でかませになれ!」
そう言いながらマイクを投げ渡して来た。
「いいや、先行はくれてやる。ほらよ」
「その傲慢さ、俺とのタイマンでさ、クールな面を破壊していくのさ、このフールな和解せぬ戦さでさ! DJ!やってくれ!」
そう言うと観客達も全員ノリノリに声を上げてリズムを刻む。
「ちょっと何言っているか分からないけど戦うのよね?」
「疲れるから使わなかった精神共有でボクから全員をリンクさせて意味自体が分かる様にするよ」
「便利......」
そう咲が感心していると貴音とママドッグの戦いが始まった。
「ヘイ!お前ら!俺の目の前にいるはただのヒーロー、俺は疲労知らずのラップを披露するキング、ヒップのデケェ女じゃあウォーミングにもならない、まともにシングもできねぇ奴はお呼びじゃねぇんだ、フローリングの中心部でサイケデリックな夢を見て防ぎ手も無くひれ伏せよつ!」
「あ?誰がひれ伏す?俺は不殺のヒーロー、暴漢と戦う知恵付く前から強姦されそうな女守ってんだ、血みどろでお札も求めずやってんだよ、だから身体は傷だらけscar scarでもお前の中身はスカースカー、脚が無くも明日を願い全世界に隕石が落ちた、この手のひらにある超人的な力、漫画のヒーローの様に怠惰な敵を成敗それに代打じゃ無いぜ、俺には正妻が9人全員俺が夜に蹂躙、俺の奥義だ消し飛べ股間から液漏れのお前!」
と早口でノリながら何度か言い合ってバトルが終わった。
「歓声の大きさで決着をつけるぞ!ママドッグ!!」(現実でも歓声の大きさで勝者を決める事がメジャー)
歓声が上がる。
「メテオブレイカー!!」
先ほどより強い歓声が上がる。
「勝者メテオブレイカー!!ただのラップオタクじゃない事を証明したぁ!!!」
「いぇーい!」
そう言いながら浮遊し攻撃力のない光弾を空に放ちパフォーマンスをする。
「まさかの勝っちゃったね......」
「ねぇ......ボク達の事言っていたけど......」
「ラップは下ネタと差別や悪口でできているって貴音言っていたけども......」
「キャーー!!貴音カッコいい!!!アタシを抱いてー!!」
「いや、いつも自分から行くじゃん......」
少ししたら貴音が戻って来た。
「いやー、した事無いからキツかった......能力を得た時に脳みそも少し強化されていてよかった......ママドッグと連絡先交換できたから嬉しいね」
「勝った方より縁ができた方に喜ぶのね、私なら勝ち誇り過ぎて天狗になりそうだわ」
「まあ有名なラッパーだからね、一般人だと関われないからラッキーだったよ。それと興奮し過ぎて何言ったか覚えてない......」
「あなた......ラッパーよりあなたの方が世界レベルで有名よ......」
「ああ......まあ一応Zのフォロワー勝っていたな、そういえば......」
「フォロワー数で言ったらあなたより上は100人もいないわよ!だからそれでお金稼いでいるんでしょ!」
「たしかに」
「ねぇ、アルもう近寄ってくる人の対応が面倒だからホテルに戻ろ」
「そうよ、戻りましょう」
「明日ハワイ出ていくし戻るかぁ」
――――――――――――
翌日 機内 10:05
「ハワイ楽しかった」
「なぁ~、また来ような」
「ねぇ咲?今壁や床貫通発動すると落ちるの?」
「落ちるよ、でも響から離れられないからある程度落ちると強制的に響の近くに瞬間的に戻される」
「ほへー」
「ねぇ次どこに行くんだっけ?」
「《アルトロス共和国》だよ」
「ん?どこそれ、あーし知らないんだけど」
「アイルランドの横の北大西洋の島国」
「そんな国あった?その辺にあるのは《パラブムオン王国》じゃない?」
「そうね。そして、その近くにある島が王国の支配下だったけど、最近ミュータントとミューテェイトの力を使って独立した国」
「あーそこだからか、めちゃくちゃ遠いから今回は飛行機じゃなくてSADFのジェット機なんだ」
「そうね、それにコレは一機しか無い未来のフェムトマシンを使った奴だから攻守強く、速度もかなり速い。私とエルと未来は飛んだ方が速いけどね。アルはまだそこまで早く飛べないと思うから3人かな」
「あら?じゃあ未来が運転しているのかしら?」
「いや、AIのアッシュが自動で運転しているから違うよ」
「?じゃあ、未来はどこ行ったの?」
「今はジェット機の周りを飛行している、この辺り物騒だからって行っちゃった。まあすぐ戻って来るよ」
そう言いながらジェット機に乗りアルトロス共和国に向かう貴音達。
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