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第2話 来訪者

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「あ~!九条くじょうさんじゃないですか!!他の警察官の方から来れないって聞いていたのに、来れるならもっと早く来てくださいよ~暇だったんですよ!」
 九条さんだ、九条さんは自分が人助けしている時に知り合ったキャリアのエリート警察官の方だ、仲良くしてくれたしリンチから助けてくれた命の恩人だ、来てくれたのは嬉しい。

「そう言わないの、私だって暇じゃないんだぞ~まあ特例って事で来れたのよ」
 と優しく笑いながら話す。

「特例ってなんです?って私の姿の変化と脚が生えた事っすか?」

「うん......かじ、それなんだけど単刀直入に言うけど......」
 いつものプライベートの雰囲気と変わり仕事の時の雰囲気になり真剣な話だと理解し、次の言葉は何だと自分は唾を飲んだ。

「かじに起きた変化は身体の変化だけなの?両性になっただけなの?それがあなたの能力なのかしら?」
 どういう質問だ?能力って事は他にいるのか、おれ以外に変な目に遭っている人間がいるのか?
「どういう意味っす?私以外に身体に変化が起きた人がいるの?能力って?」
 私は気になり過ぎたあまりオウム返しをしてしまった。
「......ごめんね、説明が足りていないよね。実はねちょっと色々あってね......砕けた隕石飛来後のこの短時間に不可解な事が立て続けに起きているのよ」
 九条さんは真剣に話し続ける。
「一部の異変を話すけど機密だから私達だけの秘密よ?かじに話すのは許可されているから安心していいわ」
そういうと手帳を出し分かりやすく説明し始めた。

「家族の人体から火が出たと言う通報があった、家はありえない速度で燃え全焼し住人の発火した人の生存は絶望かと思ったらその方は瓦礫から火傷一つなく全裸でピンピンしていたの、一応今保護しているわ。他にも特徴が完全に一致する強盗が各地同時多発的に起きたの、そういう風に合わせてやる奴人達はいるんだが数がありえない上に1人捕まえれたのだけど素顔を見る前にその人はナイフで自害したの、そしたら消えたのよ......、遺体も血痕も所持品も何もかも消えた......」
 ありえない事を聞かされて自分は呆然とすると共に自分には両性だけなのか気になったが何をどうしたら試せるかわからない、自分が困惑している間に九条さんは話を続けた。
「まだ短い人生とは言え26年生きてきてこんな事は無かった、それに上司が政府とかに報告をしたら黙って待てと言うの、他の都道府県の警察や消防などにも異変を記録したとの報告がある上に多数保護したらしいわ、それに目の前には数日前のかじの面影がない、かじの人格と記憶を持つがいる、これは現実だと嫌でもわからせてくるの……人を救えることを誇りに思っていたこの職に就いたのを後悔しちゃっているわ......」
九条さんはキャリアでエリートな上に模範となる警察官として階級が上の人間にも一目置かれる人なのに、その上警察に誇りがある人なのに......こんな憔悴している......と思っていると彼女は口をまた開く。
「ごめんなさい、あなたはかじだよね本当にごめんね......私はね、私はかじに可能性を感じているわ、他の面会した能力者から感じたモノより大きい何かを感じる、外に出るわよ!警察の訓練所であなたの実験をするわ!」
そう言うと自分の手を引き立たせようとしたその瞬間、床に立とうとした足は床を踏む事なく浮いていた。
「キャッ!?......試すまでもなかったわね......かじの身体にはやっぱり力があるわ、感覚や気分はどう?」

「えっ............?」
 あまりの驚きで自分の顔は今マヌケ顔だろう。しかし、本当に実感が湧かない。午前は飛べるなんて考えていなかった、いや今も考えていなかった、なのに浮遊している?あの有名な猫型ロボットのように少し浮くだけじゃないよな?と思いながら部屋の天井に貼り付けるくらい浮けるか試した。
「良かった......九条さん多分、これ私が憧れているようなスーパーヒーローみたいに飛べると思うっす!」

「わかったから降りて......、天井に貼り付いている絵面は幽霊みたいで気味が悪いのよ......患者衣だし美白過ぎて余計に......」
九条さん幽霊苦手なんだ......なんて思いつつ飛ぶのをやめると思ったら身体が降り床に足をついた。
 こういうのって漫画とか見ていてどうしてんのかなって思っていたけど、本当に身体を無意識に動かすように出来るみたい。
「九条さん!早く訓練所に行きましょう!他に力があるかもしれないと思うとワクワクしてきました!」
 おれは病弱で心身共に病気になっていた、それのせいで無職で将来に絶望していた。隕石でヤケクソにヒーローのクソ真似事したりしたが、天は俺を見放さなかった!よく考えたら身体の病気治ってないか?心はダメな気がするがずっと続いていた身体の不調が感じない。
そう思い確認するため服を脱いだ。
 ばるんっ!
「!?やったー!!胸、脇腹や腕のアトピーの炎症が消えている!これなら過敏性腸症候群や喘息とかも治っているな!!」

「ちょ、ちょっとおバカ!私が女だから良いけどあなたはほぼ女性なんだから気をつけなさい......てかノーブラで今日過ごしたの?ダボダボの服で気が付かなかったけど、よく見たら身長以外にもバカみたいに大きくなっているじゃない!これじゃ外に出て行ける服が無いわね............」
 ちんちくりんな155センチの私より30センチくらい大きいし低俗な言い方になるけどボンキュッボンの権化、顔含めて最強の女優になれるわ......水着NGでしょうけど......
 正直このが抑えられるかしら......

「......?あっ申し訳ないっす......服どうしますか......露出狂みたいにコート1枚羽織って出ますかね?」

「ッ⁉︎もう!警察官の前でアホな事しようとしないの!服は私がコーディネートしてあげるから精密検査した時のデータがあるでしょ?見せてもらえる?」

「いやーそれが身長とかはやってないんですよね~ちょっと計器借りてきてもらえないっすか?」

「それ精密検査したって言えない気がする......ちょっと待ってて」
そういうと急いで出ていき、すぐに身長、体重、バストなどを計れる物を持ってきてくれた。
「うん!じゃあ立ってね、えーっと183cm!?やっぱりかなりあるわね......じゃあ次は体重ね体重は......」
「乙女に体重はタブーっすよ!」
「もう!その姿に順応するのが早いわよ、よしっと163kgと......????ちょっと乗り直してくれないかしら?......変わらない?壊れているのか?ちょっと私にもたれかかってくれない?持つから......って重ッ!?本当に163kgあるのね......」
「乙女をデブ扱いしないでください!」
「もういいわかったから......しかし、どこにこんな重さがあるかな?まあしょうがないわね能力者だから何でもアリな気がするし......」
その後もヒップやバストを色々計ったが、結果を見るとモデルかアイドルが自分でも出来る気がしてきた。取り敢えず九条さんが柔軟性のあるピッチリなジーパンとヘソが出るくらい短いピッチリとした白色の半袖のシャツとうベージュの薄い生地の上着っぽいの......ケツもそうだが胸も苦しいんだが......てかブラジャーって窮屈過ぎるし女の人よく耐えているな......
 
「九条さんの趣味ってセクシー系?なんすね」
「いや、あなた暑がりでしょ?それを配慮しつつ、あなたの顔はクール系でスタイル抜群だから、それを活かせるし良いかなっと思ったのだけどダメかしら?」
「いや、まあ涼しいっすけども......まあ鏡見た感じハリウッドデビュー出来そうな雰囲気だし良いかぁ!......これいくらっすか......ってタグ見たら服に疎い私でもわかるくらいのブランドモンじゃないすか、払えないっすよ......」

「もぉ~奢りに決まっているじゃないの、年上の顔を立てなさい!」
「数歳しか変わらないけど......まあ本当ありがとうございます!では行きますかね!」

「気にしない気にしない!じゃあ出るわよ」
かじ、私はこれくらいじゃあ到底返せないくらい感謝しているよ、もしこの変わりつつある世界のせいでが世界の敵になっても私は絶対に味方だから安心してね......
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