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1章 転生早々、やらかしも
1-1 転生初日、確認大事
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―――新しい生というのは、そもそもどうなっているのか。
人でない身になるのならば、何かの卵か、あるいは普通に胎生のものから産まれるのかもしれない。
でも、実際に体験してみないと分からなかったが…
「そんな体験、全然わからなかったけど…とりあえず、確実に人じゃないなこれ」
転生先がどうなるのかわからなかったが、出てきた場所を見てどういう状況なのか分かった。
かなり高い木の、その葉っぱの上にしずくが落ちるようにして、ここに生まれ落ちたようだ。
見れば基本的には人の体に似たような感じで、転生特典というべきなのか素っ裸ではなく葉っぱのような布地でできた衣服を身に纏っている。
その辺にあった水滴で、自分の姿を映してみれば…そこには、小さな羽の生えた少年の姿があった。
ちょっと色白で、髪の色は金髪で目は青い。
かといってすごく外人寄りというわけではなく、整っている方の感じだろう。
ただ、背中の羽は鳥とか虫のものではなく、うすぼんやりとした実体のない感じがある。というか、全体的に薄く発光しているようにも見えるだろう。
「この状況を確認するための、異世界転生もののお約束といえば…『鑑定』とか?」
試しにちょっとぽつりとつぶやき、自分自身が何なのか確認してみると、お約束はしっかりと再現されていたらしい。
つぶやくと同時に目の前に映画とかで出るような、半透明のウィンドウのような画面が出現し、その中に今の自分に関しての詳細な情報が記載されていた。
―――
【鑑定結果】
対象種族:光妖精
名前:無し
スキル:「言語翻訳」「妖精魔法」「アイテムストレージ」「高速習得」「鑑定能力」
「光妖精」
妖精と呼ばれる種族の中で、光の加護を受けた希少な妖精。
その明かりは灯台の灯や希望の光のように、導く力を持つといわれている。
「言語翻訳」
異世界転生者に付属するスキルの一種。ありとあらゆる言語翻訳を任意で行うことが可能であり、見聞きするだけではなく、書く際にも自動でこの世界での文字の形へ修正が行われる。
「妖精魔法」
妖精だけが扱うことができる特殊な魔法、人や魔物が扱うものとは異なり、自然そのものから力を借りることができる。応用を重ねていけば、強力な魔法として扱うことが可能。
「アイテムストレージ」
いわゆる収納魔法の一種。生体反応がないものならば収納が可能であり、保存されたものの時間は停止するため腐るようなことはない。
「高速習得」
スキルの習得に対して、時間をさほどかけずに習得することが可能。
ただし、得るための努力などは必要である。
「鑑定能力」
『鑑定』の一言で、対象の情報を確認することが可能になるスキル。
ただし、本人が持つ知識の影響を受けるため、より詳しい鑑定をするには多くの知識を得ていく必要がある。
―――
ふむ…大体の内容を見ると、オーソドックスなものになっているらしい。
滅茶苦茶チートなものとかもあるかなと思ったが、一部努力などが必要になっているようで、人生をイージーモードにしてしまうのはないようだ。
まぁ、簡単すぎる人生というのも飽きが来るし、ある程度の苦難などが必要になるのは理解できるだろう。この世界を知るには、自ら動くほうが良いだろうし、そっちのほうが面白いと思うのもある。
そのため今は、まずは使える情報をどう処理していくか考えるのであった。
「…えーっと、妖精魔法ってこんな感じかな。ある程度想像したものを実現できるようだし…狙いを定めて『ライトレーザー』!!」
ちょっと周囲を飛翔して、まずは妖精魔法に関しての確認を行っていく。
まだこの世界での知識が少ないがゆえに、鑑定で開示できる情報は少ないが、多少の扱い方に関しては記載されており、さらに本能的に扱えそうなものであれば自然とその使い方が見えてくる。
そこでまずは、妖精魔法の中で光妖精なら光の魔法が良いかなと思い、この小さな体でも対応できる自衛手段を得ようと思って、攻撃的な妖精魔法を使用してみたが…ある程度の想像次第な部分があることが分かった。
レーザー光線のような光の妖精魔法を出してみたのだが、イメージとして光の束がまとめて撃ちだされる形を持っていたのと同じようなものになっている。
びゅんっという音共に、銃弾のように飛翔し、的としていた木の葉を打ち抜いた。
どのぐらいの出力が可能か試すと、打ち抜けないレベルから貫通、場合によっては光の熱で炎上させるなどの手段が取れるようだ。
また、まっすぐ飛ばすだけになるかと思ったが、軌道を曲げたりすることができるようで、空中で何もぶつかっていないはずなのに狙い通りの軌跡をたどって飛ぶこともできるらしい。
「うーん、威力もそこそこ調整可能…この妖精の指サイズの超小さなものから、サイズを超えるレベルのぶっといものも可能か…」
うまく工夫すれば、某有名な手から打ち出すエネルギー弾みたいなこともできそうだが、狙いを定めるイメージだと、指を拳銃のようにしてやった方が命中率が高い。
基本的に妖精側のほうの意思に左右されるのか…何も考えずに打つと途中で無産してしまうのもあった。
ある程度の使い勝手を試していたが、気が付けば日が落ちてきており、少しだけ周囲が薄暗くなってきた様子。
ただ、光妖精としての能力なので、自身がちょっと発光しているので、暗闇に閉じ込められることはないだろう。
「でも、真夜中光っていたら、変な肉食獣とかに狙われやすくもあるかな…ちょっと調節できないかな?」
試しに体に力を入れたり抜いたりして確認してみたところ、発光量も多少は調節が効くことが分かった。
考えたら、寝る時まで光っていたら寝にくいもんな…オンオフが自分で切り替えられなければ、寝不足の光妖精が大量発生しそうではある。
なので本日は、ここらへんでいったん自分の確認に区切りをつけ、手ごろな葉っぱの上を寝床にして、睡眠をとることにしたのであった…
「…あ、ちょっとお腹減ってきたかも。こりゃ、朝一で食べられるもの探したほうが良いかな?」
自分の名前もそこでさっさと決めたほうがよさそうかな…今のところまだ誰にも出会っていないが、もし人と遭遇した時に名前がない状態だと双方ともに呼びづらいのもある。
そもそも、この世界に人間はいるのか。いたとしても妖精は人とはどういう立ち位置で触れられるのか、わかっていない部分も多いし、慎重に探っていくか…
人でない身になるのならば、何かの卵か、あるいは普通に胎生のものから産まれるのかもしれない。
でも、実際に体験してみないと分からなかったが…
「そんな体験、全然わからなかったけど…とりあえず、確実に人じゃないなこれ」
転生先がどうなるのかわからなかったが、出てきた場所を見てどういう状況なのか分かった。
かなり高い木の、その葉っぱの上にしずくが落ちるようにして、ここに生まれ落ちたようだ。
見れば基本的には人の体に似たような感じで、転生特典というべきなのか素っ裸ではなく葉っぱのような布地でできた衣服を身に纏っている。
その辺にあった水滴で、自分の姿を映してみれば…そこには、小さな羽の生えた少年の姿があった。
ちょっと色白で、髪の色は金髪で目は青い。
かといってすごく外人寄りというわけではなく、整っている方の感じだろう。
ただ、背中の羽は鳥とか虫のものではなく、うすぼんやりとした実体のない感じがある。というか、全体的に薄く発光しているようにも見えるだろう。
「この状況を確認するための、異世界転生もののお約束といえば…『鑑定』とか?」
試しにちょっとぽつりとつぶやき、自分自身が何なのか確認してみると、お約束はしっかりと再現されていたらしい。
つぶやくと同時に目の前に映画とかで出るような、半透明のウィンドウのような画面が出現し、その中に今の自分に関しての詳細な情報が記載されていた。
―――
【鑑定結果】
対象種族:光妖精
名前:無し
スキル:「言語翻訳」「妖精魔法」「アイテムストレージ」「高速習得」「鑑定能力」
「光妖精」
妖精と呼ばれる種族の中で、光の加護を受けた希少な妖精。
その明かりは灯台の灯や希望の光のように、導く力を持つといわれている。
「言語翻訳」
異世界転生者に付属するスキルの一種。ありとあらゆる言語翻訳を任意で行うことが可能であり、見聞きするだけではなく、書く際にも自動でこの世界での文字の形へ修正が行われる。
「妖精魔法」
妖精だけが扱うことができる特殊な魔法、人や魔物が扱うものとは異なり、自然そのものから力を借りることができる。応用を重ねていけば、強力な魔法として扱うことが可能。
「アイテムストレージ」
いわゆる収納魔法の一種。生体反応がないものならば収納が可能であり、保存されたものの時間は停止するため腐るようなことはない。
「高速習得」
スキルの習得に対して、時間をさほどかけずに習得することが可能。
ただし、得るための努力などは必要である。
「鑑定能力」
『鑑定』の一言で、対象の情報を確認することが可能になるスキル。
ただし、本人が持つ知識の影響を受けるため、より詳しい鑑定をするには多くの知識を得ていく必要がある。
―――
ふむ…大体の内容を見ると、オーソドックスなものになっているらしい。
滅茶苦茶チートなものとかもあるかなと思ったが、一部努力などが必要になっているようで、人生をイージーモードにしてしまうのはないようだ。
まぁ、簡単すぎる人生というのも飽きが来るし、ある程度の苦難などが必要になるのは理解できるだろう。この世界を知るには、自ら動くほうが良いだろうし、そっちのほうが面白いと思うのもある。
そのため今は、まずは使える情報をどう処理していくか考えるのであった。
「…えーっと、妖精魔法ってこんな感じかな。ある程度想像したものを実現できるようだし…狙いを定めて『ライトレーザー』!!」
ちょっと周囲を飛翔して、まずは妖精魔法に関しての確認を行っていく。
まだこの世界での知識が少ないがゆえに、鑑定で開示できる情報は少ないが、多少の扱い方に関しては記載されており、さらに本能的に扱えそうなものであれば自然とその使い方が見えてくる。
そこでまずは、妖精魔法の中で光妖精なら光の魔法が良いかなと思い、この小さな体でも対応できる自衛手段を得ようと思って、攻撃的な妖精魔法を使用してみたが…ある程度の想像次第な部分があることが分かった。
レーザー光線のような光の妖精魔法を出してみたのだが、イメージとして光の束がまとめて撃ちだされる形を持っていたのと同じようなものになっている。
びゅんっという音共に、銃弾のように飛翔し、的としていた木の葉を打ち抜いた。
どのぐらいの出力が可能か試すと、打ち抜けないレベルから貫通、場合によっては光の熱で炎上させるなどの手段が取れるようだ。
また、まっすぐ飛ばすだけになるかと思ったが、軌道を曲げたりすることができるようで、空中で何もぶつかっていないはずなのに狙い通りの軌跡をたどって飛ぶこともできるらしい。
「うーん、威力もそこそこ調整可能…この妖精の指サイズの超小さなものから、サイズを超えるレベルのぶっといものも可能か…」
うまく工夫すれば、某有名な手から打ち出すエネルギー弾みたいなこともできそうだが、狙いを定めるイメージだと、指を拳銃のようにしてやった方が命中率が高い。
基本的に妖精側のほうの意思に左右されるのか…何も考えずに打つと途中で無産してしまうのもあった。
ある程度の使い勝手を試していたが、気が付けば日が落ちてきており、少しだけ周囲が薄暗くなってきた様子。
ただ、光妖精としての能力なので、自身がちょっと発光しているので、暗闇に閉じ込められることはないだろう。
「でも、真夜中光っていたら、変な肉食獣とかに狙われやすくもあるかな…ちょっと調節できないかな?」
試しに体に力を入れたり抜いたりして確認してみたところ、発光量も多少は調節が効くことが分かった。
考えたら、寝る時まで光っていたら寝にくいもんな…オンオフが自分で切り替えられなければ、寝不足の光妖精が大量発生しそうではある。
なので本日は、ここらへんでいったん自分の確認に区切りをつけ、手ごろな葉っぱの上を寝床にして、睡眠をとることにしたのであった…
「…あ、ちょっとお腹減ってきたかも。こりゃ、朝一で食べられるもの探したほうが良いかな?」
自分の名前もそこでさっさと決めたほうがよさそうかな…今のところまだ誰にも出会っていないが、もし人と遭遇した時に名前がない状態だと双方ともに呼びづらいのもある。
そもそも、この世界に人間はいるのか。いたとしても妖精は人とはどういう立ち位置で触れられるのか、わかっていない部分も多いし、慎重に探っていくか…
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