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第2章 おばあちゃんと化け猫
思い出
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「タカヒロ。昼ごはん出来たよ」
床に画用紙を広げて絵を描いてる俺に、ばあちゃんはそう声をかけた。もう十年くらい前のことだ。
親が共働きという事もあり、長期の休みは母方のばあちゃんの家に世話になる事が多かった。
じいちゃんが亡くなって寂しかったからか、ばあちゃんはとても嬉しそうだった。俺もばあちゃん家は居心地が良くて好きだった。画用紙を散らかしても怒られないし、お菓子もいっぱい用意してくれてる。
ばあちゃんは俺が何を描いてるかを見ようとも聞こうともしない。俺も、見せたりしない。会話も深く話したりはせず、ただ美味しいねと言ったり、お笑い番組を見て二人で笑ったり。たまに近くの公園にふらりと遊びに行ったり。そんな毎日を送っていた。一度母さんに聞くと、「おばあちゃんは放任主義だからね」と返ってきた。
ばあちゃんの事を、一度だけ描いた事がある。元気になってほしくて、笑顔のばあちゃんを描いた。本当はもっと皺だらけで痩せこけてたけど、願掛けの意味も込めて元気な姿で描いた。
「タカヒロは優しいねぇ」
ばあちゃんはやっぱり、絵を褒めたりはしなかった。そうしてその一週間後、あっけなく死んでった。
大学をばあちゃんの家から近くの所にしたのは偶然だ。たまたま行きたい大学が、そこにあっただけ。
それだけだ。
床に画用紙を広げて絵を描いてる俺に、ばあちゃんはそう声をかけた。もう十年くらい前のことだ。
親が共働きという事もあり、長期の休みは母方のばあちゃんの家に世話になる事が多かった。
じいちゃんが亡くなって寂しかったからか、ばあちゃんはとても嬉しそうだった。俺もばあちゃん家は居心地が良くて好きだった。画用紙を散らかしても怒られないし、お菓子もいっぱい用意してくれてる。
ばあちゃんは俺が何を描いてるかを見ようとも聞こうともしない。俺も、見せたりしない。会話も深く話したりはせず、ただ美味しいねと言ったり、お笑い番組を見て二人で笑ったり。たまに近くの公園にふらりと遊びに行ったり。そんな毎日を送っていた。一度母さんに聞くと、「おばあちゃんは放任主義だからね」と返ってきた。
ばあちゃんの事を、一度だけ描いた事がある。元気になってほしくて、笑顔のばあちゃんを描いた。本当はもっと皺だらけで痩せこけてたけど、願掛けの意味も込めて元気な姿で描いた。
「タカヒロは優しいねぇ」
ばあちゃんはやっぱり、絵を褒めたりはしなかった。そうしてその一週間後、あっけなく死んでった。
大学をばあちゃんの家から近くの所にしたのは偶然だ。たまたま行きたい大学が、そこにあっただけ。
それだけだ。
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