絡みあうのは蜘蛛の糸 ~繋ぎ留められないのは平穏かな?~

志位斗 茂家波

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少し広がっていく関係性

log-144 知る者は密かに嘆く

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―――テストを受けている生徒たちが、次のテストまでのつかの間の休憩時間中に机に倒れこんでいたその頃。

 エルメリア帝国の城…先日の悪魔騒動から大分復旧してきたその城内に、とある者たちが招かれていた。


「それで、今後の情勢の中で再び悪魔が現れることへの対策として…アルガンドリア法国から派遣されてきたのが、そちらと言うことか」
「ああ、そうでございます、皇帝陛下」
「我々、対悪魔特化戦闘部隊が一兵団、『神聖のゴゴンドラズ』が来たからにはもうご安心くだされ!!」
「悪魔どもがのさばらぬように、今後帝国内で目を光らせてまいります!!」

 城内の謁見室にて、皇帝の前にいるのはアルガンドリア法国と呼ばれる国からやってきた、悪魔に対抗できる部隊の一部。

 今後の国内の正常化及び防衛力強化の目的で要請しており、本日到着したのである。


「しかし…本当に可能なのか?」
「ええ、間違いないですとも。我々はれっきとした法国の悪魔と対峙するための部隊の一部。ゆえに、悪魔がどのように暴れようとも、たちどころに倒しましょう」
「聞いた話では、先日の悪魔の時には別の方々が対応されたようですが、それを用いることもない。我らだけで、悪しきものは消え失せようぞ」


 皇帝の問いかけに対して答えるゴゴンドラズの一員たち。
 各自がそれぞれ決めポーズをより、どこかの戦隊もののような姿にも見えなくもないが、着用している鎧の重さを考えれば、相当身軽な動きができる意外性も示しているだろう。

 実力が不安視されるが、悪魔を倒した実績が無ければそもそも部隊として成り立つことはないそうだ。

「そうか…ならば、いましばらくの間、帝国に悪魔がのさばらぬように、頼むぞ」
「「「「「ははっ!!」」」」」





「…ふむ、そういう類のやつらが来たか」

 城内でのそのやり取りが行われている中、一人テストの試験官として歩いていたリアは、ふと足を止めてそうつぶやく。


 正体が悪魔だからこそ、感じ取れる退魔の気配。

 悪魔を打ち滅ぼせるだけの実力者が今ここに…

「しかし、無いな。これはかつての聖女にも及ばぬどころか…」

 かつて、聖女に使えた聖騎士として力を理解しているからこそ、呼ばれた者たちがどれほどのものなのか感じ取り、残念な表情を浮かべる。


 一応はやれないことも無いだろうが、それでも実力不足だと思ってしまうだろう。

 隠しているだけか、それともこの程度しかやれないのかはわからないが…出来れば苦労はさせられたくはないなと、思うしかないのであった…


「あとでアルミナ隊長もといルミにも意見を聞いてみるか…奴でも、嘆くだろうなl

…お互い今は、思いっきり聖なるものとは対になるような立場にいるとはいえ、これだけのものは…聖騎士として勤めていた経験から反応が予測できそうであった。


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