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学園最後の夏休みで章
259話
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……真夏の中、涼しい場所があれば、そりゃ液体人間で有ろうがなかろうが、生きた生物であれば入りたくなる。
ルースたちの考え通り、液体人間もどうやら来たようであったが‥‥‥
「その他も大勢来るとはなぁ…‥‥」
涼しくなったこの場所には今、暑さから逃れようとやって来たものたちであふれていた。
しかもその大半が何と言うか、自ら暑くなってしまうタイプのものである。
【ンメェェ】
【ンモフゥ】
【ピギュアァァァ】
「『セブンシープ』に『マシュマロバ』、マロと同じ『コカトリス』‥‥‥‥モンスターばかりと言うか、毛玉だらけじゃん」
「モフモフ天国という訳かな?」
「いや、これ夏だと暑くなるわよね」
なんというか、真夏のモコモコプールが出来ていた。
辺り一帯には、自らの毛で暑くなってしまうようなフワフワモコモコした生物であふれており、飛び込めばモフモフを堪能できそうだ。
まぁ、季節的に暑くなりそうな一団ではあるが、まさかこの領内にこれだけのふわふわもこもこがいたとは‥‥‥あれ?でも・・・・・
「こんなモンスターが生息していた情報はなかったような‥‥‥?」
というか、これだけのモフ天国があるならば、もっと早く来たはずである。
その疑問をひとまずは置いておくとして、とりあえず液体人間の方をルースたちは確保した。
逃げにくいように鼠返しモドキを内向きに設置した水槽を用意し、そこに投入。
どうも暑さでやられていたのか気絶しているようで有り、肌色の液体はピクリとも動かない。
「なんというか、こうもあっさり捕まるとは思わなかったけれども、これって結局どうしようか?」
「液体人間と言いますけれども、その詳細は不明よね」
「男なのか女なのか・・・・・いや、そもそも液状な時点で裸なのかな?」
「疑問は色々とあーるけれどーも、とりあえず目を覚ますのをまーつかしらね」
そもそもの話、スライムのような液状だし、目があるのかどうかいまいちわからない。
とりあえずは、まずは冷やしてあげたほうが良さそうなので、氷魔法で冷やしつつ、体温を奪いすぎないように火魔法で下から少しづつ加熱させ、容態を観察するのであった。
―――――ツイデニ、モフモフノ謎調査モシテオクネ。
モフモフ生物がなぜこうもいるのかという事もバトに任せ、経過観察を行うのみである…‥‥
……夕暮ごろ、ようやく液体人間の体が動き出した。
ビクン!
「お、波打ったな」
ごぶごぶと音を立て、液体人間の液体が動き出す。
肌色の液体が振動し始め、声を‥‥‥いや、空気を震わせて、伝えてきた。
『…‥‥こ、ここ、どこ?』
「ここはそうだな‥‥‥公爵家が治める予定地の一角だ」
とりあえず、尋ねられたのでまずは返答していく。
相手の心を考え、誠実に答えることで信頼を少し造りだすのだ。
そして、ある程度進んだところで、今度はルースたちが質問をした。
液体人間は元は何なのか、誰だったかという記憶があるか?何をしていたという記憶はあるか?など、多くの質問を投げかけ、液体人間は答え始めた。
元は一人の人間であり、過去に何があってこのような液状の身体になったのかを…‥‥
―――――――――――――――――――
……昔々、とはいえ正確には分からないが、とりあえずはまだこの液体人間が人間の形状を持っていたころである。
その時の年齢はまだ幼い少女ではあったが、孤児院で人面倒見のいい姉を目指して頑張っていたそうである。
掃除を進んでやりつつ、皆の面倒を見て、さぼっていたらスープレックスをかまし、説教をしたり、料理をする時は包丁の扱いに気を付けつつ、栄養の管理などをしていたようだ。
そんな彼女が率先して導き、孤児院内では人気があったらしく、めぐって喧嘩を去れることもしばしあったのが悩みの種であった。
でも、時々、この孤児院の経営を行ってくれているというカニバーン男爵と名乗る人物が来て、皆と遊んでくれたその時も楽しかったようだ。
だがしかし、楽しい時はいつしか終わりを告げた…‥‥
ある日、突然共に過ごしていた孤児の一人が倒れたのが、崩壊の始まりであった。
医者がいたので見てもらうが、原因は不明。
そして、一人、また一人と倒れていき、誰もが悲しい結末になる。
そして最後になった時に、彼女はようやく理解した。
すべての元凶が男爵であり、孤児たちが食べる食事に何かを盛っていたことを。
それが彼らの命を奪ったものであったが‥‥‥すべてを知った時には、もう、時すでに遅かったのであった‥‥‥
ルースたちの考え通り、液体人間もどうやら来たようであったが‥‥‥
「その他も大勢来るとはなぁ…‥‥」
涼しくなったこの場所には今、暑さから逃れようとやって来たものたちであふれていた。
しかもその大半が何と言うか、自ら暑くなってしまうタイプのものである。
【ンメェェ】
【ンモフゥ】
【ピギュアァァァ】
「『セブンシープ』に『マシュマロバ』、マロと同じ『コカトリス』‥‥‥‥モンスターばかりと言うか、毛玉だらけじゃん」
「モフモフ天国という訳かな?」
「いや、これ夏だと暑くなるわよね」
なんというか、真夏のモコモコプールが出来ていた。
辺り一帯には、自らの毛で暑くなってしまうようなフワフワモコモコした生物であふれており、飛び込めばモフモフを堪能できそうだ。
まぁ、季節的に暑くなりそうな一団ではあるが、まさかこの領内にこれだけのふわふわもこもこがいたとは‥‥‥あれ?でも・・・・・
「こんなモンスターが生息していた情報はなかったような‥‥‥?」
というか、これだけのモフ天国があるならば、もっと早く来たはずである。
その疑問をひとまずは置いておくとして、とりあえず液体人間の方をルースたちは確保した。
逃げにくいように鼠返しモドキを内向きに設置した水槽を用意し、そこに投入。
どうも暑さでやられていたのか気絶しているようで有り、肌色の液体はピクリとも動かない。
「なんというか、こうもあっさり捕まるとは思わなかったけれども、これって結局どうしようか?」
「液体人間と言いますけれども、その詳細は不明よね」
「男なのか女なのか・・・・・いや、そもそも液状な時点で裸なのかな?」
「疑問は色々とあーるけれどーも、とりあえず目を覚ますのをまーつかしらね」
そもそもの話、スライムのような液状だし、目があるのかどうかいまいちわからない。
とりあえずは、まずは冷やしてあげたほうが良さそうなので、氷魔法で冷やしつつ、体温を奪いすぎないように火魔法で下から少しづつ加熱させ、容態を観察するのであった。
―――――ツイデニ、モフモフノ謎調査モシテオクネ。
モフモフ生物がなぜこうもいるのかという事もバトに任せ、経過観察を行うのみである…‥‥
……夕暮ごろ、ようやく液体人間の体が動き出した。
ビクン!
「お、波打ったな」
ごぶごぶと音を立て、液体人間の液体が動き出す。
肌色の液体が振動し始め、声を‥‥‥いや、空気を震わせて、伝えてきた。
『…‥‥こ、ここ、どこ?』
「ここはそうだな‥‥‥公爵家が治める予定地の一角だ」
とりあえず、尋ねられたのでまずは返答していく。
相手の心を考え、誠実に答えることで信頼を少し造りだすのだ。
そして、ある程度進んだところで、今度はルースたちが質問をした。
液体人間は元は何なのか、誰だったかという記憶があるか?何をしていたという記憶はあるか?など、多くの質問を投げかけ、液体人間は答え始めた。
元は一人の人間であり、過去に何があってこのような液状の身体になったのかを…‥‥
―――――――――――――――――――
……昔々、とはいえ正確には分からないが、とりあえずはまだこの液体人間が人間の形状を持っていたころである。
その時の年齢はまだ幼い少女ではあったが、孤児院で人面倒見のいい姉を目指して頑張っていたそうである。
掃除を進んでやりつつ、皆の面倒を見て、さぼっていたらスープレックスをかまし、説教をしたり、料理をする時は包丁の扱いに気を付けつつ、栄養の管理などをしていたようだ。
そんな彼女が率先して導き、孤児院内では人気があったらしく、めぐって喧嘩を去れることもしばしあったのが悩みの種であった。
でも、時々、この孤児院の経営を行ってくれているというカニバーン男爵と名乗る人物が来て、皆と遊んでくれたその時も楽しかったようだ。
だがしかし、楽しい時はいつしか終わりを告げた…‥‥
ある日、突然共に過ごしていた孤児の一人が倒れたのが、崩壊の始まりであった。
医者がいたので見てもらうが、原因は不明。
そして、一人、また一人と倒れていき、誰もが悲しい結末になる。
そして最後になった時に、彼女はようやく理解した。
すべての元凶が男爵であり、孤児たちが食べる食事に何かを盛っていたことを。
それが彼らの命を奪ったものであったが‥‥‥すべてを知った時には、もう、時すでに遅かったのであった‥‥‥
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