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53 苦労しているのは裏方なのです(押し付けていますが)
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「「「「「‥‥‥‥‥」」」」」
…‥‥中間テストの日程が全て終わった翌日の早朝、適正学園の職員室では今、教師たち全員が真っ白な灰と化し、燃え尽きていた。
中間テスト開始前に、テスト用に用意したものがパァとなり、慌てて徹夜で作業して全てを終え、更にその勢いのまま各学科の担当教師たちはそれぞれで行うテストに気を抜かず確認しあい、記録していった。
そしてすべての回答をそろえ終え…‥‥何もかも終わったというように、満足げな顔で皆、逝ったのである。
徹夜明けテンションにノリまくってしまい、止めるタイミングを逃してしまったというのも、この惨状の原因でもあった。
コトリ、コトリ
「「「「「ん?」」」」」
ふと、何か物音が聞こえ、灰と化していた状態から何とか色が付き、起きがあった教師たちは目にした。
それぞれの机に置かれていたのは、たった一つのコップ。
そしてそれらを置いていたのは…‥‥一人のメイドであった。
「‥‥‥たしか‥‥‥ノインさんだったか?召喚獣の君は‥‥‥一体何を?」
召喚獣学科の担当教員でもあり、今回のテストの中で一番苦労していたデッボルバーネは、彼の召喚獣であるヘルールが彼の膝上でぐっすりと眠っているので、起きないように配慮しつつ、そう問いかけた。
「見ての通りデス。皆様にお茶を出しているだけデス」
「‥‥何故?」
「いえ、流石にここまで燃え尽きている様を見ると、メイドとして放置するわけにはいかないと独断で行っただけデス。別に賄賂とかのような物でもなく、メイドとしての矜持ゆえの行動だと理解してくだサイ」
‥‥‥ノインのいう事は、嘘ではない。
少々点数が気になり、探るために潜入したのだが、この燃え尽きた様を見て流石に自分たちの無茶苦茶さにも責任がありそうだと思い、本来は彼女のご主人様であるディー以外には尽くす気は無いのだが‥‥‥メイドゴーレムでもあるので、メイドとしての矜持ゆえに、動いただけである。
「そうか‥‥‥ありがとう」
自身の召喚獣であるヘルールと喧嘩することはあれども、教師ゆえに担当している生徒たちの召喚獣も見ており、その行為に偽りが特にないことぐらい理解した。
そして、せっかく用意してくれたのだからと思い、お茶を飲もうとしたところで…‥‥ふと、デッボルバーネはあることに気が付いた。
普段、職員室に出されるお茶は、普通のお茶。
おそらく彼女はそのお茶を利用して出しているだけなのであろうが‥‥‥妙に、キラキラとした感じで輝いているように見えた。
「‥‥?」
妙な予感がしつつも、毒物は無いだろうと思い、グイッと飲むデッボルバーネ。
次の瞬間、彼は目をがっと見開いた。
「な、な、な、なんじゃこりゃああああああああああああああああああ!!うまぁああああああああああああああああ!!」
「「「「なんだぁぁぁ!?」」」」
突然奇声をあげたデッボルバーネに、周囲の教師たちは驚愕する。
「これはただのお茶なはずだよな!?なのになんだこれは、なんだこれは!?目の疲れ解消、長年の慢性疲労が次々と消え失せるのだが!?」
「ええ、ただのお茶デス。ただし、ここで使用されている茶葉に少々、カトレアの方から少々失敬させてもらった茶葉をブレンドしまシタ。ご主人様が疲れることが多いので、その癒しになればいいと思い、実験も兼ねて使用しましたが‥‥‥何か不味かったでしょうカ?」
「不味くはない!!いや、うまいといえばうまいのだが!!」
‥‥‥さらっと教師たちを実験台にしている発言はさておき、このお茶のうまさは驚愕の代物であった。
いや、むしろ今まで飲んでいた物が偽物で、これが真のお茶ではないかと思えるほどである。
その様子を見て、恐る恐る教師たちはそれぞれ用意されたお茶を飲み、デッボルバーネと同じリアクションを全員取った。
そしてそのままハイテンションモードとなり、すぐさま間違いがなかったかどうか、採点作業へ入るのであった…‥‥
「予想以上に、活力にあふれてますネ。このお茶であれば、ご主人様が疲れても回復‥‥アレ?」
盛り上げる教師陣を放置し、職員室から去りながらノインは用意していたものを入れていた袋を見て気が付いた。
「‥‥‥ん、見なかったことにいたしましょウ。メイドでも失敗はあるものデス」
幸いというか、これだけ活力にあふれているのであれば、教師たちはこの程度の些細なことなど忘れてしまうだろう。
いや、それよりも前に責められるようなことはしていないのだし、文句を言われることもないはずである。
「しかし‥‥効き目が切れた時がすごい静かそうデス。ついうっかりで『実験用回復茶』と『実験予定未定精力増強茶』を間違えましたが、まぁ問題は無いでしょウ」
もし、この場にディーがいれば大有りだとツッコミを入れただろうが、生憎この場には不在であった…‥
「さてと、ご主人様が起きる前に、きちんとしておきますカ」
部屋に戻ると、まだ朝早いゆえに、ディーはベッドでぐっすりと眠っていた。
少々布団が寝相の所為かズレており、そっと起きないように注意しつつ、整えておく。
そして本日分の衣服を用意し、メイドとしての仕事として、他の皆の分の衣服も各自の部屋に置いていく。
正直、カトレアとは馬が合わないので彼女の方はやめておきたかったが‥‥‥一応、メイドとしての矜持ではやっておくことにした。少しばかり下着のサイズを小さくしておくという嫌がらせ程度はしておくが、
できれば朝食なども用意したいが、まだまだ寮の食堂を利用するので用意は無い。
将来的に卒業し、他国を巡りある時こそが、その本領発揮の場であると思いつつ、軽く掃除も済ませておく。
「‥‥‥さてと、このぐらいで良いでしょウ」
そろそろディーの起床時間となるので、目覚める前にバタバタしていてはいけないと思いつつ、作業を終える。
あとは、起きるタイミングに合わせて朝の挨拶もするのだが…‥‥ふと、ぐっすり眠っているディー見て、ちょっと思いついた。
「そう言えば、先日図書室の方にありました『世界の尽くす人たちベストシリーズ』とやらに、朝の奉仕活動もありましたが‥‥‥ちょっとやって見ましょうカネ?」
とはいえ、性的なものは刺激が強いし、まだ学生なのでそこは抑え、別の方から試みる。
そっと起こさないように枕を横に避け、自身の膝枕にディーの頭を乗せる。
「膝枕の方が、効果的な安眠をもたらすようですし、朝の短い時間とは言え、ご主人様も喜ぶでしょウ」
ふっと笑みを浮かべ、そうつぶやくノイン。
ぐっすりと熟睡しているディーの頭を優しくなで、今まさにメイドとして尽くしている至福感を味わう。
「ですが、これはこれで私の方でも、結構いい感じですネ」
機会があればまたやろうと思いつつ、起床時まで彼女は待つ。
…‥‥10分後、目覚めたディーが寝ぼけつつ、自分の状況を把握し、ちょっと気恥しさから真っ赤になるのは言うまでもなかった。
そしてカトレア、ルビー、ゼネたちもその事を知るや否や、翌日からひそかに争いが起き、ディーの心労が増加してしまったのは言うまでもない。
「確かにちょっと嬉しいとは思えたけど、寝起きドッキリみたいになっていたんだけど!?上見たら見えないってどういう状況だよ!!」
「そういう状況デス」
…‥‥中間テストの日程が全て終わった翌日の早朝、適正学園の職員室では今、教師たち全員が真っ白な灰と化し、燃え尽きていた。
中間テスト開始前に、テスト用に用意したものがパァとなり、慌てて徹夜で作業して全てを終え、更にその勢いのまま各学科の担当教師たちはそれぞれで行うテストに気を抜かず確認しあい、記録していった。
そしてすべての回答をそろえ終え…‥‥何もかも終わったというように、満足げな顔で皆、逝ったのである。
徹夜明けテンションにノリまくってしまい、止めるタイミングを逃してしまったというのも、この惨状の原因でもあった。
コトリ、コトリ
「「「「「ん?」」」」」
ふと、何か物音が聞こえ、灰と化していた状態から何とか色が付き、起きがあった教師たちは目にした。
それぞれの机に置かれていたのは、たった一つのコップ。
そしてそれらを置いていたのは…‥‥一人のメイドであった。
「‥‥‥たしか‥‥‥ノインさんだったか?召喚獣の君は‥‥‥一体何を?」
召喚獣学科の担当教員でもあり、今回のテストの中で一番苦労していたデッボルバーネは、彼の召喚獣であるヘルールが彼の膝上でぐっすりと眠っているので、起きないように配慮しつつ、そう問いかけた。
「見ての通りデス。皆様にお茶を出しているだけデス」
「‥‥何故?」
「いえ、流石にここまで燃え尽きている様を見ると、メイドとして放置するわけにはいかないと独断で行っただけデス。別に賄賂とかのような物でもなく、メイドとしての矜持ゆえの行動だと理解してくだサイ」
‥‥‥ノインのいう事は、嘘ではない。
少々点数が気になり、探るために潜入したのだが、この燃え尽きた様を見て流石に自分たちの無茶苦茶さにも責任がありそうだと思い、本来は彼女のご主人様であるディー以外には尽くす気は無いのだが‥‥‥メイドゴーレムでもあるので、メイドとしての矜持ゆえに、動いただけである。
「そうか‥‥‥ありがとう」
自身の召喚獣であるヘルールと喧嘩することはあれども、教師ゆえに担当している生徒たちの召喚獣も見ており、その行為に偽りが特にないことぐらい理解した。
そして、せっかく用意してくれたのだからと思い、お茶を飲もうとしたところで…‥‥ふと、デッボルバーネはあることに気が付いた。
普段、職員室に出されるお茶は、普通のお茶。
おそらく彼女はそのお茶を利用して出しているだけなのであろうが‥‥‥妙に、キラキラとした感じで輝いているように見えた。
「‥‥?」
妙な予感がしつつも、毒物は無いだろうと思い、グイッと飲むデッボルバーネ。
次の瞬間、彼は目をがっと見開いた。
「な、な、な、なんじゃこりゃああああああああああああああああああ!!うまぁああああああああああああああああ!!」
「「「「なんだぁぁぁ!?」」」」
突然奇声をあげたデッボルバーネに、周囲の教師たちは驚愕する。
「これはただのお茶なはずだよな!?なのになんだこれは、なんだこれは!?目の疲れ解消、長年の慢性疲労が次々と消え失せるのだが!?」
「ええ、ただのお茶デス。ただし、ここで使用されている茶葉に少々、カトレアの方から少々失敬させてもらった茶葉をブレンドしまシタ。ご主人様が疲れることが多いので、その癒しになればいいと思い、実験も兼ねて使用しましたが‥‥‥何か不味かったでしょうカ?」
「不味くはない!!いや、うまいといえばうまいのだが!!」
‥‥‥さらっと教師たちを実験台にしている発言はさておき、このお茶のうまさは驚愕の代物であった。
いや、むしろ今まで飲んでいた物が偽物で、これが真のお茶ではないかと思えるほどである。
その様子を見て、恐る恐る教師たちはそれぞれ用意されたお茶を飲み、デッボルバーネと同じリアクションを全員取った。
そしてそのままハイテンションモードとなり、すぐさま間違いがなかったかどうか、採点作業へ入るのであった…‥‥
「予想以上に、活力にあふれてますネ。このお茶であれば、ご主人様が疲れても回復‥‥アレ?」
盛り上げる教師陣を放置し、職員室から去りながらノインは用意していたものを入れていた袋を見て気が付いた。
「‥‥‥ん、見なかったことにいたしましょウ。メイドでも失敗はあるものデス」
幸いというか、これだけ活力にあふれているのであれば、教師たちはこの程度の些細なことなど忘れてしまうだろう。
いや、それよりも前に責められるようなことはしていないのだし、文句を言われることもないはずである。
「しかし‥‥効き目が切れた時がすごい静かそうデス。ついうっかりで『実験用回復茶』と『実験予定未定精力増強茶』を間違えましたが、まぁ問題は無いでしょウ」
もし、この場にディーがいれば大有りだとツッコミを入れただろうが、生憎この場には不在であった…‥
「さてと、ご主人様が起きる前に、きちんとしておきますカ」
部屋に戻ると、まだ朝早いゆえに、ディーはベッドでぐっすりと眠っていた。
少々布団が寝相の所為かズレており、そっと起きないように注意しつつ、整えておく。
そして本日分の衣服を用意し、メイドとしての仕事として、他の皆の分の衣服も各自の部屋に置いていく。
正直、カトレアとは馬が合わないので彼女の方はやめておきたかったが‥‥‥一応、メイドとしての矜持ではやっておくことにした。少しばかり下着のサイズを小さくしておくという嫌がらせ程度はしておくが、
できれば朝食なども用意したいが、まだまだ寮の食堂を利用するので用意は無い。
将来的に卒業し、他国を巡りある時こそが、その本領発揮の場であると思いつつ、軽く掃除も済ませておく。
「‥‥‥さてと、このぐらいで良いでしょウ」
そろそろディーの起床時間となるので、目覚める前にバタバタしていてはいけないと思いつつ、作業を終える。
あとは、起きるタイミングに合わせて朝の挨拶もするのだが…‥‥ふと、ぐっすり眠っているディー見て、ちょっと思いついた。
「そう言えば、先日図書室の方にありました『世界の尽くす人たちベストシリーズ』とやらに、朝の奉仕活動もありましたが‥‥‥ちょっとやって見ましょうカネ?」
とはいえ、性的なものは刺激が強いし、まだ学生なのでそこは抑え、別の方から試みる。
そっと起こさないように枕を横に避け、自身の膝枕にディーの頭を乗せる。
「膝枕の方が、効果的な安眠をもたらすようですし、朝の短い時間とは言え、ご主人様も喜ぶでしょウ」
ふっと笑みを浮かべ、そうつぶやくノイン。
ぐっすりと熟睡しているディーの頭を優しくなで、今まさにメイドとして尽くしている至福感を味わう。
「ですが、これはこれで私の方でも、結構いい感じですネ」
機会があればまたやろうと思いつつ、起床時まで彼女は待つ。
…‥‥10分後、目覚めたディーが寝ぼけつつ、自分の状況を把握し、ちょっと気恥しさから真っ赤になるのは言うまでもなかった。
そしてカトレア、ルビー、ゼネたちもその事を知るや否や、翌日からひそかに争いが起き、ディーの心労が増加してしまったのは言うまでもない。
「確かにちょっと嬉しいとは思えたけど、寝起きドッキリみたいになっていたんだけど!?上見たら見えないってどういう状況だよ!!」
「そういう状況デス」
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