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第4章 神社とご老人
これ以上
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「じゃあね。寒いから、風邪引かないようにね。着いたら連絡してね」
「分かってるよ。送ってくれて有難う」
心配性な母さんに笑いつつ俺が礼を言うと、運転席の父さんが頷く。そうして走り去っていく車を見送った。
今日は三日。明日には、バイトが再開する。新幹線で揺られながら、明日から普段の日常に戻る事を実感する。それと同時に就職活動も再開するが、今の自分の思考はそれが中心ではなかった。
明日はツバキさんも出勤になってたはずだ。年末シフト通りに出ていたようだが、それは俺と被っていなかったからかもしれない。
ヤイさんも、もしかしたらもう目の前には現れないかもしれない。何故そう思ったか分からないが、お爺さんに話しかけられてからその思いは増した。
俺は少し、あやかしの世界に踏み込み過ぎなのかもしれない。
『気をつけなさい。あの者たちは、貴方が思うより複雑ですから』
ヤイさんも、そんな事を言っていた。
『妖怪皆あんな感じだと勘違いしない方がいい。人間を道具や食い物としか思ってない連中もいるからね』
ヤイさんは、どうなんだろう。俺は、あの人の手の上で転がされているんじゃないだろうか。
これ以上、踏み込むべきじゃないのかもしれない。
バスに乗り、家にたどり着く。
ドアの前には、誰もいなかった。当たり前と言えば当たり前だ。喜ぶべき事のはずなのに、どこか残念に思う自分がいる。
溜まっていた郵便物を見たり片付けをしたりするうちに、時刻は夕方になった。俺は夜ご飯にラーメンを作ろうと立ち上がる。その時、インターホンが鳴った。受話器を取り、応対する。
「はい」
「こんばんは。ヤイです」
俺はその言葉に、急いで玄関に向かった。
ドアを開けると、いつもの着物姿で爽やかに笑うヤイさんがいた。
「やあ。あけましておめでとう」
「分かってるよ。送ってくれて有難う」
心配性な母さんに笑いつつ俺が礼を言うと、運転席の父さんが頷く。そうして走り去っていく車を見送った。
今日は三日。明日には、バイトが再開する。新幹線で揺られながら、明日から普段の日常に戻る事を実感する。それと同時に就職活動も再開するが、今の自分の思考はそれが中心ではなかった。
明日はツバキさんも出勤になってたはずだ。年末シフト通りに出ていたようだが、それは俺と被っていなかったからかもしれない。
ヤイさんも、もしかしたらもう目の前には現れないかもしれない。何故そう思ったか分からないが、お爺さんに話しかけられてからその思いは増した。
俺は少し、あやかしの世界に踏み込み過ぎなのかもしれない。
『気をつけなさい。あの者たちは、貴方が思うより複雑ですから』
ヤイさんも、そんな事を言っていた。
『妖怪皆あんな感じだと勘違いしない方がいい。人間を道具や食い物としか思ってない連中もいるからね』
ヤイさんは、どうなんだろう。俺は、あの人の手の上で転がされているんじゃないだろうか。
これ以上、踏み込むべきじゃないのかもしれない。
バスに乗り、家にたどり着く。
ドアの前には、誰もいなかった。当たり前と言えば当たり前だ。喜ぶべき事のはずなのに、どこか残念に思う自分がいる。
溜まっていた郵便物を見たり片付けをしたりするうちに、時刻は夕方になった。俺は夜ご飯にラーメンを作ろうと立ち上がる。その時、インターホンが鳴った。受話器を取り、応対する。
「はい」
「こんばんは。ヤイです」
俺はその言葉に、急いで玄関に向かった。
ドアを開けると、いつもの着物姿で爽やかに笑うヤイさんがいた。
「やあ。あけましておめでとう」
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