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少し広がっていく関係性
log-146 それなりの理由とそれなりの実力
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「…対悪魔特化戦闘部隊、『神聖のゴゴンドラズ』?何その、ドラゴンをもじろうとして大失敗したような微妙な名前の部隊は?」
【アルガンドリア法国とかいう国から派遣されてきたものたちらしいですヨ】
…本日ギルドにてあったことをファイが話してくれたが、妙な客が来たらしい。
悪魔による帝国への攻撃を経て、国の防衛力強化に向けてなのか、悪魔に対抗できる手段をできる者たちを、エルメリア帝国は呼び寄せたそうだ。
それが、アルガンドリア法国とかいう国から呼び寄せた、対悪魔特化戦闘部隊。
そんなほいほい悪魔が呼び出されるようなことはないと思いたいのだが、悪魔を召喚してしまう者は出てくるようで、周囲へ被害がもたらされる前に抑えようと動く部隊だそうだ。
実際に、悪魔を討伐したという実績が無ければ加わることもできず、それなりの実力が約束されていそうなものなのだが…
【皇帝陛下へ、実力をお見せするためにわざわざギルドへ出向いて、腕試しを仕掛けてきたと…んー、悪魔との戦闘実績があっても、そういう人たちって対人戦の経験とかって少ないような…大丈夫でしたかね?】
【ギルド内、監査中なのもありましたので、あたしが相手しましたヨ。最も強い相手を望まれていたのもありましテ…ぼっこぼこにしちゃいましタ】
【うわぁ…ファイお姉ちゃん、容赦ないぜ】
相手が悪すぎたというべきか、哀れむべきか。
悪魔との戦闘で実績があるはずの特殊部隊でも、ファイ相手に敗北したのは相当悔しいだろう。
【ああ、ビーム攻撃とかはせずに、体術で相手をしましたヨ。ビームですと貫通する可能性がありますし、人型の形状をあまり変えずにまともにやってですネ】
「本来のファイの攻撃手段無しでか…それ、へたすると舐めプとかそういう扱いになるような…」
【大丈夫です、マスター。舐めずにしっかり、相手をしましタ】
何か違う意味で受け取られた気がしなくもないが、とにもかくにもファイを相手にして大敗北sてしまったゴゴンドラズとかいう部隊の面々。
試合終了後にはかなりの落ち込みようで、挑む前の自信を完全に砕かれたようである。
「…同情するよ、その人たちに」
【ううむ、しかし悪魔対策の部隊でその弱さか…ファイの実力が結構高いことを考慮しても…かつての聖女様直属部隊のものたちに比べたら、嘆きたいほど弱いな】
感想を述べる中で、物凄く残念そうな顔を浮かべるルミ。
彼女の過去を考えると、直に悪魔と対峙するような人たちを見てきたのもあって、その人たちと比較するとゴゴンドラズの弱さは思うところがあるようだ。
【と言うか、おかしいような…微妙過ぎる実力を持つような者たちが、ここに来ていいのか?ピンからキリまであると思うが、それでもこの国相手に対して脆弱な部隊をよこすとはな】
【どうも、事情があったようでス】
「というと?」
流石にファイもおかしく思ったようで、少し調べたらある原因が浮かび上がってきたようだ。
【彼らの所属している国…アルガンドリア法国ですが、現在少々厄介事を抱え込んで、ドタバタしているところもあるようでス】
「厄介事?」
【ええ、何でも無気力教などという教えが蔓延してきたようデ】
かくかくしかじかと説明してもらったが、アルガンドリア法国はとある宗教を国教に定めて収めている国らしい。
とはいえ、他の宗教を否定せずに、なぁなぁの付き合いで丸く収めて成り立っているらしく、これまで大したトラブルが起きたことはなかったようだ。
だがしかし、近年そのなぁなぁ付き合いの中で、台頭してきた宗教があり…それが、問題を引き起こしているのだとか。
【無気力教、それはどうも人々の争いごとは必死になって生きるから、何かと競り合って気力を出しつくしてしまうからぶつかるのであり、無気力になってだらだらと収めて、争いごとをなくそうという教えを元にして成り立っているようでス】
【ふむ…まともそうな理由だが、無気力でそううまくいくのか?】
【それが意外にも、その教えがすんなりと浸透していったらしく…現在、国内の大半が無気力になって、まともに活動できていないに等しいとのことでス】
「行き過ぎた教えのやらかしか…ああ、もしかしてそれで」
【ええ、そのために実力者までもがかなりのまれたようで…】
もっと上の実力者も抱えていただろうが、その実力者たちも無気力になった。
今回帝国に送られてきた者たちはその教えに飲まれずにやる気にあふれており、せめて影響を受けないようにと言う思いもあって、派遣されてきたようでもある。
【あれ?でもそうだとすると…ファイがぼこぼこにしたのは不味かったんじゃないかなの?やる気あって出て来て、鼻っぱしをボキボキにおられたら…】
「【【…】】」
カトレアのその言葉に、皆気が付いたが、何も言うことはない。
ここで折れて無気力になってしまう可能性もあるが…まぁ、それは人次第なところもあるだろう。
「せめて、再起してやる気を更に出せればいいけど、そんなにうまくいくものかな?」
【うーん…何とも言えないです】
【やれぬのなら、そこまでだったと思えばいいぜ】
奇妙な話も出つつも、結局はゴゴンドラズのやる気によるもの。
むしろこれで、さらにやる気に満ち溢れたほうがましではないかなと思うのであった…
【しかし、無気力教か…名前の割に、無気力ではなく積極的に広まってないか?】
【あちこちの教えと調節する日々も大変だったようで、それゆえにだるーんっと休めることからも、好意的に受け止められて広まったのもあるようでス】
…現代人ほどではないとはいえ、忙しい日々に堂々と休めそうな名目のものがあれば、利用したくなるのもわからなくはないか…
【アルガンドリア法国とかいう国から派遣されてきたものたちらしいですヨ】
…本日ギルドにてあったことをファイが話してくれたが、妙な客が来たらしい。
悪魔による帝国への攻撃を経て、国の防衛力強化に向けてなのか、悪魔に対抗できる手段をできる者たちを、エルメリア帝国は呼び寄せたそうだ。
それが、アルガンドリア法国とかいう国から呼び寄せた、対悪魔特化戦闘部隊。
そんなほいほい悪魔が呼び出されるようなことはないと思いたいのだが、悪魔を召喚してしまう者は出てくるようで、周囲へ被害がもたらされる前に抑えようと動く部隊だそうだ。
実際に、悪魔を討伐したという実績が無ければ加わることもできず、それなりの実力が約束されていそうなものなのだが…
【皇帝陛下へ、実力をお見せするためにわざわざギルドへ出向いて、腕試しを仕掛けてきたと…んー、悪魔との戦闘実績があっても、そういう人たちって対人戦の経験とかって少ないような…大丈夫でしたかね?】
【ギルド内、監査中なのもありましたので、あたしが相手しましたヨ。最も強い相手を望まれていたのもありましテ…ぼっこぼこにしちゃいましタ】
【うわぁ…ファイお姉ちゃん、容赦ないぜ】
相手が悪すぎたというべきか、哀れむべきか。
悪魔との戦闘で実績があるはずの特殊部隊でも、ファイ相手に敗北したのは相当悔しいだろう。
【ああ、ビーム攻撃とかはせずに、体術で相手をしましたヨ。ビームですと貫通する可能性がありますし、人型の形状をあまり変えずにまともにやってですネ】
「本来のファイの攻撃手段無しでか…それ、へたすると舐めプとかそういう扱いになるような…」
【大丈夫です、マスター。舐めずにしっかり、相手をしましタ】
何か違う意味で受け取られた気がしなくもないが、とにもかくにもファイを相手にして大敗北sてしまったゴゴンドラズとかいう部隊の面々。
試合終了後にはかなりの落ち込みようで、挑む前の自信を完全に砕かれたようである。
「…同情するよ、その人たちに」
【ううむ、しかし悪魔対策の部隊でその弱さか…ファイの実力が結構高いことを考慮しても…かつての聖女様直属部隊のものたちに比べたら、嘆きたいほど弱いな】
感想を述べる中で、物凄く残念そうな顔を浮かべるルミ。
彼女の過去を考えると、直に悪魔と対峙するような人たちを見てきたのもあって、その人たちと比較するとゴゴンドラズの弱さは思うところがあるようだ。
【と言うか、おかしいような…微妙過ぎる実力を持つような者たちが、ここに来ていいのか?ピンからキリまであると思うが、それでもこの国相手に対して脆弱な部隊をよこすとはな】
【どうも、事情があったようでス】
「というと?」
流石にファイもおかしく思ったようで、少し調べたらある原因が浮かび上がってきたようだ。
【彼らの所属している国…アルガンドリア法国ですが、現在少々厄介事を抱え込んで、ドタバタしているところもあるようでス】
「厄介事?」
【ええ、何でも無気力教などという教えが蔓延してきたようデ】
かくかくしかじかと説明してもらったが、アルガンドリア法国はとある宗教を国教に定めて収めている国らしい。
とはいえ、他の宗教を否定せずに、なぁなぁの付き合いで丸く収めて成り立っているらしく、これまで大したトラブルが起きたことはなかったようだ。
だがしかし、近年そのなぁなぁ付き合いの中で、台頭してきた宗教があり…それが、問題を引き起こしているのだとか。
【無気力教、それはどうも人々の争いごとは必死になって生きるから、何かと競り合って気力を出しつくしてしまうからぶつかるのであり、無気力になってだらだらと収めて、争いごとをなくそうという教えを元にして成り立っているようでス】
【ふむ…まともそうな理由だが、無気力でそううまくいくのか?】
【それが意外にも、その教えがすんなりと浸透していったらしく…現在、国内の大半が無気力になって、まともに活動できていないに等しいとのことでス】
「行き過ぎた教えのやらかしか…ああ、もしかしてそれで」
【ええ、そのために実力者までもがかなりのまれたようで…】
もっと上の実力者も抱えていただろうが、その実力者たちも無気力になった。
今回帝国に送られてきた者たちはその教えに飲まれずにやる気にあふれており、せめて影響を受けないようにと言う思いもあって、派遣されてきたようでもある。
【あれ?でもそうだとすると…ファイがぼこぼこにしたのは不味かったんじゃないかなの?やる気あって出て来て、鼻っぱしをボキボキにおられたら…】
「【【…】】」
カトレアのその言葉に、皆気が付いたが、何も言うことはない。
ここで折れて無気力になってしまう可能性もあるが…まぁ、それは人次第なところもあるだろう。
「せめて、再起してやる気を更に出せればいいけど、そんなにうまくいくものかな?」
【うーん…何とも言えないです】
【やれぬのなら、そこまでだったと思えばいいぜ】
奇妙な話も出つつも、結局はゴゴンドラズのやる気によるもの。
むしろこれで、さらにやる気に満ち溢れたほうがましではないかなと思うのであった…
【しかし、無気力教か…名前の割に、無気力ではなく積極的に広まってないか?】
【あちこちの教えと調節する日々も大変だったようで、それゆえにだるーんっと休めることからも、好意的に受け止められて広まったのもあるようでス】
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