鏡鑑の夏と、曼珠沙華
文芸部員の雨宮彩織は、夏休みの終わり際、"夏"を探しに田舎へと帰省する。その先で再会したのは、かつての幼馴染であり、彼の初恋の相手──椎奈あやめだった。そこで彩織は、彼女に『自分の色を分ける』ことを決意する。昔とは少し違う夏休みのなかで、ただ夏だけを描き続けた幻想綺譚。どこか懐かしくて物悲しい、狂おしくも儚い夏物語。
『縁なしの紺青の空、ただ立ち昇るだけの入道雲、アスファルトに霞む夏陽炎、降り注ぐような蝉時雨──僕は存在しない虚像の夏に、焦がれている。』
【原案:春夏秋冬 廻】
【執筆:水無月 彩椰】
『縁なしの紺青の空、ただ立ち昇るだけの入道雲、アスファルトに霞む夏陽炎、降り注ぐような蝉時雨──僕は存在しない虚像の夏に、焦がれている。』
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特に『夏の砂時計』は読んでいて喉にむず痒さすら覚える程に引き込まれました。
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続きも楽しみにしていますね。
感想ありがとうございます! 現在レポートの作成などで多少なりとも忙しい日々を送っていますが、少しずつ執筆にも手をつけています。なるべく早く更新できるように頑張りますね。
ありがとうございます。大変長らくお待たせ致しました……。あやめちゃんの過去を綴るだけでも結構な重さになってしまうので、私もなかなか筆が乗らず。でも、こういうお話が書きたかったという感じはあるんです。もう物語も終盤に差し掛かりました。完結までをお楽しみに!
お話が大きく動いてきましたね。どんな結末を迎えるのか、この先も楽しみにしていますね。
感想、ありがとうございます。いよいよ終幕に向けて──という場面に差し掛かって参りました。どんな結末を迎えるのか、お楽しみになさっていてください。今後とも宜しくお願い申し上げます。
感想ありがとうございます。あやめちゃんの過去を綴った『暗澹たる夏夜』でしたが、内容が内容なだけに、執筆時は心苦しくて仕様がありませんでした。椎奈家というものの実際、そうして椎奈あやめという少女の実際──それが小夜を通して独白されていくのは、少々、生々しいものがあったかもしれません。真相を知った今、彩織ちゃんはどう動くのでしょう……? 今後もお楽しみに。
再びの感想、誠にありがとうございます! やはり『鏡鑑の夏と、曼珠沙華』は、その世界観の構造上、そして“郷愁と哀愁”というテーマ上、夏の描写がどうしても多くなります。現代を生きる読者の皆々様が、どこかに感じ入るものがあれば良いなと思います。現代人は空を見上げることも減り、余裕も無いように見えますね。
ところで私、まだラムネを飲んだことがありません。それなので、たったいま飲んでいるのですが、少しノスタルジックな心持ちになります。何故でしょう。そういうイメージなのでしょうか。でも、夏はラムネ。これに限ります。
そうして、田舎育ちの方には懐かしく思えるように、都会育ちの方には田舎への憧れを持ってほしいな──というメッセージが、少なからずこの作品にはあります。古き良き日本の原風景。とてもとても、美しいですよね。
感想、誠にありがとうございます。本作『鏡鑑の夏と、曼珠沙華』のテーマは“郷愁と哀愁”に始まり、“青春”や“何気ない暮らしの日常”など、幾つか存在しております。そういう面も含めて、今後も織り成す物語を楽しんでほしいなと思います。
また一人称視点のお話ですから、あくまでも彩織の目線として描写などは綴っています。風景描写にしろ心理描写にしろ、雨宮彩織という一人の少年の立場から、この在郷の田舎村、そうして椎奈あやめを描いていく立場は今後も変わりません。世界観に没頭していただければ幸いです。
今後とも水無月彩椰ともども、『鏡鑑の夏と、曼珠沙華』を宜しくお願い申し上げます。
前に読んだ時も思いましたが、とても描写が素敵だと思います。この先も楽しみにしていますね。
ありがとうございます。描写の練度を上げると同時に、物語性も持たせるような形になりました。今後の展開もお楽しみに! これからも宜しくお願い申し上げます。
感想、誠にありがとうございます。確かに騰成さんの『瞬間、青く燃ゆ』でも、"色"と、形は違えど"創作"が題材の一つとなっていましたね。加えて『鏡鑑の夏と、曼珠沙華』では、日本の原風景ともいえる田舎を舞台に、また哀愁ある季節の最たるもの(?)として夏を季節にしまして、世界観を大まかに決めていきました。
都会暮らしの方に田舎の風景はどう映るでしょう。それが本作品では雨宮彩織の目線で描かれていきます。また田舎暮らしの方にも、見慣れたこの風景の魅力を再確認してもらいたいです。語彙が豊富な日本語であるからこそ、余計に、魅力が引き立つのではないでしょうか。
彩織とあやめの今後の展開も予想しながら、楽しんでいただきたいと思います。どうぞどうぞ宜しくお願い申し上げます。此度は誠にありがとうございました。
ご丁寧な感想を誠にありがとうございます。仰るとおり単純な描写ひとつひとつにも、いくらか気を配りながら、つまらない表現にならぬよう工夫はしているつもりです。
物語序盤の引きとしては、現実の中にある自然に調和するような非現実を、なんとか織り交ぜてみました。そこに水無月彩椰の文体である幻想耽美に傾倒した描写を付け加えまして、『鏡鑑の夏と、曼珠沙華』が成立しているのです。
郷愁と哀愁、ノスタルジーの溢れるテーマですから、なんとか上手く、文章も構成も完成度の高い作品として、完結まで漕ぎ着けたいところです。最後まで応援していただければ幸いです。次話もお楽しみに!
小説にはいろいろ読み方があると思うが、ココアでも飲みながら1ページ1ページ大切に読みたい。そんな作品。文章ひとつひとつに夏が凝縮されていて、登場人物が日記を書いている。それだけのシーンなのに作品に入り込んでしまいそうになる。早く続きが読みたい。
ご感想、誠にありがとうございます。この作品は描写の一つ一つにこだわっておりますので、そうお感じになるのかもしれません。もちろん、作者としましてはとても喜ばしいことです。まだまだ先は長いですが、どうぞお付き合いいただきまして、お楽しみいただけますと幸いです。
哀愁と癒しを感じながら読ませて頂いております。
とても好みの作品で、続きが楽しみです。
ご感想、誠にありがとうございます! 田舎の郷愁と夏の哀愁を感じ取っていただければ、作者冥利に尽きます。今後とも応援のほど、宜しくお願い申し上げます!
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