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二つの異能者組織
晴れつつある、闇
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──ピン、ポーン……という客人を知らせる音が、日も暮れた時、鷹宮家に鳴り響く。まぁ、今の俺には誰が来るかは分かっていたのだから──とる行動は一つだけだ。
「……彩乃、客だ。応接間に通すが問題ないな?」
「うん。……客の前くらい、執事っぽくしなさいよね?」
意地悪げに言う彩乃を横目に、俺は玄関へと向かって扉を開ける。「ようこそいらっしゃいました」という俺のセリフに被せて入ってきたのは、黒髪ロングの和服少女。
手にしている分厚いバッグの中身ですら予想が出来る、そんな風体の彼女は──
「お疲れ、桔梗。ここまで遠かったろ?」
「……いえ、問題ありません。それより、何処で話を?」
「あぁ……応接間だ。案内するからな、ついて来い」
「そういえば、如何して執事服を着てらっしゃるのですか? 前回もそうでしたが、お仕事に……?」
「違う。なったんじゃなくて、させられてるの。そこは分かっといてほしいな」
その質問を最後にピタリとモノを言わなくなった桔梗は、成されるがままに応接間に通される。そのまま俺と彼女は一つのテーブルを挟み、向かい合うようにソファーに座った。
直後、手にしていたバッグを置いた桔梗は、顔を伏せて申し訳なさげに言う。
「ご飯、頂けますか? 忙しくて昨夜から何も食べてなくて……」
「そ、そうなのか。分かった。準備する」
──凄い。よく今の今まで凌げたな。来る途中で倒れててもおかしくなかったんじゃないのか? 空腹で。
◇
「──出来たぞ。『緑野菜のサンチュ風味 ~バジルソースを添えて~』だ」
ことり、とテーブルに置かれた皿と緑茶(本人の強い希望)と箸を一瞥した桔梗は俺とそれを交互に見て、
「つまり、葉っぱだけ……?」
「もちろ──い、痛い痛い痛い! 離せ!!」
「いくら何でも、これはないでしょう? 今すぐパンの一欠片でも来てくれれば離しますが」
「分かった、持ってくるから──は、な、せ!!」
ぱっ、と俺の耳から指を離した桔梗は苛立たしげにバジルソースのかかったレタスを貪ると、パンをご所望だ。
ハッキリ言って、コイツがここまで感情を露わにするのは珍しい。そこまで精神が追い込まれていたということか。
俺はそんな彼女のご所望通り、パンを出してあげました。さすがに青虫扱いはかわいそうだからね。うん。
「最初からそうすれば良いのに……」
そう呟きながら、手早に食事を終えて口周りをナプキンで拭いた桔梗さんは佇まいを直し、持ってきていたバッグから幾つかのファイルを取り出していく。それは分厚いモノから薄っぺらいモノまで、様々だった。
それだけで、状況が俺には読めてしまう。
「これはいつものですが……今は後回し、ですね」
「ん、分かった」
と言って、彼女は俺に一つのファイルを手渡す。
彼女の言う通りいつもはこっちが最重要となるのだが、今回ばかりは違った。
俺もそれを察し、端に置いてから彼女へと向き直る。
「端的に言って──手掛かりは殆どありませんでした。でも、分かった事だけは報告しておきます」
淡々と告げながら、しかし参った、というような顔で桔梗はテーブルに置いた幾つかのうち、分厚い方のファイルを開いた。
「襲った男……目的は言わずもがな、ですが、ソイツについての詳細です」
「身元は判明したのか?」
「……いや。流石の《仙藤》でも顔と背格好だけで身元を判別するのは至難の業なんです。だから関連性の高い人間だけを集めれば──これほどの量になるってことですよ」
といって、人差し指で『容疑者』のプロフィールを小突く彼女。
……まぁ、それもそうか。いくら膨大な人員を有する《仙藤》でも、特定の一人を見つけるのは困難だ。
マスターデータを使うという手もあるのだが、最大の特徴である『異能』が分からないのだから、それも難しい。
「異能だけが分かればこちらが有利なんだがな……」
と言っても、あの男が異能者という可能性は高からず低からずなのだ。
幾ら俺を狙った人間とはいえ、裏の人間──クライアントが、俺を捕らえるためだけに異能者を雇ったかまでは定かではないのだから。
「そこの調査は引き続き任せるよ。……で、国内外の請負人は洗ってるのか?」
「勿論。でも、なかなかに強力な裏がいるみたいで、全く情報は出てきませんね」
そこで二つ目ですね、と桔梗は別のファイルを手に取り、開いた。
「本部でも調査は進めてます。多分、規模はそんなに大きくないから心配はいらないかと。……ただ、問題なのは──」
──その中の、数人。それが、あの男を囲っているのか。
「それが非常に厄介な存在。恐らくそれは、思っている通りでしょうね」
俺の思考を読んだ上で、桔梗はその発言をしたのだろう。両親の次に長い付き合いだからこそ、出来る芸当だ。
だとすると、浮かび上がる有力候補者は──
「《仙藤》にほど近しい分家筋の有力企業か、或いは、本部内の幹部が混じってくるかもな」
「その可能性も大いにあり、ですね。恐らく今日中……あと半日で、全ての調査が終わると思います。洗い出しも」
「面倒なモノだが、一人残らず挙げてしまえ。少しでも疑惑の域があるのなら、ね」
「大いにそのつもりですわ。…………そうそう。これが最後になりますが、どうしても分からなかったんですよね」
と最後に桔梗が手にしたのは、薄っぺらいファイル一つだけ。先程とは打って変わって、内容も見て取れる、それ。
そこまで言って、彼女は口を噤んだ。怪訝そうな顔をする俺に、「察しろ」と言わんばかりに睨み付けてくる。
「先日の堂本充の件ですが──事実だけを述べていきます」
ペラリとファイルを開き、俺に資料の一つを指さした彼女。その先を見ると、堂本充に関する調査書とは名ばかりの、鷹宮清十郎や前代の会長らのデータが記されていた。
俺は顔を上げ、再び申し訳なさげな表情を浮かべている桔梗へと声をかける。
「……まぁ、あの《鷹宮》でも分からなかったんだ。仕方がないことだと割り切るしかないな。だから、今は目の前の現状を頼むよ」
「……分かりました。あと、この資料は差し上げます。参考程度にどうぞ」
「うん、後で見させてもらうよ。お疲れ様」
俺へ向けてにこりと笑った桔梗は席を立つと、リビングにいるであろう彩乃のところにも顔を出し、「お邪魔しました」と帰っていった。
……礼儀いいなぁ。あの子。だからこそ信頼出来る部下なんだがな。
~to be continued.
「……彩乃、客だ。応接間に通すが問題ないな?」
「うん。……客の前くらい、執事っぽくしなさいよね?」
意地悪げに言う彩乃を横目に、俺は玄関へと向かって扉を開ける。「ようこそいらっしゃいました」という俺のセリフに被せて入ってきたのは、黒髪ロングの和服少女。
手にしている分厚いバッグの中身ですら予想が出来る、そんな風体の彼女は──
「お疲れ、桔梗。ここまで遠かったろ?」
「……いえ、問題ありません。それより、何処で話を?」
「あぁ……応接間だ。案内するからな、ついて来い」
「そういえば、如何して執事服を着てらっしゃるのですか? 前回もそうでしたが、お仕事に……?」
「違う。なったんじゃなくて、させられてるの。そこは分かっといてほしいな」
その質問を最後にピタリとモノを言わなくなった桔梗は、成されるがままに応接間に通される。そのまま俺と彼女は一つのテーブルを挟み、向かい合うようにソファーに座った。
直後、手にしていたバッグを置いた桔梗は、顔を伏せて申し訳なさげに言う。
「ご飯、頂けますか? 忙しくて昨夜から何も食べてなくて……」
「そ、そうなのか。分かった。準備する」
──凄い。よく今の今まで凌げたな。来る途中で倒れててもおかしくなかったんじゃないのか? 空腹で。
◇
「──出来たぞ。『緑野菜のサンチュ風味 ~バジルソースを添えて~』だ」
ことり、とテーブルに置かれた皿と緑茶(本人の強い希望)と箸を一瞥した桔梗は俺とそれを交互に見て、
「つまり、葉っぱだけ……?」
「もちろ──い、痛い痛い痛い! 離せ!!」
「いくら何でも、これはないでしょう? 今すぐパンの一欠片でも来てくれれば離しますが」
「分かった、持ってくるから──は、な、せ!!」
ぱっ、と俺の耳から指を離した桔梗は苛立たしげにバジルソースのかかったレタスを貪ると、パンをご所望だ。
ハッキリ言って、コイツがここまで感情を露わにするのは珍しい。そこまで精神が追い込まれていたということか。
俺はそんな彼女のご所望通り、パンを出してあげました。さすがに青虫扱いはかわいそうだからね。うん。
「最初からそうすれば良いのに……」
そう呟きながら、手早に食事を終えて口周りをナプキンで拭いた桔梗さんは佇まいを直し、持ってきていたバッグから幾つかのファイルを取り出していく。それは分厚いモノから薄っぺらいモノまで、様々だった。
それだけで、状況が俺には読めてしまう。
「これはいつものですが……今は後回し、ですね」
「ん、分かった」
と言って、彼女は俺に一つのファイルを手渡す。
彼女の言う通りいつもはこっちが最重要となるのだが、今回ばかりは違った。
俺もそれを察し、端に置いてから彼女へと向き直る。
「端的に言って──手掛かりは殆どありませんでした。でも、分かった事だけは報告しておきます」
淡々と告げながら、しかし参った、というような顔で桔梗はテーブルに置いた幾つかのうち、分厚い方のファイルを開いた。
「襲った男……目的は言わずもがな、ですが、ソイツについての詳細です」
「身元は判明したのか?」
「……いや。流石の《仙藤》でも顔と背格好だけで身元を判別するのは至難の業なんです。だから関連性の高い人間だけを集めれば──これほどの量になるってことですよ」
といって、人差し指で『容疑者』のプロフィールを小突く彼女。
……まぁ、それもそうか。いくら膨大な人員を有する《仙藤》でも、特定の一人を見つけるのは困難だ。
マスターデータを使うという手もあるのだが、最大の特徴である『異能』が分からないのだから、それも難しい。
「異能だけが分かればこちらが有利なんだがな……」
と言っても、あの男が異能者という可能性は高からず低からずなのだ。
幾ら俺を狙った人間とはいえ、裏の人間──クライアントが、俺を捕らえるためだけに異能者を雇ったかまでは定かではないのだから。
「そこの調査は引き続き任せるよ。……で、国内外の請負人は洗ってるのか?」
「勿論。でも、なかなかに強力な裏がいるみたいで、全く情報は出てきませんね」
そこで二つ目ですね、と桔梗は別のファイルを手に取り、開いた。
「本部でも調査は進めてます。多分、規模はそんなに大きくないから心配はいらないかと。……ただ、問題なのは──」
──その中の、数人。それが、あの男を囲っているのか。
「それが非常に厄介な存在。恐らくそれは、思っている通りでしょうね」
俺の思考を読んだ上で、桔梗はその発言をしたのだろう。両親の次に長い付き合いだからこそ、出来る芸当だ。
だとすると、浮かび上がる有力候補者は──
「《仙藤》にほど近しい分家筋の有力企業か、或いは、本部内の幹部が混じってくるかもな」
「その可能性も大いにあり、ですね。恐らく今日中……あと半日で、全ての調査が終わると思います。洗い出しも」
「面倒なモノだが、一人残らず挙げてしまえ。少しでも疑惑の域があるのなら、ね」
「大いにそのつもりですわ。…………そうそう。これが最後になりますが、どうしても分からなかったんですよね」
と最後に桔梗が手にしたのは、薄っぺらいファイル一つだけ。先程とは打って変わって、内容も見て取れる、それ。
そこまで言って、彼女は口を噤んだ。怪訝そうな顔をする俺に、「察しろ」と言わんばかりに睨み付けてくる。
「先日の堂本充の件ですが──事実だけを述べていきます」
ペラリとファイルを開き、俺に資料の一つを指さした彼女。その先を見ると、堂本充に関する調査書とは名ばかりの、鷹宮清十郎や前代の会長らのデータが記されていた。
俺は顔を上げ、再び申し訳なさげな表情を浮かべている桔梗へと声をかける。
「……まぁ、あの《鷹宮》でも分からなかったんだ。仕方がないことだと割り切るしかないな。だから、今は目の前の現状を頼むよ」
「……分かりました。あと、この資料は差し上げます。参考程度にどうぞ」
「うん、後で見させてもらうよ。お疲れ様」
俺へ向けてにこりと笑った桔梗は席を立つと、リビングにいるであろう彩乃のところにも顔を出し、「お邪魔しました」と帰っていった。
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