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学園最後の夏休みで章

261話

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…‥‥液体人間の少女を保管し、とりあえずは何とかできる機会があった時に、起こすことにした。

「という事で、調べものとかもあるし、ずっと寝てもらうのもなんだから…‥‥後一か所ほど見てから、この領内の確認を終えようか?」
「そうした方が良いかもしれないわね」
「出来るだけ何とかしてあげたいとは思うが、現状どうにかできないからな」

 という訳で、夏場なので保管気温にも気を使いつつ、ルースたちは公爵領予定地のあと1か所をめぐって、そこで終わらすことにした。

 湖、鉱山、廃村と来たので、あとの見ておく必要のある場所とすれば…‥‥‥


「やっぱり、領内に立てる屋敷の建設予定地アル」
「それもそーうね。そこが気になーるものね」

 公爵となると、領内に屋敷を構え、そこを拠点としていく必要がある。


 他の貴族たちもそれぞれ領内に屋敷を構えており、ある程度その貴族のステータスを表すとも言われるのだ。





「ここが建設予定地だけど‥‥‥いや、もうすでに工事が始まっているか」

 予定地へ向かえば、すでに工事が開始されていた。

 ルースがこの領地を治める公爵となるのは来年の事だが、一晩で屋敷が出来るという訳でもないし、今のうちにきちんと建設しておく必要性がある。

 一応、この領地は元々は何処かの貴族家のものだったりして、名残りの屋敷などがあるのだが、それらに住まうわけにもいかないし、一応新設するのである。

 ちなみに、建設される屋敷の予定内装などは事前に国で規定されているところもあるそうなので、細かい調整‥‥‥仕掛け部屋などは後で追加工事などをするらしい。

 というのも、屋敷の維持費などは領内からの税金で賄われたりするので、出来るだけ負担をかけないようにという配慮らしい。隠し部屋の追加などは自己負担らしいが…‥‥


 過去には違法建築して、やらかした人もいて、その対応が色々と面倒だったそうだが…‥‥一体何をしたのか気になる処。

 しかし、すでに工事が始まったとはいえ、立地場所は悪くなかった。

 見晴らしもそれなりによく、領内の各所へ最短距離で向かえそうだし…‥‥

「そして、帝国との距離が近いか」

 
 レリアの出身地であるモーガス帝国とも近く、何かあればここですぐに国際協議が出来そうだ。
‥‥‥あれ?案外それを見越しているのではなかろうか。


 何にしても、無事に建設が進んでいるのであれば、いう事はない。

 夏休みももうじき終わりが近づくし、後は各自の行きたい場所へ再び戻って、夏休み明けに学園で再会するだけである。


 何にしても、無事にルースたちは領内の視察を終えたのであった‥‥‥‥







―――――――――――――――――

‥‥‥が、世の中そう簡単に平穏に終わる事がない。。

 

 ルースが公爵家として承る領地、そこは元々別の貴族の領地であったりした場所。

 犯罪などを犯して領地を没収された貴族たちが取り返そうと思い、目を光らせていたりするのだ。





「‥‥‥ちい!!元は平民の癖に、なぜ公爵などと言う位を持てるのだ!!」
「そうだそうだ。そこは元々我らの土地であり、陛下に奪われたとはいえ、よそ者によこす必要はない」
「ああ、あそこは本当なら我々がいただけるはずだったのに…‥‥」


 グレイモ王国のとある貴族家にて、逆恨みも甚だしい馬鹿共が集まっていた。

 彼らは領地を没収された貴族や、差し押さえ、とり潰しなどされた者たちであり、自分達こそがあの領地の真の受けり任だと信じて疑わない者たちである。

 脱獄したりして、集まって来た者たちであり、それぞれに共通して言えることは、貴族の中にルースを入れる事を拒絶していることである。


「何にせよ、相手がたかが若造一人と舐めない方が良いだろう。組織フェイカ―を潰し、国滅ぼしの獣を従えているからな」
「魔法も強いし、真正面から行って叶う相手ではないだろう」
「婚約破棄などを行わせ、評判を下げてという手も考えたが…‥‥流石に無理そうだ」
「それ以外の手を使って、評判を下げるような噂をすれば、何故か逆にこちらの方になるし‥‥‥一体どうなっているんだ?」

…‥‥裏で密かに妖精部隊などが暗躍していることなどを、彼らは思いもしない。

 だがしかし、それでもあきらめの悪い馬鹿と言うのはどこにでもいるのだ。


「フェイカーが潰れたので、取引もできぬし、そもそもしていた者たちは全て捕まったしなぁ‥‥‥」
「ああ、いっその事あの若造を追い出すように陛下が命じればいいのにな」
「まったくだ。わたしが国王陛下であればすぐにでも‥‥‥‥」
「「「‥‥‥ん?待てよ?」」」

 そこでふと、彼らはある事を考え付いた。

 身の破滅しかないが、都合の良い事しか考えない彼らにとっては、その案こそ最良のものではないかと、思うようなものである。


「そうだ、だったら国王を変えればいいのか」
「あの王子たちもなき者にし、跡継ぎを無くせば次の国王は親戚筋」
「そこもいなくなれば、我々しかあるまい?」
「ああ、そうだ。いっその事クーデターを起こせばいいのでは・・・・・・・」


…‥‥色々と企みが進み、話し合うバカ者達。

 だがしかし、その現場はしっかりと妖精部隊が記録していることなどとは、夢にも思わないのであった。


 この時点で、完全に破滅が決定したが‥‥‥‥なんにしても、企みを巡らす彼らにとっては、今こそ至福の時なのであった‥‥‥
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