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学園最後の夏休みで章
248話
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あえて言わせてもらうのであれば、母は自由過ぎる人である…‥‥と、レリアは地に伏した状態で、そう思っていた。
「あらら、中々強くなって、鍛錬を欠かしていなかったようだけれども、やっぱりまだまだねぇ」
「ううっ、母の方こそ、前以上に力が強くなっていますよ……」
夏休みに入り、ルースが来年度もらい受ける公爵領予定地へ訪れる予定であったが、その前に皆それぞれ一旦帰郷した方が良いかもということで、現在、レリアはモーガス帝国に帰郷していた。
そして今日は、母であるルーレア皇妃が手合わせを久々にしてほしいということで、やって見たのだが……なんというか、相も変わらず最強としか言えなかった。
なお、実は父であるゼルドラ=バルモ=モーガス皇帝も参加していたのだが、とっくの前にリタイヤして星になったのだった。
「何にせよ、娘の成長をこうやって実感できるのは良いわねぇ。しかもだいぶ強くなってきたし、王国の方へ学びに行かせた夫の判断は間違いなかったかしらね」
全身赤い鎧を着こんでおり、頭の方も兜を被っているので表情は分かりにくいが、声色からしてだいぶ楽しんでいるようにレリアは感じ取れた。
「ええ、父上のおかげで私自身も成長できましたからね。ずっと帝国にいたら、今の私はなかったでしょう」
何とか体力が回復し、体を起こして答えるレリア。
元々、魔導書を手に入れ、帝国で学んでいたが、それでもまだまだ強さを求めたかった彼女。
父である皇帝の勧めによってグレイモ王国のグリモワール学園へ学びに行き、そしてそこで……
「恋もして、十分綺麗さにも磨きがかかったわね。来年の結婚式を楽しみにしているけれども、その前に孫が出来てもいのよ」
「こふっ!!」
はっきり言いすぎるルーレア皇妃の言葉に、思わずレリアは咳こんだ。
「か、母様いや、母上!!私たちはまだ健全な付き合いで有り、皆告白したとはいえ、きちんとその時まで大事にしているのです!!」
「あらあら、顔を真っ赤にしちゃって。戦姫と呼ばれていたのに、今の貴女は初心な少女のようで、物凄く可愛いわ」
くすくすと笑うようなルーレア皇妃に、レリアは何も言い返せなかった。
とは言え、ルースには他にもエルゼやバトと言った相手がいるのだが、そんな相手が多い男に嫁ぐことを両親は反対しなかった。
帝国と王国の繋がりを強める一因ともなるし、ルースとの関係があれば何かと都合がいいことも多い。
だけど、そのような政治的な側面よりも、純粋に愛を持っていることが嬉しかったらしく、許可してくれたのだ。
「でもね、レリア。彼には他にも相手がいるのでしょう?だったら子をなすぐらいの勢いがなければいけないわ。正妻側室とあれども、そう言ったな中で寵愛を受けたいなら、成すべきことは成さないといけないわ」
「で、その本音は?」
「孫の顔がもっと見たいのよ!貴女の姉である元第1王女はもうすでに嫁ぎ先で孫を産んでいるしね!」
ぐっと指を立て、ルーレア皇妃は堂々と言い切ったのであった。
「そしてゆくゆくは、孫たちと戦い抜き、鍛え上げていきたいわ!」
「孫相手にえげつないことをしようと思ってないですかね…‥‥まだつくっていませんが、将来的に生まれるかもしれない子供が、物凄く不安になるのですが…‥‥」
と言うかむしろ、そこまで来ると恒例になると予想され、そうなれば戦闘力も落ちるかもしれないが…‥‥いや、この母の事だからそこまで見越しているはずである。
何にせよ、久しぶりにルーレア皇妃の苛烈な一面をレリアは見たのであった……
「あれ?そう言えば父上がまだ帰ってこないね」
「かなりっ飛ばしたかも・・・・これは新記録になるかもしれないわ」
「記録よりも父上の無事では!?」
「大丈夫よ、あの人はちょっとやそっと、いやそれ以上になろうともくたばらないからね」
・・・・・少々不安を覚えたが、考えてみればこの母と一緒にいる時点で色々とおかしいことを、レリアは理解させられもしたのであった。
一方で、その様子を王城から見ていた者もあった。
「…‥‥ふぅ、久しぶりに我が妹を見たな」
そうつぶやくのは、この帝国の次期皇帝と呼ばれている一人、第1王子のラボス。
彼はレリアの兄でもあり・・・・・
「あああ!!でも来年にはあの妹が国から出て行ってしまうのは悲しいなぁ!」
涙を流しつつ、思わずこぼしたのは帝国の最新鋭のマジックアイテムを利用して捉えたレリアの写真の数々。
・・・・・どこぞやの王国の王子たち並みに、彼もまたシスコンであった。
ただし、部下にはその様子を一切見せず、気が付かれないようにしているも、既に同僚全員から知られていることを予想していなかったのであった。
「あらら、中々強くなって、鍛錬を欠かしていなかったようだけれども、やっぱりまだまだねぇ」
「ううっ、母の方こそ、前以上に力が強くなっていますよ……」
夏休みに入り、ルースが来年度もらい受ける公爵領予定地へ訪れる予定であったが、その前に皆それぞれ一旦帰郷した方が良いかもということで、現在、レリアはモーガス帝国に帰郷していた。
そして今日は、母であるルーレア皇妃が手合わせを久々にしてほしいということで、やって見たのだが……なんというか、相も変わらず最強としか言えなかった。
なお、実は父であるゼルドラ=バルモ=モーガス皇帝も参加していたのだが、とっくの前にリタイヤして星になったのだった。
「何にせよ、娘の成長をこうやって実感できるのは良いわねぇ。しかもだいぶ強くなってきたし、王国の方へ学びに行かせた夫の判断は間違いなかったかしらね」
全身赤い鎧を着こんでおり、頭の方も兜を被っているので表情は分かりにくいが、声色からしてだいぶ楽しんでいるようにレリアは感じ取れた。
「ええ、父上のおかげで私自身も成長できましたからね。ずっと帝国にいたら、今の私はなかったでしょう」
何とか体力が回復し、体を起こして答えるレリア。
元々、魔導書を手に入れ、帝国で学んでいたが、それでもまだまだ強さを求めたかった彼女。
父である皇帝の勧めによってグレイモ王国のグリモワール学園へ学びに行き、そしてそこで……
「恋もして、十分綺麗さにも磨きがかかったわね。来年の結婚式を楽しみにしているけれども、その前に孫が出来てもいのよ」
「こふっ!!」
はっきり言いすぎるルーレア皇妃の言葉に、思わずレリアは咳こんだ。
「か、母様いや、母上!!私たちはまだ健全な付き合いで有り、皆告白したとはいえ、きちんとその時まで大事にしているのです!!」
「あらあら、顔を真っ赤にしちゃって。戦姫と呼ばれていたのに、今の貴女は初心な少女のようで、物凄く可愛いわ」
くすくすと笑うようなルーレア皇妃に、レリアは何も言い返せなかった。
とは言え、ルースには他にもエルゼやバトと言った相手がいるのだが、そんな相手が多い男に嫁ぐことを両親は反対しなかった。
帝国と王国の繋がりを強める一因ともなるし、ルースとの関係があれば何かと都合がいいことも多い。
だけど、そのような政治的な側面よりも、純粋に愛を持っていることが嬉しかったらしく、許可してくれたのだ。
「でもね、レリア。彼には他にも相手がいるのでしょう?だったら子をなすぐらいの勢いがなければいけないわ。正妻側室とあれども、そう言ったな中で寵愛を受けたいなら、成すべきことは成さないといけないわ」
「で、その本音は?」
「孫の顔がもっと見たいのよ!貴女の姉である元第1王女はもうすでに嫁ぎ先で孫を産んでいるしね!」
ぐっと指を立て、ルーレア皇妃は堂々と言い切ったのであった。
「そしてゆくゆくは、孫たちと戦い抜き、鍛え上げていきたいわ!」
「孫相手にえげつないことをしようと思ってないですかね…‥‥まだつくっていませんが、将来的に生まれるかもしれない子供が、物凄く不安になるのですが…‥‥」
と言うかむしろ、そこまで来ると恒例になると予想され、そうなれば戦闘力も落ちるかもしれないが…‥‥いや、この母の事だからそこまで見越しているはずである。
何にせよ、久しぶりにルーレア皇妃の苛烈な一面をレリアは見たのであった……
「あれ?そう言えば父上がまだ帰ってこないね」
「かなりっ飛ばしたかも・・・・これは新記録になるかもしれないわ」
「記録よりも父上の無事では!?」
「大丈夫よ、あの人はちょっとやそっと、いやそれ以上になろうともくたばらないからね」
・・・・・少々不安を覚えたが、考えてみればこの母と一緒にいる時点で色々とおかしいことを、レリアは理解させられもしたのであった。
一方で、その様子を王城から見ていた者もあった。
「…‥‥ふぅ、久しぶりに我が妹を見たな」
そうつぶやくのは、この帝国の次期皇帝と呼ばれている一人、第1王子のラボス。
彼はレリアの兄でもあり・・・・・
「あああ!!でも来年にはあの妹が国から出て行ってしまうのは悲しいなぁ!」
涙を流しつつ、思わずこぼしたのは帝国の最新鋭のマジックアイテムを利用して捉えたレリアの写真の数々。
・・・・・どこぞやの王国の王子たち並みに、彼もまたシスコンであった。
ただし、部下にはその様子を一切見せず、気が付かれないようにしているも、既に同僚全員から知られていることを予想していなかったのであった。
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