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冬休みの騒動で章
81話
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火山噴火に大地震。
寒いはずの冬なのに、気温上昇で一部地域で夏日。
「・・・・・・これ、どうなってるんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その報告を聞き、思わずその者はそう叫んだ。
彼の名前はアーズ=バルモ=バハーム。
グレイモ王国やルンブル王国よりやや西の方にあるバハーム王国の、即位したての若き国王であった。
「そ、そうは言われましても・・・・なにやらここより東側にあるはずの休火山地帯、そのあたりで3日前から何やら急激な気温上昇が起き、その影響が我が国にでているようでありまして・・・・・」
アーズ国王の叫びに、彼の重臣である宰相モンブは汗を拭きながらそう答えた。
「いやいやいやいや!!いくら何でもおかしゅうないかこれ!?思いっきり夏日どころか砂漠地帯の気温になっているエリアもあるんやで!?」
「原因としては、どうもあの地域が活性化・・・・もしくは、何か高温で暴れまわっているがゆえに起きた異常気象だと思われるのですが・・・・何分、調査をしようとしたら光線や溶岩、火山からの飛んでくる石、高温過ぎて白さを超えた炎などがバンバン流れてくるようでして、調査は難航しているんです」
つまり、原因は今のところ不明なのだが、物凄い異常気象が起きているよだというのは理解できた。
「なんで国王になってから3年も経過せぬうちにこうなるんや・・・・・・いや本当に、ようやく国政が落ち着いてきたところだと言うんにな」
はぁっと溜息を吐き、アーズ国王は頭を抱えた。
・・・・・このバーハム王国、実は数年前まで王位継承権争いが激化していた国であった。
何しろ、当時の国王がなんというかすごい色欲の塊であり、王子王女合わせて100名以上いたのである。
そんな中でもアーズ国王は当時、第67王子ぐらいの地位にいたのだが、彼は自分が国王になれるわけないだろうと思い、学業に励み、どこか適当な辺境の地にでも行って過ごそうかと考えていたほどである。
だがしかし、そうはあっさりことは済まなかった。
どうもアーズを除く兄や弟、姉、妹たちはどういうわけか腐っていたところがあるようで、皆欲の塊といっておかしくはなかった。
そして、それぞれ次期国王、もしくは女王となるために権力争いし、互いに削り合っていたのである。
で、その肝心の当時の国王はまだ権力にしがみついており、王太子も決めず、まだまだこの座は渡さないと頑として言い張っていた。
それに業を煮やした他の王子や王女たちは、思い切ってまずは国王を排除し、その後は自分たちで権力を握るために互いに全力で争う姿勢でいたのだが・・・・・
‥‥‥馬鹿というべきか、それともそこまで頭が回らなかったのだろうか。
アーズが気が付いたときには、既に兄弟姉妹や国王は全員なんやかんやあって亡き者になってしまった。
「なんやかんやって、何があったんや!?」
「それが、毒殺、絞殺、刺殺、呪殺、魔法殺など様々でして・・・・・で、貴方様しか残っていないんですよぉぉぉぉぉ!!」
どうやら全員それぞれバカ過ぎたがゆえに全員それぞれの罠にはまって、皆仲良く逝ってしまったのである。
泣きついて説明してきた者に対して、思わずアーズはそんな馬鹿たちに面倒事を押しつけられたような気がして、呪いたくなった。
その為、必然的にというか、ほぼ強制的にアーズが残った王家の血筋の者として即位させられ、その時泣きついて説明してきたモンブが宰相となり、何とか混乱する国を治めて、ようやく今頃落ち着いてきたのである。
一応、反乱などが起きなかったのはアーズの方に人徳があって、あの腐れ切った者たちよりも100万倍はマシだという支持者たちが多かったからであろう。
だがしかし、ようやく落ち着いてきた時に・・・・・突然の異常気象である。
「休火山地帯・・・・待てよ?確かあそこは数十、いや数百年前から火竜とか言うモンスターが住み着いておるところじゃなかったかいな?」
ふと、原因を考えていると学業を学んでいた時についでに周囲の地理・歴史についても学んでいたので、その時の知識をアースは思い出した。
「えっと・・・・ええ、確かにそのようです。数百年ほど前に住み着いたモンスターのようで、ドラゴン系の強大な力を持つがゆえに、迂闊に刺激しないようにという不文律があったようです」
アーズ国王の言葉に、宰相ブモンは素早く歴史書などを取り出し、返答した。
「となると、気温の急激な上昇という事は何や、その火竜っちゅーうのが暴れとるんやないか?」
「その可能性はありますね・・・・となれば、暴れている理由は何でしょうか?」
宰相ブモンはその回答が分からず、首をかしげた。
「モンスターっちゅうんは、確かに人を襲うもんもあるのやけど、火竜は襲うことはせずに、基本的に着たら徹底的に迎撃するはずや。つまり、何処ぞやの阿呆がやらかして激怒しておるんか、もしくは縄張り争いが起きたんやろうな・・・・・異常が起き始めて3日、それだけの間長続きをしているっちゅうことは、それだけ相手も強いんやろう」
「で、ではどうすれば!」
「おちつけっちゅーねん。確かに、強大な者同士が戦闘しておる場合、その影響は当人たちが思っておる以上にでかく出る。だがしかし、逆を言えばそれだけ力が強すぎる者同士がゆえに、長続きしてしまい過ぎることはないと思うで。つまり、見積もってもあと4日以内には何とか収まるやろうな」
「な、なるほど!」
アーズ国王の推測に、宰相ブモンは目を輝かせて納得する。
つまり、こちら側で迂闊に動かなければ、あと数日以内には自然に収まるはずだというのだ。
「ま、問題なのはその期間の間中この国が迷惑こうむることなんやけど・・・・・・となれば、いっその事水色の魔導書を持つ者たちを呼び寄せ、何とか国全体を冷やしてもらうのがええやろ。まったくなんちゅう面倒事を引き起こしてくれとんじゃぁぁぁ!!」
どうにかなる案は思い浮かんだものの、対策の面倒さやその人件費などを考え、思わずいら立ってアーズは叫ぶのであった。
一方、休火山地帯では以前のような状態ではなくなっていた。
山がいくつかあったのに噴火で上部が吹っ飛んだり、その地で暴れているモンスター2体の攻撃のとばっちりを受けて消し飛んだりしており、地面はあまりの高温に、一部融解もしていた。
【ふぅっ、なかなか熱い状況になってきたでありますな!】
周囲の気温が上昇し、暖まってきたことで気分が向上してきた火竜。
それに対峙する大きな九尾の狐のモンスター・・・・・タキは汗だくだった。
【あ、あつぅぅぅ・・・・・お主と戦うと本当に暑いのぅ。まぁ、良いダイエットにもなるかのぅ?】
余裕そうにふるまうのだが、全員が毛皮なので物凄く暑く、人の姿をとればおそらく滝のように汗が噴き出ているであろう。
戦闘が続き、周囲の状況が変わるにつれて、明らかに形成は火竜の方が上になっていった。
【じゃがしかし、久し振りに大暴れをしたおかげで十分スッキリしてきたのぅ。やっぱり、こういう戦闘もたまにはやったほうが良いのじゃろうか?】
【ま、そうでありますな。暴れたおかげで、なんだかいい感じに周囲がぼこぼこ溶岩噴き出たりして過ごしやすくなってきたであります!さぁ、もうそろそろ互いに力もだいぶ削ったし、決着をつけるでありますよ!!】
空中で構えを取り、手を招いて挑発する火竜。
【うむ!!望むところじゃぁぁぁぁ!!】
その挑発にあえてのり、やる気を上げるタキ。
彼女達はこの戦闘で血潮が燃え、血沸き肉躍るほど興奮していたのだが・・・・・・すでに、その影響がかなり広範囲に広がってしまったことなど、考えていないのであった。
熱くなりすぎて、周りが見えていない状況とでもいうべきであろう。
後に、この戦闘によってさらに山がいくつか消し飛び、地面がえぐれたり溶岩の海になってしまうのだが・・・・・その事に気が付くのは、あと2日と数時間後のことであった。
寒いはずの冬なのに、気温上昇で一部地域で夏日。
「・・・・・・これ、どうなってるんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その報告を聞き、思わずその者はそう叫んだ。
彼の名前はアーズ=バルモ=バハーム。
グレイモ王国やルンブル王国よりやや西の方にあるバハーム王国の、即位したての若き国王であった。
「そ、そうは言われましても・・・・なにやらここより東側にあるはずの休火山地帯、そのあたりで3日前から何やら急激な気温上昇が起き、その影響が我が国にでているようでありまして・・・・・」
アーズ国王の叫びに、彼の重臣である宰相モンブは汗を拭きながらそう答えた。
「いやいやいやいや!!いくら何でもおかしゅうないかこれ!?思いっきり夏日どころか砂漠地帯の気温になっているエリアもあるんやで!?」
「原因としては、どうもあの地域が活性化・・・・もしくは、何か高温で暴れまわっているがゆえに起きた異常気象だと思われるのですが・・・・何分、調査をしようとしたら光線や溶岩、火山からの飛んでくる石、高温過ぎて白さを超えた炎などがバンバン流れてくるようでして、調査は難航しているんです」
つまり、原因は今のところ不明なのだが、物凄い異常気象が起きているよだというのは理解できた。
「なんで国王になってから3年も経過せぬうちにこうなるんや・・・・・・いや本当に、ようやく国政が落ち着いてきたところだと言うんにな」
はぁっと溜息を吐き、アーズ国王は頭を抱えた。
・・・・・このバーハム王国、実は数年前まで王位継承権争いが激化していた国であった。
何しろ、当時の国王がなんというかすごい色欲の塊であり、王子王女合わせて100名以上いたのである。
そんな中でもアーズ国王は当時、第67王子ぐらいの地位にいたのだが、彼は自分が国王になれるわけないだろうと思い、学業に励み、どこか適当な辺境の地にでも行って過ごそうかと考えていたほどである。
だがしかし、そうはあっさりことは済まなかった。
どうもアーズを除く兄や弟、姉、妹たちはどういうわけか腐っていたところがあるようで、皆欲の塊といっておかしくはなかった。
そして、それぞれ次期国王、もしくは女王となるために権力争いし、互いに削り合っていたのである。
で、その肝心の当時の国王はまだ権力にしがみついており、王太子も決めず、まだまだこの座は渡さないと頑として言い張っていた。
それに業を煮やした他の王子や王女たちは、思い切ってまずは国王を排除し、その後は自分たちで権力を握るために互いに全力で争う姿勢でいたのだが・・・・・
‥‥‥馬鹿というべきか、それともそこまで頭が回らなかったのだろうか。
アーズが気が付いたときには、既に兄弟姉妹や国王は全員なんやかんやあって亡き者になってしまった。
「なんやかんやって、何があったんや!?」
「それが、毒殺、絞殺、刺殺、呪殺、魔法殺など様々でして・・・・・で、貴方様しか残っていないんですよぉぉぉぉぉ!!」
どうやら全員それぞれバカ過ぎたがゆえに全員それぞれの罠にはまって、皆仲良く逝ってしまったのである。
泣きついて説明してきた者に対して、思わずアーズはそんな馬鹿たちに面倒事を押しつけられたような気がして、呪いたくなった。
その為、必然的にというか、ほぼ強制的にアーズが残った王家の血筋の者として即位させられ、その時泣きついて説明してきたモンブが宰相となり、何とか混乱する国を治めて、ようやく今頃落ち着いてきたのである。
一応、反乱などが起きなかったのはアーズの方に人徳があって、あの腐れ切った者たちよりも100万倍はマシだという支持者たちが多かったからであろう。
だがしかし、ようやく落ち着いてきた時に・・・・・突然の異常気象である。
「休火山地帯・・・・待てよ?確かあそこは数十、いや数百年前から火竜とか言うモンスターが住み着いておるところじゃなかったかいな?」
ふと、原因を考えていると学業を学んでいた時についでに周囲の地理・歴史についても学んでいたので、その時の知識をアースは思い出した。
「えっと・・・・ええ、確かにそのようです。数百年ほど前に住み着いたモンスターのようで、ドラゴン系の強大な力を持つがゆえに、迂闊に刺激しないようにという不文律があったようです」
アーズ国王の言葉に、宰相ブモンは素早く歴史書などを取り出し、返答した。
「となると、気温の急激な上昇という事は何や、その火竜っちゅーうのが暴れとるんやないか?」
「その可能性はありますね・・・・となれば、暴れている理由は何でしょうか?」
宰相ブモンはその回答が分からず、首をかしげた。
「モンスターっちゅうんは、確かに人を襲うもんもあるのやけど、火竜は襲うことはせずに、基本的に着たら徹底的に迎撃するはずや。つまり、何処ぞやの阿呆がやらかして激怒しておるんか、もしくは縄張り争いが起きたんやろうな・・・・・異常が起き始めて3日、それだけの間長続きをしているっちゅうことは、それだけ相手も強いんやろう」
「で、ではどうすれば!」
「おちつけっちゅーねん。確かに、強大な者同士が戦闘しておる場合、その影響は当人たちが思っておる以上にでかく出る。だがしかし、逆を言えばそれだけ力が強すぎる者同士がゆえに、長続きしてしまい過ぎることはないと思うで。つまり、見積もってもあと4日以内には何とか収まるやろうな」
「な、なるほど!」
アーズ国王の推測に、宰相ブモンは目を輝かせて納得する。
つまり、こちら側で迂闊に動かなければ、あと数日以内には自然に収まるはずだというのだ。
「ま、問題なのはその期間の間中この国が迷惑こうむることなんやけど・・・・・・となれば、いっその事水色の魔導書を持つ者たちを呼び寄せ、何とか国全体を冷やしてもらうのがええやろ。まったくなんちゅう面倒事を引き起こしてくれとんじゃぁぁぁ!!」
どうにかなる案は思い浮かんだものの、対策の面倒さやその人件費などを考え、思わずいら立ってアーズは叫ぶのであった。
一方、休火山地帯では以前のような状態ではなくなっていた。
山がいくつかあったのに噴火で上部が吹っ飛んだり、その地で暴れているモンスター2体の攻撃のとばっちりを受けて消し飛んだりしており、地面はあまりの高温に、一部融解もしていた。
【ふぅっ、なかなか熱い状況になってきたでありますな!】
周囲の気温が上昇し、暖まってきたことで気分が向上してきた火竜。
それに対峙する大きな九尾の狐のモンスター・・・・・タキは汗だくだった。
【あ、あつぅぅぅ・・・・・お主と戦うと本当に暑いのぅ。まぁ、良いダイエットにもなるかのぅ?】
余裕そうにふるまうのだが、全員が毛皮なので物凄く暑く、人の姿をとればおそらく滝のように汗が噴き出ているであろう。
戦闘が続き、周囲の状況が変わるにつれて、明らかに形成は火竜の方が上になっていった。
【じゃがしかし、久し振りに大暴れをしたおかげで十分スッキリしてきたのぅ。やっぱり、こういう戦闘もたまにはやったほうが良いのじゃろうか?】
【ま、そうでありますな。暴れたおかげで、なんだかいい感じに周囲がぼこぼこ溶岩噴き出たりして過ごしやすくなってきたであります!さぁ、もうそろそろ互いに力もだいぶ削ったし、決着をつけるでありますよ!!】
空中で構えを取り、手を招いて挑発する火竜。
【うむ!!望むところじゃぁぁぁぁ!!】
その挑発にあえてのり、やる気を上げるタキ。
彼女達はこの戦闘で血潮が燃え、血沸き肉躍るほど興奮していたのだが・・・・・・すでに、その影響がかなり広範囲に広がってしまったことなど、考えていないのであった。
熱くなりすぎて、周りが見えていない状況とでもいうべきであろう。
後に、この戦闘によってさらに山がいくつか消し飛び、地面がえぐれたり溶岩の海になってしまうのだが・・・・・その事に気が付くのは、あと2日と数時間後のことであった。
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