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卒業近いのになぜこうなるので章
294話
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…‥‥帝国でのごたごたも終わり、ルースたちはのんびりとしていた。
もう間もなく学園卒業の時となり、爵位授与、結婚式とラッシュが来るのだが、そのための準備はもうほぼ終わったのだ。
そして残すところがあるとすれば‥‥‥‥
【ピギャァァァス!!】
「とうっ!マロ、敵を捕縛!」
【ピギァス!!】
「…‥‥ねぇ、エルゼ。あれってクリスだよね」
「え、ええ‥‥‥そうですよね?」
本日は、休日であり、たまには適当な散歩をしようとルースは思い、手が空いていた皆で歩き回っていた。
そんな中で、何やら騒ぎがあったので、やじ馬に紛れて向かって見れば…‥‥
「ちくしょう!!何でここにこんな強い嬢ちゃんがいるんだ!!」
「いるのだから仕方がないもん!!やっちゃえマロ!!」
【ピギャァァァス!!】
「「「「「ぎゃああああああ!!」」」」」
数人ほどの、何やら悪党っぽい一団を、バッタバッタとなぎ倒す少女の姿。
連れているのは、白い饅頭のような鳥であり、少女も鳥も正体を隠しているつもりなのか、仮面をつけているようだが…‥‥ルースたちには、その正体が分かった。
鳥の方は、マロ。ルースのペットでもあり、敵を黄金化させるブレスを吐くなど、コカトリスの枠を外れたような饅頭野郎。
そして少女の方は、元液体人間であり、ルースたちの力によって人間に戻り、今は里親代わりになりつつも、結婚式後は養子として迎えるはずのクリスである。
どちらも、見事にルースの身内であった。
「…‥‥何をやっているんだろうか、あの二人は」
「正義の味方ごっこ‥‥‥なにかしらね?」
流石に白昼堂々とやっているこの光景を、親の立場で見れば微笑ましいような、何処か痛々しいような、そんな気分にさせられる。
先日の帝国での戦闘疲れはとれたはずなのだが、何やら精神的疲労感が溢れそうであった‥‥‥‥
「…‥‥いや本当に、黙ってごめんなさい」
【ピ、ピギャァァス‥‥‥】
「別に怒っているつもりはないんだけど…‥‥とりあえず、事情説明をしてくれ」
騒ぎが収まった後、そっとその場を離れる二人に、ルースは素早く近づいた。
こういう時に精霊化は結構楽であり、気が付かれないように上から回り込めたのである。
そしてすぐに事情を説明してもらったが…‥‥どうやら、彼女達は単純に正義の味方ごっこ、別名魔法少女ごっことでもいうべきか、それにはまっていただけのようであった。
「最初はね、ほんの手助けをするだけだったはずなの」
街中でを歩いていた時に、足腰が悪そうなおばあさんがおり、その人の荷物を持って手助けをしていただけであった。
だがその時、見た目はか弱そうな少女が持っているだけの荷物を狙うスリがあらわれ、突き飛ばして奪っていったそうなのだ。
すぐに反撃し、スリに対してマロを投げ、ロケットランチャーのように追跡し、着弾。
そのままずんっと頭に重い一撃を食らわせ、きちんと捕縛したのである。
「でも、その時に感謝されるのが、何となく気持ちよくって‥‥‥それで、人助けを中心にやってみようかなって思ったの」
「でもなぜ仮面を?普通にふるまえばいいような‥‥‥」
「絵本で読んだの。そういう人たちは、こういう仮面をつけて正体を隠すのがセオリーだって」
「…‥‥」
間違ってもないような、違うような…‥‥何と言えばいいのだろうか。
【ピピギャァス】
「で、そのついでにマロも一緒に、さっきのような街の見回りと悪党成敗をしていたのか…‥やっていることは良いけど、流石に娘と鳥だけだと心配するぞ」
「ごめんなさい‥‥‥」
しゅんっとクリスとマロが落ち込むけど、そっとその頭をなでてあげる。
「謝らなくてもいい。でも、できればきちんとして欲しいからな…‥‥」
元液体人間であり、錬金術とやらを使って今の彼女はできている。
ゆえに、その能力とかは明らかに常人とは異なるが、それでもやはり、小さな少女なのは変わりなく、不安になるのだ。
「‥‥‥あ、そうだ」
そこでふと、ルースはある案を思いついた。
身体能力などがいろいろ違うから、今は力でゴリ押せるけど、それでも同にならない相手もいるのだし、そういう危険なのはできるだけ避けて欲しい。
でも、人の手助けも良い行為なので、できれば続けさせつつ、そういう危険な目に合わないようにするためには‥‥‥‥
「というわけで、先日の借りとして、娘たちを鍛えてあげられないかな?できれば控えめな方向に」
「ふむ…‥‥実のではなく養子というが‥‥‥‥子を想う気持ちは、わかった。良いだろう、引き受けましょう」
「‥‥‥あの、この人は」
「ああ、帝国の皇妃。不安はあるけど、できるだけ抑えてもらって、自衛位はマシになるかなと持ってね。まぁ、厳しさがやばいけど‥‥‥」
「なんか不安要素しかないんだけど!?」
「ついでにマロも連帯責任で」
「ほぅ、その白饅頭も鍛えがいがありそうだな」
【ピギャァァァァ!?】
‥‥‥一応ね、里親というか、親の立場としては、隠し事をして危険な目にあいそうなことをしていた部分に関して心配するからね。
叱るわけでもないけど、上にははるか上がいる事を、ルースはこの目の前の皇妃によって良く知っているので、クリスにもきちんと教えてあげようと思ったのであった。
この場合、ルルリアとアルミアとの婚姻後は、養子ともいえるけど妹弟子になるのかな?
何にしても、心配をかけさせるような娘に対しては、まずはきちんと身を守れるようになってもらおうと、親心から思ったのであった…‥‥
【ピギャァァァァァァス!?】
‥‥‥あ、マロは完全にとばっちりね。大事なモフモフペット枠だけど、一応クリスの面倒を見る立場にありながら、止めもしてなかったからね。しかも結構ノリノリだったじゃん。
もう間もなく学園卒業の時となり、爵位授与、結婚式とラッシュが来るのだが、そのための準備はもうほぼ終わったのだ。
そして残すところがあるとすれば‥‥‥‥
【ピギャァァァス!!】
「とうっ!マロ、敵を捕縛!」
【ピギァス!!】
「…‥‥ねぇ、エルゼ。あれってクリスだよね」
「え、ええ‥‥‥そうですよね?」
本日は、休日であり、たまには適当な散歩をしようとルースは思い、手が空いていた皆で歩き回っていた。
そんな中で、何やら騒ぎがあったので、やじ馬に紛れて向かって見れば…‥‥
「ちくしょう!!何でここにこんな強い嬢ちゃんがいるんだ!!」
「いるのだから仕方がないもん!!やっちゃえマロ!!」
【ピギャァァァス!!】
「「「「「ぎゃああああああ!!」」」」」
数人ほどの、何やら悪党っぽい一団を、バッタバッタとなぎ倒す少女の姿。
連れているのは、白い饅頭のような鳥であり、少女も鳥も正体を隠しているつもりなのか、仮面をつけているようだが…‥‥ルースたちには、その正体が分かった。
鳥の方は、マロ。ルースのペットでもあり、敵を黄金化させるブレスを吐くなど、コカトリスの枠を外れたような饅頭野郎。
そして少女の方は、元液体人間であり、ルースたちの力によって人間に戻り、今は里親代わりになりつつも、結婚式後は養子として迎えるはずのクリスである。
どちらも、見事にルースの身内であった。
「…‥‥何をやっているんだろうか、あの二人は」
「正義の味方ごっこ‥‥‥なにかしらね?」
流石に白昼堂々とやっているこの光景を、親の立場で見れば微笑ましいような、何処か痛々しいような、そんな気分にさせられる。
先日の帝国での戦闘疲れはとれたはずなのだが、何やら精神的疲労感が溢れそうであった‥‥‥‥
「…‥‥いや本当に、黙ってごめんなさい」
【ピ、ピギャァァス‥‥‥】
「別に怒っているつもりはないんだけど…‥‥とりあえず、事情説明をしてくれ」
騒ぎが収まった後、そっとその場を離れる二人に、ルースは素早く近づいた。
こういう時に精霊化は結構楽であり、気が付かれないように上から回り込めたのである。
そしてすぐに事情を説明してもらったが…‥‥どうやら、彼女達は単純に正義の味方ごっこ、別名魔法少女ごっことでもいうべきか、それにはまっていただけのようであった。
「最初はね、ほんの手助けをするだけだったはずなの」
街中でを歩いていた時に、足腰が悪そうなおばあさんがおり、その人の荷物を持って手助けをしていただけであった。
だがその時、見た目はか弱そうな少女が持っているだけの荷物を狙うスリがあらわれ、突き飛ばして奪っていったそうなのだ。
すぐに反撃し、スリに対してマロを投げ、ロケットランチャーのように追跡し、着弾。
そのままずんっと頭に重い一撃を食らわせ、きちんと捕縛したのである。
「でも、その時に感謝されるのが、何となく気持ちよくって‥‥‥それで、人助けを中心にやってみようかなって思ったの」
「でもなぜ仮面を?普通にふるまえばいいような‥‥‥」
「絵本で読んだの。そういう人たちは、こういう仮面をつけて正体を隠すのがセオリーだって」
「…‥‥」
間違ってもないような、違うような…‥‥何と言えばいいのだろうか。
【ピピギャァス】
「で、そのついでにマロも一緒に、さっきのような街の見回りと悪党成敗をしていたのか…‥やっていることは良いけど、流石に娘と鳥だけだと心配するぞ」
「ごめんなさい‥‥‥」
しゅんっとクリスとマロが落ち込むけど、そっとその頭をなでてあげる。
「謝らなくてもいい。でも、できればきちんとして欲しいからな…‥‥」
元液体人間であり、錬金術とやらを使って今の彼女はできている。
ゆえに、その能力とかは明らかに常人とは異なるが、それでもやはり、小さな少女なのは変わりなく、不安になるのだ。
「‥‥‥あ、そうだ」
そこでふと、ルースはある案を思いついた。
身体能力などがいろいろ違うから、今は力でゴリ押せるけど、それでも同にならない相手もいるのだし、そういう危険なのはできるだけ避けて欲しい。
でも、人の手助けも良い行為なので、できれば続けさせつつ、そういう危険な目に合わないようにするためには‥‥‥‥
「というわけで、先日の借りとして、娘たちを鍛えてあげられないかな?できれば控えめな方向に」
「ふむ…‥‥実のではなく養子というが‥‥‥‥子を想う気持ちは、わかった。良いだろう、引き受けましょう」
「‥‥‥あの、この人は」
「ああ、帝国の皇妃。不安はあるけど、できるだけ抑えてもらって、自衛位はマシになるかなと持ってね。まぁ、厳しさがやばいけど‥‥‥」
「なんか不安要素しかないんだけど!?」
「ついでにマロも連帯責任で」
「ほぅ、その白饅頭も鍛えがいがありそうだな」
【ピギャァァァァ!?】
‥‥‥一応ね、里親というか、親の立場としては、隠し事をして危険な目にあいそうなことをしていた部分に関して心配するからね。
叱るわけでもないけど、上にははるか上がいる事を、ルースはこの目の前の皇妃によって良く知っているので、クリスにもきちんと教えてあげようと思ったのであった。
この場合、ルルリアとアルミアとの婚姻後は、養子ともいえるけど妹弟子になるのかな?
何にしても、心配をかけさせるような娘に対しては、まずはきちんと身を守れるようになってもらおうと、親心から思ったのであった…‥‥
【ピギャァァァァァァス!?】
‥‥‥あ、マロは完全にとばっちりね。大事なモフモフペット枠だけど、一応クリスの面倒を見る立場にありながら、止めもしてなかったからね。しかも結構ノリノリだったじゃん。
応援ありがとうございます!
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