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面倒事の拭い去りは拒絶したくとも
log-101 冷え込む中の粉雪で
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―――冷え込みが日々強まり、本格的な魔冬の季節が到来を目論んでいた。
字面が「真」冬ではなく「魔」冬なのはツッコミを入れたいところだが…実は、案外間違っていないことでもあるらしい。
「ガチ目の冬将軍…いや、大雪の時にしないモンスターの出現情報があると?」
【そのようですネ。そのため、この時期討伐依頼が減少する冒険者たちは、そちらの方の討伐を優先する傾向にあるようでス】
ぱちぱちと休日の中、邸の暖炉で暖を取る中で、ファイが面白い情報を持ってきた。
【討伐対象は、なんでしょうか?】
【『ユキンコユキユキ』という、寒い時期にしか見られないという雪のモンスターですね】
―――
『ユキンコユキユキ』
ほわほわとした見た目が粉雪のような愛くるしいモンスター。
愛くるしさがあるがその見た目とは裏腹に周囲の気温をガンガンと下げまくり、一説によれば冬の寒い時期が続くのはこのモンスターが大量に湧き出てくるからではないかとも言われている。
しかも気性が荒く、近づく相手には体当たりで攻撃を行ってくる。
火には弱いために倒すのは苦労しないが、それでもそれなりの数がいるため殲滅は難しい。
―――
…ケセランパセランとかの、凶悪なバージョンかな?
とにもかくにも今は、そのモンスター討伐のために動いている人が多く、この時期だと物流とかもそこまでなく、ギルド内も暇になるため職員も少しばかり休暇を取りやすいらしい。
それどころか、ケセランパセラン討伐に向かう人もいるようで、人員が結構薄いのだとか。
「職員が討伐に向かうの?」
【倒し方が非常に楽なモンスターですからネ。ちょっと火を当てるだけで倒せますので、魔石での小さな小遣い稼ぎぐらいはする人がいるのでス】
【ああ、一応れっきとしたモンスターなら魔石があるから、それが目当てなのか】
【確かに、それなら楽そうですね…あれ、熱に弱いならファイの光線でもやれるような…】
【可能と言えば可能ですヨ。広範囲殲滅の技もあるので、一網打尽にできるかト】
やろうとおもえば広範囲に大量の光線を降り注がせ、消し飛ばすこともできるらしい。
ただ、この寒い時期の貴重な収入源にもなるため、やり過ぎないように程々にしかやらないようにと言う注意も出ているようだ。
「そりゃ、楽ならなぁ…でもちょっと、見てみたいかも」
冷える原因になるモンスターだし、気性の粗さも怖いが、見た目は愛くるしいと聞く。
少しだけであれば、その姿を見たくもなる。
【んー、その位のモンスターなら、私たちもいけば大丈夫そうですね】
【あ、ミーは留守番したいのなの。そのモンスター、知識内だと木々をかじるから大っ嫌いなの】
【我も行きたいが…このあの世の炎は冷たい方だから、逆にそいつをパワーアップさせないか不安なところがあるから、止めておこう】
【あたしは大丈夫だヨ。マスター、それならこの面子で行こうか?】
急ぐ用事も無く、出現場所も王都の付近。
なので、そのままジャックたちは向かってみることにした。
「これ、凄いもこもこしてあったかいね」
【ふふふ、しっかりとした寒さ対策のために、ジャックに寸法を合わせた防寒具を用意していましたからネ。これ、カトレアから提供してもらった『熱炎草』を仕込んでいますので、ちょっとここのボタンから、少しだけ水筒の水を流せば…】
「…なんかさらに、じんわりとした温かさが出てきたかも」
【確か、水に反応して熱を持つ薬草ですネ。火傷もしない程よい暖かさがあって、寒さが厳しい地域では高値で取引されますが、生産量が少ないものですヨ】
地域によっては貴重な薬草が混ぜ込まれているらしく、寒さに関してバッチリとした対策が出来ている模様。
この熱はユキンコユキユキにも対応できるようで、張り付かれても溶かせるようだ。
「というか、防寒具じゃなくても風呂とかにも良いかもね。湯冷めしにくそうだし、スープとか暖かい食べ物が冷めるのを利用できそう」
【実際、そのような利用方法はありまス。雪国のほうの貴族の中には、たっぷりと布団の中に入れて寒さをしのいだりするようでス】
「ああ、やっぱり」
【ですが、永遠に熱を持つわけでもなく、時間がたてば冷めますし…何よりもその冷暖によるせいなのか、ぶっ倒れてしまう方もいるようですけれどネ】
「ヒートショックが起きているのか…」
扱い方を守れば程よい暖房器具になるが、一歩間違えれば命を奪いかねないものにもなるようだ。
正しい扱い方をしっかりと心がけつつ、ジャックたちはユキンコユキユキの姿を見るために王都の外に出るのであった…
「うぉぉ…ハクロさん、今日もきれいになっているなぁ…」
「ファイさんも良いよ良いよ、あの人…人?ギルドで馬鹿やらかす人にはすっごい冷徹な目で見るのが良くて…」
「…衛兵たちに普通に許可貰えて出られたけど、ハクロ達のほうを見ていたね」
【なんか、ファイのほうに変なファンのような方が付いていないですかね?】
【正直言って、モンスターより人間のほうが業が深いなって思う時があル】
…彼女たちに対するファンも地道についてきているらしいが、大丈夫かなアレ。変な性癖の扉、開かせていないよね?
字面が「真」冬ではなく「魔」冬なのはツッコミを入れたいところだが…実は、案外間違っていないことでもあるらしい。
「ガチ目の冬将軍…いや、大雪の時にしないモンスターの出現情報があると?」
【そのようですネ。そのため、この時期討伐依頼が減少する冒険者たちは、そちらの方の討伐を優先する傾向にあるようでス】
ぱちぱちと休日の中、邸の暖炉で暖を取る中で、ファイが面白い情報を持ってきた。
【討伐対象は、なんでしょうか?】
【『ユキンコユキユキ』という、寒い時期にしか見られないという雪のモンスターですね】
―――
『ユキンコユキユキ』
ほわほわとした見た目が粉雪のような愛くるしいモンスター。
愛くるしさがあるがその見た目とは裏腹に周囲の気温をガンガンと下げまくり、一説によれば冬の寒い時期が続くのはこのモンスターが大量に湧き出てくるからではないかとも言われている。
しかも気性が荒く、近づく相手には体当たりで攻撃を行ってくる。
火には弱いために倒すのは苦労しないが、それでもそれなりの数がいるため殲滅は難しい。
―――
…ケセランパセランとかの、凶悪なバージョンかな?
とにもかくにも今は、そのモンスター討伐のために動いている人が多く、この時期だと物流とかもそこまでなく、ギルド内も暇になるため職員も少しばかり休暇を取りやすいらしい。
それどころか、ケセランパセラン討伐に向かう人もいるようで、人員が結構薄いのだとか。
「職員が討伐に向かうの?」
【倒し方が非常に楽なモンスターですからネ。ちょっと火を当てるだけで倒せますので、魔石での小さな小遣い稼ぎぐらいはする人がいるのでス】
【ああ、一応れっきとしたモンスターなら魔石があるから、それが目当てなのか】
【確かに、それなら楽そうですね…あれ、熱に弱いならファイの光線でもやれるような…】
【可能と言えば可能ですヨ。広範囲殲滅の技もあるので、一網打尽にできるかト】
やろうとおもえば広範囲に大量の光線を降り注がせ、消し飛ばすこともできるらしい。
ただ、この寒い時期の貴重な収入源にもなるため、やり過ぎないように程々にしかやらないようにと言う注意も出ているようだ。
「そりゃ、楽ならなぁ…でもちょっと、見てみたいかも」
冷える原因になるモンスターだし、気性の粗さも怖いが、見た目は愛くるしいと聞く。
少しだけであれば、その姿を見たくもなる。
【んー、その位のモンスターなら、私たちもいけば大丈夫そうですね】
【あ、ミーは留守番したいのなの。そのモンスター、知識内だと木々をかじるから大っ嫌いなの】
【我も行きたいが…このあの世の炎は冷たい方だから、逆にそいつをパワーアップさせないか不安なところがあるから、止めておこう】
【あたしは大丈夫だヨ。マスター、それならこの面子で行こうか?】
急ぐ用事も無く、出現場所も王都の付近。
なので、そのままジャックたちは向かってみることにした。
「これ、凄いもこもこしてあったかいね」
【ふふふ、しっかりとした寒さ対策のために、ジャックに寸法を合わせた防寒具を用意していましたからネ。これ、カトレアから提供してもらった『熱炎草』を仕込んでいますので、ちょっとここのボタンから、少しだけ水筒の水を流せば…】
「…なんかさらに、じんわりとした温かさが出てきたかも」
【確か、水に反応して熱を持つ薬草ですネ。火傷もしない程よい暖かさがあって、寒さが厳しい地域では高値で取引されますが、生産量が少ないものですヨ】
地域によっては貴重な薬草が混ぜ込まれているらしく、寒さに関してバッチリとした対策が出来ている模様。
この熱はユキンコユキユキにも対応できるようで、張り付かれても溶かせるようだ。
「というか、防寒具じゃなくても風呂とかにも良いかもね。湯冷めしにくそうだし、スープとか暖かい食べ物が冷めるのを利用できそう」
【実際、そのような利用方法はありまス。雪国のほうの貴族の中には、たっぷりと布団の中に入れて寒さをしのいだりするようでス】
「ああ、やっぱり」
【ですが、永遠に熱を持つわけでもなく、時間がたてば冷めますし…何よりもその冷暖によるせいなのか、ぶっ倒れてしまう方もいるようですけれどネ】
「ヒートショックが起きているのか…」
扱い方を守れば程よい暖房器具になるが、一歩間違えれば命を奪いかねないものにもなるようだ。
正しい扱い方をしっかりと心がけつつ、ジャックたちはユキンコユキユキの姿を見るために王都の外に出るのであった…
「うぉぉ…ハクロさん、今日もきれいになっているなぁ…」
「ファイさんも良いよ良いよ、あの人…人?ギルドで馬鹿やらかす人にはすっごい冷徹な目で見るのが良くて…」
「…衛兵たちに普通に許可貰えて出られたけど、ハクロ達のほうを見ていたね」
【なんか、ファイのほうに変なファンのような方が付いていないですかね?】
【正直言って、モンスターより人間のほうが業が深いなって思う時があル】
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