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組織との決着で章
235話
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…‥‥何かが起きる時、それは状況によって結果が変わる。
例えば、前もって分かっていることと分かっていないことがあった場合、対処がしやすいのは前者の方であろう。
だがしかし、仮に分かったことであり、ある程度の対象方法を考えていたとしても、未然に防ぎきるということまではできないときがある。
情報は限られており、新たな情報が欲しいのに、そうそう入ってこないのだ。
ゆえに、そういう事が無いように、様々な情報を収集する機関を持っている国や個人が存在するのだ。
そして、その個人の中には‥‥‥‥
―――――妖精部隊、3班確認!!
―――――5班!!情報収集完了!
―――――山中ニ隠シ扉ノ存在ヲ7班ガ発見!!
――――――報告ゴクロウ!!皆危ナイカラコノ辺リデ撤退!!
「…‥‥なんかこう、すごい光景だな」
「いつの間にという感想があるわね」
目の前で起きている光景を見て、ルースがそうつぶやくと、エルゼはそう返答した。
今、フェイカーの企みを潰すために、目撃情報があった王国のある山中に彼らはいるのだが、そこで妖精姫であるバトが何やら提案してきた。
どのような事なのか実践してもらうと‥‥‥‥あっという間に大量の妖精が出現し、各自散開して情報を集め始めたのだ。
―――――ドウ、主様?
「すごいというかなんというか…‥‥」
えっへんと胸を張ってそう言うバトに、ルースは返答が今一つできなかった。
いつの間にというか、どうも彼女は妖精姫という妖精たちの最上位の立場を利用して、情報収集部隊を作り上げていたのだ。
妖精と言うのは、過去にその翅の美しさから乱獲され、数が減少したという歴史があった。
ゆえに、人前に出ることはめったになくなり、一時期は本当にいなくなったと思われるほどだったらしいのだが‥‥‥‥目の前には、何百もの妖精たちがいるのを見ると、ちょっと疑いたくなった。
バトいわく、どうやら彼女なりに思うことがあったらしい。
エルゼは公爵家の権力、レリアはモーガス帝国の王女としての権力、タキは国滅ぼしのモンスターとしての強大な力、などと、ルースの周囲に集う女性たちはそれぞれかなりの強みがあった。
だが、バトはどうだろうか?
始めたあった時は小さな妖精、今では人間サイズの妖精姫。
けれども、別に力が強いという訳でもないし、的確に急所めがけて張りを投げて潰すなどもできるけれども、それは単純な特技なようなもので、誇れるようなものがない。
ルースは早期にしないだろうけれども、バトは自分がどこか皆より劣っているような気がして、少々コンプレックスを抱いていたのである。
そんな中である日、タキと同居しているエルモアの元へ訪れ、妖精についての色々な事を情報提供したりしている中で、ふとある提案を貰ったのだ。
「そう言えば、妖精って結構小さいし、見つけにくいな」
――――――ソウイウモノダヨ?人間嫌イモイルモン。
「なんかねぇ、こう言うのがこっそり隠れて、情報を集めて見たりしたら、思った以上に優れていそうな気がするんだよな」
―――――――‥‥‥。
情報を収集する能力を考えれば、もしかしたら妖精って物凄く優れているのではなかろうか?
バトはまぁ例外として、通常の妖精は体が小さく、あちこちに潜りこみやすい。
そして器用でもあり、物事をきちんと理解でき、そして何よりも触角を利用して声に出すこともなく考えを伝えることも可能なのだ。
それはつまり、情報収取の専門‥‥‥いわば暗部とか間者とか言う者になれば、すごいのではなかろうか?
考えたのであれば、実行してみる価値はあるだろう。
そこで、バトはその日から色々と試し、妖精の中の最上位という立場を利用して、妖精たちを招集したりして、協力を求めて見たのである。
バトが扱うが、実質的にはルースのためという物がある。
妖精たちの中には、人間を嫌う者がおり、そういう事には参加したくないという意見ももちろんあった。
――――――デモ、主様ハ優シイヨ?ヒドイ事シナイヨ?
――――――シカシ、イクラ我々ヨリ上ノ貴女様ノ命トハ言エ、抵抗ガ……
―――――――主様、精霊王ノ孫デモアルヨ。
―――――喜ンデヤラセテイタダキマス!!
…‥‥何と言うか、妖精にとって精霊は似て非なる物とは言え、物凄い憧れがある。
そして、ルースは精霊王の孫であり、半精霊のようなものだと伝えた途端に、反対意見は速攻で消え失せ、皆やる気に満ち溢れたのであった。
そんなわけで色々と施し、時には教えを請い、訓練などを積み重ねた結果‥‥‥‥妖精たちは皆バトの重要な情報収集部門として成り立ってしまったのである。
―――――ソンナ訳デ、コノ山ノ情報程度ナラスグワカルヨ!主様、ホメテホメテ!!
「ああ、十分偉いけどさ‥‥‥‥頭撫でるけどさ、ちょっとやり過ぎていない?」
様々な色合いの翅をもつ妖精たちが集い、情報を収集するその様子は何処かすごかった。
ただ、統制が取れすぎてちょっと怖い……妖精のイメージが少し壊れるぞ。
何にせよ、妖精たちの情報収集能力はすさまじかった。
ものの5分としないうちに、山中内に秘密の部屋を確認。
そこには多くの生体反応があるらしく、幹部たちが言っていた大規模な作戦とやらの要に違いないだろう。
満を持して、妖精たちには一旦下がってもらう。
「さてと、それじゃぁ徹底的に潰しに行きますかね」
フェイカーを潰し、これ以上悲劇やら平穏を乱すような輩がでないためにも、ルースたちはその場所へ向かって、動き出すのであった…‥‥
例えば、前もって分かっていることと分かっていないことがあった場合、対処がしやすいのは前者の方であろう。
だがしかし、仮に分かったことであり、ある程度の対象方法を考えていたとしても、未然に防ぎきるということまではできないときがある。
情報は限られており、新たな情報が欲しいのに、そうそう入ってこないのだ。
ゆえに、そういう事が無いように、様々な情報を収集する機関を持っている国や個人が存在するのだ。
そして、その個人の中には‥‥‥‥
―――――妖精部隊、3班確認!!
―――――5班!!情報収集完了!
―――――山中ニ隠シ扉ノ存在ヲ7班ガ発見!!
――――――報告ゴクロウ!!皆危ナイカラコノ辺リデ撤退!!
「…‥‥なんかこう、すごい光景だな」
「いつの間にという感想があるわね」
目の前で起きている光景を見て、ルースがそうつぶやくと、エルゼはそう返答した。
今、フェイカーの企みを潰すために、目撃情報があった王国のある山中に彼らはいるのだが、そこで妖精姫であるバトが何やら提案してきた。
どのような事なのか実践してもらうと‥‥‥‥あっという間に大量の妖精が出現し、各自散開して情報を集め始めたのだ。
―――――ドウ、主様?
「すごいというかなんというか…‥‥」
えっへんと胸を張ってそう言うバトに、ルースは返答が今一つできなかった。
いつの間にというか、どうも彼女は妖精姫という妖精たちの最上位の立場を利用して、情報収集部隊を作り上げていたのだ。
妖精と言うのは、過去にその翅の美しさから乱獲され、数が減少したという歴史があった。
ゆえに、人前に出ることはめったになくなり、一時期は本当にいなくなったと思われるほどだったらしいのだが‥‥‥‥目の前には、何百もの妖精たちがいるのを見ると、ちょっと疑いたくなった。
バトいわく、どうやら彼女なりに思うことがあったらしい。
エルゼは公爵家の権力、レリアはモーガス帝国の王女としての権力、タキは国滅ぼしのモンスターとしての強大な力、などと、ルースの周囲に集う女性たちはそれぞれかなりの強みがあった。
だが、バトはどうだろうか?
始めたあった時は小さな妖精、今では人間サイズの妖精姫。
けれども、別に力が強いという訳でもないし、的確に急所めがけて張りを投げて潰すなどもできるけれども、それは単純な特技なようなもので、誇れるようなものがない。
ルースは早期にしないだろうけれども、バトは自分がどこか皆より劣っているような気がして、少々コンプレックスを抱いていたのである。
そんな中である日、タキと同居しているエルモアの元へ訪れ、妖精についての色々な事を情報提供したりしている中で、ふとある提案を貰ったのだ。
「そう言えば、妖精って結構小さいし、見つけにくいな」
――――――ソウイウモノダヨ?人間嫌イモイルモン。
「なんかねぇ、こう言うのがこっそり隠れて、情報を集めて見たりしたら、思った以上に優れていそうな気がするんだよな」
―――――――‥‥‥。
情報を収集する能力を考えれば、もしかしたら妖精って物凄く優れているのではなかろうか?
バトはまぁ例外として、通常の妖精は体が小さく、あちこちに潜りこみやすい。
そして器用でもあり、物事をきちんと理解でき、そして何よりも触角を利用して声に出すこともなく考えを伝えることも可能なのだ。
それはつまり、情報収取の専門‥‥‥いわば暗部とか間者とか言う者になれば、すごいのではなかろうか?
考えたのであれば、実行してみる価値はあるだろう。
そこで、バトはその日から色々と試し、妖精の中の最上位という立場を利用して、妖精たちを招集したりして、協力を求めて見たのである。
バトが扱うが、実質的にはルースのためという物がある。
妖精たちの中には、人間を嫌う者がおり、そういう事には参加したくないという意見ももちろんあった。
――――――デモ、主様ハ優シイヨ?ヒドイ事シナイヨ?
――――――シカシ、イクラ我々ヨリ上ノ貴女様ノ命トハ言エ、抵抗ガ……
―――――――主様、精霊王ノ孫デモアルヨ。
―――――喜ンデヤラセテイタダキマス!!
…‥‥何と言うか、妖精にとって精霊は似て非なる物とは言え、物凄い憧れがある。
そして、ルースは精霊王の孫であり、半精霊のようなものだと伝えた途端に、反対意見は速攻で消え失せ、皆やる気に満ち溢れたのであった。
そんなわけで色々と施し、時には教えを請い、訓練などを積み重ねた結果‥‥‥‥妖精たちは皆バトの重要な情報収集部門として成り立ってしまったのである。
―――――ソンナ訳デ、コノ山ノ情報程度ナラスグワカルヨ!主様、ホメテホメテ!!
「ああ、十分偉いけどさ‥‥‥‥頭撫でるけどさ、ちょっとやり過ぎていない?」
様々な色合いの翅をもつ妖精たちが集い、情報を収集するその様子は何処かすごかった。
ただ、統制が取れすぎてちょっと怖い……妖精のイメージが少し壊れるぞ。
何にせよ、妖精たちの情報収集能力はすさまじかった。
ものの5分としないうちに、山中内に秘密の部屋を確認。
そこには多くの生体反応があるらしく、幹部たちが言っていた大規模な作戦とやらの要に違いないだろう。
満を持して、妖精たちには一旦下がってもらう。
「さてと、それじゃぁ徹底的に潰しに行きますかね」
フェイカーを潰し、これ以上悲劇やら平穏を乱すような輩がでないためにも、ルースたちはその場所へ向かって、動き出すのであった…‥‥
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