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面倒事の拭い去りは拒絶したくとも
log-109 鬼神の怒り
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【ウガッ!!ウガガガガーーーー!!】
「ちょっと、どこへ行くの!!」
【何か不味い気配がするから、貴女は安全な場所へおいていきたいのですが!!】
【ウガァァ!!】
【というか、早いでス!!あたしたちの速度よりも、相当!!】
…王都の外で何かがぶつかり合うような轟音が鳴り響き、人々は避難をしていた。
そんな中で、ジャックはオーガの娘と共に先に避難していたのだが…何かに感づいたのか、猛ダッシュでその場から外へ向けて駆け抜けていってしまったのだ。
あわててハクロに乗せてもらい、追いかけているのだが…思った以上に足が速く、中々追いつけない。
【ウガァァ!!】
【っ…この感じ、凄い怒ってます!!『カタキ、キタ、ブットバス!!』と!!】
「この様子を見るだけでもわかるけど、それでも無茶なことになっていると思うよ!!」
怪我もだいぶ癒えており、普段の生活に支障はない様子は見ている。
しかしながら、その内なるダメージ自体は再生していても完全ではなく、未だに喉も角も治りきっていないのに、何かに挑みに行くのは無謀としか言いようがないだろう。
【仕方がありません、ここはいったんあたしのスライムボディで取り込んで、止めまス!!ちょっと力を溜めて…】
ぐぐぐっと駆け抜けながらも身体を曲げて置き去りにして引っ張るような形になるファイ。
【急加速!!『スラ・ストラーーーー』】
【ウガゥッツ!!】
【あ、ちょ、そんな急な進路変更だと…】
バッチィイイイイイイイイイン!!
【ピキィイイイイイッツ!?】
「ああ、ファイがスライムっぽい悲鳴で壁に激突した!?」
【スライムですけど、スライムっぽくない人がスライムっぽい悲鳴を!!】
何か危ない技名な気がしたが、当たる前にガクンッと急な進路変更をして回避されたせいで、勢いそのままに壁に激突して爆散してしまった。
一応、戻れるようだがかなり広範囲に張り付いてしまったようで、すぐに追いかけるのは不可能そうだ。
「というか今更だけどカトレアは!!」
【途中でダウンしてましたよ。私たちの中じゃ、一番動きが遅いですからね…】
仕方が無いのでハクロと二人で追いかけるが、この様子だとそのまま王都の外へ出るのは明白。
聞いた情報だと先にルミが出ているようで、迎え撃つようなことをしていたらしいが…この様子だと、彼女単体でも不味い状態になっているかもしれない。
「仕方がない、このまま出よう!!もしかしたら途中で止まるかもしれないし、そうなったらあの子を拘束して!!危ないから僕はそのまま、引きずってでも避難所へ連れて行くから!!」
【わかりました!!】
だだだだっと勢いよく駆け抜けるオーガの少女に中々追いつけないが、この様子は相当必死になっていることがうかがえるだろう。
ならば生半可な方法で引き止められないだろうし、行かせるだけ行かせて、隙を伺うしかない。
問題は、どう考えても大問題しか起きていないっぽい場所へ向かっていることだが…危なくなったら全力で逃げたほうが良いだろう。
とにもかくにも、被害に遭う前に確保を試みるようにして、必死になって追いかけるのであった…
【かひゅっ‥‥ぜぇ…ぜぇ…皆、ミーより早いの…なの】
【ああ、ようやく追いついてきましたか、カトレア。すみませんが…剥がすの、手伝ってくださイ】
【何をどうして、そんな叩きつけた果汁状態になるのなの?】
「ちょっと、どこへ行くの!!」
【何か不味い気配がするから、貴女は安全な場所へおいていきたいのですが!!】
【ウガァァ!!】
【というか、早いでス!!あたしたちの速度よりも、相当!!】
…王都の外で何かがぶつかり合うような轟音が鳴り響き、人々は避難をしていた。
そんな中で、ジャックはオーガの娘と共に先に避難していたのだが…何かに感づいたのか、猛ダッシュでその場から外へ向けて駆け抜けていってしまったのだ。
あわててハクロに乗せてもらい、追いかけているのだが…思った以上に足が速く、中々追いつけない。
【ウガァァ!!】
【っ…この感じ、凄い怒ってます!!『カタキ、キタ、ブットバス!!』と!!】
「この様子を見るだけでもわかるけど、それでも無茶なことになっていると思うよ!!」
怪我もだいぶ癒えており、普段の生活に支障はない様子は見ている。
しかしながら、その内なるダメージ自体は再生していても完全ではなく、未だに喉も角も治りきっていないのに、何かに挑みに行くのは無謀としか言いようがないだろう。
【仕方がありません、ここはいったんあたしのスライムボディで取り込んで、止めまス!!ちょっと力を溜めて…】
ぐぐぐっと駆け抜けながらも身体を曲げて置き去りにして引っ張るような形になるファイ。
【急加速!!『スラ・ストラーーーー』】
【ウガゥッツ!!】
【あ、ちょ、そんな急な進路変更だと…】
バッチィイイイイイイイイイン!!
【ピキィイイイイイッツ!?】
「ああ、ファイがスライムっぽい悲鳴で壁に激突した!?」
【スライムですけど、スライムっぽくない人がスライムっぽい悲鳴を!!】
何か危ない技名な気がしたが、当たる前にガクンッと急な進路変更をして回避されたせいで、勢いそのままに壁に激突して爆散してしまった。
一応、戻れるようだがかなり広範囲に張り付いてしまったようで、すぐに追いかけるのは不可能そうだ。
「というか今更だけどカトレアは!!」
【途中でダウンしてましたよ。私たちの中じゃ、一番動きが遅いですからね…】
仕方が無いのでハクロと二人で追いかけるが、この様子だとそのまま王都の外へ出るのは明白。
聞いた情報だと先にルミが出ているようで、迎え撃つようなことをしていたらしいが…この様子だと、彼女単体でも不味い状態になっているかもしれない。
「仕方がない、このまま出よう!!もしかしたら途中で止まるかもしれないし、そうなったらあの子を拘束して!!危ないから僕はそのまま、引きずってでも避難所へ連れて行くから!!」
【わかりました!!】
だだだだっと勢いよく駆け抜けるオーガの少女に中々追いつけないが、この様子は相当必死になっていることがうかがえるだろう。
ならば生半可な方法で引き止められないだろうし、行かせるだけ行かせて、隙を伺うしかない。
問題は、どう考えても大問題しか起きていないっぽい場所へ向かっていることだが…危なくなったら全力で逃げたほうが良いだろう。
とにもかくにも、被害に遭う前に確保を試みるようにして、必死になって追いかけるのであった…
【かひゅっ‥‥ぜぇ…ぜぇ…皆、ミーより早いの…なの】
【ああ、ようやく追いついてきましたか、カトレア。すみませんが…剥がすの、手伝ってくださイ】
【何をどうして、そんな叩きつけた果汁状態になるのなの?】
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