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学園1年目
28話
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‥‥‥とりあえず口が滑った発言は置いておいて、魔導書は口がないけど、咳払いする可能ような動作をし、ルースに改めて説明し始めた。
――――――ソモソモ「魔力」トハ、古今東西、アリトアラユル国カラ世界全テヲ廻ル大キナ流レソノモノヲ意味スル形無キ存在。ソノ流レガ留マリ、コノ世界ノ生キトシ生ケル全テノ体内二宿リ、魔導書ヲ持ツ者達ハ、魔力ヲ扱イ、魔法ヲ行使出来ルノダ。
つまり、例えでいうのであれば、魔力というのは大きな水流であり、大きな大河を形成しているような、形としては捉えにくい存在。
その存在から枝分かれして、小川のような小さな流れが、ありとあらゆる世界を流れている。
そして時折、その魔力の流れの一部がとどまり、より小さく細かくなっていき、最終的な終着点についたとき、そこに魔力を持った生物が世界に誕生したのだとか。
それ以来、この世界には魔力を持った人たちが出て、その魔力を元に、魔導書を叡智の儀式にて得た者たちは、魔法を扱えるのだとか。
ちなみに、魔導書がなくとも魔力はあるので、そのあたりの違いはより簡単に言い表すとすれば…‥‥
「魔導書を持つ人たちは、魔法を行使するために魔力を扱うためのスイッチがあるような人達。持っていない人たちは、魔力があれども扱うためのスイッチがないような人たちという事かな?」
――――――マァ、微妙ダガソレデイイカ。モット細カク言ウノナラバ、魔導書ハ、魔力ノ扱イ方ヲ体二刻ンデ覚エサセル、キッカケデモアロウ。
つまり、魔導書で魔力の扱い方‥‥‥この場合、魔法という事に関しての知識などを与えられることによって、人は初めて魔法が行使できるという事である。
ただし、魔導書がない人たちはその知識が与えられないので、魔法を扱えないと言ったところだろうか。
だがしかし、そうだとするならばなぜ叡智の儀式で、魔導書を持てる人と持てない人がいるのだろうか?
そうルースは思う。
そもそも、今まで確認されていない金色である己の魔導書も謎が多いし…‥‥
――――――ソノアタリノ質問ハ、今ノ主ニハ教エラレヌ。
ルースの心を読んだのか、質問される前に魔導書はそう言った。
まるで、誰かに制限を賭けられており、ルース自身の実力不足でいう事が出来ないように。
…‥‥とはいえ、これ以上質問するような内容をルースは思いつかなかった。それに、今はまだ必要もない。
ただ単に、どのような力で魔法を扱っているのかを知りたかっただけであり、またそのあたりについては自分の実力が魔導書に認められたころにでも聞けるだろうと思えたからである。
「そうか、それならもう良いかな?」
――――――アア、モウ朝二ナル。ヒサシブリ二話シタガ、疲レタノデ眠ル故、会話不可能二ナル。
どうやら、この会話もそう毎日できるものではないようだ。
次に話せる機会はいつになるのかはわからないが、今はただ、この時間の間付き合ってくれた魔導書に感謝をするしかないだろう。
「それじゃ、また今度話したい時に応答出来たらしてくれ」
――――――デキレバナ。ソウイエバモウ一ツ、オマケデイウナラバ主ヨ、前世ノ死因二魔力ガ関ワッテイル事ダケハ言ッテオコウ。
「…‥‥いやちょっとまて!?今なんて言った!?」
尋ねようとしたとたん、ルースは目覚めそう叫んだ。
最後に気になる言葉を、あの魔導書は残していった。
「『魔導書顕現』」
金色の魔導書を顕現させるが返事もなく、おそらくはあの夢の中だけでしか語れないようである。
謎が一つ減ったかと思いきや、更にどでかい謎の爆弾を投下されたような気分で、ルースは今一つスッキリしない朝を迎えたのであった‥‥‥
――――――ソモソモ「魔力」トハ、古今東西、アリトアラユル国カラ世界全テヲ廻ル大キナ流レソノモノヲ意味スル形無キ存在。ソノ流レガ留マリ、コノ世界ノ生キトシ生ケル全テノ体内二宿リ、魔導書ヲ持ツ者達ハ、魔力ヲ扱イ、魔法ヲ行使出来ルノダ。
つまり、例えでいうのであれば、魔力というのは大きな水流であり、大きな大河を形成しているような、形としては捉えにくい存在。
その存在から枝分かれして、小川のような小さな流れが、ありとあらゆる世界を流れている。
そして時折、その魔力の流れの一部がとどまり、より小さく細かくなっていき、最終的な終着点についたとき、そこに魔力を持った生物が世界に誕生したのだとか。
それ以来、この世界には魔力を持った人たちが出て、その魔力を元に、魔導書を叡智の儀式にて得た者たちは、魔法を扱えるのだとか。
ちなみに、魔導書がなくとも魔力はあるので、そのあたりの違いはより簡単に言い表すとすれば…‥‥
「魔導書を持つ人たちは、魔法を行使するために魔力を扱うためのスイッチがあるような人達。持っていない人たちは、魔力があれども扱うためのスイッチがないような人たちという事かな?」
――――――マァ、微妙ダガソレデイイカ。モット細カク言ウノナラバ、魔導書ハ、魔力ノ扱イ方ヲ体二刻ンデ覚エサセル、キッカケデモアロウ。
つまり、魔導書で魔力の扱い方‥‥‥この場合、魔法という事に関しての知識などを与えられることによって、人は初めて魔法が行使できるという事である。
ただし、魔導書がない人たちはその知識が与えられないので、魔法を扱えないと言ったところだろうか。
だがしかし、そうだとするならばなぜ叡智の儀式で、魔導書を持てる人と持てない人がいるのだろうか?
そうルースは思う。
そもそも、今まで確認されていない金色である己の魔導書も謎が多いし…‥‥
――――――ソノアタリノ質問ハ、今ノ主ニハ教エラレヌ。
ルースの心を読んだのか、質問される前に魔導書はそう言った。
まるで、誰かに制限を賭けられており、ルース自身の実力不足でいう事が出来ないように。
…‥‥とはいえ、これ以上質問するような内容をルースは思いつかなかった。それに、今はまだ必要もない。
ただ単に、どのような力で魔法を扱っているのかを知りたかっただけであり、またそのあたりについては自分の実力が魔導書に認められたころにでも聞けるだろうと思えたからである。
「そうか、それならもう良いかな?」
――――――アア、モウ朝二ナル。ヒサシブリ二話シタガ、疲レタノデ眠ル故、会話不可能二ナル。
どうやら、この会話もそう毎日できるものではないようだ。
次に話せる機会はいつになるのかはわからないが、今はただ、この時間の間付き合ってくれた魔導書に感謝をするしかないだろう。
「それじゃ、また今度話したい時に応答出来たらしてくれ」
――――――デキレバナ。ソウイエバモウ一ツ、オマケデイウナラバ主ヨ、前世ノ死因二魔力ガ関ワッテイル事ダケハ言ッテオコウ。
「…‥‥いやちょっとまて!?今なんて言った!?」
尋ねようとしたとたん、ルースは目覚めそう叫んだ。
最後に気になる言葉を、あの魔導書は残していった。
「『魔導書顕現』」
金色の魔導書を顕現させるが返事もなく、おそらくはあの夢の中だけでしか語れないようである。
謎が一つ減ったかと思いきや、更にどでかい謎の爆弾を投下されたような気分で、ルースは今一つスッキリしない朝を迎えたのであった‥‥‥
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