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秋の訪れで章
143話
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午後になり、授業が終了し、学生たちがそれぞれ放課後をは楽しむ中‥‥‥
「そーれそーれ!『ライトレイン』!」
バルション学園長が魔法を唱え、校庭近くに設置されている訓練場内に、大量の光の雨が降り注いだ。
それも、ただの光の雨ではない。
光が持つ圧力を圧縮し、よく光魔法と言えば聞くような「焼く」ものではなく、「潰す」「叩く」といった物理的な光の雨であった。
ズドドドドドドドドドド!!
「「「ぎやぁぁぁぁあああああああああ!!」」」
降り注がれる光の雨によって地面が揺れ動き、、ルースたちはそれぞれ必死に防御を固めながらも悲鳴を上げる。
本日の学園長の特訓だが…‥‥どうも今日は防御を徹底的に鍛え上げる目的があるらしい。
だが、この様子では防ぐ前に全滅がありそうだとルースたちは思えた。
「絶対これ以上無理なんだけど!?威力がシャレになっていないじゃん!!」
「水で鏡を作って反射しても、そのうち貫いてきているのはどういうわけよ!!」
「二人ともまだ光を反射できるのは良いけど、こちらは扱えるのが炎なんだぞ!!焼き尽くしても焼き尽くしても降ってくるんだよ!!」
光の豪雨にさらされつつ、ルースたちは必死に逃げ回り、魔法で防ぎ、反撃を試みるが成功しない。
「こうなれば奥の手『精霊化』!」
体が金色に輝くように透き通り、実体はうやむやな精霊状態へルースは変化する。
この姿であれば、ある程度はしのげるとルースは考えたが‥‥‥
「あまーい、そう砂糖たっぷりクリームよりも甘い手段でーす!『ライトレーザ(極太)』!」
ルースの考えを見透かしたように、学園長が別の魔法を展開させた。
それは超極太になった光の束であり、一気に集中砲火をルースは喰らう。
ズドン!!
「ぐえっ!?」
半実体の状態とはいえ、精霊状態は無敵というわけではない。
なんというか、ほぼ力業によって、学園長は光の圧力で押してきたのである。
そのまま勢いよく地面にルースは叩きつけられる。
ドシィィィン!!
「ぐふっつ!」
ギリギリ受け身を取ったが、それでもダメージは大きかった。
このままでは体が持たないので、一旦精霊化状態をルースは解除する。
「『ライトストーム』!!」
押しつけられる光の束に対して、ルースは押しのけるための魔法を発動させた。
光の竜巻がルースの正面から発生し、学園長からの光の束と衝突する。
「ほー、なーかなかやーるようになったじゃないのー」
とっさに取ったルースの行動に、学園長は感心するような声をだす。
と、その時であった。
…‥‥ズボボボボボボボボボボボボボボボボ…‥‥
「ん?」
「なーんだ?」
ふと、なにやら妙な振動音が周囲に響いてきた。
何なのか疑問に思い、ルースたちは周囲を見渡し、警戒する。
振動音にしては、なにかこう、水を勢いよく噴き出すホースのような、そんな変な音で会ったが…‥‥
「んん?あ!?」
「どうしたレリア?」
「る、ルース、時計塔の方を見てみろ!」
レリアが何かに気が付き、皆で時計塔の方へ顔を向けた。
この都市メルドランのシンボルでもある巨大時計塔ベルビックン。
その時計塔は今日も時を告げているのだが、そのてっぺんから何かが垂れており、時計塔を覆いつくそうとしていた。
「なんじゃありゃ!?」
例えで言うなればチョコのコーティングを見ているような感じだが、される対象が時計塔で、描けている存在なのはチョコではなく不気味な色をした謎の液体であった。
てっぺんから噴水のように噴き出しており、それがあふれ出して時計塔伝いに下へ降りているようなのである。
「って、あの色合い…‥‥どう見たってフェイカー製のじゃん!!」
その謎の液体の色は、ルースたちも何度か遭遇している反魔導書組織フェイカーのものだと断言できる不気味なもの。
それが、どういうわけか時計塔から湧き出しており、どんどん地上へ近づいていた。
ここで思い出すのは、去年の液体事件。
あれは誰かがフェイカー製のマジックアイテムを使用して、噴き出たスライムのようなものであったが‥‥‥2度も同じような事件をあの組織が行うだろうか?
いや、行うだろう。対策を立てていたとしても、その裏をかく可能性があるのだ。
何にせよ、このまま傍観するわけにもいくまい。
あの液体事件の時は、ありとあらゆる生きとし生けるものを切断しようと液体が形状変化して襲い掛かってきたりもした。
今回は少々異なるかもしれないが、それでも人に害をなす可能性は大きい。
「ふーむ、訓練は一旦中止!直ちにアレの対処にあーたるわ!」
「「「了解!」」」
学園長の言葉に、ルースたちはさっと動き出す。
今ここに、再び都市メルドランに大騒動が勃発するのであった‥‥‥‥
「そーれそーれ!『ライトレイン』!」
バルション学園長が魔法を唱え、校庭近くに設置されている訓練場内に、大量の光の雨が降り注いだ。
それも、ただの光の雨ではない。
光が持つ圧力を圧縮し、よく光魔法と言えば聞くような「焼く」ものではなく、「潰す」「叩く」といった物理的な光の雨であった。
ズドドドドドドドドドド!!
「「「ぎやぁぁぁぁあああああああああ!!」」」
降り注がれる光の雨によって地面が揺れ動き、、ルースたちはそれぞれ必死に防御を固めながらも悲鳴を上げる。
本日の学園長の特訓だが…‥‥どうも今日は防御を徹底的に鍛え上げる目的があるらしい。
だが、この様子では防ぐ前に全滅がありそうだとルースたちは思えた。
「絶対これ以上無理なんだけど!?威力がシャレになっていないじゃん!!」
「水で鏡を作って反射しても、そのうち貫いてきているのはどういうわけよ!!」
「二人ともまだ光を反射できるのは良いけど、こちらは扱えるのが炎なんだぞ!!焼き尽くしても焼き尽くしても降ってくるんだよ!!」
光の豪雨にさらされつつ、ルースたちは必死に逃げ回り、魔法で防ぎ、反撃を試みるが成功しない。
「こうなれば奥の手『精霊化』!」
体が金色に輝くように透き通り、実体はうやむやな精霊状態へルースは変化する。
この姿であれば、ある程度はしのげるとルースは考えたが‥‥‥
「あまーい、そう砂糖たっぷりクリームよりも甘い手段でーす!『ライトレーザ(極太)』!」
ルースの考えを見透かしたように、学園長が別の魔法を展開させた。
それは超極太になった光の束であり、一気に集中砲火をルースは喰らう。
ズドン!!
「ぐえっ!?」
半実体の状態とはいえ、精霊状態は無敵というわけではない。
なんというか、ほぼ力業によって、学園長は光の圧力で押してきたのである。
そのまま勢いよく地面にルースは叩きつけられる。
ドシィィィン!!
「ぐふっつ!」
ギリギリ受け身を取ったが、それでもダメージは大きかった。
このままでは体が持たないので、一旦精霊化状態をルースは解除する。
「『ライトストーム』!!」
押しつけられる光の束に対して、ルースは押しのけるための魔法を発動させた。
光の竜巻がルースの正面から発生し、学園長からの光の束と衝突する。
「ほー、なーかなかやーるようになったじゃないのー」
とっさに取ったルースの行動に、学園長は感心するような声をだす。
と、その時であった。
…‥‥ズボボボボボボボボボボボボボボボボ…‥‥
「ん?」
「なーんだ?」
ふと、なにやら妙な振動音が周囲に響いてきた。
何なのか疑問に思い、ルースたちは周囲を見渡し、警戒する。
振動音にしては、なにかこう、水を勢いよく噴き出すホースのような、そんな変な音で会ったが…‥‥
「んん?あ!?」
「どうしたレリア?」
「る、ルース、時計塔の方を見てみろ!」
レリアが何かに気が付き、皆で時計塔の方へ顔を向けた。
この都市メルドランのシンボルでもある巨大時計塔ベルビックン。
その時計塔は今日も時を告げているのだが、そのてっぺんから何かが垂れており、時計塔を覆いつくそうとしていた。
「なんじゃありゃ!?」
例えで言うなればチョコのコーティングを見ているような感じだが、される対象が時計塔で、描けている存在なのはチョコではなく不気味な色をした謎の液体であった。
てっぺんから噴水のように噴き出しており、それがあふれ出して時計塔伝いに下へ降りているようなのである。
「って、あの色合い…‥‥どう見たってフェイカー製のじゃん!!」
その謎の液体の色は、ルースたちも何度か遭遇している反魔導書組織フェイカーのものだと断言できる不気味なもの。
それが、どういうわけか時計塔から湧き出しており、どんどん地上へ近づいていた。
ここで思い出すのは、去年の液体事件。
あれは誰かがフェイカー製のマジックアイテムを使用して、噴き出たスライムのようなものであったが‥‥‥2度も同じような事件をあの組織が行うだろうか?
いや、行うだろう。対策を立てていたとしても、その裏をかく可能性があるのだ。
何にせよ、このまま傍観するわけにもいくまい。
あの液体事件の時は、ありとあらゆる生きとし生けるものを切断しようと液体が形状変化して襲い掛かってきたりもした。
今回は少々異なるかもしれないが、それでも人に害をなす可能性は大きい。
「ふーむ、訓練は一旦中止!直ちにアレの対処にあーたるわ!」
「「「了解!」」」
学園長の言葉に、ルースたちはさっと動き出す。
今ここに、再び都市メルドランに大騒動が勃発するのであった‥‥‥‥
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