115 / 178
面倒事の拭い去りは拒絶したくとも
log-107 脅威は目のように
しおりを挟む
…一時の平穏と言うのは、あっけなく崩壊するもの。
雪が静かに降り始め、冷え込んでくる頃には、その崩壊の足音は迫ってきていた。
ズゥン、ズゥンズンズンズンズンズン!!
雪が降りつつある中、雪原を爆走する凶悪な人影。
その地響きや駆け抜けることで大地が踏み抜かれて砕け散る様は、遠距離からでも確認できるだろう。
すぐさま、異常を察知した者たちが駆け付け食い止めようとするが…
【ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
「「「ぎゃあああああああああああ!!」」」
弾き飛ばされ、あたり一面に止めようとした者たちは散らばっていく。
「な、なんだよあれは一体!!」
「どう見てもモンスターっぽいが、明らかに只者じゃねぇ!!」
何が目的なのか、すぐには理解できないだろう。
だがしかし、それでも確実に何か良からぬ輩であることはわかってしまい、それを食い止めようと人々は動く。
しかし、まるで落雷のような轟音を立てて疾走する怪物を泊めることはできない。
その脅威はすぐに伝えられ、対策を立てる合間にも進撃していくだろう…
【…なぬ?ヤバそうな化け物が王都に向かってきているだと?】
「それで今、騎士団に出動命令が出ております!!ご協力をいただけるのであれば、ルミ殿にもお願いしたいのですが…」
…グラビティ王国の王都内、騎士団の練習場。
そこでは今、ルミが騎士たちを相手にして試合を行っていたのだが、緊急の伝令が回ってきた。
いわく、今まさに王都へ向けて進軍しつつあるモンスターがいるらしく、食い止めることが出来ていないらしい。
王都自体には不測の事態に備えて周囲を壁で囲まれているが、それを突破される可能性も非常に高いそうだ。
【とはいえ、一応我は主殿の従魔ゆえに、許可はそちらで願いたいが…相当不味い状況か】
この場所に入り浸っているとはいえ、ルミ自身はジャックの従魔。
騎士団に所属しているわけではないのだが…緊迫した様子から、猶予がないことがうかがえた・
【あとで、主殿に説明するか…いや、そもそも、主殿の住まうこの地に対しての侵攻となれば、率先して出るべきか】
ひとまずはジャックにもこの連絡を入れてもらうようにしつつ、すぐにルミは動く。
「協力感謝いたします!!」
【主殿のためを思って動くだけだからな。流石に手に負えぬような輩が出てきたら、危険だがな…】
「なぁ、彼女にとって手に負えないような相手が出ると思うか?」
「思いっきりデュラハンだからな…ガチの戦闘なら相手にせずに逃げたくなる気がするぞ」
「死の宣告とか、生者にとっては相当ヤバいのも秘めているからな…」
そんな彼女の言葉に対してツッコミを入れたくなる騎士もいるが、今は非常事態。
迫りくる脅威へ向けて、考えるよりも先に行動に移していくのであった…
【…にしても、確かに嫌な気配がしてきたな。この感じは…まさか…】
雪が静かに降り始め、冷え込んでくる頃には、その崩壊の足音は迫ってきていた。
ズゥン、ズゥンズンズンズンズンズン!!
雪が降りつつある中、雪原を爆走する凶悪な人影。
その地響きや駆け抜けることで大地が踏み抜かれて砕け散る様は、遠距離からでも確認できるだろう。
すぐさま、異常を察知した者たちが駆け付け食い止めようとするが…
【ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
「「「ぎゃあああああああああああ!!」」」
弾き飛ばされ、あたり一面に止めようとした者たちは散らばっていく。
「な、なんだよあれは一体!!」
「どう見てもモンスターっぽいが、明らかに只者じゃねぇ!!」
何が目的なのか、すぐには理解できないだろう。
だがしかし、それでも確実に何か良からぬ輩であることはわかってしまい、それを食い止めようと人々は動く。
しかし、まるで落雷のような轟音を立てて疾走する怪物を泊めることはできない。
その脅威はすぐに伝えられ、対策を立てる合間にも進撃していくだろう…
【…なぬ?ヤバそうな化け物が王都に向かってきているだと?】
「それで今、騎士団に出動命令が出ております!!ご協力をいただけるのであれば、ルミ殿にもお願いしたいのですが…」
…グラビティ王国の王都内、騎士団の練習場。
そこでは今、ルミが騎士たちを相手にして試合を行っていたのだが、緊急の伝令が回ってきた。
いわく、今まさに王都へ向けて進軍しつつあるモンスターがいるらしく、食い止めることが出来ていないらしい。
王都自体には不測の事態に備えて周囲を壁で囲まれているが、それを突破される可能性も非常に高いそうだ。
【とはいえ、一応我は主殿の従魔ゆえに、許可はそちらで願いたいが…相当不味い状況か】
この場所に入り浸っているとはいえ、ルミ自身はジャックの従魔。
騎士団に所属しているわけではないのだが…緊迫した様子から、猶予がないことがうかがえた・
【あとで、主殿に説明するか…いや、そもそも、主殿の住まうこの地に対しての侵攻となれば、率先して出るべきか】
ひとまずはジャックにもこの連絡を入れてもらうようにしつつ、すぐにルミは動く。
「協力感謝いたします!!」
【主殿のためを思って動くだけだからな。流石に手に負えぬような輩が出てきたら、危険だがな…】
「なぁ、彼女にとって手に負えないような相手が出ると思うか?」
「思いっきりデュラハンだからな…ガチの戦闘なら相手にせずに逃げたくなる気がするぞ」
「死の宣告とか、生者にとっては相当ヤバいのも秘めているからな…」
そんな彼女の言葉に対してツッコミを入れたくなる騎士もいるが、今は非常事態。
迫りくる脅威へ向けて、考えるよりも先に行動に移していくのであった…
【…にしても、確かに嫌な気配がしてきたな。この感じは…まさか…】
42
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説

兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。



自分の家も婚約した相手の家も崩壊の危機だと分かったため自分だけ逃げました
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
ミネルヴァは伯爵家に養女として引き取られていたが、親に虐げられながら育っていた。
侯爵家の息子のレックスと婚約させられているが、レックスの行動を見て侯爵家は本当は危ないのでは?と嫌な予感を抱く。
調べたところレックスの侯爵家は破綻寸前であることがわかった。
そんな人と心中するつもりもないミネルヴァは、婚約解消をしようとするがどうしても許してもらえないため、家と縁を切り自分だけ逃げることにした。

先にわかっているからこそ、用意だけならできたとある婚約破棄騒動
志位斗 茂家波
ファンタジー
調査して準備ができれば、怖くはない。
むしろ、当事者なのに第3者視点でいることができるほどの余裕が持てるのである。
よくある婚約破棄とは言え、のんびり対応できるのだ!!
‥‥‥たまに書きたくなる婚約破棄騒動。
ゲスト、テンプレ入り混じりつつ、お楽しみください。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる