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学園1年目
30話
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『限定:東方の和菓子詰め合わせセット』とやらを買うために列に並び、30分ほど経過したところで、無事にルースとエルモアは購入することが出来た。
「エルモア先生、その量大変そうですけど・・・・・持ちましょうか?」
「おお、助かるかな。同居人の分も考えて4箱も購入したが、いささか手が重いしな」
一応、一箱分をおごってもらったというのもあるの、でルースはお礼も兼ねてエルモアの持っていた荷物を持ち、そのまま先生の家まで持っていくことにした。
味が落ちないうちに食べたほうが良いので、早めに運んだほうが味わえると考えての事でもある。
「にしても、先生の同居人って誰でしょうか?」
歩きながら、ふとルースはその質問をエルモアに尋ねた。
先ほど、エルモアの言葉に一人が好きだとかそういう意味合いのものがあったのだが、それなのに誰かと同居して住んでいるというのは、どこかおかしいような気がしたのだ。
「ん?まぁ、そうだな…‥‥人間ではないかな。かといって魔族でもないな」
「人でも魔族でもない?となれば、なにかペットでしょうかね?」
エルモアのそのあやふやな返答に、ルースは首を傾げた。
この世界の生物の大雑把な分け方は人間、モンスター、魔族である。
人間でも、魔族でもないとすればモンスターがいるだろうけど、その中に犬や猫のような物がおり、ペットとして飼われていたりもする。
なので、こういう生菓子を食べる辺りは猫のようなモンスターよりも、犬に近いモンスターのペット等がいるのではないだろうかと、ルースは思えた。
が、その発言にエルモアはくすりと笑った。
「くっ‥‥‥ふふふふ、いやペットじゃないけど、確かにそういう言い方も‥‥‥くふふふ」
何かツボにはまったようで、背中の羽が前に出し、それで口元を隠しながら笑うエルモア。
「どういうこと?」
「ま、来て、その目で見ればわかるかな?ヒントとしてはそうだな…‥‥ルース君よ、君も知っている者だろうな」
「?」
エルモアのそのヒントに、ルースは首をかしげたのであった。
「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!」
「エルゼ様‥‥‥首、俺っちの首を握りつぶさないで‥‥‥ぐふっつ」
その後方で、エルゼがルースとエルモアのやり取りを見て嫉妬し、そのうっぷん晴らしというか、自然と首を握りつぶされながら、息も絶え絶えにスアーンは何とか抑えようとしていたのであった。
歩くこと、十数分ほどでエルモアの家にルースたちは到着した。
都市平均的な一軒家だが、庭もあってなかなかいい物件のような気もする。
だがしかし、よく見ればところどころが少し欠けていたりと、そこそこの年月が経過しているような、中古物件のような気もした。
「ここがエルモア先生の家ですか‥‥‥学園から少し遠いですね」
グリモワール学園の方角を見て、ルースはそうつぶやいた。
とはいえ、別に不便な立地でもないようなので、悪くないところであろう。
「ああ、つい最近いわくつきで購入したから安かったかな」
「いわくつき!?」
どう考えても嫌な物件にしか見えなくなったんだが‥‥‥‥というか、この世界にもいわくつきの物件ってあるのか。
ああ、モンスターとかいるから、幽霊のような物が出てもおかしくはないのか。
「ま、あがっていくといいかな。ちょっと鍵を出してっと」
と、エルモアが懐から鍵を出して扉を開けようとした時であった。
【お、帰って来たかのぅ・・・・・・ん?】
扉が開き、中から女性が出てきた。
着物を着ており、その頭には特徴的な狐耳があり、その後ろからはいくつもの尻尾が…‥‥
「って、た、タキ?}
【‥‥‥召喚主殿!?】
その姿はタキの人の姿であり、思わずそうルースがいうと、タキの方もそう叫んだのであった‥‥‥
「・・・・・今何んと?」
「タキって言っていたようだが…‥‥誰だ?ってエルゼ様、その怒気はマジでヤバイ!!」
その後方で、一瞬にしてものすごい殺気と怒気を湧きあがらせたエルゼに対して、スアーンは腰を抜かしながらも止めようとした。
だがしかし、半分ちびったじょうたいでまともに止めることもできるわけがなく、駆けだしたエルゼを見ることしかスアーンはできなかったのであった。
「タキって、やはりルース君をたぶらかす女狐だったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
【のわぁぁぁぁっつ!?なんかものすごい勢いで何かがぁぁぁぁ!!】
「え、エルゼ!?なんでここに!?」
「ほぅ、生徒その2、エルゼさんもいたのかな。ま、気配はバレバレであったが‥‥‥」
「ルース君をたぶらかすのはこれか!!その体なのかぁぁぁぁぁ!!」
「エルゼストップ、ストップ!!ここ一応人目につく場所だからって、ちょっと!?」
【着物を脱がさないでほしいのじゃが!?ちょっ、色々見えて】
「これでたぶらかすのかぁぁぁぁ!!」
【あだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?尻尾や耳をもごうとするではないのじゃあぁぁぁぁぁ!!】
聞こえてきたカオスな状況に、スアーンはこっそり逃亡を図るのであった‥‥‥
「エルモア先生、その量大変そうですけど・・・・・持ちましょうか?」
「おお、助かるかな。同居人の分も考えて4箱も購入したが、いささか手が重いしな」
一応、一箱分をおごってもらったというのもあるの、でルースはお礼も兼ねてエルモアの持っていた荷物を持ち、そのまま先生の家まで持っていくことにした。
味が落ちないうちに食べたほうが良いので、早めに運んだほうが味わえると考えての事でもある。
「にしても、先生の同居人って誰でしょうか?」
歩きながら、ふとルースはその質問をエルモアに尋ねた。
先ほど、エルモアの言葉に一人が好きだとかそういう意味合いのものがあったのだが、それなのに誰かと同居して住んでいるというのは、どこかおかしいような気がしたのだ。
「ん?まぁ、そうだな…‥‥人間ではないかな。かといって魔族でもないな」
「人でも魔族でもない?となれば、なにかペットでしょうかね?」
エルモアのそのあやふやな返答に、ルースは首を傾げた。
この世界の生物の大雑把な分け方は人間、モンスター、魔族である。
人間でも、魔族でもないとすればモンスターがいるだろうけど、その中に犬や猫のような物がおり、ペットとして飼われていたりもする。
なので、こういう生菓子を食べる辺りは猫のようなモンスターよりも、犬に近いモンスターのペット等がいるのではないだろうかと、ルースは思えた。
が、その発言にエルモアはくすりと笑った。
「くっ‥‥‥ふふふふ、いやペットじゃないけど、確かにそういう言い方も‥‥‥くふふふ」
何かツボにはまったようで、背中の羽が前に出し、それで口元を隠しながら笑うエルモア。
「どういうこと?」
「ま、来て、その目で見ればわかるかな?ヒントとしてはそうだな…‥‥ルース君よ、君も知っている者だろうな」
「?」
エルモアのそのヒントに、ルースは首をかしげたのであった。
「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!」
「エルゼ様‥‥‥首、俺っちの首を握りつぶさないで‥‥‥ぐふっつ」
その後方で、エルゼがルースとエルモアのやり取りを見て嫉妬し、そのうっぷん晴らしというか、自然と首を握りつぶされながら、息も絶え絶えにスアーンは何とか抑えようとしていたのであった。
歩くこと、十数分ほどでエルモアの家にルースたちは到着した。
都市平均的な一軒家だが、庭もあってなかなかいい物件のような気もする。
だがしかし、よく見ればところどころが少し欠けていたりと、そこそこの年月が経過しているような、中古物件のような気もした。
「ここがエルモア先生の家ですか‥‥‥学園から少し遠いですね」
グリモワール学園の方角を見て、ルースはそうつぶやいた。
とはいえ、別に不便な立地でもないようなので、悪くないところであろう。
「ああ、つい最近いわくつきで購入したから安かったかな」
「いわくつき!?」
どう考えても嫌な物件にしか見えなくなったんだが‥‥‥‥というか、この世界にもいわくつきの物件ってあるのか。
ああ、モンスターとかいるから、幽霊のような物が出てもおかしくはないのか。
「ま、あがっていくといいかな。ちょっと鍵を出してっと」
と、エルモアが懐から鍵を出して扉を開けようとした時であった。
【お、帰って来たかのぅ・・・・・・ん?】
扉が開き、中から女性が出てきた。
着物を着ており、その頭には特徴的な狐耳があり、その後ろからはいくつもの尻尾が…‥‥
「って、た、タキ?}
【‥‥‥召喚主殿!?】
その姿はタキの人の姿であり、思わずそうルースがいうと、タキの方もそう叫んだのであった‥‥‥
「・・・・・今何んと?」
「タキって言っていたようだが…‥‥誰だ?ってエルゼ様、その怒気はマジでヤバイ!!」
その後方で、一瞬にしてものすごい殺気と怒気を湧きあがらせたエルゼに対して、スアーンは腰を抜かしながらも止めようとした。
だがしかし、半分ちびったじょうたいでまともに止めることもできるわけがなく、駆けだしたエルゼを見ることしかスアーンはできなかったのであった。
「タキって、やはりルース君をたぶらかす女狐だったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
【のわぁぁぁぁっつ!?なんかものすごい勢いで何かがぁぁぁぁ!!】
「え、エルゼ!?なんでここに!?」
「ほぅ、生徒その2、エルゼさんもいたのかな。ま、気配はバレバレであったが‥‥‥」
「ルース君をたぶらかすのはこれか!!その体なのかぁぁぁぁぁ!!」
「エルゼストップ、ストップ!!ここ一応人目につく場所だからって、ちょっと!?」
【着物を脱がさないでほしいのじゃが!?ちょっ、色々見えて】
「これでたぶらかすのかぁぁぁぁ!!」
【あだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?尻尾や耳をもごうとするではないのじゃあぁぁぁぁぁ!!】
聞こえてきたカオスな状況に、スアーンはこっそり逃亡を図るのであった‥‥‥
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