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迷宮探究編
38.スーパー美少女の店舗経営
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迷宮攻略という激動の一日が終わり、私たちは日常という平穏に身を於いた。
あんなことがあっても、それを知らない人たちには何の関係もないわけで。
街は通常運転。私たちが勝手に平和を謳歌しているだけなんだけどね。
「お姉ちゃん、今日はアンドレアさんとお話するんだよね?」
「そうだよ。一緒に行く?」
「行きたいです!」
「おもしろそうだから行く!」
「うんうん。うちの経理担当のドロシーはもちろん連れて行くとして」
「はいはい。仰せのままに」
うむうむ。
「二人はどうするかね?」
「やることもありませんから、冷やかしついでについて行こうかと思います」
「私もお供します。何時もリコリスさんを守るのが私の務めですから」
みんなが私のこと好きすぎて困りゅふ~♡
最早街を歩きにすら来てない師匠と、リルムとゲイル以外の魔物組はさておき。
『リルムついて行くー。昨日はお留守番だったからねー、今日はリーとずっと一緒にいるのー』
「おうおう可愛いねリルム。お前だけだよ私を慕ってくれる従魔は」
『リーと一緒だとおいしいものいっぱいだから好きー』
ソッコーで裏切ってくるじゃん小早川秀秋かよ。
貴様それでも私の一番最初の従魔か。
「プププ、随分慕われてるわね」
「あ?なんだケンカ売ってんのか?お?」
「べつにー?個性的な従魔ばかりねと思って。その点、アタシのゲイルは素直ないい子よ。ねーゲイル」
「ゲイルおいで。甘い甘いお菓子をやろう」
「サクサクサクサク」
ツンツンツンツン
「えーーーー??wえ?wええ?wwだ、れ、が、慕われてるってー?wwもう一回聞かせて聞かせてぇwプフーwお腹痛すんぎぃwwすみませーん人の従魔にも好かれちゃう完ぺき美少女でーwww」
「よっしわかった口を開けなさいありったけの毒をぶち込んでやるわ!!!」
「やめてくださいこんな往来で騒ぐのは…。それよりリコ、あれを何とかした方がいいんじゃないですか?」
ん?あれとは?
チラッ
「ぐぎぃぃぃぃぃ」
「道の真ん中でエヴァが痙攣している…」
「すみません皆さん。師匠、人通りが多いところは端っこの日陰の部分を歩かないと、人の活気と明るい笑い声に自己肯定感が朽ちて死にかけちゃうんです」
「昼間っから仕事もせずにフラフラしててゴメンなさい…」
まあ、それで言ったら私たちもフラフラしてるけど。
暇だと言うのでエヴァとサリーナちゃんもついて来た…のはいいんだよ?でも…
「宮廷魔法使いの仕事とかあるんじゃないの?」
「あります!めちゃくちゃいっぱい!でも大賢者は基本的に自由ですし、私は魔物の調査が主な研究テーマにしているので、皆さんの従魔を観察する、という名目で抜け出してきました!」
「素直な子ね」
「ほらいい加減立って歩いて。馬車に轢かれても知りませんよ。師匠の血で馬車が汚れたって慰謝料請求されてもいいんですか」
「ヒィィ!老後のために貯めた貯金がぁ!すみませんすぐ退きます掃除します!」
「あーこら!ボロボロになるから服で拭かない!」
今日も仲良しだね君たち。
そんな風に笑って息をついたら、ふとエヴァと目が合った。
「ふんぎィ!!」
「目を逸らそうとして首が異様な音したんだが?!エヴァどうした?!顔も赤いし……風邪か?!ドロシー、ポーション!」
「こいつは…」
「またですか…」
へ?
なんでそんな顔してんの?
私また何かやっちゃいました?
そんなこんなで、東大通りの一番街にやってきましたと。
「えーっと、確か広場の前ですぐにわかるって話だったけど…」
「リコ、あそこにアンドレアさんが」
アンドレアさんがこちらに気付き、いい笑顔で手を振ってくる。
その後ろには木造の味のある一軒家が。
「やあリコリスさん、皆さんも。お待ちしておりました」
「こんにちはアンドレアさん。ステキなお店ですね」
小さめだけど可愛い。
宅急便の仕事を請け負ってる魔女が間借りしてるパン屋みたい。
「店構えは大きくありませんが、ここは貴族と平民両方の人通りが盛んでして。客層に幅を持たせられます。私が経営している雑貨屋が近く仕入れの手間が省け、更に近辺には宿も多いので利用する旅人の足も向くことでしょう」
「そんないい店舗が空き家になってたんですか?」
「以前は腕のいい職人がパン屋を営んでいたのですが、もう歳だと田舎に引っ込んでしまいまして」
パン屋だった。
両手で鉄板クルクルとかやってたのかな。
「縁があり知り合いになったのですが、物件が売りに出されると聞き私どもが購入したのはいいもの、何をやるかは決まらずじまいで。リコリスさんの料理を口にしたとき、天啓を得たのです。私はこれを待っていたのだと」
大げさな紳士だことで。
「ささ、中へどうぞ。スタッフたちも集まっております」
店の中は掃除が終わってキレイになっていた。
テーブルに椅子は新品で、カウンターの向こうに見える厨房には、食器や厨房機器なんかも一通り揃っているようだった。
「いい感じの内装じゃない」
「明るく開放的でリラックス出来ますね」
「オ、オオ、オシャレな店うっぷ…」
「大丈夫、大丈夫ですよ師匠。まだオープン前ですから」
案内されるなり、ワーグナーさんが子犬のように顔を明るくして出迎えた。
「ようこそ先生!本日は足を運んでいただきまことにありがとうございます!」
「どうもワーグナーさん。店の料理を任せるってことだけど…本当にいいんですか?」
「もちろんです!先生に教えを請えて料理出来るなんて最高です!こちらからお願いしたいくらいですよ!そうだ、一緒に働いてくれるスタッフを紹介します!」
ワーグナーさんの他、コック姿の男性が3名。ゴッツい…怖すぎ…ここだけ絵柄がアウトレ○ジ。
それに給仕服の女性が5名。揃いも揃って容姿端麗だ。
「右から、私の幼なじみで料理人のジョセフ、ルーガー、トマス」
「よろしくお願いします」
一人ずつ握手をして挨拶。
それにしても、みんないいのかね?
「こんな小娘がオーナーの店で働くことになって、不満とかは…」
「そりゃあ、パステリッツの会頭のお抱え料理人がそれを辞退して店を始めると聞いたときは耳を疑いやしたが」
生傷だらけのゴツい腕のジョセフさんが、ワーグナーさんの背中を叩いた。
「そんな男がそれ以上にやり甲斐を見出したってんなら、それに乗るのがおもしろそうだと思いやしてね。どうぞジョセフと呼び捨てにしてくだせえ」
「ルーガーでさ。おれらはワーグナーみてえに礼儀はなっちゃいねえですが、料理には自信とプライドがありやす。この腕、存分に使ってくだせえ」
「トマスと申しやす。よろしく頼んます、姐さん」
「姐さんて」
「気性は荒いですが腕は確かな連中です。これでも精霊級の冒険者で、店の用心棒も兼ねています。これでゴロツキが来ても安心ですよ」
ゴロツキどころかお客さんも裸足で逃げそうだけど。
「それからこっちが、パステリッツ商会で接客を担当している、フランチェスカ、エレイン、ニルエ、キャシー、シーナです。皆一通り識字と計算が出来ます」
「フランチェスカです。どうぞよろしくお願いします、オーナー」
「エレインです!元気には自信があります!」
「ニルエです。掃除が得意です」
「キャシーです。商会では会計を担当していました」
「シーナです!お客さんには笑顔がステキって褒められます!」
「よしわかったとりあえずみんな私とデートするところから始め゛っ!!」
「パワハラ」
だってぇ…みんな歳上のお姉さん。
しかもキレイ系と可愛い系のバランスがとってもいいんだもん…
「週8で通うレベル」
「経営者が自分の店で利益回してどうなるのよ」
「お姉さんたちの給料になるならやむなしなんだが?」
「顔がマジメすぎる」
挨拶はこのくらいで。
店の運営に関してはアンドレアさんがアドバイスをくれて、ドロシーが形にするということで、滞りなく軌道に乗せられそうだった。
テラス合わせて合計四十席。
リルムたちのことを思って従魔連れ可能な店にしてくれたのもいい感じ。
内装もほとんどいじるとこは無いし、そしたら私のやることって、メニュー決めと試作くらい?
いいの?オーナーってそんな楽で。
「まあ何かあった場合の責任は全てあんたに行くわけだけど」
気は抜けねえ…
社会的責任重いぃ…
けどまあ楽しいのも事実なわけですけど。
「うっめええええええ!!」
「おいっしーーーー!!」
イカちぃ男と可憐な美女たちが私の作ったカレーを雛鳥が如く貪っておるわ。ハッハッハ。
私以上にワーグナーさんは、どうだこれが先生の力だと言わんばかりにドヤ顔してるが。
とりあえずカレーが店のメインになるみたいだけど、後は何を出そうかな。
最初からメニューを多くしても、そもそもお客さんが来るかもわからないし…無難にオムライス、ハンバーグ、グラタン、パスタ…いい窯土があるからピザも焼いてみるか。
軽食にサンドイッチと、デザートにアイスとか?
ドリンクは紅茶とフルーツジュースで。
レストランていうよりは喫茶店みたいになりそう。
まずはレシピを教えながらシェフたちに試作してもらったんだけど。
「おいしー!」
「お姉ちゃんと同じ味です!」
この人たちのスキル高っけえ。
教えたこと一発で覚えるし。
「ん?このハンバーグ、私の作ったやつとちょっと違う?」
「肉の配合をちょいとばかしいじってみやした。姐さんのレシピを曲げることになっちまいやすが、こっちの方が肉の後味がさっぱりして胃にもたれねえかと思いやして」
気遣いの鬼かよ。
しかもうめぇ。
「姐さん、オムライスなんですがこうしてみたらおもしろいかと思うんですが」
ふわり
うっま。
いや真ん中に切り込み入れて開くオムライスとか教えてねえよ。
天才おるわ。
「姐さん、子ども用に料理を小さくしたものを一つのプレートにまとめてみたんですが如何でしょう」
この一瞬でお子様ランチに至る発想。
ちゃんと旗も立ててる。
天才しかおらんて。
ワーグナーさんを始め料理系のスキルに全振りしてるっぽいし最高の人選だな。見た目はアレだけど。
ていうか…
「これ私いる?!もうレシピを自分のものにしてるが?!」
とんだ有能を連れてきたもんだ。
接客係のフランチェスカさんたちも、さすがパステリッツ商会で働いてただけある。
何一つ口出しすることない。
「私の料理を出してるだけのパステリッツ商会の直営店なのでは?」
「滅相もない。仮にそんな失礼をした場合の今後の損失がわからないようなマヌケではありませんよ。そうだ、店の名前はどうしますか?」
「店の名前?考えてなかったな」
普段は彼岸花商店でポーションとか売ってるし…彼岸花食堂?なんか可愛くないな。
いっそのことリコスとかサイゼリコとかにしてやろうかなとも考えたけど、あれこれ考えるよりシンプルな方がいいって思い至った。
「リコリスカフェで」
「とても素晴らしいお名前です」
「だろ?……なんだ貴様らその自分の名前を大々的に使って恥ずかしい気持ちはないんですか?みたいな目は」
「あらすごい。テルナみたいな心を読むスキルを手に入れたのね」
「私はいいと思い…………たいですよ」
「いいんだぞこっちはこの店の名前をアルティ&ドロシーのヌルヌルグチョグチョ食堂とかにしても」
「いえ、それは集客が見込めない上に国が許可を出さないでしょうからやめましょう」
アンドレアさんの冷静なツッコミが刺さることよ。
はい、ともあれ店の名前はリコリスカフェに決定しました。
やったね。
「リコリスさんすごいですね。王都の一等地にお店を出すなんて」
「そ、そうだね…」
「料理も上手だし社交的だし、強くてキレイでかっこよくて非の打ち所がない人ってああいう人のことを言うんですね」
「そ、そうだね…」
「師匠」
「な、なに?」
「好きなら好きって言わないと伝わりませんよ?」
「ふぐぁっは!!!」
「うおおお?!滝みたいな勢いで吐血したが?!エヴァ?!どした?!おい誰か料理に毒でも仕込んでんのか!!」
「滅相もございやせん!!」
「すみ、すみませ…あまりの美味しさに胃が爆散しただけです」
それはそれで普通に心配するぞ。
「そうだ師匠。開店祝いに花を買ってきましょうよ。ね?それがいいですよ」
「へ?え、お花屋さんは店員さんと話さないといけないから無理ランキング上位だから無理…」
「行くって行ってるでしょいいから来い食用不可キノコ!!」
「ひいいいい食用不可キノコですっ!!」
首根っこ掴まれて引きずられてった
気を遣わせたかな。
「では、私も腹ごなしに散歩してきます。ごちそうさまでした」
と、アルティも店を出ていった。
「なんだァ?変な奴だな」
「リコリスさん、オープンの日程についてなのですが」
「ああ、はいはい」
ともあれ、こんな感じでトントンと話は進んでいったのでした。
……あ、コーヒー出してなくてカフェって変じゃね?
――――――――
「まったく。師匠は肝心なとき以外ヘタレなんですから」
花屋で花を選んでる最中のこと、サリーナは遠慮なく私を罵倒した。
「さっきも言いましたけど、好きなら好きって言わないと伝わんないですよ。リコリスさんとてもいい人ですけど、あれで鈍感なところは鈍感っぽいし」
「べ、べつに好きとかじゃ…」
「じゃあ好きじゃないんですか?」
弟子が意地悪で、むむむ…と頬を膨らませて睨みつける。
好きかそうじゃないかなんて、そんなのわからない…
だってこんな気持ちになったのなんて初めてだから。
ただ、リコリスちゃんを思うとひたすらに顔が熱くなった。
「少なくとも私は、師匠に弟子入りして五年…師匠のそんな女らしい顔は初めて見ましたよ」
「お、女らしい…?へへ、へへへ…」
「自己肯定感低すぎて褒められの耐性がゴミ…」
弟子が辛辣すぎる…
「で?どうするんですか?」
「どうするって…」
「好きって伝えるくらい普通のことですよ。というより、リコリスさんの仲間の皆さんは、そういう感情で傍にいるんだと思いますけど」
「ええ。そのとおりですよ」
「ひゃう?!!アア、あ、アルティ…ちゃん…?なんでここに…」
「あからさまに様子がおかしかったので。友人を気遣おうとしただけです」
「ゆ、友人…エヘ、エヘヘへヘ…」
「師匠に友人が出来て私は正直泣きそうです」
重ねて弟子が辛辣すぎる…
え?本当に尊敬してるよね…?
近くの店に入り紅茶を嗜みながら雑談を。
アルティちゃんは、
「お互い度し難い女に惚れましたね」
と話を切り出した。
「いや、あの、惚れたとかそういうのじゃ…」
「わかりますよ。リコは特別女性にモテますし。この数ヶ月は特に顕著です。リコの真の魅力に当てられた者だけが、今リコの傍にいるんですから」
「アルティさん、変なことを訊いてもいいですか?」
「何なりと」
「皆さんは、リコリスさんに恋愛感情を抱いて一緒にいるんですよね?」
「ええ。と言ってもマリアとジャンヌは年齢上、恋愛感情というより親愛や友愛に近しいものでしょうけど。そう遠くない未来、きっと恋心を自覚するでしょう」
まるで預言者みたいにアルティちゃんは言い切って、それからクスッと口角を上げた。
「みんながみんな一人の同じ女性を愛して、それで仲良く旅が出来るのか…そう訊きたいんでしょう?」
「は、はい。あ、リコリスさんが女の人を誑かす性悪とか、そう思ってるわけじゃないんです!」
「いえ、女性なら誰彼構わずナンパするし軽薄だし基本的に下半身で物事を考えていますし性欲は人一倍なので性悪以上にどうしようもないクズなのは間違いありません」
す、すごい言いよう…
え?本当に好きなんだよね…?
アンノウンも真っ青の目してるけど…
「ですが、それでも私たちはリコを愛しているんです」
「……!」
素直に。いいな、と思った。
余計な言葉は無くて、だけど真っ直ぐに伝わってきた。
リコリスちゃんのことを話すアルティちゃんが、あまりにも可愛くて。
「というわけなので、リコに思いを伝えようとするのを止める者はいません。存分にどうぞ」
「どどど、どうぞって言われても…どうしよう…」
「そうだ師匠、アルティさんを相手に告白の練習をしてみるっていうのはどうで――――息をしてない」
「――――――――」
なにを言い出すんだこの弟子はと、私は床に手を組んで倒れた。
「気を取り直して。はい、どうぞ」
「何故…」
「こちらのセリフすぎる気はしますが…。まあ、告白の練習になるというなら」
「こ、こくは、う゛ぉええええええ!!」
「盛大に吐いたんですがこれ無理では?」
「大丈夫です師匠は日に二、三回は日常と将来への不安で吐いてるので!さ、続きを!」
弟子が…
気は進まないけど…やらなきゃリコリスちゃんにも伝えられない気がする…
よ、よし、やるぞ…
好きって言うだけ…言うだけ…
「す、すす」
「いいですよ一文字目まで言えましたその調子です」
「判定が甘くありませんか?」
「すっ、す…す…ふひ!エヘァ…」
「ニチャアって笑うのはダメっていつも言ってるでしょ気持ち悪い!!もう一回!!はい、す、き、で、す!」
好き…好き…
「す、すちっ、すすっ!!スケベしてくださいリコリスちゃん!!」
「頭蓋骨かっ開くぞバカ師匠!!!」
「リコはたぶん喜びますよ」
「えっ、じゃ、じゃあこれで…」
「いいわけあるかぁ!!」
ダメだ落ち着け深呼吸しろエヴァ=ベリーディース…
やれる私は奈落の大賢者と謳われる大魔法使いだ…
よっ、やれば出来る女!
将来性ある!
貯金多い!
親に仕送りしてる!
部屋キレイ!
よしいいぞ自己肯定感が高まってきた!
今なら、いける!
「す、好きです!リコリスちゃんのことが…大好きです!」
「はへぁ」
「はへぁ…って、へ?」
リコリス、ちゃん…?へ?なんで?
「リコ、どうしてここへ?」
「へ?いや、一通り話がまとまって解散ってなったからみんなを探してたんだけ、ど…。あっ、と…エヴァ…?」
「あ、えと、違うくて…いや、違わないんです、けど…あの…お、あぇ…~~~~~~~~!!」
「エヴァ、あの…」
「好っ…!しゅきでボロロロロロロロロロロ!!!」
羞恥と焦燥で今世紀一吐き散らかした。
リコリスちゃんの服にもかかったし…
どうか、どうか。
夢であってくださいお願いします…
あんなことがあっても、それを知らない人たちには何の関係もないわけで。
街は通常運転。私たちが勝手に平和を謳歌しているだけなんだけどね。
「お姉ちゃん、今日はアンドレアさんとお話するんだよね?」
「そうだよ。一緒に行く?」
「行きたいです!」
「おもしろそうだから行く!」
「うんうん。うちの経理担当のドロシーはもちろん連れて行くとして」
「はいはい。仰せのままに」
うむうむ。
「二人はどうするかね?」
「やることもありませんから、冷やかしついでについて行こうかと思います」
「私もお供します。何時もリコリスさんを守るのが私の務めですから」
みんなが私のこと好きすぎて困りゅふ~♡
最早街を歩きにすら来てない師匠と、リルムとゲイル以外の魔物組はさておき。
『リルムついて行くー。昨日はお留守番だったからねー、今日はリーとずっと一緒にいるのー』
「おうおう可愛いねリルム。お前だけだよ私を慕ってくれる従魔は」
『リーと一緒だとおいしいものいっぱいだから好きー』
ソッコーで裏切ってくるじゃん小早川秀秋かよ。
貴様それでも私の一番最初の従魔か。
「プププ、随分慕われてるわね」
「あ?なんだケンカ売ってんのか?お?」
「べつにー?個性的な従魔ばかりねと思って。その点、アタシのゲイルは素直ないい子よ。ねーゲイル」
「ゲイルおいで。甘い甘いお菓子をやろう」
「サクサクサクサク」
ツンツンツンツン
「えーーーー??wえ?wええ?wwだ、れ、が、慕われてるってー?wwもう一回聞かせて聞かせてぇwプフーwお腹痛すんぎぃwwすみませーん人の従魔にも好かれちゃう完ぺき美少女でーwww」
「よっしわかった口を開けなさいありったけの毒をぶち込んでやるわ!!!」
「やめてくださいこんな往来で騒ぐのは…。それよりリコ、あれを何とかした方がいいんじゃないですか?」
ん?あれとは?
チラッ
「ぐぎぃぃぃぃぃ」
「道の真ん中でエヴァが痙攣している…」
「すみません皆さん。師匠、人通りが多いところは端っこの日陰の部分を歩かないと、人の活気と明るい笑い声に自己肯定感が朽ちて死にかけちゃうんです」
「昼間っから仕事もせずにフラフラしててゴメンなさい…」
まあ、それで言ったら私たちもフラフラしてるけど。
暇だと言うのでエヴァとサリーナちゃんもついて来た…のはいいんだよ?でも…
「宮廷魔法使いの仕事とかあるんじゃないの?」
「あります!めちゃくちゃいっぱい!でも大賢者は基本的に自由ですし、私は魔物の調査が主な研究テーマにしているので、皆さんの従魔を観察する、という名目で抜け出してきました!」
「素直な子ね」
「ほらいい加減立って歩いて。馬車に轢かれても知りませんよ。師匠の血で馬車が汚れたって慰謝料請求されてもいいんですか」
「ヒィィ!老後のために貯めた貯金がぁ!すみませんすぐ退きます掃除します!」
「あーこら!ボロボロになるから服で拭かない!」
今日も仲良しだね君たち。
そんな風に笑って息をついたら、ふとエヴァと目が合った。
「ふんぎィ!!」
「目を逸らそうとして首が異様な音したんだが?!エヴァどうした?!顔も赤いし……風邪か?!ドロシー、ポーション!」
「こいつは…」
「またですか…」
へ?
なんでそんな顔してんの?
私また何かやっちゃいました?
そんなこんなで、東大通りの一番街にやってきましたと。
「えーっと、確か広場の前ですぐにわかるって話だったけど…」
「リコ、あそこにアンドレアさんが」
アンドレアさんがこちらに気付き、いい笑顔で手を振ってくる。
その後ろには木造の味のある一軒家が。
「やあリコリスさん、皆さんも。お待ちしておりました」
「こんにちはアンドレアさん。ステキなお店ですね」
小さめだけど可愛い。
宅急便の仕事を請け負ってる魔女が間借りしてるパン屋みたい。
「店構えは大きくありませんが、ここは貴族と平民両方の人通りが盛んでして。客層に幅を持たせられます。私が経営している雑貨屋が近く仕入れの手間が省け、更に近辺には宿も多いので利用する旅人の足も向くことでしょう」
「そんないい店舗が空き家になってたんですか?」
「以前は腕のいい職人がパン屋を営んでいたのですが、もう歳だと田舎に引っ込んでしまいまして」
パン屋だった。
両手で鉄板クルクルとかやってたのかな。
「縁があり知り合いになったのですが、物件が売りに出されると聞き私どもが購入したのはいいもの、何をやるかは決まらずじまいで。リコリスさんの料理を口にしたとき、天啓を得たのです。私はこれを待っていたのだと」
大げさな紳士だことで。
「ささ、中へどうぞ。スタッフたちも集まっております」
店の中は掃除が終わってキレイになっていた。
テーブルに椅子は新品で、カウンターの向こうに見える厨房には、食器や厨房機器なんかも一通り揃っているようだった。
「いい感じの内装じゃない」
「明るく開放的でリラックス出来ますね」
「オ、オオ、オシャレな店うっぷ…」
「大丈夫、大丈夫ですよ師匠。まだオープン前ですから」
案内されるなり、ワーグナーさんが子犬のように顔を明るくして出迎えた。
「ようこそ先生!本日は足を運んでいただきまことにありがとうございます!」
「どうもワーグナーさん。店の料理を任せるってことだけど…本当にいいんですか?」
「もちろんです!先生に教えを請えて料理出来るなんて最高です!こちらからお願いしたいくらいですよ!そうだ、一緒に働いてくれるスタッフを紹介します!」
ワーグナーさんの他、コック姿の男性が3名。ゴッツい…怖すぎ…ここだけ絵柄がアウトレ○ジ。
それに給仕服の女性が5名。揃いも揃って容姿端麗だ。
「右から、私の幼なじみで料理人のジョセフ、ルーガー、トマス」
「よろしくお願いします」
一人ずつ握手をして挨拶。
それにしても、みんないいのかね?
「こんな小娘がオーナーの店で働くことになって、不満とかは…」
「そりゃあ、パステリッツの会頭のお抱え料理人がそれを辞退して店を始めると聞いたときは耳を疑いやしたが」
生傷だらけのゴツい腕のジョセフさんが、ワーグナーさんの背中を叩いた。
「そんな男がそれ以上にやり甲斐を見出したってんなら、それに乗るのがおもしろそうだと思いやしてね。どうぞジョセフと呼び捨てにしてくだせえ」
「ルーガーでさ。おれらはワーグナーみてえに礼儀はなっちゃいねえですが、料理には自信とプライドがありやす。この腕、存分に使ってくだせえ」
「トマスと申しやす。よろしく頼んます、姐さん」
「姐さんて」
「気性は荒いですが腕は確かな連中です。これでも精霊級の冒険者で、店の用心棒も兼ねています。これでゴロツキが来ても安心ですよ」
ゴロツキどころかお客さんも裸足で逃げそうだけど。
「それからこっちが、パステリッツ商会で接客を担当している、フランチェスカ、エレイン、ニルエ、キャシー、シーナです。皆一通り識字と計算が出来ます」
「フランチェスカです。どうぞよろしくお願いします、オーナー」
「エレインです!元気には自信があります!」
「ニルエです。掃除が得意です」
「キャシーです。商会では会計を担当していました」
「シーナです!お客さんには笑顔がステキって褒められます!」
「よしわかったとりあえずみんな私とデートするところから始め゛っ!!」
「パワハラ」
だってぇ…みんな歳上のお姉さん。
しかもキレイ系と可愛い系のバランスがとってもいいんだもん…
「週8で通うレベル」
「経営者が自分の店で利益回してどうなるのよ」
「お姉さんたちの給料になるならやむなしなんだが?」
「顔がマジメすぎる」
挨拶はこのくらいで。
店の運営に関してはアンドレアさんがアドバイスをくれて、ドロシーが形にするということで、滞りなく軌道に乗せられそうだった。
テラス合わせて合計四十席。
リルムたちのことを思って従魔連れ可能な店にしてくれたのもいい感じ。
内装もほとんどいじるとこは無いし、そしたら私のやることって、メニュー決めと試作くらい?
いいの?オーナーってそんな楽で。
「まあ何かあった場合の責任は全てあんたに行くわけだけど」
気は抜けねえ…
社会的責任重いぃ…
けどまあ楽しいのも事実なわけですけど。
「うっめええええええ!!」
「おいっしーーーー!!」
イカちぃ男と可憐な美女たちが私の作ったカレーを雛鳥が如く貪っておるわ。ハッハッハ。
私以上にワーグナーさんは、どうだこれが先生の力だと言わんばかりにドヤ顔してるが。
とりあえずカレーが店のメインになるみたいだけど、後は何を出そうかな。
最初からメニューを多くしても、そもそもお客さんが来るかもわからないし…無難にオムライス、ハンバーグ、グラタン、パスタ…いい窯土があるからピザも焼いてみるか。
軽食にサンドイッチと、デザートにアイスとか?
ドリンクは紅茶とフルーツジュースで。
レストランていうよりは喫茶店みたいになりそう。
まずはレシピを教えながらシェフたちに試作してもらったんだけど。
「おいしー!」
「お姉ちゃんと同じ味です!」
この人たちのスキル高っけえ。
教えたこと一発で覚えるし。
「ん?このハンバーグ、私の作ったやつとちょっと違う?」
「肉の配合をちょいとばかしいじってみやした。姐さんのレシピを曲げることになっちまいやすが、こっちの方が肉の後味がさっぱりして胃にもたれねえかと思いやして」
気遣いの鬼かよ。
しかもうめぇ。
「姐さん、オムライスなんですがこうしてみたらおもしろいかと思うんですが」
ふわり
うっま。
いや真ん中に切り込み入れて開くオムライスとか教えてねえよ。
天才おるわ。
「姐さん、子ども用に料理を小さくしたものを一つのプレートにまとめてみたんですが如何でしょう」
この一瞬でお子様ランチに至る発想。
ちゃんと旗も立ててる。
天才しかおらんて。
ワーグナーさんを始め料理系のスキルに全振りしてるっぽいし最高の人選だな。見た目はアレだけど。
ていうか…
「これ私いる?!もうレシピを自分のものにしてるが?!」
とんだ有能を連れてきたもんだ。
接客係のフランチェスカさんたちも、さすがパステリッツ商会で働いてただけある。
何一つ口出しすることない。
「私の料理を出してるだけのパステリッツ商会の直営店なのでは?」
「滅相もない。仮にそんな失礼をした場合の今後の損失がわからないようなマヌケではありませんよ。そうだ、店の名前はどうしますか?」
「店の名前?考えてなかったな」
普段は彼岸花商店でポーションとか売ってるし…彼岸花食堂?なんか可愛くないな。
いっそのことリコスとかサイゼリコとかにしてやろうかなとも考えたけど、あれこれ考えるよりシンプルな方がいいって思い至った。
「リコリスカフェで」
「とても素晴らしいお名前です」
「だろ?……なんだ貴様らその自分の名前を大々的に使って恥ずかしい気持ちはないんですか?みたいな目は」
「あらすごい。テルナみたいな心を読むスキルを手に入れたのね」
「私はいいと思い…………たいですよ」
「いいんだぞこっちはこの店の名前をアルティ&ドロシーのヌルヌルグチョグチョ食堂とかにしても」
「いえ、それは集客が見込めない上に国が許可を出さないでしょうからやめましょう」
アンドレアさんの冷静なツッコミが刺さることよ。
はい、ともあれ店の名前はリコリスカフェに決定しました。
やったね。
「リコリスさんすごいですね。王都の一等地にお店を出すなんて」
「そ、そうだね…」
「料理も上手だし社交的だし、強くてキレイでかっこよくて非の打ち所がない人ってああいう人のことを言うんですね」
「そ、そうだね…」
「師匠」
「な、なに?」
「好きなら好きって言わないと伝わりませんよ?」
「ふぐぁっは!!!」
「うおおお?!滝みたいな勢いで吐血したが?!エヴァ?!どした?!おい誰か料理に毒でも仕込んでんのか!!」
「滅相もございやせん!!」
「すみ、すみませ…あまりの美味しさに胃が爆散しただけです」
それはそれで普通に心配するぞ。
「そうだ師匠。開店祝いに花を買ってきましょうよ。ね?それがいいですよ」
「へ?え、お花屋さんは店員さんと話さないといけないから無理ランキング上位だから無理…」
「行くって行ってるでしょいいから来い食用不可キノコ!!」
「ひいいいい食用不可キノコですっ!!」
首根っこ掴まれて引きずられてった
気を遣わせたかな。
「では、私も腹ごなしに散歩してきます。ごちそうさまでした」
と、アルティも店を出ていった。
「なんだァ?変な奴だな」
「リコリスさん、オープンの日程についてなのですが」
「ああ、はいはい」
ともあれ、こんな感じでトントンと話は進んでいったのでした。
……あ、コーヒー出してなくてカフェって変じゃね?
――――――――
「まったく。師匠は肝心なとき以外ヘタレなんですから」
花屋で花を選んでる最中のこと、サリーナは遠慮なく私を罵倒した。
「さっきも言いましたけど、好きなら好きって言わないと伝わんないですよ。リコリスさんとてもいい人ですけど、あれで鈍感なところは鈍感っぽいし」
「べ、べつに好きとかじゃ…」
「じゃあ好きじゃないんですか?」
弟子が意地悪で、むむむ…と頬を膨らませて睨みつける。
好きかそうじゃないかなんて、そんなのわからない…
だってこんな気持ちになったのなんて初めてだから。
ただ、リコリスちゃんを思うとひたすらに顔が熱くなった。
「少なくとも私は、師匠に弟子入りして五年…師匠のそんな女らしい顔は初めて見ましたよ」
「お、女らしい…?へへ、へへへ…」
「自己肯定感低すぎて褒められの耐性がゴミ…」
弟子が辛辣すぎる…
「で?どうするんですか?」
「どうするって…」
「好きって伝えるくらい普通のことですよ。というより、リコリスさんの仲間の皆さんは、そういう感情で傍にいるんだと思いますけど」
「ええ。そのとおりですよ」
「ひゃう?!!アア、あ、アルティ…ちゃん…?なんでここに…」
「あからさまに様子がおかしかったので。友人を気遣おうとしただけです」
「ゆ、友人…エヘ、エヘヘへヘ…」
「師匠に友人が出来て私は正直泣きそうです」
重ねて弟子が辛辣すぎる…
え?本当に尊敬してるよね…?
近くの店に入り紅茶を嗜みながら雑談を。
アルティちゃんは、
「お互い度し難い女に惚れましたね」
と話を切り出した。
「いや、あの、惚れたとかそういうのじゃ…」
「わかりますよ。リコは特別女性にモテますし。この数ヶ月は特に顕著です。リコの真の魅力に当てられた者だけが、今リコの傍にいるんですから」
「アルティさん、変なことを訊いてもいいですか?」
「何なりと」
「皆さんは、リコリスさんに恋愛感情を抱いて一緒にいるんですよね?」
「ええ。と言ってもマリアとジャンヌは年齢上、恋愛感情というより親愛や友愛に近しいものでしょうけど。そう遠くない未来、きっと恋心を自覚するでしょう」
まるで預言者みたいにアルティちゃんは言い切って、それからクスッと口角を上げた。
「みんながみんな一人の同じ女性を愛して、それで仲良く旅が出来るのか…そう訊きたいんでしょう?」
「は、はい。あ、リコリスさんが女の人を誑かす性悪とか、そう思ってるわけじゃないんです!」
「いえ、女性なら誰彼構わずナンパするし軽薄だし基本的に下半身で物事を考えていますし性欲は人一倍なので性悪以上にどうしようもないクズなのは間違いありません」
す、すごい言いよう…
え?本当に好きなんだよね…?
アンノウンも真っ青の目してるけど…
「ですが、それでも私たちはリコを愛しているんです」
「……!」
素直に。いいな、と思った。
余計な言葉は無くて、だけど真っ直ぐに伝わってきた。
リコリスちゃんのことを話すアルティちゃんが、あまりにも可愛くて。
「というわけなので、リコに思いを伝えようとするのを止める者はいません。存分にどうぞ」
「どどど、どうぞって言われても…どうしよう…」
「そうだ師匠、アルティさんを相手に告白の練習をしてみるっていうのはどうで――――息をしてない」
「――――――――」
なにを言い出すんだこの弟子はと、私は床に手を組んで倒れた。
「気を取り直して。はい、どうぞ」
「何故…」
「こちらのセリフすぎる気はしますが…。まあ、告白の練習になるというなら」
「こ、こくは、う゛ぉええええええ!!」
「盛大に吐いたんですがこれ無理では?」
「大丈夫です師匠は日に二、三回は日常と将来への不安で吐いてるので!さ、続きを!」
弟子が…
気は進まないけど…やらなきゃリコリスちゃんにも伝えられない気がする…
よ、よし、やるぞ…
好きって言うだけ…言うだけ…
「す、すす」
「いいですよ一文字目まで言えましたその調子です」
「判定が甘くありませんか?」
「すっ、す…す…ふひ!エヘァ…」
「ニチャアって笑うのはダメっていつも言ってるでしょ気持ち悪い!!もう一回!!はい、す、き、で、す!」
好き…好き…
「す、すちっ、すすっ!!スケベしてくださいリコリスちゃん!!」
「頭蓋骨かっ開くぞバカ師匠!!!」
「リコはたぶん喜びますよ」
「えっ、じゃ、じゃあこれで…」
「いいわけあるかぁ!!」
ダメだ落ち着け深呼吸しろエヴァ=ベリーディース…
やれる私は奈落の大賢者と謳われる大魔法使いだ…
よっ、やれば出来る女!
将来性ある!
貯金多い!
親に仕送りしてる!
部屋キレイ!
よしいいぞ自己肯定感が高まってきた!
今なら、いける!
「す、好きです!リコリスちゃんのことが…大好きです!」
「はへぁ」
「はへぁ…って、へ?」
リコリス、ちゃん…?へ?なんで?
「リコ、どうしてここへ?」
「へ?いや、一通り話がまとまって解散ってなったからみんなを探してたんだけ、ど…。あっ、と…エヴァ…?」
「あ、えと、違うくて…いや、違わないんです、けど…あの…お、あぇ…~~~~~~~~!!」
「エヴァ、あの…」
「好っ…!しゅきでボロロロロロロロロロロ!!!」
羞恥と焦燥で今世紀一吐き散らかした。
リコリスちゃんの服にもかかったし…
どうか、どうか。
夢であってくださいお願いします…
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